真月譚◆ysja5Nyqn6



 ―――その約束を、覚えている。
 ―――その笑顔を、覚えている。

 ―――なにもかも 、覚えている。

 忘れられない。
 忘れてなんかやらない。
 燃えるような教室の中、ここにまた来ようって約束したのを、ずっとずっと覚えている―――


      †


 ――――月の綺麗な夜だった。

 聖杯とか生存競争だとか、そんなモノがどうでもよくなるくらいに澄んだ夜空。
 月の光は夜の街を照らし出し、ほんのりとその影を浮かび上がらせている。
 そこでは数多くのマスターとサーヴァントが、己が望みをかけて殺し合いを始めているのだろう。

 ―――例えるのなら、月世界。
 誰も彼もが死に絶える異界の戦場。
 すべての終わりを観測する死の集積場。
 月の頭脳によって作り出された虚構の世界。

 俺はこれから、その世界の住人となる。
 自分の願いのために、他人の願いを殺し尽くす。
 たった一人の存在のために、その他の全ての屍を踏み越えていく。

 きっと赦されることではないだろう。
 妹や友人には、顔向けもできやしない。
 それでも俺は、彼女に傍にいてほしかった。
 彼女にただ、生きていてほしかった。だから―――

 たとえ人殺しになろうとも、俺は聖杯を手に入れる。

「……行こう、アルクェイド」

 そう後ろに佇む彼女へと声をかける。
 だがクラスの制約により、彼女が返事を返すことはできない。
 それを少し寂しく思いながらも、俺は夜の街へと繰り出していった。

 そんな俺の背中を、彼女がどこか悲しげに見つめていたことに気付くことなく…………。


【CLASS】バーサーカー
【真名】アルクェイド・ブリュンスタッド
【出展】月姫
【パラメーター】
筋力:A+ 耐久:B+ 敏捷:A+ 魔力:C+ 幸運:C+ 宝具:E
【属性】
秩序・中庸
【クラススキル】
 狂化:A
全てのパラメーターをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
上記のパラメーターは狂化中のものであり、平時は筋力値以外の+補正がなくなる。
また、狂化中の属性は暴走・狂となる。

【保有スキル】
 魔眼:A
見たもの、見る者の魂を魅了する、「黄金」ランクの魔眼を保有。
意思を込めて目を合わせた相手を魅了し、短時間ながら意のままに操ることが出来る。
しかし狂化スキルの影響により、対象を操ることは出来ず魅了するだけとなっている。
対魔力スキルで回避可能。対魔力を持っていなくても抵抗する意思を持っていれば、ある程度軽減することが出来る。

 原初の一:EX
アルテミット・ワン。
星からのバックアップを受けることで、敵対する相手より一段階上のスペックになる。
狂化スキルとは異なるため、狂化の恩恵は別途に受け、またマスターの負担が増えるということもない。

【宝具】
『プルート・ディ・シェヴェスタァ』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:‐ 最大補足:‐
血の姉妹による盟約。宝具というよりは彼女が持つ特性のようなもの。
地球の触覚であるこの素体は、周囲を地球環境化(テラフォーミング)する。
そのため、月の法則にのっとったムーンセルでは多大な重力負荷を引き起こしてしまう。
ムーンセルのルールによって再現されたサーヴァントや魔術師たちは、彼女の前では六倍の重力下に置かれてしまうのだ。

わかりやすく言えば、“相手の能力を六分の一にする” 星の権能。
これは概念による数値変換、世界そのものの決まり(ルール)であり、如何なる存在であろうと『月』にいる限り防ぐ手段は存在しない。

『空想具現化(マーブル・ファンタズム)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:‐ 最大補足:‐
空想の通りに自然を変貌させる、自然・世界の触覚である精霊が持つ能力。
ただし、自然から独立しているモノ(人間など)には直接干渉できず、動物相手には限定的な効果になってしまう。
また、彼女のスキル「原初の一」やもう一つの宝具は、元はこの宝具より別たれたもの。

