野原しんのすけ&アサシン ◆FFa.GfzI16



ニンジャ。


ニンジャとは平安時代の日本をカラテによって支配した、半神的存在である。
しかし彼らは、キンカクテンプルで謎のハラキリ・リチュアルを行い、歴史から姿を消した。
歴史は改竄され、隠蔽され、ニンジャの真実は忘れ去られる。
やがて、世界を電子ネットワークが覆い尽くし、サイバネ技術が普遍化した未来。
数千年の時を超えて復活した邪悪なるニンジャソウルの数々。

そのニンジャソウルを宿したニンジャソウル憑依者が今、方舟に眠る聖杯を争うイクサへと顕現していた。

その顔を赤黒のメンポに覆われ、その身体には同色の装束をまとっている。
鼻元まで覆ったメンポと耳と髪を隠している頭巾によって目元しか見ることが出来ない。
片目はセンコめいた炎が宿り、歪な形に膨張している。
そのメンポには「忍」「殺」と威圧的な文字が切り刻まれていた。

「ドーモ、アサシンです」


アサシン――――ニンジャスレイヤーは拝むように手を合わせて一礼をした。


そして、アサシンはゆっくりと顔を上げて目の前のマスターを見下ろす。
アサシンとは対照的に、小さな身体をしたマスターであった。
小さすぎる、園児の身体だ。
坊主頭に刈られた頭部はじゃがいものようで、無地の赤い長袖シャツと黄色の半ズボンを履いている。
お世辞にも頭が良いとは思えない、そんな園児。

「おおー!
 オラ、知ってるゾ! おじさん、忍者でしょ!?」

その幼児の名を、野原しんのすけ、と言った。


――――ニンジャだぞー!ニンジャだぞー!


アサシンの脳裏にフラッシュバックする。
陽炎のように揺らいだ世界。
背格好だけは似ている幼児の姿が、かつてアサシンの前に当たり前に存在した幼児の姿が、しんのすけと被る。
ここにはない何かをアサシンは、瞬間、幻視した。

しんのすけは目を輝かせ、地を這う虫のような機敏な動きでアサシンの脚元へと忍び寄る。
急性NRS症候群は発揮しない。
これが多次元、平行世界というものなのだろうか。
それとも、ニンジャの記憶を掘り起こさないほどにしんのすけが『鈍い』のだろうか。

しかし、アサシンはそんなしんのすけの様子を見続けていた。
微動だにせず、ただしんのすけから目を離さない。
センコめいた炎が揺れているように見えた。
そんなアサシンに気づいていないしんのすけは、丸太のように太い脚を木登りの要領で肩まで登る。

「おお、本物だゾ! とーちゃんが見せてきた安っぽいオモチャとは全然違う!」
「……」

ぺたぺたと「忍」「殺」と書かれたメンポを触るしんのすけ。
文字の意味がわかっていないのだろう、アサシンの強烈な決意を
そして、アサシンの身体を触り続けて数分。
ようやくアサシンの身体から降りると、次はニヤリと笑ってみせる。
そして、赤い長袖シャツを脱ぎ、頭巾のようにして顔を覆ってみせた。
メンポのつもりなのだろう。
柔らかい腹部を外気に晒しながら、片膝をつく。
そして、右手と左手を上下に並べ、右手の人差し指を左手で握り、左手の人差し指をつきだした。

「忍法だゾー!」


――――ニンポだぞー!


再び、フラッシュバック。
アサシンの身体は止まったままだ。
そのアサシンに囚われず、しんのすけは両手を横に合わせて、素早くこするように動かす。

「シュッシュッ!シュッシュッ!」


――――スリケン!スリケン!


