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オルテガ&アサシン ◆5FR2vTtitI




それは夕食時を少しばかり過ぎた時間帯の話。

薄暗い路地にて、物陰に隠れた一人の男が気配を絶っていた。
目深に被られたキャップの奥に光る目は、猛禽類のように鋭い。
ネックウォーマーによって隠された口がどうなっているのかは傍目には分からないが、きっと真剣に噤んでいることだろう。
当然だ。彼は今、目と鼻の先にいる相手をどう仕留めるべきかと考えている最中なのだから。
故にニヤニヤと笑っている暇など無いに等しいのだ。というか、そもそも彼はそんな性格ではない。

彼の名はエイデン・ピアース。
アサシンのサーヴァントである。

『おい、見つけたのか? どうだ? 殺せそうか?』
『見つけました。マスター……ですが、相手は子どもです』
『子どもぉ? マスターがぁ?』
『はい……サーヴァントは出払っているようですが……』

彼の左手に収まっているスマートフォンからは、先程から音声が垂れ流されている。
録音された音声ログを再生しているわけではない。これはリアルタイムなものだ。
一体どういうことかというと……答えは単純明快。エイデンは、通信傍受を行っているのだ。

『……で? 子どもだからどうしたというんだ?』
『……はい?』

対象は、目と鼻の先にいるマスターらしき――紛らわしい表記で申し訳ないが、エイデンのマスターではない――男性だ。
相手は恐らく、召喚したサーヴァントだろう。どうやら魔術的な傍受を恐れるあまりに、電子機械での会話を行っているようだ。
そのせいで科学的に傍受されてしまっているのだから、本末転倒ではあるが。

『相手が子どもだろうと、相手はマスターだ。殺せ』
『……し、しかし』
『しかしじゃない。別れる前に言っただろうが。女子供でも容赦はするなと』

会話が剣呑な雰囲気に呑まれていくにつれ、エイデンの瞳が鋭さを増す。
数分前から通信傍受を開始した時点で確信していたが、やはりこのマスターは……早々に始末するべきだ。
そうだ。女子供も皆殺しにせよなどと言い放った時点で、もはや相手は〝容赦すべきではない敵〟へと変貌しつくした。
少なくとも、姪を殺した相手への復讐に全てを捧げたこのエイデンにとっては。

『ああ、もういい! ならば令呪を使うまでだ!』

スマートフォン越しに怒号が響く。攻めるなら今だろう。
手をこまねいていては子供が危ない。戸惑いを覚えているサーヴァントも、手を汚してしまう!

『令呪によって命じ――』

横暴なマスターが、残酷な命令を下そうと声を荒げる。
その瞬間、エイデンの指がスマートフォンを操作した。

『どわっ!?』

するとどうだ! 相手のすぐそばにあった変圧器が、突如爆発したではないか!
集中力を削がれたマスターは、目を丸くして辺りを見回す。どこからか襲撃を受けた、と見紛っているのだろう。
間違いではない。何故ならこの変圧器の爆発は、エイデンのスキルによって成されたのだから。

アサシンのサーヴァント、エイデン・ピアース。
彼は高度な〝ハッキング〟を仕掛けられる秀才である。

『な、何だ!? 何事だ!?』
『ど、どうされましたかマスター!』
『どこだ! 出てこい! アサシンか! アサシンのサーヴァントか! 畜生ッ!』

スマートフォン越しに聞こえるわめき声を無視し、エイデンは物陰から飛び出した。
令呪によってサーヴァントを呼ばれる前に、手早く始末をつけなくてはならない。
再びスマートフォンを操作し、今度は相手の通信を強制的に切断する!

「も、もしもし!? もしもし!?」

そして、もはやスマートフォンを介さずとも叫び声が耳に入る、そんな位置にまでエイデンは迫った。

「くそっ! 令呪によって――」
「遅いな」

エイデンは、右手に持った警棒を大げさに構えた。
相手は恐怖し、サーヴァントに命令を下すことも忘れて逃げ出す。
路地から広い道へと場を移し、人混みに紛れて仕切り直そうと考えているのだろう。
なるほど、人口を思うにかくれんぼには最適だ。
だが、だからこそ決して気付くまい。それこそがエイデンの狙いだということに。

