このそうびは のろわれていて はずせない! ▽ ◆EAUCq9p8Q.




「そうですか」

  聖白蓮が目を覚ますと、そこはすでに街中ではなく命蓮寺の聖白蓮の私室だった。
  体中に鈍い痛みが走っている。
  気がついたら布団の中で眠っていた。
  そして、思い出せる限りでの最後の記憶は、ジョンス・リーの後ろ姿。

「では、やはり私は負けたのですね」

  >はい
  いいえ

  街中で無様に敗北し気絶。
  それからずっとロトの世話になり、なんとか命蓮寺に帰ってきたということだろう。
  説明されなくても、それくらいならだいたい想像が付く。

「……まず最初に謝らせてください。不甲斐ない姿を見せてしまって申し訳ありませんでした」

  はい
  >いいえ

  深々と首を垂れる白蓮に、セイバーはそっけなくそう返す。

「あ、先生! 起きたでやんすか!」

  白蓮が頭を上げるとほぼ同時にメガネを掛けたNPCが小さな花束を手に白蓮の寝室に入ってきた。

「心配したでやんすよ。お付の人はなにも話してくれなかったでやんすからね。これ、お見舞いのお花でやんす!」

「ありがとう」

「いえいえ、これも当然のことでやんすよ。すぐに夕食の用意をするよう言ってくるでやんす!」

  右手を上げ、ぴゅーっと走り去るNPC。持ってきた花束をそのまま持って走って行ってしまうのがそそっかしい彼らしい。
  開け放たれたままの襖戸から入っていた月明かりが少し陰り、また最後の記憶で見た背が重なる。

  『一撃だ』

  確かそれがジョンス・リーの最後の一言。
  天井を見上げて、ため息を零す。
  本当に、見事に負けた。




―――
―――
―――


  なぜ聖白蓮は負けたのか。


  聖白蓮は幻想郷でも上位に入るであろう戦闘強者だ。
  博麗の巫女を捩じ伏せ、普通の魔法使いを叩き落とし、山の新人神様を引きずり下ろし。
  それぞれに説教をかまして改宗させる程度には強い。


  しかし、こと『潰し合い』には慣れていなかった。
  圧倒的な火力で叩き伏せるという一点については確かに参加者でも高位。
  だが、面と向かい、地を走り、生身の肉弾戦で相手をどうやって『戦闘不能』にするかには長けていない。
  幻想郷での戦闘の真似事は基本的に『弾幕』を用いた弾幕ごっこが一般的である。
  しかしこの方舟内において、NPCや建物への被害を考えれば弾幕は使えない。
  つまり白蓮は開始直後から一番の武器を封じられているのである。

  さらに言えば、肉弾戦の経験が足りない。
  勿論、格闘に関する心得はあった。ただしそれも仲間内でのお遊びの延長のもの。
  腕を折る、足を折る、絞め落とす。知識はあるが実際にどこにどう力を加えればそうなるかについては経験が一切ない。
  エア巻物で強化を一回積んだがそれでも拳を交えることの『経験』は埋まらない。
  あるわけがない。基本的には心の優しい尼公にそんな心得が。


  ジョンスが腹を空かせた獅子だとするならば。
  白蓮は翼を折られ、爪をもがれた鷲。
  二人の対面は、すなわち最初からそれだけの差がある状態での対面だったのだ。

  エア巻物を転読したあと、当然白蓮は考えた。
  人目につく可能性のある屋外、人通りも多いであろう図書館周辺で火力の高い『魔法』は出来れば使いたくない。出来ることなら肉弾戦で決着を付けたい。
  ならば対面した強者、ジョンスの身体のうちどこを狙うか。
  屈強な身体に一撃を加えたとして、反撃でこちらが沈められるのは目に見えている。
  ならばスピードで攻めるか。小細工で勝てる相手ではない、いくら手数を増やそうと先ほどのように反応され、寄った所を殴り返されれば終わりだ。

  白蓮が選んだのは、顔面への一撃。
  当たれば痛いでは済まない。脳を揺らせば意識すら吹っ飛ばす。
  攻撃が通るかどうかもわからない腹部や、効果が見られるかも怪しい四肢への攻撃よりも直接的に他者を倒せる一撃。
  即ち、『一撃必倒』。
  一気に駆け寄り、腕を振りかぶる。
  ジョンスの頬へと、一撃目と同じように殴りかかる。

『に』

  だが、届かない。
  猛スピードで近づいたのに、既に左手でガードしてある。

  ジョンス・リーの格闘経験は四桁を上回っている。
  こと対人における戦闘経験に関して、泥臭い殴り合いに関して、この方舟内で彼の右に出るものは居ない。
  そんな彼だからこそ分かる。
  最初の一撃で、もっと言えば出会ったその瞬間からの振る舞い方で、白蓮が対人戦においてどの程度の力量を持っているのかが分かる。
  真っ直ぐに駆けてきて、真っ直ぐに顔を狙ってきた。
  だったら真っ直ぐだ。
  もう一度真っ直ぐ走って来る。真っ直ぐ顔を狙って来る。真っ直ぐ利き手で来る。そこまで読めれば自然と防げる。
  防いだあとも白蓮がまだ真っ直ぐ来て、真っ直ぐ来て、真っ直ぐ来るなら、もう『一撃』はジョンスの射程内だ。

