問題点

データベース(DB)は、性質上基本的に肥大の一途を辿るものです。特に、臨床研究・臨床試験専用のデータベースとなると、各国の規制や、学会が定めるベスト・プラクティスにより、削除そのものが大きく制限されております。PROMASYSに至っては、削除できるものがあっても、消去した内容の一字一句監査証跡に記録されるため、削除することでの容量節減は基本的には図れません

昨今、大容量のHDDやSSDが比較的安価なため、DBがサーバーマシンの記憶媒体に収まりきらないことを心配する必要はほとんどありません。ですが、DBが肥大化するにつれ、一つ注意しなければならない点があります:DBファイルの制約です。

DBファイルは、容量が2GBまでと限られております。PROMASYSインストール時には、容量2GBまで成長可能なDBファイル(通常のファイル名:PROMASYS.d1)が一つ作成されます。DBファイルの容量が2GBに達してしまうと、以後の書き込みが一切行えなくなってしまいます。ログイン時にログイン履歴がDB内に記録されるため、ログインも行なえません。そうなる前に、定期的にDB容量を確認し、必要に応じてDBを拡張する必要があります。

データベースの拡張方法

増設方法について詳しくは、マニュアルの「Extending the Size of the Promasys Database」を参照して下さい。以下に、拡張方法を簡単に紹介します。

1.拡張用のファイルを作成
Promasysデータベースフォルダ内で【新規作成→テキストファイル】で「Add.st」等の名前がついたファイルを生成します。この際、stが拡張子ですので、フォルダオプションで拡張子を表示する設定にしておく必要があります。作成されたファイルを、メモ帳(Notepad.exe)等で開き、下記の内容を記述します:

# PROMASYSデータベースに2GBのExtentを5つ追加するためのSTファイルです。
# マニュアルの「Extending the Size of the Promasys Database」を参照ください。
d . f 2097024
d . f 2097024
d . f 2097024
d . f 2097024
d . f 2097024

上書き保存をして、ファイルを閉じます。

2.データベースの停止
Daemonプロセスが起動している場合、これを停止(STOPボタン)して終了(メニューよりQUITを選択)して下さい。デスクトップ上のOpenEdge Explorerショートカットのダブルクリック、あるいはブラウザのアドレスバーに「localhost:9090」と入力することにより、OpenEdge Explorerツールへのアクセスが行えます。緑色のアイコンが付いているものを、全てクリックで選択して停止(STOP)させて下さい。


3.データベース拡張
スタートメニューのプログラムの一覧から、ProgressまたはOpenEdge等の名前の付いフォルダを探し、ProEnvというツールを起動させます。コマンドプロンプトが展開しますので、下記を記述します(赤文字は上記1で作成したファイル名):

prostrct promasys add.st

DBフォルダ内に、PROMASYS.d2、PROMASYS.d3等のファイルが追加されていることが確認出来れば成功です。

4.データベースの再起動
OpenEdge ExplorerツールからDBコンポーネントを全て手動で起動させるか、サーバーマシンを再起動させて下さい。

肥大化状況の通知


DBの容量を、定期的にメールで送信することが可能です。設定していると、下記の様なメッセージが定期的にメール配信されます:

** DO NOT REPLY TO THIS MAIL **

Database Extent Status for database PROMASYS as on 2014/10/01 00:00:00.500+09:00

INFORMATION: Fill status of Extent D:\PROMASYS\PROMASYS.db is 0.031%
INFORMATION: Fill status of Extent D:\PROMASYS\Promasys.b1 is 1.379%
INFORMATION: Fill status of Extent D:\PROMASYS\Promasys.d1 is 31.476%

Recommended Action: No action is required

肥大化の状況が確認でき、DB拡張を行うべきかがタイムリーに判断し易くなります。以下に、手順について記述します。詳細についてはマニュアルの「Monitoring Database Growth」を参照下さい。

1.Promasys Daemonのメール設定を確認
データベースの肥大化の状況は、PromasysのDaemonに設定されているメールクライアントを利用します。従って、こちらが正しく設定されていないと、メールの配信が行われません。設定方法については、マニュアルの「Job Scheduler」を参照して下さい。正しく設定しているかわからない場合:WebCRFからのパスワードリセット、レポートの自動配信(Job Scheduler)、クエリの自動メール送信を問題無く利用している場合は、メールクライアントが正しく設定されております。

2.データベースの肥大化をモニタリングするタスクの追加
タスク追加の手順を下記に示します。青文字の部分は、Progress OpenEdgeのインストールフォルダに読み替え、赤文字の部分はPromasysデータベースフォルダの実際のパスに読み替えて設定して下さい。それぞれのパスは、Promasys Installation and Configuration Sheetsに記述されております。

  1. スタートメニュー>>コントロールパネル>>システムとセキュリティ>>管理ツール>>タスクスケジュラーを起動
  2. 右のメニューから「タスクの作成」をクリック
  3. 全般タブ:名前と説明を設定、セキュリティオプションで必ず【ユーザーがログオンしているかどうかにかかわらず実行する】及び【最上位の特権で実行する】にチェックを入れます。
  4. トリガータブ:新規トリガーを追加し、【タスクの開始】に「スケジュールに従う」を、【設定】にメール配信を希望する初回配信日時及び間隔を設定し、【OK】をクリックします。その他の設定は既定値でOKです。
  5. 操作タブ:新規操作を追加し、【操作】に「プログラムを開始」を、【プログラム/スクリプト】に「"e:\progress\bin\prowin32.exe"」を、【因数の追加】に下記の記述を、【開始】に「"e:\promasys"」を設定し、OKをクリックします。
  6. 条件タブ:既定値でOKです。
  7. 設定タブ:【タスクを要求時に実行する】にチェックを入れ、それ以外の全ての項目からチェックを外して下さい。

操作タブの因数には、下記を記述。赤時は実際のパスに置き換えて下さい:
-pf e:\promasys\Startup.pf -basekey INI -ininame promasys.ini -T c:\temp -pf e:\promasys\connect.pf -p ExtentStatus.r -param administrator@yourdomain.com

administrator@yourdomain.comには、肥大化状況のレポートを送信する宛先を入力して下さい。また、「c:\temp」が無い場合は、「c:\」内に「temp」というフォルダを作成して下さい。

3.タスクを手動で実行
最後に、タスクを手動で実行して、レポート配信が確認出来れば成功です。

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最終更新:2014年11月17日 11:30
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