夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

アルミン・アルレルト&アサシン

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『エレン、いつか外の世界を、探検できるといいね……』



――――何かを捨て去ることが出来るものだけが、何かを手にすることが出来る。






背後に蠢く人並み。
それらを無視し、アルミン・アルレルトは眼前に広がる巨大な水たまりを見つめ続けた。
舐める。
味覚を刺激するしょっぱさが広がり、ペッ、と吐き出した。
世界。
これこそが世界なのだろうか。

「感動かね?」

そんなアルミンへと、背後から声がかかる。
ゆっくりと振り向いた。
そこには、アルミンによって召喚されたアサシンのサーヴァントが立っていた。
道士服に身を包んだ、アルミンよりも低く、アルミンよりも細い矮躯。
アルミンが強く押せば、ひょっとするとそれだけで死んでしまうのではないか。
そんな考えを抱いてしまうほどの身体。
しかし、それでいてアルミンでは絶対に叶わない存在。
巨大な人間に勝てないことは当然のことだ。
アサシンはそうではない。
小さいにもかかわらず、巨大な人間でも叶わない。
そんな超常者であるはずのアサシンは、笑っていた。
ただでさえ細い目と、ただでさえ皺苦茶の顔に造られた笑み。
もはや顔に皺があるというよりも、首の上に皺が載っているといった具合だった。

「なんだか、信じられません」

アルミンは呆けた顔で自身のサーヴァントへ応える。
アサシンは、やはり皺苦茶の喉を動かして、『フォッフォッ』と低い声で笑う。
不快ではなかった。
今はもう居ない祖父を思い出す、心地よさすら感じる年長者の穏やかな笑みだった。

「世の中信じられないことだらけ。それを信じてみるのが始まりの一歩」
「そんなこと皆知ってるのに、なんで僕らは出来ないんだろう。
 疑うことすら、なんで出来ないんだろう」
「そこはそれよ、世界とやらが一枚上手なだけよ」

深い声でアサシンは言う。
この世の全てを知っているような声だった。
アルミンは、再び亡き祖父を連想した。
恐らく、アルミンの六倍は生きていたはずの祖父の、その倍は生きているように見える風体。
アルミンにとっては遠すぎて、大きな違いがあるはずのその二人が同じものに見えた。

「世界が構築した理を否定したつもりでも、世界の理に騙されておる。
 前に一歩進んだつもりが、後ろに一歩下がっている。
 世界を超えたつもりが、実際は釈迦の手の中」
「シャカ……?」
「世界の理から抜けだした、人々が目指すべき姿……と、されておる。
 『覚醒』という事柄に関しては、儂をして遠い人物よな」

アサシンは再び笑い声を上げた。
アルミンはその言葉を重く聞いていた。
全てが重要な言葉であるように思えた。



「さて、マスターは世界が突きつけてきおった『何』を否定するのかの?」

アサシンが問いかける『本題』。
試すような、嘲りと十分に取れる笑い。
見たことのなかった『海』という概念を直視した時。
アルミンが漠然と抱いた『やり直し』に基づく『願い』とはなんなのか。

「僕は、世界を旅がしたい」
「ほほう」
「そこには、こんな海があって、こんな街があって、僕『達』の知らない世界が広がっている」

大切な親友である、エレン・イエーガーにいつか語った言葉。
世界の広さと、壁の中の狭さを語る言葉。
夢に彩られていた、幻想の言葉。

「僕は、あんな世界、嫌だ……エレンも居ない、残酷な世界」

ミカサの言葉だっただろうか、それとも、誰の言葉でもない、自身が抱いた想いだっただろうか。
いずれにせよ、アルミンは思い出した。
世界は、とても残酷なんだという真実を。
エレンは自分を助け、死んだ。
もう二度と、エレンとは会えない。
世界を旅しようと約束した、誰よりも大切な友達を失った。
自分の、情けなさで失った。

アルミンは深い哀しみよりも、呆気に取られ、棒立ちになり続けた。
巨人はアルミンを襲おうとはしなかった。
そのまま、ずっと呆けていて――――気づけば、聖杯戦争に招かれていた。

「本気ってわけね」

アサシンは容姿から察せられる重ねた年月には似つかわしくない、軽い口調で応えた。
快活とした笑み……なのだろう。
理を活かす武人として究極の位にあるアサシン。
世界の理に、感覚的な意味では最も近い存在。

「アサシンの、願いは?」

アルミンは問いかけた。
ともすると、そんなものはない、と返ってくるのではないかと思いながら。
しかし、アサシンは応えた。

「聖杯か……いや、そんな欲もなくなってきてたんじゃが」

アルミンの悲壮な願いを受け止めながら、アサシンはこともなくそう言った。
その言葉には、熱意というものはなかった。
アルミンからすれば、この超然とした老人に願いというものがある事自体が意外ではあったが。

「わしも呼ばれたくなってのぉ……
 受肉してやり直して、いっちょ、みんなから呼ばれてみようかな、なんて」
「どんな、称号なんですか?」

皺苦茶の顔を、さらにくしゃりと歪ませた。
顔というよりも皺の集まりと呼べる、本来ならば笑みだとすら分からないであろうその表情。
しかし、アルミンは確かにその顔が笑みであることがわかった。


アサシン――――郭海皇は確かに笑った。





「地上最強の生物」



世界の広さを知り、世界の広さから認められるその言葉。
アルミンは、胸が高鳴った。
同時に、その高鳴りをエレンと共有できない事実を思い出した。
広い世界の中で孤独を感じ、涙が流れた。



