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出灰カガリ&バーサーカー



カラカラカラカラと運命の歯車はいつでも空回り。






  Ж Ж Ж


「アンタが下僕なの?」

透き通った声が夜の蒼に滲みてゆき、涼風に薄い金色の髪がさらさらと流れる。
車椅子の上の華奢な少女は手にしていた西洋人形を胸に抱くと、長い睫毛を寝かせ値踏みするように目の前の“ソレ”を見上げる。

「ああ、そうだ」

低く篭った声で答える“ソレ”は濁った鉄の色をしていた。彼は鎧にも機械にも見える奇妙な隻腕の巨人だった。
誤れば踏み潰してしまいそうな小さな少女を見下ろし巨人は頷く。その瞳には感情はなく――いや、感情はひどく遠くに。

「そう、じゃあカガリを守ってね。カガリの言うことを聞いてね。カガリに逆らわないでね。絶対……、絶対にカガリに口答えをしないでね」

陶酔する様な表情でそう言う車椅子の少女の名前は出灰カガリ(いずりはかがり)という。

「わかった」

短く返すだけの機械の様な――胸に巨大なエンジンを持つ隻腕の男の名はトルクといい、彼は彼女にとっての『バーサーカー』のサーヴァントだった。



「――じゃあ、あれを壊して」

カガリが指差す先には一台の乗用車が止まっている。彼女らがいる場所は立体駐車場の中だった。車はその先にも並び、何台も止まっている。
トルクがそれだけで大人一人くらいはある左腕を振り上げ、そして下ろせば破壊の音と共に指差された車はぺしゃんこになった。

「あれも壊して」

再び破壊音。トルクが触れれば鉄の車は豆腐のように脆く崩れる。

「あれも壊して」

ワンボックスカーがへしゃげ、外れた車輪がころころと転がった。

「あれも壊して」

頑丈そうに見えたジープもまるで紙でできているかのように簡単に潰れた。

「あれも壊して」

並んで止まっていたバイクはまとめて弾き飛ばされ、いくつもの車輪が無軌道に駐車場の中を転がってゆく。

「あれも壊して」

カガリが指差すものはなんでも壊れた。どんな大きなものでも。どんな頑丈なものでも。どんなに多くあるものでも、指差せば壊れた。

「あははははははははは♪ すごい、すごい。カガリはすごい♪ あはは……なんだって、なんだって壊せる! なんでも壊せる!」

壊滅してゆく景色の中にカラカラと車椅子を走らせながら少女は笑う。心の底から力に酔う。全てを、あらゆるものを押し通す暴力に。

「なんでもできる。カガリはもう我慢しない。カガリはもう我慢しなくていい。いらないものは全部壊す。全部壊したら、全部壊したら……」

それが彼女の願いだった。

「この世界からカガリとヨミ以外全部なくなればいい」

それが彼女の心の底からの、たったひとつのそれだけしかない純粋な“願い”だった。



目に映る全てを破壊し終わったトルクはカガリを振り返り、巨体を折ってその前に傅く。
それは、忠誠ではなく、懺悔のようにも見えて。そしてそれは誤りではなく、彼は罰を求めてカガリの僕となることを己に誓った。
たとえそんなことに意味がないと解っていても。どの罪も雪げず、なんの贖罪にならないとしても――。


  Ж Ж Ж


ねぇ、どうしてもういらないなんて言うの? 私はあなたをこんなにも愛しているのに。

独りになった私はどこに行けばいいというの? もうどこかへ歩き出す足も失ってしまったというのに。

どうして今更なの? なぜあの時ではなかったの?

だからわがままを言っていいよね?