三度、フラッシュバック。
しかし、今度は声が出た。

「……マスターよ」

アサシンは目の前のマスターの身体を、少々強く握る。
そこに悪意はない。
ただ、子供の抱き方を忘れてしまっただけだ。

「夜風は身体に毒だ」

常人からすれば手品と見間違うニンジャ素早さとニンジャ器用さによって、アサシンはしんのすけの衣服を元に戻す。
三秒にも満たない時間。
しんのすけの身体を気遣うような柔らかな手つきをとったが故に、アサシンにとっては遅すぎるほど。
だが、しんのすけにとっては目眩がするほどの早業であった。

「おお、忍法!?」
「……ジツだ。ニンポなどという魔法めいたものは存在しない。
 本当のニンジャはジツを使う。
 ニンポなどというものを使うニンジャは居ない」

――――ニンジャなんて、いないのに。

自身が発した言葉に、幻聴が響く。
懐かしい声。
生きるには辛い時代に過酷な都市で、永遠を誓った声。
アサシンの動きが、再び止まった。

「オラも忍法使えるぞ!」

今度は黄色い半ズボンを、いや、下着もまるごど脱ぎ出す。
アサシンは止めずに、ただ眺めていた。
そして、腰に両手を尽き。
腰を前後に振り始める。

「ぞーさん、ぞーさん」
「……」

自身の男性器を象の鼻に見立てた、宴会芸と呼ぶにもお粗末な一発芸。
下品さよりも幼稚さを感じさせるそれを、アサシンは黙って見続ける。
センコめいた炎は、まだ揺らいだままだ。

「かーらーのー」
「……」
「パオーン!」

どこからか取り出した木杭を股の間から突き出し、未熟な性器が屹立したように見せる。
その木杭こそが、まさに『ゴフェルの木片』なのだ。
なんたる不敬か!
恐れを知らない幼児だからこそ出来る行為であった。

ちなみにしんのすけがこの『ゴフェルの木片』を拾った経歴。
先ほどの一発芸を思いついたしんのすけ。
そこでちょうど良い木片を探したところ、路端に落ちていたために拾ったというものである。

そんな時。

『グググ……フジキドよ』

アサシンの脳裏に声が響いた。

『このような小童に召喚されるとは……なんたるブザマよ!
 オヌシの救いがたい弱さがさらに弱体化している始末!
 これでは一束いくらの弱敵にすらも遅れを取りかねんぞ!』
「黙れ、ナラク」
「お? おじさん、どうかしたの?」

突然、声色を変えて呟いたアサシンへと、疑問を投げかける。
だが、アサシンは取り合わない。
自らの軟弱さを窘める、しかし、悪意に満ちた声なき声へと意識が集中していた。

『こんな小童から送られるカラテの供給では本来のカラテを十全に発揮することなど夢のまた夢!
 単独行動スキルを持っているのだから、さっさと殺して別のマスターを探すのが吉よ!
 そしてスレイだ!ニンジャをスレイするのだ!』
「黙れと言っている!」

この声こそアサシンに憑依した太古のニンジャ、ナラク・ニンジャである。
驚異的なカラテとニンジャ知識を持ったナラク・ニンジャはアサシンに圧倒的な力を与えている。
しかし、同時にアサシンのアサシンたらしめるものを奪おうと牙を研いでいる内なる敵でもあるのだ。

「お、お……?」

当然の怒声に、しんのすけは困惑の表情とともに後ずさる。
その姿を、アサシンはセンコめいた炎を揺らしながら眺めていた。
その眼差しからは感情を感情を伺うことは出来ない。
深く息を吐いた後。

「……マスターよ」
「お?」
「ひとまずは、場所を移そう」

『巨大なビル』から、外に出ることをしんのすけへと提案した。




【クラス】
アサシン

【真名】
ニンジャスレイヤー(フジキド・ケンジ)

