アルファベット


A.S.A.P

涼月の持つライターに刻まれた文字。英語のアズ・スーン・アズ・ポシブル(可能な限りさっさとやれ)の略。

AP

過塩素酸アンモニウムの略。古くはロケット推進燃料にも使用された化学物質で、その着火点は六百四十八度ケルビン。毒性の強い劇薬である。

BVT(憲法擁護テロ対策局)

オーストリアの治安組織を束ねる内務省直属の機関。本局はミリオポリス第一区に存在し、憲兵・公安・各地方警察組織などオーストリア内の全治安組織はBVTの管理下におかれている。

BYSM(バイシム)

色相表示のひとつ。B(ブラック)、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)の五色の組み合わせで色を数値化する。その範囲は理論上無限。

D101エンデュミオン号

文化委託によって市の財産化された蒸気機関車。もとは日本及び三カ国の歴史遺産だった。第二次世界大戦期に日本が開発した軍事貨物用機関車を戦後旅客用に改造し、のち観光用に改造されたものをミリオポリスが文化委託用に改造した――ようするに原型をとどめていない代物。市内数ヶ所の駅を周遊している。

EI兵器 NEW!

テロリストの用いる遠隔操作兵器。EI(アイ)とはドイツ語で卵を意味する言葉である。車輪のついた卵型の自走機銃〈レダの卵〉の他、より大型の多機能戦術型〈タイタノマキア〉や強襲型〈ギガントマキア〉などが確認されている。(※レダはギリシャ神話の登場人物。タイタノマキア・ギガントマキアは共にギリシャ神話に登場する神々の戦争)

KSE

特甲児童の脳内チップを通して脳視覚野に直接表示される、<仲間に打撃が与えられた(コレーゲ・シュラーク・エアライデン)>ことを意味する表示。より深刻なダメージを負った場合は<深刻な打撃(エルンスト)>を意味するKSE-Eに変化する。小隊長には隊員のKSE信号が最優先で伝達される。

MA-DE

聖書に書かれる〈マニフェスト・ディスティニー(明白なる使命)〉を意味する四文字。ヨーロッパ・アフリカ方面に派遣されたCIA局員たちの合言葉でもある。またドイツ語でMADE(マーデ)はうじ虫を意味する言葉でもある。

MPB(ミリオポリス憲兵大隊)

国家憲兵隊内に編成された治安部隊。突出した重武装でミリオポリス内における凶悪犯罪の対処任務を遂行する。マスターサーバー〈刕(レイ)〉及び特甲児童を占有する数少ない組織のひとつであり、MPB特甲遊撃小隊〈猋(ケルベルス)〉が所属している。

MSS(ミリオポリス公安高機動隊)

公安機関から独立して組織された特殊部隊。特出した情報収集力によりテロ対策任務を遂行する。マスターサーバー〈瞐(バク)〉及び特甲児童を占有する数少ない組織のひとつであり、MSS特甲要撃小隊〈焱の妖精(フォイエル・スプライト)〉を擁する。

N・O

フランス語でノブレス・オブリージェン(高貴ゆえの義務)の略。戦犯法廷の証人の一人であったミッターマイヤーの指輪にこの文字が刻まれていた。

ORF

オーストリア公共放送。オーストリアのTV局。

PDA

個人携帯用情報端末。手のひらサイズのPCともいえる電子機器で、作中では携帯電話・スマートフォン等に代わり個人用端末として広く普及している。展開式の液晶画面・投影式のインターフェイス・高速回線などかなり高性能な模様。(なお、劇中にはPDAとは別に普通の携帯電話も登場している)

P38拳銃(ピストーレ38)

ドイツの銃器メーカー、カール・ワルター社が開発した自動式拳銃。ナチスドイツ陸軍に正式採用されていた拳銃として有名。そのため作中ではナチス親衛隊を連想させる小道具として<ローデシア>首領であるハンス・W・クラインが使用している。(日本ではワルターP38の名で知られている。またスプライトⅣでアブドゥル将軍が所持していた黄金の拳銃もこのP38拳銃である)

R.I.P NEW!

