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声が聞こえる。
学校の雑踏と喧騒の中、全ての声がはっきりと解る。
いや、それは正確には声ではないのだけれども。
それは、人のキモチ。
それが、あまりに嘘クサすぎて。
ここは、アタシの居場所じゃない、って気が付いた。
廊下を駆けて屋上へ向かう。どいつもこいつも嘘クサい。
人の心をサトって、こんな風に感じるのは初めて。心は嘘をつかないハズなのに。
なら、あの人達はなんなのだろう? きっとヒトじゃないのかもしれない。
とにかく気持ちが悪い。なんでこんなにも心が聞こえるのだろうと思ったら、チロがいないことに気が付いた。
泉から聞いていたことではあったけど、あの子がいないとこんなにも聞こえるものだったんだ。
そりゃそうよね、光狩と戦うために訓練していたんですもん。
正直、思い知りたくなかった。
屋上へ着く。幸い誰もいない。途中でいくらか「本当の心」も聞こえた気がしたけど、気にしている余裕なんて無い。
何も無い、広い空を眺める。快晴だ。あの空の奥なら心も届かないかもしれない。
でも、ここじゃ足りない。まだ聞こえる。正直キモチ悪い。
ヒトの心の様な「ナニカ」は絶え間無くアタシの心に届く。
せめてアイツがいれば良かったのに。アイツさえ近くにいてくれれば、アイツの心さえ聞いていられれば。
そう、あいつもいない。多分ここには、きっといない。なんとなくそんな気がする。
もしかしたら、アタシは今、自分が思っている以上に遠くまで心を拾っているのかもしれない。

「大丈夫ですか、お嬢さん。顔色が優れませんよ?」

――誰よ、アンタ。

「何者だ、って顔をしてますね。私はサーヴァント、セイバー。アナタの呼び掛けに応じ馳せ参じた次第です」




何でも願いが叶うお守り。露天商がそういうふれこみで売っていた安っぽい木彫りのお守りだ。
当たり前だけど、これっぽっちも信用していたワケじゃない。
でも、とても大事な物になった。アイツがデートで買ってくれたから。
正直、願掛けができるならなんでも良かったんだと思う。
あの人が――ソウジさんが、姉さんの元に帰ってきてくれるように、って。
それと、アイツが買ってくれたっていうのが嬉しくて、家に帰ってからガラにも無く結構本気で願掛けした。
その後のことはあまり覚えていない。
気が付いたらここにいた気がするし、そうでない気もする。




「気分はいかがですか、マスター?」
「いくらかマシね。ありがと」

突然現れたベートーベンみたいな髪型をしたオジサンの手際は実に鮮やかだった。
鮮やかだった、というか理解の範疇を超えていた、というか。
星形の図形を書いてアタシを放り込んだと思ったら、マホカトールだかアホガミールだか言って、発光させた。
火者の術の様なものだと思うんだけど、真月も出ていないのにこの規模の術を扱えるものなのか。

「ふーむ、破邪の結界でマスターに干渉しているモノを防げるかは一か八かだったのですが、上手くいったようですね」
「ハァ? よく分かって無いのに行動したの?」
「まあそうなりますね。ただ、アナタの精神に邪悪な類のものが影響していたのは流れこんでくる魔力から分かっていたので」

この人の言う、邪悪な類のものってのは多分、負の心と偽装された心の様なナニカ。
ここに放り込まれてからは人の心も、大分耳当たりが良くなった。

「なんにしてもアリガト。助かったわ……ってのは目上に失礼か。助かりました」
「大分余裕が出来たようでなによりです。ホント、死にそうな顔をしてましたから」

話してみるとこの人の心は本物だって分かる。ただ、ニセモノとは別の意味でよく分からない。
なんていうか、トバしすぎている。

「さて、改めてマスター。私はサーヴァント、セイバー。アナタの呼び掛けに応じ、馳せ参じました。よろしくおねがいします」
「なんだか分からないですが、マスターってのは止めて。アタシは七荻鏡花です。セイバーさん」
「分かりました、鏡花さん。私も本来なら本名を明かすべきなのでしょうが……ここでは不利になるので、セイバーで通させていただきます」
「アタシはそれで構いません。よろしくお願いします」
「そうかしこまらなくても結構ですよ。まだお互いの事をしらない訳ですし、楽に行きましょう。あははは」

この人が本心で話しているのはなんとなく分かるんだけど心の声が高速で断片的だ。
いわゆる天才ってヤツなのかしら。
多分すごく論理立った思考なのかもしれないけど、聞いても理解できない。
でも、これだけは分かる。この人の心は気持ちがいい。アイツ程じゃないけどね。

