――赤い、花が咲く。


   *   *   *   


方舟の中に再現された架空の町並み。
多種多様な建物が混在する幻の町にとある日本風の屋敷があった。
その縁側で、それなりに広いがどこか閑散とした印象を与える庭園を眺めながら、"彼女"は酒を呷った。

「――――」

縁側の柱に背を預けるその女は、人の目を引く容姿をしていた。
梅花のような鮮やかな赤い髪、大きく着崩した着物……それらも勿論目を引くが、彼女と相対した時最も目を奪われるのはその顔――厳密に言うならば顔の左側に刻まれた大きな傷跡だろう。
元々の容姿が整っているだけに、左目を潰したその大きな傷跡は否が応でも印象に残る。

そして夜風を受け、右側の袖も不自然なほどに大きくはためいた。
徳利とお猪口を片手で扱うその所作を見れば、彼女が隻腕だということは用意に想像できるだろう。

隻腕隻眼の女――その名を梅喧という。

彼女は他に何をするでもなく、酒を飲みながら、ただ夜空を見上げている。
視線の先には月がある。
本物ではない、『方舟』の内部に映しだされた幻の月だ。
だが少なくとも見てくれや降り注ぐ月光の色は、自分の知る月と寸分も違わない。

「――ふむ、月見酒とは此度のマスターは風流なことよ」

座敷の奥から現れたのは青い陣羽織の美丈夫である。
身の丈ほどもある長刀を背負いながら、その動作には澱みがない。

「アサシン、お前も飲むか?」
「うむ、頂こう」

梅喧からお猪口を受けとるアサシン。
澄んだ液体が限界まで注がれたところで、くい、と飲み干す。

「――ああ、旨いな」

熱い液体を嚥下する感覚。
データで再現されたとは思えない、確かな熱がアサシンの喉を焼く。
舌を焼く辛味と全身に広がる熱を楽しむアサシンに対し、梅喧が口を開く。

「……それで、テメェはいいのか?」
「何が――というのは無粋だな。
 私の望みは唯一つ、強者と死合うこと。
 ……であればマスターの望みはむしろこちらにとっても望むところよ」

そう言ってアサシン――佐々木小次郎は涼やかな笑みを浮かべる。
今回の聖杯戦争では山門による縛りもない。
細かい策を弄するあの女狐もいない。
心ゆくまで戦いに興じれるというものだ。

一方でマスターである梅喧も策を弄するのは苦手だ。
聖杯戦争だの何だのと言ってはいるが、結局のところ結論は同じ。
最後の一組になるまで戦い抜けばいいのだ。
やっと掴んだ"あの男"に辿り着くための道。
この好機を何としても逃す訳にはいかない。
たとえどんな相手が目の前に立ちふさがろうと、だ。

再び空を見上げればそこには変わらず、煌々と輝く月がある。
本物よりも澱みのないかも知れない月光の下で、しばしの間、主従は酒を酌み交わす
そして――徳利から最後の酒が消える。

「――行くか」
「心得た」

そして二人は言葉少なに立ち上がり、屋敷を後にした。

赤と青、二人のサムライが街を行く。
彼らがこれから向かうは戦場(いくさば)。
その行先に咲くのは一輪の花。
屍山血河の中に咲く、血よりも赤い真紅の花。



【クラス】
 アサシン
【真名】
 佐々木小次郎@Fate/stay night
【パラメーター】
筋力:C 耐久:E 敏捷A+ 魔力:E 幸運:A 宝具?
【属性】
中立・悪
【クラススキル】
  • 気配遮断:D
 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。
「透化」スキルからの派生であり、厳密に言えばアサシンは気配遮断スキル自体は有していない。

【保有スキル】
  • 心眼(偽):A
 直感・第六感による危険回避。虫の知らせとも言われる、天性の才能による危険予知。
 視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。

  • 透過:B+
 明鏡止水の心得。精神干渉を無効化する精神防御。

  • 宗和の心得:B
 同じ相手に何度同じ技を使用しても命中精度が下がらない特殊な技法。攻撃を見切られなくなる。

  • 燕返し
 対人魔剣。最大補足・1人。
 全く同時に3つの斬撃が襲い掛かる回避不可能の必殺剣。
 三連続ではなく三つ同時に存在する斬撃であり、魔法の一つである多重次元屈折現象を実現している。
 愚直なまでにただ一つのことを繰り返した男がたどり着いた剣技の境地。

【宝具】
なし。

【weapon】
  • 備前長船
 刃渡り3尺(90cm)全長5尺(150cm)の長剣。
 物干し竿とも呼ばれるアサシンの愛刀。

【人物背景】
冬木市で起こった第五次聖杯戦争にて、キャスターが召喚したアサシン。
本来なら冬木においてアサシンは山の翁と呼ばれるある英霊のみが該当するはずであったが、
サーヴァントがサーヴァントを呼ぶというイレギュラーな召喚を行ったため、召喚された侍。
その技量は高く、(キャスターのサポートがあったとはいえ)剣技のみで各サーヴァントと対決し、互角に戦った。

……実は佐々木小次郎本人ではなく、佐々木小次郎を演じるにふさわしい技量を持った無銘の剣士。
剣を振るだけで魔法の域に達した魔人。
花鳥風月を愛でる伊達男。

【サーヴァントとしての願い】
心ゆくまで戦う。

【基本戦術、方針、運用法】
クロスレンジであればかなりの技量を持つが、遠距離攻撃や宝具によるブッパ等には弱い。
マスターの戦闘能力が高いのでマスターとサーヴァントを同時襲撃するのも一つの手か。

【マスター】
梅喧@ギルティギアXX

【参加方法】
謎のギア"ゴフェル"と接触した。

【マスターとしての願い】
"あの男"の行方を探す。

【weapon】
  • 日本刀
 無骨な日本刀。無銘だがかなり丈夫。
  • 暗器
 全身に暗器を仕込んでおり、剣技と組み合わせて発動する。

【能力・技能】
  • 戦闘技能
 隻腕隻眼ながら高い戦闘能力を持つ。
 が、"軍事レベルの脅威には成り得ない"、"目的は復讐のためコントロールは容易"などの理由から危険度は低めに設定されている。

【人物背景】
男勝りで生粋の格闘家であり、喧嘩っ早く人の話をあまりを聞かない。
自身の故郷を滅ぼし、自身の左目と右腕を奪った"あの男"を追っている。
時系列的には本格参戦より前の模様。

【方針】
優勝狙い。