  白蓮は慌てて左のアッパーを放つが、その一撃もジョンスの顎を捉えない。
  ゆらりと倒れかかるように後ろに身を逸らされ、かわされてしまった。  

『さん』

  ジョンスの目が力強く輝くのを白蓮は見逃さなかった。
  慌てて飛び退り、そのまま今度は防御を解きかけている左頭部目掛けて蹴りを放つ。

『……しッ―――!!!』

  ズドン、という足音。
  超速での蹴りを見抜き、いや、見越して追い抜く。
  普通は無理だ。だが、『一歩』だけなら。
  三手先を読み、白蓮の二発目の段階で踏み出していた『一歩』だけなら。
  超速の蹴りを追い抜いて、無防備な懐に飛び込むことが出来る。
  ジョンスの眼光が空中に線を描くように滑り、がら空きのボディの内側でひときわ強く輝く。
  数十年の鍛錬、数千回のストリートファイト、生まれて以来の『強さへの探求』が、凡人の一歩に妖怪の超速を振り切らせた。

  ジョンスが脚を軸に独楽のように回転する。
  白蓮が懐に入り込まれたと気づいた時にはもう遅い。
  回転の勢いそのままに、ジョンスが一歩を踏み出す。
  その背中を白蓮に押し付けるように。

(背な……―――っ!!)

  触れた瞬間、吹き飛んだ。  
  身体が文字通り吹き飛んだ。まるで魔法のように、身体が意識をその場に置き去りにして吹き飛んだ。
  一瞬のブラックアウト。気がつけば、白蓮はコンクリート塀にたたきつけられていた。
  コンクリート塀にぶち当たり、跳ね返って空中に投げ出されて、ようやく感覚が追いついて全身を包む痛みに気づいた。
  もし白蓮が陶器だったら、その一撃だけで粉砕して積み上げられた瓦礫の山になっていただろう。
  もし白蓮がゴムマリだったら、その一撃だけで破裂して宙に漂うゴミになっていただろう。
  陶器でもゴムマリでもなく人間で良かった、などと的外れな感想が頭をよぎり、地面に激しく倒れ伏す。

『四発もいるかよ』
『―――一撃だ、それで十分だ』

  がらがらと音を立てて降り注いでくるコンクリート塀。
  自身に背を向けてそう捨て台詞を吐くジョンス・リー。
  それが白蓮の覚えている最後の記憶だった。

―――
―――
―――



  ただの人間だと侮っていた部分がないわけではない。
  魔力補助を積んでの『あろうことか』がまさかあるとも思っていなかった。
  繰り出される一撃の威力を大幅に測り違えていたのもある。
  実力もわからぬ相手に手の内を温存しようとした愚かしさもある。
  積もり積もった白蓮の慢心が敗因。
  だとしても。

「……なんと恐ろしい」

  人間とはあそこまで強靭になれるものなのか。
  勇者ロトは『勇者』だ。
  魔法を用い、武器を用い、魔を伐つことに特化している。
  言うなれば『博麗の巫女』と同じ分類だ。
  だが、ジョンスは違う。
  気を使う程度の妖怪も居るが、彼女は妖怪としての地力が有ってこその強さ。
  純然たる人間が、魔力補助を行った妖怪を一撃で戦闘不能においやった。
  人間の意識では捉えるのがやっとな白蓮の行動を全て読みきった上で攻撃を当ててきた。

  強い。
  『ただの人間』がああまで強い。
  もし運命の女神が気まぐれで白蓮の側に天秤を傾けなければ、二度とこの目が開くことはなかった。
  いつまでも幸運便りで生き延びられるわけがない。

「少し、考えを改める必要がありそうですね」

  人を超越した存在という優位に胡座をかいている余裕はない。
  懐に仕舞われていた独鈷を取り出し、魔力を込める。
  すると、溢れだした魔力が鋭く尖りまるで短刀のようになった。輝く刀身の切れ味は、名刀の一振りにも劣らないだろう。

「目立つので、あまり使いたくはなかったのですが……」

  『魔法を使う程度の能力』による応戦。
  弾幕を使う。魔法が一、独鈷を短刀に見立てた武器も使う。
  目立つリスクを考えれば使いたくはないが、次もまた手を抜いて負けて幸運にも生き残れるとは限らない。
  全力を持って挑み、全力を持って勝つ。

  まずは自身がどの程度戦えるのかを把握する。
  弾幕……ロトが戦闘に用いる魔力の消費を考えればスペルカードクラスのものはそうそう放てまい。
  しかし通常弾ならば。パターン、ばらまき、レーザー、米粒、追尾、へにょり、奇数、偶数、なんでもいい。撃てばそれだけで虚をつける。
  この戦場でどの程度の魔力を有し、セイバーを戦闘させながらどの程度攻撃に転用できるのか。
  それを知り、万全の状態を整え。そして今度は負けない。