『も、もう一度だ……もう一度……令呪を――』

へとへとになりながら路地を脱した彼は、車道を横切ろうと必死に走った。
そして息をきらしつつも、再び令呪の使用を企んでいるのだろう。スマートフォン越しに呟きが聞こえる。

さぁ、仕上げだ。

「俺の事はいくらでも恨めばいい」

エイデンの指がするりと動く。

「さよならだ、見知らぬマスター」

瞬間、街を彩っていた光が全て消え失せた。

「……終わったな」

建物の電気が、街灯が、信号機が、それら全てが例外なく力尽き、一寸先すら見えない真の闇が広がった。
そして何かが激しくぶつかる音と共に、スマートフォン越しに痛々しい悲鳴が上がる。
視界を奪われたせいで何が起こったかを理解出来ていないらしいNPC達は、皆が一様に思い思いの疑問や恐怖の念を口にするばかり。
そして数秒後、街の電気系統が全て復旧すると……目の前の車道には、大きなトラックが停止していた。

その巨大なタイヤは、何者かの身体を押しつぶしている。
顔こそぐしゃぐしゃになっているが、血にまみれた衣服を見れば判別できる。
被害者の正体はずばり、混乱の縁にありながらもエイデンから逃亡しようとしていたマスターだった。

「まったく……」

大惨事に気付いたNPC達の悲鳴が飛び交う街の中を、エイデンは静かに歩く。
人々は気付くまい。先程の停電すら、このエイデン・ピアースの力によるものだということに。


 ◇ ◇ ◇


「終わったぞ、マスター」
「む? エイデン君か。どこに行っていたのかね?」
「やめてくれ。今の俺はアサシンだ。そういうルールだろう?」
「ああ、そうだったな。これは申し訳ない」

人為的な暗闇の中で大惨事が引き起こされてから数分後のこと。
アサシン、エイデン・ピアースは自身のマスターが待つ場所へと足を運んだ。
というより、舞い戻ったというのが正しい。何せ彼は、マスターの許可無く勝手に行動していたのだから。

「満足そうだな、アサシン君。良いことでもあったかな?」
「ん? 特に何もないが」
「いいや。その目はあれだ、何か成し遂げたときの目だ」
「……」

勝手に聖杯戦争の前哨戦を行ったことを見破っているのか、マスターは自信満々に言った。
だが咎めているわけではなさそうだ。何というか、改めて自分の性質を見定めようとしている様に見える。

「……そうだ。マスターを斃してきた。子供でも構わず殺せと、英霊に無理強いしていたからな」

たまらず、エイデンは白状した。

「ふむ……そうか。悪辣なマスターも混じっているということか。ならばサーヴァントはどうした?」
「俺を追いかけてくる様子はなかった。恐らくは単独行動持ちではなく、そのまま脱落したんだろう」
「なるほど。ならば……良いか。弱きをくじいたわけではないならば、私には何も言う権利はないな」

するとマスターは、安心するようにため息をついて笑った。
まるでそれは、失敗した子を安心させるための笑顔に見えた。
だからこそ、エイデンはアサシンとして彼に協力することにしたのだ。

エイデンのマスター。その名はオルテガ。
遙か南の洋上に浮かぶというアリアハンから、魔王バラモスとやらを倒すために旅立った勇者(他称)であるらしい。

にわかには信じがたい話だったが、嘘をついているような表情をしてはいなかった。
ドラッグをキメて妄想に浸ってしまっているのかとも思ったが、そうでもない。
彼は本気だったのだ。

証拠も見せてくれた。
装備した剣と盾は、場末のコスプレイヤーが持つそれとは一線を画すほどの出来映えだ。
そして彼はそれらの品を、まるで自分の身体の延長だとでも言わんばかりに操った。
しかもそればかりか、いわゆる〝呪文〟までも使い、小規模の竜巻まで起こしてしまった。
指輪の運び屋かメガネの少年か、それとも喋るライオンか……マスターにはどの隣人が相応しいだろうか?
エイデンはそう思った。