「さて鏡花さん。これから、アナタに聖杯戦争について説明させていただきます」
「聖杯戦争……ですか?」
「ええ。コレはちょっと真面目な話ですよ」

そう言うと、セイバーは本当に真面目な顔になって、説明を始めた。
オジサンとか思っちゃたけど、ちゃんとしてればイケメンねこの人。




「つまり、自分以外の参加者を殺して最後まで生き残れば、その聖杯ってのが何でも叶えてくれるワケね」
「その通りです。信じますか?」
「ええ、信じるわ。アタシ、アナタの心が読めますから」
「なんと! 読まれちゃってるんですか!?」

はっきり言って、この人は嘘を言っていない。なら、アタシの願いはきっと叶う。
たくさんの人の心を踏みにじって、最後の一人になることができれば。

「なるほど、それで……人の悪意に感応して体調を崩しちゃったんですね」
「ええ、ここに来る前はチロ……蛇咬っていう光狩……えーと、なんていうか、霊的なアレで抑えてたんですけど」
「スピリチュアルなチロですか。なんだかハイセンスな響きですね」
「いえ、そういうんじゃないんですけど、まあペットみたな感じで……それと、ここ、なんだか嘘クサい心が多くて」
「それはNPCっていうヤツですね。見るに、人の殻に役割を与えて動かす人の様な何かと言った所でしようか」

聞いた質問には彼なりの解釈を入れつつ、丁寧に答えてくれる。
セイバー、っていうよりティーチャーみたいね。

「それで、鏡花さんはどうしますか? 叶えたい願いがあるのですか?」

叶えたい願いは――ある。
はっきり言って、何でも叶えてくれるなんてものじゃなきゃ、その願いは叶わない。
でも。

「あるわ。でも、こんな方法クソ喰らえだわ」
「おや、よろしいのですか? こんな機会二度と無いかもしれませんよ」
「人様を殺して願いを叶えて、どんな顔してアイツや姉さんに会えっていうのよ。却下よ、却下」

そう。そんな方法、許されはしない。
きっと、自分の一族を切り捨て、里を捨てたあの人だってそんな方法で帰りたくない。
だから、きっと――あの人は帰ってこなかったんだ。

「そうですか。でも――そうすると、アナタはきっと生き残れませんよ?
 それに、私だって叶えたい願いがあってココにいる訳ですから。アナタが戦う意思を見せないなら、手段を選びませんよ?」

言うわね、セイバー。なかなか迫力あるじゃない

「無駄よ。アナタの心は読めるって言ったじゃない。
 正直、何考えてるかはさっぱりだけど、嘘かホントかくらいは分かるわ」
「あらら、ホントに読めちゃうんですね」

どうやらカマをかけたつもりみたいね。
案外イジワルなところもあるらしい。

「アンタがなんとかしてくれるんでしょ、セイバー」
「なんとか出来るかは分かりませんけどね。
 ここには私より強い英雄も結構いますから。ぶっちゃけ私はセイバーとしてはハズレの部類ですね」
「うげ……いきなり不安になること本心から言わないでよ……」
「ま、ジタバタできるだけジタバタして太く生きましょう。
 こう見えても私、色々できるんですよ。戦闘はともかく、生活においては英霊一ツブしの利く男を自負しています」
「ハァ……本気で言ってるのが分かるのが逆に辛いわ」
「生前は兵士からお料理の先生、勇者に家庭教師、洞窟探検家に王様もやっていましたからね」
「もういいから。行くわよ、セイバー」
「おや、結界から出ても大丈夫なのですか?」
「ええ、アナタのお陰で大分気合い入ったわ。動揺してなきゃ案外図太くやれるのよ、アタシ」

本当だ。セイバーと話している内に気分は落ち着いた。
この人の心の響きがとても落ち着けるものなのもあるのかもしれない。
だから、いつまでもここでジッとしてはいられない。
帰る方法を探さなきゃ。アイツと、姉さんの所へ。

「そういえばアナタの願いってなんなの?」
「秘密です。人には言えないとんでもない願いですからね」
「バレるの分かっててシレっと嘘吐かないでよ」
「おや、まあ」






クラス】セイバー

【真名】アバン・デ・ジュニアールⅢ世

【パラメーター】
 筋力B 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具B

【属性】
 秩序・善 

【クラススキル】
 対魔力:B
  セイバーのクラスとしては平均的な対魔力。
  魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