「次の『一歩』、万里まで引き伸ばして見せましょう」

   ○

「……さて」

  口に出して踏ん切りを付け、次に自身のサーヴァント―――セイバーと向き合う。

「貴方にも、いろいろあったようですね」

  言葉はない、心で分かる。
  ささやかなゆらぎが白蓮の心に流れ込んでくる。
  静かな海にたつさざ波のように、セイバーの心の奥底が揺れている。
  木陰を揺らす木漏れ日のように、セイバーの心の奥底が揺れている。

  なにがあったのかまではっきりとは分からない。
  ただ、平常時には一切揺らがない彼の心の奥底を揺らすような出来事があった。
  ならばきっと、彼の根幹に関わる何かがあった。
  勇者ロトの存在の根幹、勇者ロトを構成する勇者伝説の骨子、『勇者としての存在意義』に関わる何かがあった。

「少し、お話をしましょうか」

  勇者を勇者たらしめるものはなにか。
  そんなもの分かりきっている。

「勇気とは何か」

「貴方の勇者伝説を引用して答えるならば、それはきっと『巨悪に怯まず挑み、彼を滅する心』のことでしょう。
 そして、その行いに反するものは少なくとも勇者として相応しくない……の、かもしれません」

  彼の根幹が揺るぐことがあるとすれば。
  彼は彼自身が積み上げてきた勇気と反する『なにか』に直面し、そこでまたひとつ選択をした。
  そこまでしかわからない。
  それでも、掛ける言葉はある。
  彼と言葉を交わすことのできない身でも、彼を思いやることは出来る。

「ですがセイバー。世の中とは……時に曖昧でもいいのではないでしょうか」

「人の心とは特に曖昧なものです。水晶のように様々な面を持っています。
 覗く角度が違えば見える景色は違う。しかし、その水晶が変わることはない。
 勇気もきっと、同じでしょう」

  身を正し、思いの丈を伝える。

「敵に立ち向かうも勇気」

  夢に見た数々の敵に立ち向かう勇者の姿。
  目の前に立ちはだかる敵をばったばったとなぎ倒すその姿はまさに『勇者』たるもの。
  彼が今回振るった勇気は、きっとこれではない。

「味方に立ち向かうも勇気」

  夢に見た仲間を諭す勇者の姿。
  目先の欲にかどわかされて民を蔑にしてしまった商人である『  』と再会し、彼に正しい道を示したその姿はまさに『勇者』たるもの。
  彼が今回振るった勇気は、きっとこれではない。

「そして、自分自身の心と向き合い、立ち向かうのもまた勇気」

  人は、時として自身と戦う。
  そして、自身と戦う時こそ人はその真価を問われる。
  セイバーがこの方舟の地で示した勇気はきっと、そんな誰にも理解されない勇気。

「貴方の行いは、きっと『勇者ロトの勇気』とはほど遠いものだったのでしょう」

  『戦わない勇気』。『立ち向かわない勇気』。『背を向ける勇気』。
  きっと、『勇者ロト』の伝説には記されていない勇気。
  セイバーの持つ人魔調和の願いが天に届かなければ、評価されることもない勇気。
  勇者らしからぬ勇気。
  だとしても。

「しかし、例え誰にも理解されないとしても……貴方の勇気は本物です」

  その勇気は確かに存在した。
  まるで弟にそうするように、聖はロトの顔を無骨な兜ごと抱きしめ。

「だから、どうか悩まないで」

  ゆっくりと、兜の上から彼の頭を撫でる。
  彼のことを慈しんだ母よりも優しく。彼の手を取ったどんな異性よりも優しく。

「貴方の奮った勇気に罪があるとするなら、その罪ごと、私が貴方の勇気を背負いましょう」

  彼が悔やむというなら、白蓮が受け止める。
  受け止め、彼の分まで背負う。
  それが、勇者でありながら勇者にあらざる行いを選んだサーヴァントのマスターとしてできる唯一の贖罪。
  そしてそれが、『魔王と勇者の物語』に抗うセイバーのために伸ばすことが出来る唯一の救いの手。

「だからどうか、たとえ勇者の勇気と違っても……『貴方の勇気』を失わないで」

  人魔調和のために振るわれた勇気が消えてしまわないように。
  ちっぽけな勇気の火を二人で分かつように。
  白蓮は優しくセイバーの頭を抱きしめて、二人にしか聞こえないくらいの声でそっと勇気に心を添えた。