私はあなたを束縛する。あなたはもう私を手放してはいけない。

私はあなたを支配する。あなたはもう私から目を背けてはいけない。

私はあなたに執心する。あなたしかいなかったのだもの私の本当に大切な人は。


私は長い足を伸ばしあなたを檻に囲おう。

私はとっても大きな眼であなたを見つめ続けよう。

私は何本もの糸をどこまでも伸ばしあなたを縛り上げよう。


廻る廻る廻る、この堂々巡りの空回りする車輪(フォーチュン)、


私はあなたに絡みつき離さない。


そう、私は――ナツノクモ。







【クラス】 バーサーカー
【真名】 トルク
【属性】 秩序・善

【ステータス】
 筋力:B+++ 耐久:A+++ 敏捷:C+++ 魔力:D+++ 幸運:B 宝具:B

【クラススキル】
 狂化:D ステータスにいくらかの上昇補正を受けるが、簡単な受け答え、単純な思考しかできなくなる。

【保有スキル】
 根性(ガッツ):A
  瀕死になればなるほど運以外のステータスが強化されてゆく性質。
  数値としてHPが10%を切ると発動し、そこから減るほどにステータス上昇の度合いが増し、最終的には通常の何倍もの強さになる。

 戻し屋:B
  復活する相手を殺し続けることで復活を諦めさせる能力。
  死亡あるいは瀕死状態になった際に復活や再生を行う相手を、機械的に攻撃し続けることのできる(根負けしない)という能力。
  そのパターンに入ればいかなる英霊であろうとも、マスターの魔力が枯渇するまで繰り返し叩き潰し滅殺する。

【宝具】
 『円陣起動(イグニッション)』
 ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1~40 最大捕捉:200
 人喰い魔方陣。
 HPが一桁に突入すると自動で発動し、胸のエンジンが起動、足元から周囲に巨大な円形魔方陣を展開する。
 展開後、魔方陣からPC、NPCを関係なく喰らう蛇龍が大量に出現。
 喰らった者と諸共に血となると、エンジンの吸気口より取り入れられこれにより更にエンジンが回転数を上げ、通常は失われている右腕が生える。
 右腕は龍の形をしており、直径は約2m、全長は15m強と、元の身体全体よりも遥かに大きい。

 『龍孔(ドラゴンピット)』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:120
 龍腕の各所に開いた孔から全方位へと光線を発射する。
 一度に30から50の光線を同時に発射し、それぞれが地面に直径5~10mほどのクレーターを作る威力を持つ。
 追尾性能があり、光線は発射時にロックした相手へと曲がりながら飛ぶ。ただ、ロックした場所から離れた相手を追うほどの追尾性能はない。

 『龍息(ドラゴンブレス)』
 ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1~100 最大捕捉:250
 龍腕の先端部(龍の口)より光線を発射する。
 一条の光線を真っ直ぐに照射し、命中した地点に直径50~100mほどのクレーターを作る大爆発を起こす。

 ※円陣起動によって現れる龍腕は、龍孔、龍息の使用で吸い込んだ分の魔力を消費しきると消滅する。

【weapon】
 『トルク』
 外装。『ボードゲーム(MMORPG)』内での彼の姿そのもの。
 見た目は身長2m強の大男の姿であり、アンバランスに上半身のほうが大きい。隻腕であり右肩から先は普段失われている。
 全身を金属の防具で包んでおり、胸部がエンジンになっているのが特徴。
 ステータスは肉弾――特にタフネスに振られている鈍重なパワータイプで、同ゲーム内でも稀にしか見ないHPを誇る。
 加えて隠しステータスの『ガッツ』を持つ為、実際に耐えられるダメージ値は更に高い。
 通常時の攻撃方法は左腕によるパンチのみだが、その極端なステータスによりこれも高い威力を持つ。