【パラメーター】
筋力B+ 耐久C 敏捷B+ 魔力D 幸運D 宝具EX

【属性】
混沌・中立 

【クラススキル】
気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。

【保有スキル】
精神異常:D
精神を病んでいる。
平常に見えても、ニンジャスレイヤーは不可を理解できない狂人である。

戦闘続行:A
往生際が悪い。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

騎乗:E
騎乗の才能。大抵の乗り物なら何とか乗りこなせる。

【宝具】
『◆◆◆(ナラク・ニンジャ)』
ランク:EX(測定不能) 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
フジキド・ケンジに憑依したナラク・ニンジャとニンジャスレイヤーが共鳴を行うことで発揮する。
あらゆるステータスが1ランク上昇する『狂化』スキルのBランクに似た宝具だが、ニンジャスレイヤーとしての意識と思考、言語能力は存在する。
しかし、共鳴を続けたままであると邪悪存在であるナラク・ニンジャにその意識を奪われかねない諸刃の剣。

さらに、赤黒い『不浄の炎』を発生させるカトン・ジツを操ることが出来る。
不浄の炎は敵を焼きつくし、自らの傷を焼き塞ぐことで再生させ、自らの血液を重油めいて燃やすことで血を黒い金属へと変換させ防具のように扱うことも出来る。

この謎めいた宝具に存在するであろう恐るべきニンジャ真実は、ナラク・ニンジャという暗黒に隠されている。
歴史に記されている事実は過去のニンジャスレイヤー存在は全てナラク・ニンジャへと堕ちたことだけである。
ナラク・ニンジャへとその存在を奪われた場合、気配遮断スキルが2ランク減少し、単独行動スキル・戦闘続行スキルのランクを1ランク上昇させる。

測定不能。

※パラメーター一覧
  • ニンジャスレイヤー通常
筋力B+ 耐久C 敏捷B+ 魔力D 幸運D 宝具EX
  • ニンジャスレイヤー宝具解放
筋力A+ 耐久B 敏捷A+ 魔力C 幸運C 宝具EX
  • ナラク・ニンジャ
筋力A+ 耐久B 敏捷A+ 魔力C 幸運C 宝具-

  • ナラクニンジャのスキル一覧
【クラススキル】
気配遮断:D
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。

【保有スキル】
精神異常:D
精神を病んでいる。
永遠の時をニンジャへの殺意で過ごしたナラクはすでに意識を歪めた狂人である。

戦闘続行:A+
往生際が悪い。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、致命傷を負っても生き延び数時間は平時と変わらない戦闘を行うことが出来る。

単独行動:A
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクAならば、マスターを失っても一週間の現界が可能。



【weapon】
『スリケン』
ほとんどのニンジャが持つ飛び道具。自らの血中カラテを消費することで生み出すことが出来る。
『カラテ』
現実の空手と同様に、凶器と化した四肢での攻撃。
『ジュー・ジツ』
現実の柔術と同様に組み技や受け技など、またはスリケン・ジツなども含まれる総合武術。
『チャドー』
歴史の闇に隠された暗黒武術。独特の呼吸法によってニンジャ回復力を高めることも出来る。

【人物背景】
ニンジャ抗争で妻子を殺されたサラリマン、フジキド・ケンジ。
彼自身も死の淵にあったその時、謎のニンジャソウルが憑依。
一命を取り留めたフジキドは『ニンジャスレイヤー』、ニンジャを殺すニンジャとなり。
復讐の戦いに身を投じる。
近未来都市『ネオサイタマ』を部隊に、ニンジャスレイヤーvsニンジャの死闘が始まった。

【サーヴァントとしての願い】
ニンジャ殺すべし。
あるいは――――

【基本戦術、方針、運用法】
単独行動のスキルも持ち、投擲武器のスリケンも生成可能なためにゲリラ的な戦法を取る事ができる。
しかし、マスターであるしんのすけの知能・体力の貧弱さが常に枷となる。


【マスター】
野原しんのすけ
【参加方法】
路端に落ちていた木片を拾った。
【マスターとしての願い】
園児であるため、まだ聖杯戦争を理解していない。
【weapon】
なし。
【能力・技能】
なし。
【人物背景】
埼玉県は春日部市に住む、少々変わった少年。
脳天気な性格であり、成人女性に強い興味を抱くなど少々ませている。
おバカで下品な冗談を好み、妙なところで頭が回る天才肌でもある。
【方針】
サーヴァントであるアサシンとともに行動を共にする。



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