「先生、おゆはんの用意ができたでやんす……おじゃましたでやんすか?」

  件の僧職系NPCが夕飯を知らせに来る。
  その声を聞いて白蓮がセイバーへの抱擁を解く。

「いえ、彼と少しお話をしていただけです。すぐに向かいます。
 それではセイバー、私は夕食を頂いてきますが、貴方はどうしますか?」

  はい
  >いいえ

「そうですか。では、周辺の哨戒をお願いします。
 夕食後も少し休ませていただきますので、何かあれば念話で知らせてください」

  >はい
  いいえ

  がしゃり。
  がしゃり。
  がしゃん。

  音を立てながらゆっくりとセイバーが立ち上がる。
  そしてそのままNPCの横を通り部屋を出ようとして、立ち止まる。

「どうかしたでやんすか?」

  セイバーは答えない。
  ただ、NPCが再び持ってきた花束の中から小さい花を一輪だけ取ってそのまま何もなかったかのように歩き出した。

「……なんなんでやんすかね?」

  NPCが眉根を潜めてセイバーの背を追う。

「彼にも、思うところがあるのでしょう」

  白蓮にも彼の行動の真意はわからない。
  今朝も物漁りを咎めたが、花の一本程度でそこまで強く言うつもりはない。

「何も話してくれないからわかんないでやんすよ」

  NPCが残念そうな表情をする。
  彼にとっては、英霊セイバーも同じ『聖白蓮の元で働く修行僧』に見えているらしい。
  セイバーの見た目とのギャップに、そして図らずとも自分の狙いが達成されたことを知り。
  また白蓮が楽しげに声を潜めて笑う。

「そういう方なのです。悪く思わないであげてください」

「変わった人でやんす。まあ、先生のお付の人はオイラのお付の人も一緒でやんす。
 少しくらい変な人でも、許すでやんすよ!」

  このNPC、見た目よりもずいぶん強かな性格をしている。  
  しかし白蓮は特に諫めない。そんな部分も言い換えれば彼の長所。
  悪い方向へ転じない限りは無理に咎める必要もない。

「では、参りましょうか」

「はい、行くでやんす!」  

  NPCが右手をあげてまた駆けていく。
  白蓮は、周囲に痛みを感付かれないように注意を払いながらその背を追った。


【B-1-C-1/命蓮寺/一日目 夜間】

【聖白蓮@東方Project】
[状態]全身打撲、疲労(小)
[令呪]残り三画
[装備]魔人経巻、独鈷
[道具]聖書
[所持金] 富豪並(ただし本人の生活は質素)
[思考・状況]
基本行動方針:人も妖怪も平等に生きられる世界の実現。
1.夕食を食べる。その後は休養
2.サーベルや弾幕がどれくらい使えるのかを確認。できるだけ人目につかないように。
3.来る者は拒まず。まずは話し合いで相互の理解を。ただし戦う時は>ガンガンいこうぜ。
4.言峰神父とは、また話がしたい。
5.ジナコ(カッツェ)の言葉が気になる。
6.聖杯にどのような神が関係しているのか興味がある。
[備考]
※設定された役割は『命蓮寺の住職』。
※セイバー(オルステッド)、アーチャー(アーカード)のパラメーターを確認済み。
※ジョンス・リーの八極拳を確認。
※言峰陣営と同盟を結びました。内容は今の所、休戦協定と情報の共有のみです。
※一日目・未明に発生した事件を把握しました。
※ジナコがマスター、アーカードはそのサーヴァントであると判断しています。
※吉良に目をつけられましたが、気づいていません。
※セイバー(ロト)が願いを叶えるために『勇者にあるまじき行い』を行ったことをなんとなく察しています。
 ただし、その行いの内容やそれに関連したセイバー(ロト)の思考は一切把握していません。








―――
―――
―――



  『起きなさい、起きなさい、私の可愛いダイや……』
  『起きなさい、起きなさい、私の可愛いアベルや……』
  『起きなさい、起きなさい、私の可愛いアルスや……』
  『起きなさい、起きなさい、私の可愛いえにくすや……』
  『起きなさい、起きなさい、私の可愛いもょもとや……』
  『起きなさい、起きなさい、私の可愛いゆうていや……』
  『起きなさい、起きなさい、私の可愛いソフィアや……』
  『起きなさい、起きなさい、私の可愛いトンヌラや……』
  『起きなさい、起きなさい、私の可愛いああああや……』



  勇者ロトには幾つもの伝承が存在する。
  男であった。女であった。
  蒼い兜を被り魔王を滅殺した。鉄仮面で素顔を隠していた。はんにゃのめんの下に狂気を隠していた。
  タフガイだった。なまけものだった。セクシーギャルだった。ラッキーマンだった。でんこうせっかだった。
  おちょうしものだった。むっつりすけべだった。がんこものだった。きれものだった。いのちしらずだった。
  おじょうさまだった。ずのうめいせきだった。みえっぱりだった。いっぴきおおかみだった。
  戦士と旅をした。魔法使いと旅をした。武闘家と旅をした。僧侶と旅をした。
  賢者と旅をした。遊び人と旅をした。一人で旅をした。バシルーラでルイーダの酒場に返された。
  いろいろな場所に首を突っ込んで回り道をしていた。すごろく場やとうぎ場にドハマりして財産を散らしていた。
  アリアハンの城の近くで魔王を遥かに凌ぐの実力を培った。二時間半でゾーマの元に辿り着いた。終生棺桶の中で過ごした。
  しびれくらげにハメ殺しにされて何度も教会に戻った。何故か武器や防具、どうぐを買い揃えずに先を急いだ。カンダタをスルーした。