【人物背景】
 出展は「ナツノクモ」
 バーチャルリアリティなMMORPGである『ボードゲーム』内で「エンジン男」という名で噂される廃人プレイヤー。
 操作しているのは伝堂という名の中年男性。
 当ゲームの開発者の一人でもあったが、同僚の過労死について裁判で会社に不利な発言をしたせいで、部署を離され飼い殺しの状態にある。
 また妻と一人娘がいるが、夫婦仲の悪化から離婚調停を進めてところで娘が交通事故にあい、そのせいで車椅子生活をすることとなる。
 諸々の結果、妻と娘は治療に専念する為に実家に帰り、伝堂は独り入院費の為に仕事のない会社へと通い続けることとなる。
 以後、伝堂はやることのない勤務時間中に『ボードゲーム』をプレイし続け、現実逃避が重なり廃人プレイヤーとなってゆく。
 プレイは日常生活の中にも及び、現在はアルコール中毒も患っていて、ゲーム内で定期的にカウンセリングを受けている。

 ゲーム内では「戻し屋」という、廃PLに対し、殺し続けることでゲームプレイ及びアバターを諦めさせるという仕事をして収入を得ていた。
 この仕事は件のカウンセラーを通じ、その廃PLの親などから依頼されて行われている。

 今回は伝説のエンジン男として召喚されたが、彼の中の自己嫌悪や、家族、特に娘に対する罪悪感も当人と同じく持ち合わせている。

【サーヴァントとしての願い】
 再び娘に父親として認めてもらいたい。

【基本戦術、方針、運用法】
 カガリを守る。
 カガリの命に従い、敵PLを駆逐する。

 戦闘が開始されれば、最初は積極的にダメージを受け『ガッツ』の発動を狙い、それから反撃を開始しそのまま押し切るのが基本パターン。
 鈍重タイプではあるが、HPギリギリの戦闘を繰り返してきたことで回避テクニックは尋常でなく磨かれており、見た目からは想像できない回避力がある。
 相手が多数、または付近にNPCが大勢いれば『円陣起動』を狙い、その圧倒的な火力で相手を蹂躙する。


【マスター】 出灰カガリ(いずりはかがり)

【参加方法】
 彼女がいつも抱いている西洋人形(メアリ)の中に『ゴフェルの木片』が含まれていた為、召喚された。

【マスターとしての願い】
 ヨミと二度と離れないようにする。

【weapon】
 『マカロン』
 ……どうしてマカロン?
 メレンゲと砂糖を混ぜて焼き上げたふわふわの生地にクリームを挟んだお菓子で、カラフルさが特徴でもある。
 特に武器というものではないが、どどめ色など汚い色のマカロンばかりをあげれば相手は精神的に傷つくかもしれない。

【能力・技能】
 狂気:A
  目的を果たす為に、世の中の常識や決まりごとを破ることのできる能力。
  または目的の為のルールを独自に作りそれに則って行動する。あるいは、それを相手に強要する性質。

【人物背景】
 出展は「ブラック★ロックシュータ(TVアニメ)」
 西洋人形のような美しさをもった儚げな見た目の少女。
 隣に住み、幼馴染である同姓の小鳥遊ヨミを偏愛しており、彼女を監視、束縛し、自分と共にあることを強要している。

 発端は、幼少時にヨミの一家が海外に引っ越す際にそれを追って道路に飛び出したことで起きた交通事故であり、
 その時にカガリは両足を怪我して、以後ずっと車椅子の生活を送り、日常の世話を(ヨミのせいでこうなったから)ヨミにさせている。
 しかし実際には怪我はとっくに完治しており、車椅子はヨミを引き止めるふりでしかない(普通に歩いたり走ったりできる)。
 世話されること、大好きな彼女を独占できる悦びに行為はエスカレートしており、友達を作ることを許さなかったりなどと彼女を苦しめている。

 カガリ自身は学校には通っていなかったが、ヨミが中学校に通いだし、マトという友人を作ると彼女に対し嫌がらせをしたり、
 ヨミの身体にハートの傷をつけたり、終いには“より世話を受ける為”に階段から飛び降りるなどの行為にまで発展した。

 その後もあるが、今回はこの時点でのカガリが召喚されている。

【方針】
 下僕(トルク)の力を使い他の参加者らを駆逐して優勝し、聖杯に願いを叶えてもらう。
 短絡的な性分な上にまだ子供なので戦略じみたものは発想できない。