【クラス】
アサシン

【真名】
郭海皇@バキシリーズ

【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷E+ 魔力E 幸運C 宝具-

【属性】
秩序・中庸

【クラススキル】
気配遮断:-
暗殺者ではなく武術家である郭海皇は『暗殺者としての』気配遮断のスキルを持たない。
代替スキルとして『圏境』のスキルを持つ。

【保有スキル】
中国武術:EX
中華の合理。宇宙と一体になる事を目的とした武術をどれほど極めたかの値。
修得の難易度は最高レベルで、他のスキルと違い、Aでようやく"修得した"と言えるレベル。
中国武術とはすなわち郭海皇その人のことであり、郭海皇の一挙手一投足の全てが『中国武術の理』である。
本来は『中国武術』と呼べぬはずの動きでも、郭海皇が行ったのならば、それは『中国武術』となる。

心眼(真):EX
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す"戦闘論理"。
宇宙の理と合致した郭海皇は、極々限定的に因果を捻じ曲げ、ゼロであるはずの逆転の可能性を生みだす。
止まるはずのない、中れば即死を免れない最強の拳を『死ぬことで止めた』という逸話から生まれた。

圏境:A
気を用いて周囲の状況を感知し、また、自らの存在を隠蔽する技法。
極めれば天地と合一し、姿を自然に透け込ませる(透明化する)ことが可能になる。
郭海皇にとっては、気配遮断の代用にもなっている。

【宝具】
『半歩崩拳、あまねく天下を打つ』
ランク:- 種別:対界魔拳 レンジ:1 最大捕捉:1人
空間に存在するあらゆる『理』を操る対界魔拳。
中国武術が刻み続けて、ついに到達した、『四千一年目』。
浸透勁・消力を代表とする、この世に存在する『理』を老体に載せて行動する。
あらゆる攻撃を海に打ち込まれる弓矢のように無効化し、あらゆる防御を夥しい年月に晒された城壁のように無効化する。
しかし、郭海皇は根源へと到達した存在ではない以上、無効化できない神秘というものも当然として存在する。



【weapon】
中国武術そのものであるため、あらゆる武具を扱うことが出来る。
アサシンクラスであり、また、郭海皇自身が必要としないため、暗器などは聖杯戦争に持ち込んでいない。

【人物背景】

『慣例とは言え許されるのか。この最前線に加わりますッッ』
『百年経ったからまた来たよッッ正真正銘の本物ですッッッッ』
『齢、百と四十六ッッ前ッッ大擂台賽覇者ッッ』

『御起立下さいッッ未だ健在ッッ』

『海王中の海王ッッ』

『郭海皇その人ですッッ』


郭海皇とは史上最強の中国拳法家である。
中国武術の高位の達人に与えられる『海王』という称号の最高位である『海皇』の位を持つ。
一度は『理合』という中国拳法そのものを否定し、豪腕だけを持って中国武術家のトップに立った。
しかし、自身の腕の半分もない老人に手も足も出ずに敗北。
その後、その豪の暴力を捨て、理合を極める。
消しゴムほどの重さしか持たない眼鏡を壁に埋め込む打撃すら無効化する『理合』を手にする。
世界で最も強い老人。


【サーヴァントとしての願い】
受肉し、『地上最強の生物』と呼ばれてみる。

【基本戦術、方針、運用法】
暗殺者ではないが、自身の姿すらも消せる極めた理合を用いればマスターの暗殺も容易い。
また、筋力Eの細腕から繰り出される一撃必殺の打撃と、全ての攻撃を無効化する消力で敵サーヴァントとの決戦も十分に行える。


【マスター】
アルミン・アルレルト@進撃の巨人

【マスターとしての願い】
エレンとともに世界を旅する。

【weapon】
『立体起動装置』
アンカーが付いた二つのワイヤーの射出機が腰ベルトに付けられ、操作装置を兼用する剣の柄部分と繋がっている。
このワイヤーを打ち出し、壁や巨人の体に突き立てて高速で巻き取ることによって、素早い空中移動を可能にする。
カードリッジ式のガスボンベが燃料となっている。
自宅に幾つか予備のガスボンベ補給を所持している。

『剣(スナップブレード)』
前述の立体機動装置と連動している、正確には立体機動装置の操作装置を『柄』として剣を加えたもの。
「柄」は撃鉄、ブレーキレバー(制動操作装置)、二つのトリガー(引鉄)、二つの補助スイッチ(刃のリリースなど)を持ち、操作内容は柄尻から伸びる管を通して各所へ有線で送られている。
接続先は柄からアンカー射出装置基部、そこから別口で後方のガス供給弁の順。
刃の部分には特殊な製法で折れ筋が入れられており、折る刃式カッターナイフの刃を拡大延長したような外見をしている。
高負荷が掛かった際には簡単に折れる仕様で、これにより持ち手や柄の保護を行っている。


【能力・技能】
格闘術やサバイバル技術などの他に、立体機動装置を利用した特殊な移動法を所有している。
『立体機動』
前述の立体機動装置を使用することによって行う移動方法。
ワイヤーの射出と、そのワイヤーの巻き揚げによって行う高速・高所移動。


【人物背景】
繁栄を築き上げた人類は、突如現れた天敵の『巨人』から逃れるために『壁』が築き上げた。
その中で安穏とした日々を百年送り続け、アルミンもそのうちの一人だった。
しかし、ちょうど百年後。
ついに巨人によって『壁』の一つが壊され、アルミンは巨人によって全てを失った。
その後、アルミンは半ば義務的な訓練兵団に入団し、卒団を前にして、人生で二度目の巨人の襲撃に遭遇した。
そこで、アルミンは友人を失い、幻想だけではない世界の現実を想い出した。

【方針】
優勝狙い

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