  様々な伝承のなかで。
  様々な性格の勇者ロトが。
  16年間積み重ねられ続けた希望を背に、銅の剣とぬののふくと少しばかりの金を手にアリアハンを旅立った。
  仲間も、道筋も違う無限に近いほどのパターンの伝承。
  しかし幾つか、全ての伝承において共通する点がある。

  勇者オルテガの子どもとして産まれたという点。
  オルテガという名前のロトは居なかった点。
  船に乗って旅をしていたという点。
  商人を仲間にしていたという点。
  ラーミアを蘇らせたという点。

  そして彼/彼女が勇者であり、旅立ちの日に16歳になったばかりの少年/少女であったという点。
  勇者ロトは朝寝坊をする子だった。大事な出発の朝も母親に起こされた。
  勇者ロトは好奇心旺盛な子だった。よく壺やタンスを漁って中に入っている物やメダルを拾っていた。
  勇者ロトは誠実な子だった。初対面の相手から何度ポカパマズさんと呼ばれてもその都度丁寧に訂正を行っていた。
  勇者ロトは整理整頓の上手な子だった。たったひとつの道具袋に装備やアイテムを器用に仕舞っていた。
  勇者ロトは意外と影響を受けやすい子だった。本を読むと感化され、性格すら変わってしまうほどだった。
  勇者ロトはそんな他愛もない16歳の子どもであった。

  そして、様々な伝承におけるロトたちに一切の例外なく共通する運命。
  それこそ即ち、魔の侵略によって死んでいった数々の人間の希望を背負って闘う運命。
  やまたのおろちに喰われた生贄たちの。
  ボストロールに抹殺された罪なき者たちの。
  テドンの村の人々の。
  魔物に蹂躙された全ての人間の。
  全ての希望を余さず背負い、ただただ魔王へと挑む運命。
  希望の光によって、闇を切り裂き魔王を討つ運命。


  即ち、『勇者』であるという運命。


  母が、祖父が、アリアハンの住民が、ロマリアの、ポルトガの、イシスの、サマンオサの、ジパングの、スーの、地球のへその、全ての大陸の人間が。
  勇者オルテガの子の背に希望を乗せる。
  この子ならばきっと、魔王を倒してくれるはず、と。
  オルテガの子ならば、ポカパマズさんの子ならば必ず魔王を倒してくれるはず、と。
  優れた武力もなく優れた魔術もない子どもの背に希望を乗せ続けた。
  見ず知らずの人間たちが、次々に彼/彼女の未来に希望を押し付けていった。
  彼はその希望をしっかりと背負い、一歩また一歩と歩を進めていった。



  様々な伝承のなかで。様々な勇者ロトが。
  16年間積み重ねられ続けた希望を背に、銅の剣とぬののふくと少しばかりの金を手にアリアハンを旅立ち。
  それからずっと希望に応えるように戦い続けた。勇者の運命と彼の勇気に従って戦い続けた。
  その背に人々の期待を背負い、その切っ先に人々の救済を賭して戦い続けてきた。
  希望に応えるために戦い続けた。

  ロトが戦う理由も伝承に寄って様々だ。
  父の敵討、名誉、報酬、女。平和のため、笑顔のため。特に理由もなくなんとなく戦うロトもいたかもしれない。
  しかしどのロトも当たり前のように希望を背負い、当たり前のように魔を討った。
  そういう境遇で生まれた。
  そういう風に育ってきた。
  そういう運命のもとに居た。
  そのためだけに戦ってきた。
  有り体な理由をあげるとするならば「ロトという人物は、形はどうあれそういう風にできている」のだ。
  ロトの身体は、ロトの精神は、人を救うようにできているのだ。
  それがセイバー『勇者ロト』の勇気の根幹。人類の救世主としての資質。

  ロトは当たり前のように戦い続け、人々を救い続け、その希望に応え続け。そんな当たり前を積み重ね続け。
  遂に見事大魔王ゾーマを打ち倒し、世界に光を取り戻した。
  そして、伝説が始まった―――




  ……
  ……
  ……
  ……伝説が始まった。

  数々の魔王が生まれては討たれていく。
  数々の勇者が伝説にその名を刻んでいく。
  紡がれていく勇者と魔王の物語。
  繰り返される栄光と繁栄の叙事詩。
  どれほどの人々の営みが守られた。
  幾つの世界が救われた。
  何度平和が訪れた。

  しかし、平和の裏に積み上げられたおびただしい屍の山はどうだ。
  破壊された都市の数は、打ち破られた平穏の数はどうだ。
  何度人々は新たに現れた魔王に蹂躙された。

  何度繰り返すのだ、この終わりなき光と闇の歴史を。
  何故続いてしまうのだ、この果てしなき闘争の連鎖は。

  ずっと抱き続けてきたその疑問に対して、伝説の地の遥か遠く、この方舟の地で遂に一つの仮説が生まれた。



  夕刻、セイバーはB-4に背を向けた。
  この地にも当然のように現れた、運命に引き寄せられたように共存してしまった魔王に背を向けた。
  無意識か、意識してかはわからない。ただ、魔王に出会わないよう背を向け、逃げるように帰路についた。
  結果として方舟の地で、勇者ロトによる『勇者の物語』が紡がれることはなかった。