欧米の墓標に刻まされる言葉。意味はラテン語で〝安らかに眠れ〟。

SANAGI

接続官用に設計された特甲躯体プラン。特甲児童の設計開発顧問メンデル博士が考案した「電子戦においては手足の方が羽に従う」という考えを実現化したもの。展開された〈羽〉が使用者の体全体を包み込む蛹に変化する。本来はブッペ(操り人形)の意だったが、たまたま検索サイトがブッペ(サナギ)を表示したことからこの名がついた。

T.V.T.B

イタリア語の「ティ・ヴォッリョ・タント・ベーネ(私はあなたが大好きです)」の略。陽炎が自分の部屋で見つけたネコのぬいぐるみに書かれていた文字で、その謎を解明するために〈ムージル邸の銃撃戦〉を巻き起こす羽目になった。

UW

ユーバーヴィンデン(克服あれ)の略字。ライフル友愛会の合言葉であり、友愛会員はこの文字を刻印された指輪を所持していた。(※正しくはUの上にウムラウトがつきます)

4JO(フィアー・ヨット・オー)

かつてオーストリアが極秘裏に開発した機械化キメラウイルス。遠隔操作で感染経路や症状を自在に変化されることが可能で、GPSのように感染者を追跡することもできる。、また、除去するためには専用の自壊プログラムが必要となる。元は政府が〈トロイの木馬〉として用いる為開発されたが、開発中に盗み出され中止されていた兵器。盗まれたウイルスが〈山猫事件〉において使用され、国連都市内で11名の政府高官が4JOによって殺害された。

あ行


■アームスーツ

操縦者の全身を覆うロボットスーツで、身体障害者用支援機器であった技術が軍事転用された代物。すでに米軍が黒山羊のような外見の〈サテュロス〉型アームスーツを採用しており、〈戦犯法廷事件〉においてテロ組織に悪用された。テスタメントシュピーゲル以降はMSSも水牛のような〈ミノタウロス〉型アームスーツを購入している。

■〈アイギス〉

〈山猫事件〉後にMSSが導入した新兵科。名前はギリシャ神話の戦の女神アテーナーが持つという盾に由来する。セーフガード車両と呼ばれている。本部の情報解析課に等しい電子戦によって情報汚染から現場の隊員たちを守る電子の盾。なお水無月は接続官である自分こそが要撃小隊を情報汚染から護る真の〝アイギス〟だと自負している。

■青い馬のバッジ

機械化児童の専門職コース=訓練学校で一番優秀な成績を修めた児童に贈られる勲章。青い馬は黙示録に登場する〝青ざめた馬〝に由来する。訓練学校が設立された当初、国防省が訓練学校を海外派兵のための徴兵機関とすることを目論んで行った施策で、このバッジ入手した者は軍の所有物として戦場送りになる仕組みだった。後に訓練学校の主導権が内務省に移ったため廃止されている。

■十人のお喋り屋たち(ア・テン・トーカーズ)

欧州の裏社会に存在する武器密売の巨大なネットワーク。ア・トーカーズ・ネット(お喋り屋たちのネットワーク)のアナグラムであり、またアンテ・トーカーズ(お喋りの前にあるもの)すなわち〝真実〟を〝沈黙〟でもって隠蔽する、暗黒社会の沈黙の守り手である。

■〈アルタルフ〉 NEW!

雛が敵のAP爆弾に搭載された犠脳ユニットを回収し、自身の戦力としたもの。名前の由来は蟹座のベータ星アルタルフ。アラビア語で「終わり」という意味を持つ。

■〈アルレッキーノ〉

イタリア黒手組内の過激派集団。脅迫やゆすりの実行グループであり、〈リスト〉に関係した人間の暗殺を行っている。メンバーはベネチアンマスクと白いタキシードを着用している。

■〈アンタレス事件〉

2016年2月にミリオポリスを襲った未曾有のテロ事件。ロシアの人工衛星〈アンタレス1140号〉がウィーンの森に落下したことから事件が始まり、七つのテログループが共謀し衛星の原子炉から核兵器を製造――その都市内での使用を企てたが、MPBやMSSの活躍によって阻止された。詳細はオイレンシュピーゲル弐+スプライトシュピーゲルⅡを読んでね♪