 騎乗:B
  セイバーのクラスとしては平均的な騎乗スキル。
  騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
  魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
 道具作成:C
  毒薬、魔法を撃ち出す銃器、結界儀礼用の術具などの様々なアイテムを作ることができる。
  セイバーとして召喚されたためランクは高くないが、作成したアイテムにより勇者達を導いた逸話により失われることはなかった。

 心眼(真):B
  修行・鍛錬によって培った洞察力。
  窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 
  セイバーの編み出した「空の技」の使用にはほぼ必須のスキルと言える。

 呪文:B
  セイバー本来の世界の魔術を使いこなす。
  攻撃、補助、回復、全ての系統を高度に扱うことができる。 

 破邪の結界:C
  邪悪な意思の干渉を妨げる結界を作成することができる。
  同ランク以上の魔力で無効化でき、また、知識があれば解除もできる。
  作成したアイテムによるバックアップがあればランクを上げることができるが、
  該当アイテムの熟成には時間を要するため、短期間の聖杯戦争では難しいだろう。

 伊達眼鏡:B
  とても伊達眼鏡の似合うおしゃれさん……ではなく相手に開示する情報を飾りのものに変える。
  全てのステータスを1ランク下げた状態で表示するが、分析スキルにより無効化できる。
  また、本来ならばセイバーは生前一国の王であったことが有ったためカリスマスキルを所持しているが、このスキルにより失われている。
  このスキルを捨てることにより同ランクのカリスマスキルを得ることができる。

【宝具】
『アバン流殺法』
 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:-- 最大補足:1人
  セイバー自身の編み出した流派。
  剣・槍・斧・弓・鎖・牙の六種類の武具を扱う技術を後世に残したため宝具となった。
  どのクラスにおいても六種の武芸の技量が低下しない。

『アバン流奥殺法義』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~3 最大補足:1人
  上述のアバン流殺法を極めることにより扱える技。
  剣術においては『アバンストラッシュ』を使う。
  独自の地、海、空の技術理論により相手の実体・補正を無視した高威力の一撃を叩きこむ。
  速射性重視のA(アロー)タイプと威力重視のB(ブレイク)タイプがある。

【weapon】
『由緒正しき勇者の剣』
  そこらの道具屋で買った由緒正しき普通の剣。
  さすがに10Gの物ではない。……と、思う。
  セイバーが生前、武器に拘りなく戦っていたため、破壊などにより失われても時間を置けばどこからか調達される。

【人物背景】
 『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』に登場する学者の家系の生まれの元兵士で元勇者の家庭教師。
 物語の最終話では一国の国王に就任したと思しき描写がなされている。
 果たして死ぬまで務めあげたのかは不明である。奥さんは「勇者なんて事が片付いたらすぐどこかに消えてしまう」と嘆いていた。
 武術、呪文、発明、教練、料理において一流の技術を持つほか、世界最高峰の学識を誇る。
 戦闘力としては超一流の戦士には及ばないが、その総合力は大魔王に「もっとも厄介な男」と評されるほどのレベルである。

【サーヴァントとしての願い】
 人には言えないとんでもない願い(仮)

【基本戦術、方針、運用法】
  人間としては稀代の天才だが、英霊としては器用貧乏である。
  とはいえ、大魔王にすら危険視された本人の慧眼は健在のため、先手を取るならば有利に戦局を進められるだろう。
  宝具の燃費も悪くない思われるので、じっくりと状況を進めたい。

マスター】
 七荻 鏡花(ななおぎ きょうか)

【参加方法】
 彼氏に買ってもらった「なんでも願いが叶うお守り」により箱舟に来てしまった。

【マスターとしての願い】
 彼氏の元へ帰る。

【weapon】
 なし。
 本来ならば後述の『サトリ』の能力を抑える礼装を所持していたが、持ちこめなかった。

【能力・技能】
 『サトリ』
  人の心を読む能力。作中は前述の礼装により抑えられていたが、本来はかなりの範囲の声が勝手に入ってきていたようである。
  そのため、一時期人間関係に支障があった時期がある。
  一般人の思考でも精神に異常出る程なので、抑制されてない状態で汚染された精神に触れればダメージは大きいだろう。 

【人物背景】
 18禁ゲーム「夜が来る!」のヒロインの一人。
 金髪ツインテールと見た目はツンデレだが全くツンデレではない。
 ツンデレの皮を被ったおっさんである。
 主人公に対するパワハラとセクハラには定評がある。

【方針】
 姉の彼氏に戻ってきてもらいたい。が、他人を犠牲にしては意味が無い。
 殺し合いなどもっての他。ではあるが……。