  勇者ロトは希望を背負い、その希望に応えてきた。
  だが、誰かの希望に背を向けることで、勇者にあるまじき行為をすることによって、ロトの紡ぐ『勇者と魔王の物語』はその筆を止めた。
  止まらないはずの連鎖が、わずかながら止まったのだ。


  命蓮寺の寝殿に白蓮を寝かせ、その側で警戒を怠らずに考える。
  もし、セイバーが大魔王ゾーマと出逢った時に同じことを行っていたら?
  もっと遡り、セイバーが魔王バラモスと出会った時同じことを行っていたら?
  いや、更に遡り、希望を背負うことを放棄して王に謁見に行くことを拒否していたら?
  きっと勇者ロトの物語は始まらなかっただろう。
  そして、『勇者の始祖』が生まれなかったらば……もしかしたら永劫続く勇者と魔王の物語の全ては生まれなかった、かもしれない。



  言い出せばきりがない。ただの詭弁だ。
  セイバーが動き出さなければ他の誰かがバラモスを、ゾーマを打ち倒していた。
  ゾーマが滅することがなくても、他の世界、他の時代、ロトよりも遠く離れた勇者が勇者伝説を始めていた。
  それに、虐殺される人々が存在することには変わりない。テドンの村のように、ジパングのように、サマンオサのように、殺されていく罪なき人が増えるだけだ。
  それくらい、セイバーにもわかっている。

  だとしても。
  セイバーはおのが背負った希望に答えて魔王を倒し、天上と天下の世界に一時の平和をもたらした。
  そしてその勝利が永劫続く勇者と魔王の物語の幕を開けてしまったのならば。
  その勝利が結果として後世全ての人類を魔王の脅威に晒してしまったのだとしたら。

  セイバーが戦い続けたことに罪はないのか。
  希望に応え続けたことは正しかったのか。
  魔王を倒したことが平和をもたらしたのか。
  ロトとゾーマの物語が、どこかで、なにかが違っていれば、永劫続く勇者と魔王の物語は始まらなかったのではないか。


  幼い頃から信じつづけた希望を背負う運命の歯車が軋み、勇者の根幹が揺らぐ。
  幼き日から積み上げられてきたロトという人物を作っている『当たり前』が悲鳴を上げ始める。
  勇者としての少年/少女を支えてきた希望の光に暗雲が立ち込める。


  勇者とはなんだ。戦士は戦う者だ、魔法使いは魔法を使う、ならば勇者とは何をするものだ。
  魔王を討つものか。だが、魔王を討つことで後世の人々が苦しむというならば勇者は何のために戦うのだ。
  勇気とはなんだ。敵を破ることは簡単だ、人々の希望に応えることも簡単だ。誰かのために奮う勇気は未だ衰えていないはずだ。
  しかし、その勇気で永劫の輪廻を断ち切れないとするならば、その勇気は正しいものなのか。
  魔王に背を向けて逃げることが、人々の希望を蔑ろにすることで負の連鎖が断ち切れるというならばそれが真の勇気なのか。
  ロトの心に、小さな波紋が広がっていく。
  その心のざわめきに呼応してか、時を同じくして白蓮が目を覚ました。


  敗北に顔を歪めていた白蓮は、自戒をした後にセイバーと向き合った。
  ロトは、彼女の言葉をおもいだした。

  『勇気とは人の心同様、曖昧なものではないか』

  白蓮は彼を抱きしめ、言葉に思いの丈を添えた。
  ロトは、彼女の言葉をさらにおもいだした。

  『自分自身の心と向き合い、立ち向かうのもまた勇気』

  幼い頃から培われてきたセイバーの根源。
  希望を背負い、人を救いたいという心。勇者を勇者たらしめてきた心。
  その心と立ち向かうこともまた勇気だとするならば……?
  ロトは、彼女の言葉をふかくおもいだした。

  『『貴方の勇気』を忘れないで』

  『ロトのゆうき』とはなにか。
  当然『勇者と魔王の物語』を終わらせるために奮うべき勇気だ。
  ならばその勇気が目指すはどこで、討つべきはなにか。
  白蓮にそう問おうとして、黙る。
  NPCが来た。哨戒を頼まれた。
  ロトは食い下がるような真似はしなかった。ロトにとって依頼とは「>はい」以外を答えても意味のないものだから。
  そのまま渦巻く思惑を内に、ロトは哨戒へと踏み出した。

  ○

  がしゃり、がしゃり。じゃり、じゃり。
  がしゃり、がしゃり。じゃり、じゃり。
  鎧の音と玉砂利を踏みしめる音が規則的に刻まれていく。
  まるでコマンド入力でも行っているように、正確に、正確に、刻まれていく。
  あれからずっと、ロトは考えていた。『ロトのゆうき』の向かう先を。
  答えは未だ見つからない。

  思考に行き詰まり、ふと夜空を見上げる。
  闇の中に輝く幾つもの光。
  勇者が光、魔王が闇。闇があるから光は眩しく輝き、光があるから闇は深く蠢く。
  夜の空にも似たこの物語を終わらせるには、どうすればいい。

  夜を終わらせるのは簡単だ。
  朝が来ればいい。
  朝が来れば、晴れ渡る。
  そこに闇はなく、まばらにちった光もなく、まばゆいばかりの太陽の元に澄み渡る蒼が広がるのみ。

  ならば、光と闇で彩られた物語を終わらせるには?