■医師狙撃事件

2010年5月にミリオポリスで起こった事件。中絶反対派の過激な超保守主義者によって中絶手術に関した論文を共同で発表した五名の医師が殺害された。市内のライフル友愛会が容疑者とされたものの、そのメンバーが次々と不幸に襲われたため誰一人として法廷に立つことはなく、真相不明のままBVTによる捜査は打ち切られている。

■一触即発通り

ミリオポリス第二十五区と第二十六区の境界に存在する通りの通称。黒人街や中華街・イタリア人街・クルド人街・トルコ人街・日本人街・スラブ系・ハンガリー系・ルーマニア系など、様々な人種の移民者住居が隣接しており、日常的に衝突が絶えないことからこの名がついた。

■〈インフィニティ〉

ゲノム解析によって世界的に遺伝子差別の風潮が高まるなか、〝修行によって遺伝病を克服できる〟という趣旨の教義を掲げ勢力を拡大したカルト教団。非合法に脳内チップ移植手術を行い死者を出したことから公安に捜査され、それを拒否した狂信者たちがウィーンの森でAP爆弾による集団自決を行った。一度は壊滅したとみられていたが、教祖の親族によって再建されている。

■〈白き盾(ヴァイスシルト)〉

〈アンタレス事件〉に関わった七つのテログループのひとつ。オーストリア軍内部に浸透する勢力であり、事件の最終段階まで実行を下部組織である極右グループ〈純粋兵士(ラインゾルダート)〉に任せていたため、マスターサーバーの捜査でも正体が判明しなかった。

■ウィーン州

オーストリア連邦の州のひとつであり首都。都市単独でひとつの州であり、ウィーン州=ミリオポリス市(旧ウィーン市)である。そのため政治的にもウィーン州議会とミリオポリス市議会のふたつの行政機関が存在する二重行政となっており、政策や管轄区分などで頻繁に対立し、トラブルの種となっている。なおウィーン州は地理的にはニーダーエスターライヒ州内にある、世界的にも珍しい「州の中に別の州がある」形態である。(※テスタメント2からウィーン州議会=市議会と設定変更され市議会は存在しなくなった模様)

■ウィーン中央墓地 NEW!

第十一区にあるオーストリア最大の霊園墓地。欧州屈指の歴史ある霊園であり、ベートーベンやヨハン・シュトラウスをはじめとした著名な音楽家や芸術家・政治家が埋葬されていることから観光地としても有名である。設立時に掲げられた「どの故人も国籍・宗教に関らず埋葬する」理念に乗っ取り、埋葬者は実に300万人にのぼるとされる。

■ウィーンの森

ミリオポリス西部に広がる広大な森林地帯。広さは約1000平方キロメートルに及び、〝森〟と呼ばれるが実際は北アルプスの最北部を含む山々である。人工衛星〈アンタレス1140号〉の落下地点である他、〈ウラジャーイ〉や〈インフィニティ〉の拠点が存在するなど作中でも重要な地域。

■ウィーン・シュベハト国際空港

ミリオポリス第三十五区に存在する国際空港。都市の南端でありオーストリアの玄関口といえる重要施設。そのため空港内は〈空港航空保安局(フルーク)〉の他に〈特殊憲兵部隊(コブラ・ユニット)〉が常駐して警備にあたっている。施設の南にはMPBが接収した前線基地〈空港広場(フルークハーフェン・プラッツ)〉やオーストリア軍の訓練施設が存在する。(※現実ではウィーン州でなくニーダーエスターライヒ州にある空港。作中では州境の拡大により晴れてウィーン州内の空港となっている)

■ヴィエナ・タワー

ミリオポリス第二十一区、通称〝超高層ビル特区〟に建造された超々高層ハイテクビル。高さ667メートル、地上140階建て。市内で最も高いビルである。その建造には市も多大な出資を行ったとされ、その予算が「高齢者や社会的弱者の福祉予算を削って捻出されたのではないか」と様々な観点で議論の対象になっている。〈アンタレス事件〉によって治安組織の独断により破壊された(公的にはテロによって破壊されたことになった)が、テスタメントシュピーゲルでは社会党の新たな公約としてタワーの再建造計画が発表されている。