なお狂化の影響により明確な空想(イメージ)の想起が困難となっているため、バーサーカーのクラスにある限り、彼女がこの宝具を使用することは出来ない。

【weapon】
あえて言うなら『爪』が武器。
その肉体性能を生かした格闘戦が主となる。

【人物背景】
月姫のヒロインで、真祖に区分される吸血鬼。
正確に言うのなら、星の触覚であり精霊の一種。

十二世紀頃、真祖たちによって人工的に抽出され、「最強の真祖」としてデザインされて生み出される。
ある理由から、ロアを終生の敵と定め、彼の転生に併せて目覚め、滅ぼすことを目的として行動。
それ以外の時間は居城「千年城ブリュンスタッド」で自らを拘束して眠りについていた。

そして今回、18代目のロアが現れたことで、彼女もまた活動を開始。
潜伏先と思われる街に赴いたが、そこで遠野志貴と遭遇してしまったことで、彼女の運命は激変する。

【サーヴァントとしての願い】
狂化されているため不明。
【基本戦術、方針、運用法】
制御の困難なバーサーカーではあるが、下手なサーヴァントよりは段違いに強い。
彼女が猛威を振るっている間に、マスターがどう立ち回るかが鍵となる。


【マスター】遠野志貴
【出展】月姫
【参加方法】偶然、『ゴルフェの木片』を入手。
【マスターとしての願い】
アルクェイドの吸血衝動を解決し、彼女を助ける。
【weapon】
『七ツ夜』
七夜に伝わる宝刀。しかし、値打ち物ではない。
年代物だが暗殺用らしく飛び出しナイフ。
そんな構造でありながら、死徒の攻撃を受け止めるほどに頑丈。

『魔眼殺しの眼鏡』
魔眼の効力を抑制する眼鏡。
ある意味において、志貴の生命線となっている。

【能力・技能】
肉体は高い運動能力を持つものの、体力的に脆弱で貧血が絶えず、回復力に乏しい。
幼少期に仕込まれた七夜の体術は、無意識ながらも彼の身体に焼き付いているため、体運びや短刀の扱いには目を見張るものがある。
また潜在的に強い殺人衝動を内包するが、これは彼の血脈によるもので、厳密には退魔衝動になる。
「死」を見すぎるが故に「死」に近く、その為死の気配には敏感で、敵意持った攻撃や不意打ちに反応しやすい。
また並みの魔術師では契約する事は出来ない使い魔と契約可能なので、保有する魔力量は中々のモノと思われる。

『直死の魔眼』
対象の「死期」を視覚情報として捉えることが出来る目。またそれに加え、その視覚情報をもとに対象を「殺す」ことができる能力。
ここで言う死期とは生命活動の終焉ではなく、「存在の寿命」。意味や存在が、その始まりの時から内包している「いつか来る終わり」のこと。
そして、この「死」は生命活動の終焉ではなく「存在の寿命」であるため、殺せる対象は生命体に留まらない。
端的に言えば、相手が何であっても寿命があるなら殺せる。
物理的な破壊ではなく、概念的な死であるため、治療や蘇生、再生や復元も無効化する。死徒などを相手にする場合は非常に有効。
ただし、精確に死の線・点を捉える必要があるため、志貴の身体能力を上回る相手には、その致死性を発揮させ辛い。
また死の線・点が視え続けるということは、脳や神経に非常に負担をかけるため、使い過ぎれば廃人となってしまう危険性がある。

死期の情報は「線」と「点」で示される。
  • 死の線
モノの死にやすい部分。
線に沿って切ることでその箇所を死に至らしめることができ、「線」をもって切られた部分は本体の生死関係なく行動、治療、再生不能。
切断に腕力は必要なく、強度も無力化される。たとえ鋼鉄であっても、線がある場所ならば容易に切り裂いてしまえる。

  • 死の点
寿命そのものであり、死の線の根源。
突くことで対象の死期を発現させる。線と同様、突くのに腕力を必要とせず、強度も無視して貫く。
ただし、能力が高まっている、極度に集中している状態でないと点を視ることは出来ない。

【人物背景】
月姫の主人公。
幼少期に経験した二度の臨死体験から直死の魔眼を得た。
そのため一時期自暴自棄になっていたが、偶然出会ったある人物に魔眼殺しの眼鏡を貰い、彼の性格を決定付ける教えを受ける。

その後遠野分家の一つ、有間に預けられていが、物語開始時に遠野本家に呼び戻される。
そしてアルクェイドと出会ったことから、彼は吸血鬼たちとの戦いに身を投じることとなる。

【方針】
特になし。遭遇したマスターを片っ端から倒していく。