  光と闇で彩られた物語を終わらせるには―――光と闇が消えればいい。
  光と闇を消し去って、朝が来て、太陽がのぼり、太陽の力で澄み渡る青空を広げればいい。

  その世界に秀でたものは要らない。
  太陽以外の統率者は必要ない。                       あ
  一個の大きな理想のもと、すべての者が輝かず、蠢かず、別け隔てなくそこに『存在』る。
  平等に、平和に、時折の曇りを楽しんで、暮れる事なく続く朝を過ごしていく。

  太陽は白蓮の言う『仏道』なのかもしれない。
  もしかしたらもっと別の何かが太陽なのかもしれない。
  あるいは、狂おしいまでの正義による絶対支配も。
  あるいは、絶望的なまでの悪意による秩序統治も。
  太陽のように世界を包み込み、世界中に均等な色を分け、青空のような澄み切った世界を作り上げるかもしれない。

  しかし、勇者と魔王が切って離せないというのならば、『勇者』や『魔王』は太陽にはなれない。
  必ず相対する者を産み、夜をもたらして人々を怯えさせるだけの存在だ。

  人魔調和の道に進むというのであれば、『勇者と魔王の物語』を『始めない』『無に返す』必要がある。
  しかしこの地にも魔王は居る。それは夕刻の時点ではっきりとわかっている。
  そしてセイバーが勇者である以上、いつかかならずまた魔王と出会う。
  もしセイバーが彼らと戦えば、物語は再び記され始める。
  交えた刃が文字となり、勇者の勝利が再び伝説を紡ぎだす。
  紡ぎだされた伝説は連綿と、光と闇の織りなす戯曲として、いつまでも、いつまでも続いていく。

  そうして勇者と魔王の物語がまた始まるというのならば。
  朝を迎えるために、夜を終わらせたいというのならば。
  光があるかぎり、闇があるというのならば。
  セイバーが、『勇者ロト』が、新たに芽生えた『ロトのゆうき』を持って立ち向かうべき真の敵は―――
  魔王でも。
  モンスターでも。
  サーヴァントでもなく。


                ―――彼の内に潜む『勇者』、なのではないか。


  人々を救ってしまう宿命。
  魔王と闘い、彼を誅する運命。
  『勇者』という逸話。
  勇者の始祖たるセイバーの持つ勇者としての才覚。
  セイバーに対して方舟内で再現されたスキル。
  そんな『勇者』こそが、いつまでもいつまでも続いていく勇者と魔王の輪舞を生み出し続けている。

  ならば、断つべきは勇者の光も、ではないのか。
  勇者という光があるかぎり、少なくとも勇者であるセイバーがこの地に居るかぎり、白蓮の理想も叶わないのではないか。
  兜の中のロトの顔が、ほんの少しだけ歪んだ。

  がしゃり、がしゃり、がしゃん。
  鎧の音が止まる。
  視線が正面から、セイバーが手に持つ花へと移る。

  橙色の儚げな花。特別美しいこともない、特別珍しいこともない、土汚れの残る花。
  ただ、そのくすんだ花弁は夕日の滲んだ街によく似ていた。


  部屋を出る時にNPCから花を取ったのは、言ってしまえばいつもの癖だった。
  話しかけられた時に相手が渡そうとしているものを受け取る、セイバーらしい行動。
  ただ、いつまでも花を一輪手に持って歩きまわる訳にはいかない。
  なので、適当に。人に踏まれないような場所に置いて行くことにした。
  手水鉢のすぐ横の土っ原。
  少しだけ小高くなった場所で揺れる花は、まるで誰かに手向けられたようだった。

  セイバーは少しだけ祈った。
  手は組まず、顔も伏せず、心のなかでただ祈った。
  夕方、セイバーが『勇者』だったから見捨てなければならなかった誰かに祈りを捧げた。
  これから先、セイバーが『勇者』であるが故に見捨てなければならない誰かに祈りを捧げた。
  そして、勇者に希望を乗せ続けた人たちのために祈りを捧げた。


  手向けた花の花弁がひとつ、風に煽られ舞い上がる。
  ちっぽけな花弁はすぐに夜の闇に飲まれて消えてしまった。
  ロトはただ、何も言わずにその様子を見て、そのままいつものように規則正しい足音を刻みながら哨戒へと戻った。






―――
―――
―――


  誰かが言った。
  『血が勇者を選ぶのではない、運命が勇者を選ぶのだ』と。
  勇者とは望んでなれるものではない。
  いくら崇高潔白な勇気をもとうが運命が味方をしないのであれば、勇者オルテガが、勇者サイモンがそうであったように歴史の裏に消えていく『  』にしかなれない。
  後の世界に語り継がれる勇者になるには『運命の祝福』が必要だ。
  窮地に追い込まれる不幸さを持ち、その状況下でもなお生き残る運命からの寵愛が必要だ。
  何度だろうと立ち上がるくじけぬこころを持ち、そしてその闘志に味方する言葉では言い表せない『なにか』が必要だ。