そんな勇者オルテガは、一児の父だった。
妻と幼い子供は、アリアハンに置いてきたという。
次に会うのは魔王バラモスを倒したとき、だそうだ。

彼は、帰らねばならない。
戦いの大地へ、もう一度。

エイデンは決意した。他の誰でもない、彼の願いを叶えようと。
そうだ。彼は帰らねばならない。そして幼い子を抱きしめなくてはならない。

「マスター」
「……なんだ?」
「必ず脱出しよう」
「ああ。ありがとう」

彼は、俺のようになるべきではないのだ。
絶対に。


【クラス】
アサシン

【真名】
エイデン・ピアース@Watch Dogs(ウォッチドッグス)

【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷B 魔力E 幸運D 宝具E

【属性】
混沌・中庸

【クラススキル】
気配遮断:C
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を断てば発見する事は難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】
破壊工作:A
戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。
ランクAならば、相手が進軍してくる前に六割近い兵力を戦闘不能に追いこむ事も可能。
ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく。

陣地作成:C
ハッカーとして、自らに有利な陣地を作り上げる。
小規模な”工房”の形成が可能。
上記の破壊工作スキルの副次的な効果がスキル化したもの。
迎え撃つために陣地を作るというよりは〝場を上書きする〟という意味合いが強い。

追跡:C+(A)
トラッキング能力。
僅かな痕跡から敵の能力や行動パターンを予測し、現在位置を特定する。
パルクールやフリーランニングに準ずる走法、乗車などによる物理的な追跡も可能。
コンピューターネットワークを利用できる場合はランクが上昇する。

ハッキング:A+
電子機器や大型機械、ネットワークなどを掌握する能力。
この能力は上記のスキル全ての根幹に関わり、また自身が持つ宝具によって力を底上げされている。

【宝具】
「Profiler搭載型スマートフォン」
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:-
Profilerと呼ばれる万能アプリケーションが搭載されたスマートフォン。
キャスターの保有スキルのほとんどはこの宝具によって発動するといっても過言ではない。
通信傍受や銀行口座番号ハック、車両警報の解除や無人機械の遠隔起動などを始めとする比較的小さなテクニックはもちろんのこと、
変圧器や蒸気配管に過負荷をかけて爆発させる、コンピューター統制された跳ね橋を上下させる、走行中の電車を強制的に停止させる、
信号機の色を操作することで交通事故を招く、街一帯を停電させる、などといった大規模な事件・事故を引き起こしかねない事象を起こすことも可能である。
あくまでも人の手によって作られた代物であることに加え、アサシンの犯罪行為を幇助しているために神秘性や格を得られず、非常に低ランクである。
ハッキングの内容によっては「対軍宝具」へと変化する。レンジ及び最大補足は対象や規模によってまちまちであるため表記されない。

【weapon】
宝具以外では、警棒や銃を使用。

【人物背景】
アメリカはシカゴに住む男性。
表の顔はソーシャルエンジニアだが、裏ではハッキングの請負人として働いていた。
だが敵から恨みを買ってしまい、姪のレナ・ピアースを殺害されてしまう。
その日から彼は復讐を決意し、妹が止めるのも聞かずに犯人捜しを決行する。

自身が悪人である事を理解してはいるが、同時に悪人を見逃すことが出来ない性質を持つ。
そのため、時には自身の復讐と無関係の犯罪行為に介入し、容疑者に制裁を加えることも多い。

【サーヴァントとしての願い】
マスターの想いを汲む。
悪人は許さない。

【基本戦術、方針、運用法】
基本的には「ステルス&バイオレンス」の精神。
手持ちの武器とハッキングを組み合わせ、敵を始末していく。
保有スキルのランクは高いが、スキルを使って追い詰めた後に役立てるかどうかは状況次第。
また、その強さはコンピューターに依存したものであるため、魔術を使う相手と戦う場合には……?



【マスター】
オルテガ@ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…

【参加方法】
火山の火口に落ちる直前、共にどこからか落下してきたゴフェルの木片に触れる。

【マスターとしての願い】
元の世界に戻り、魔王バラモスを倒す。
だが善人に危害を加えることだけは勘弁願いたい。

【weapon】
剣と盾、そして呪文。

【能力・技能】
剣と盾を使って戦う。
風を起こす呪文や、怪我を癒やす呪文などを使うことが出来る。

【人物背景】
魔王バラモスを倒すため、妻と幼い息子を残して旅立った勇者。
正史では成長した息子の目の前で死亡するのだが、それより以前より参戦した。
恵まれたたくましい体格を持つ。

【方針】
脱出の方法を探す。