■〈山猫(ヴィルトカッツェ)事件〉

2016年3月の聖木曜日~聖金曜日にかけて発生したテロ事件。元オーストリア軍特殊部隊〈山猫(ヴィルトカッツェ)〉の隊員たちが、国家の国防体制そのものを揺るがすためミリオポリス市内の複数個所でテロを行った。〈山猫〉の目的は一連のテロによって政府の隠す〈リスト〉の秘密を白日の下に晒すことだったが、プリンチップ社に操作され都市内の敵性転送システム構築に利用された。全部隊員の死亡とリヒャルト・トラクルの逮捕によって事件は終息するものの、主犯格サードアイは逃走し多くの謎は未解明のままとなった。

■〈ウラジャーイ〉

〈アンタレス事件〉に関わった七つのテログループのひとつ。ロシアの反体制犯罪シンジケートで、ロシア語で〝収穫(または豊作)〟を意味する名の通り金になるなら何でもやる組織。元軍人や情報局員が所属し、高度な技術を悪用している。ロシア特務官ユーリー・スタリツキー中佐率いる部隊に拠点を襲撃され、オーストリア内の勢力は壊滅したと思われる。

■春秋分点(エクイノックス)

一年において昼と夜の長さが等しくなる日のこと(春分/秋分)。また春分点/秋分点は春秋分における太陽の位置を指す。エクイノックス(英equinox)は「等しい夜」という意味を持つラテン語が語源になっている。脳内チップに係る素数によってもたらされる精神的な調和も上記の語源になぞらえて『精神的〝春秋分点〟』と呼ばれている。

■エシュロン

アメリカの誇る世界的な軍事用通信傍受システム。NSA(国家安全保障局)を主体にアメリカと複数の賛同国によって運営されているとされる。(※現実ではアメリカ政府が実在を認めていない一種の〝都市伝説〟であるが、作中では治安機構による盗聴が世界的に合法となっており、エシュロンの存在も公表されている)

■エルファシル紛争

2016年にアフリカのスーダン共和国で発生した大規模な紛争。ダルフール地方のエルファシル都市区で72時間に4万人が虐殺された。政府が雇ったアラブ系バッガーラ人の民兵が主にアフリカ系フール人を殺戮し、総数七万人におよぶ死者を出した。

■エルメンライヒ建設

ヴィエナ・タワー建造を請け負った企業。しかし、最高経営責任者のヴィンツェル・エルメンライヒ氏は<白き盾>の首魁でもあり、ヴィエナ・タワーを密かに核弾頭〈666〉を起爆される爆縮装置、つまり核兵器そのものになるよう作らせていた。

■オーストリア国防軍

オーストリアの国軍。連邦大統領及び国防省によって管理される。陸軍のみの単一軍制で、空軍も陸軍に所属している。内陸国のため海軍は存在しない。(※現実のオーストリア軍は陸軍と空軍の二軍制であり、管理も国防・スポーツ省なので注意)

■オーストリア共和国

ヨーロッパの連邦共和制国家。シュピーゲルシリーズの舞台・ミリオポリスはその首都である。9つの州による連邦共和制をしいており、国民議会と連邦議会による二院制の議会制民主主義国。国家元首である連邦大統領と、連邦政府のトップである連邦首相がいる。公用語はドイツ語。EU加盟国で通過は主にユーロが使用される。BVTのほか作中に登場する治安組織はオーストリア内務省及び内務大臣によって統括されている。

■〈飾り耳(オーア)〉

特甲児童の頭に装着される機器。動物の耳や昆虫の触覚を模した外見を持つヘッドセットで、抗磁圧により形成される〝見えないヘルメット〟が頭部や胴体部を保護するため、全身に機甲をまとわなくても安全に戦うことができる。また、抗磁圧は空中機動時の風圧低減などにも活用されている模様。ただし、最大にすると空気を遮断してしまうので、呼吸ができなくなる。

■〈オルフェウス〉ユニット NEW!

カール・クラウスの所有する犠脳ユニット。外観は銀色をしたバスケットボール大の球体。小型だがマスターサーバーに比肩する解析力を持つ。正体は特甲児童初出撃において戦死したと思われていた螢・ヘレン・トローベルの大脳。螢の人格を持つが、人間らしい感情はほぼ失われている。名前の由来はギリシャ神話に登場する同名の吟遊詩人から。

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最終更新:2017年01月27日 13:03