  世界が大魔王ゾーマと魔王バラモスを認めた時、運命は勇者を欲した。
  運命は希望の集積点として万人の内から一人の子どもを祝福した。
  運命はその子に魔王を討つ宿命を与えた。
  運命は勇者ロトを勇者として選んだ。


  勇者ロトは『勇者』だ。
  生まれながらの『勇者』。世界の光、人類の希望、運命の開拓者、伝説の始まり、魔王を誅する者。
  彼が挫けようが彼の心が折れようがその運命は変わらない。
  運命は彼が勇者であることから逃さない。勇者ロトが運命に背こうがその運命は変わらない。
  彼の命が途切れるその時まで、彼に魔と戦うことを望む。
  世界を平和に導くまで彼に『勇者であること』を義務付け続ける。

  たとえ、勇者で居られなくなったとしても。
  たとえ、この方舟の地で勇者としての在り方が続けられなくなったとしても。
  たとえ、勇者であることを捨てたいと心の底から望んだとしても。
  たとえ、マスターの使える魔力による絶対命令権・令呪でその剥奪を命令したとしても。

  彼に刻まれた『勇者としての存在』と、ステータスに刻まれた『勇者としての存在を表すスキル』が消えることはない。
  運命は彼に『勇者であること』を望む。『勇者であれ』と彼の周囲の全てを持って彼に働きかける。
  運命は既に彼を全ての勇者の始祖たる者として選んだのだから。


  ならば、『勇者』とはきっと―――




  ―――セイバーがどうあがこうが、彼が勇者である運命は変わらない。

  方舟において呼び出されたのはロトではない。
  『勇者ロト』だ。

  運命は彼に勇者であれと言っている。
  方舟も勇者であることからは逃げられないと言っている。

  きっとこの先も、勇者として数々の困難に巻き込まれる。
  そして、この方舟内に居る『魔王』ときっと出逢うことになる。
  彼がいくら背を向けようが出逢ってしまう、セイバーが『勇者』である限りその出会いからは逃れられない。
  人々に裏切られ、憎しみに溺れて魔王に身を窶した勇者と出逢ってしまったように。
  命蓮寺を帰る道すがら、異なる世界の大魔王が暴れまわる場面ですぐ側に居てしまったように。
  誰の意思もなく、まるで神がそれを望むように、運命という磁力でお互いを引き寄せるかのように互いを求めてしまう。

  そして、暴虐のかぎりを尽くした憎しみの象徴『オディオ』たちのうちの一人である魔法使いと。
  そして、『魔王君臨』という巨悪に依る秩序の形成と恒久の平和を願う魔法使いと。
  いつか出逢う。
  出逢ってしまう。
  彼がいくら望まずとも、セイバーは『勇者ロト』なのだから。
  彼らと出逢った時セイバーは『勇者』として戦うのか。
  それとも『ロトのゆうき』を胸に、『勇者』と戦うのか。


―――
―――
―――

  セイバーが見出したロトのゆうき。
  セイバーが感じた勇者の在り方。
  セイバーが描いた平和の天空図。
  それらは誰にも伝わることはなく、ただ滾々と蒼い鎧の内側を満たしていく。






【B-1-C-1/命蓮寺 敷地内/一日目 夜間】

【セイバー(勇者ロト)@DRAGON QUESTⅢ ~そして伝説へ~】
[状態]健康
[装備]王者の剣(ソード・オブ・ロト)
[道具]寺院内で物色した品(エッチな本他)
[思考・状況]
基本行動方針:永劫に続く“勇者と魔王”の物語を終結させる。
0.>夜間哨戒。白蓮から指示があればそちらを優先、
1.>白蓮の指示に従う。戦う時は>ガンガンいこうぜ。
2.>「勇者であり魔王である者」のセイバー(オルステッド)に強い興味。
3.>言峰綺礼には若干の警戒。
4.>ジナコ(カッツェ)は対話可能な相手ではないと警戒。
5.>アーチャー(アーカード)とはいずれ再戦を行う。
6.>少なくとも勇者があるかぎり、勇者と魔王の物語は終わらないとするなら……?
[備考]
※命蓮寺内の棚や壺をつい物色してなんらかの品を入手しています。
 怪しい場所を見ると衝動的に手が出てしまうようだ。
※全ての勇者の始祖としての出自から、オルステッドの正体をほぼ把握しました。
※アーカードの名を知りました。
※吉良を目視しましたが、NPCと思っています。
 吉良に目をつけられましたが、気づいていません。
※鬼眼王に気づいているのは間違いないようです。
※白蓮からの更なる指示があるまですぐに駆けつけられる範囲で哨戒を行います。
※いくらロトが勇者として恥ずべき行為を行っても、『勇者』のスキルが外れることはまずありません。
 また、セイバーが『勇者ロト』である以上令呪でも外すことは不可能であると考えられます。



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