瑞穂将軍府
国名 |
瑞穂将軍府 |
英語表記 |
Shogunate of miduho |
国旗 |
|
首都 |
見鶴城(みつるぎ) |
政治体制 |
武官合議制 |
国家属性 |
緑 |
国家元首名 |
幣頼晴(みてぐらのよりはる) |
政府首班 |
西条泰義 |
国歌 |
見鶴城節 |
国花 |
桜 |
公用語 |
瑞穂言葉 |
公用歴 |
元武帝王紀元(Genbu Era) |
通貨 |
文 |
概要
マティエ・アルツェール大陸(瑞穂人は「西の方の大土」と呼称)東岸に位置する「瑞穂列島」には、「瑞穂国」と呼ばれる君主国家があった。瑞穂人は「瑞穂帝王」を瑞穂人にとっての絶対権力として仰ぎ、帝王家との姻戚関係構築により瑞穂全土の権力を一本化。強力な氏族社会国家を形成した。しかし時代が経るにつれて貴族化した有力貴族はお互いに過激な政争を繰り返し、帝王権力は衰退。そうした中で貴族同士の政争に積極的に加担していった武官階層は急激にその勢力を伸ばし、やがて権力闘争で政府中心部における権力を掌握した武官一族垣氏により政権は掌握されたが、これに不満を抱いた全国の武官階層を幣(みてぐら)氏が糾合し、垣氏を討ち滅ぼし帝王家を傀儡化し「征鬼大将軍」の官位を帝王より得て、瑞穂東部の見鶴城に一大要塞都市と、事実上の国家政府機能たる「将軍府(Shogunate:リドニア人探検家マルキウスの『東方伝聞録』に初出)」を築いた。これが近代国家としての「瑞穂将軍府」の誕生である。
種族/人種
瑞穂人/人類種
歴史
コンフラックス(衝合/Conflux)以前
瑞穂の叙述史書『瑞穂書紀』によると、今から4800年前に造物主である日高産比神の娘、天輝大神の月経の血から生まれた武速久弐尊の息子、山背阿霊比古のそのまた息子の神瑞穂壱霊比古が瑞穂大三洲を統一し、初代帝王元武帝王に即位したことが始まりとされているが無論疑わしい。なお大陸の古代王朝匸の史書『匸書矮国伝』に於いて1700年ほど前の条文から「卑古彌子」「矮王愚・惨・塵」などの瑞穂人による朝貢記事が伺えるため、少なくとも1700年ほどその統一政権としての存在を遡ることができるとするのが昨今の定説である。
その後帝王家は、積極的に有力豪族を血縁関係に組み込み、強力な氏族社会の形成に成功したが、これはやがて土地とその付加財産を大量に独占し、政治を恣とする貴族の台頭と、それら貴族間の激しい政争という情勢を生み出すに至った。これが今から900年ほど前の社会である。
やがてこの社会不安は貴族が政争の駒として使った下級武官階層「侍」の台頭と地位向上を招き、やがて時代は力をつけすぎた二大武家「幣氏(みてぐらし)」と「垣氏(かきし)」による武力闘争の時代に突入する。一度は幣氏を破り「大政大臣」「摂政」「管博」などの政権上位ポストを独占していった垣氏であったが、次第に増長していき、遂には一座の者が「垣氏に有らざる人、これ皆人非人たるべし」などと口にするようになった(『垣氏物語』)。やがて幣氏の生き残りの一人幣頼以(よりもち)が垣氏に反旗を翻し挙兵。垣氏の横暴に反発した多くの地方の侍がこれに迎合。垣氏を打倒し帝王家の政府「朝廷」を武力恫喝し傀儡化
した幣氏は、本州東部の絶壁の天然の要害「見鶴城」に「見鶴城城」を築き、帝王から「征鬼大将軍」の官職を得てからはこれを一族世襲の瑞穂全土鎮護の権であるとし、見鶴城に「将軍府」を設置。事実上の武家による政治を開始した。
その後ウィルバー合衆国にその圧倒的な軍事力を以て開国を迫られやむなくこれに応じ、以後はウィルバーの貿易船の中継港、ウィルバー艦隊の駐留基地として機能したが、これに大いに不満を抱いた武家たちは「尊王攘夷(帝王を敬い夷狄を打ち払え)」を唱えはじめる。この動きを利用した時の後土羽帝王、公家の五条実視(さねみ)、有力武家の沙彌泰秀・島賀龍久らがクロン共和国の援助を取り付けて打倒将軍府を標榜し挙兵した。この親クロン反将軍府勢力と、ウィルバー合衆国の援助を受けた将軍府との大規模で凄惨な内戦を、時の年号から取って「浄久戦争」と呼ぶ。結果、強力なウィルバー合衆国の支援を受けた将軍府に反将軍勢力は打ち勝つことができず、後土羽帝王は退位の上砂土ヶ島へ島流しにされ、島賀氏は先祖伝来の領地である狭嶼(さしま)を没収され、極北の鬼地の更斗賀へ改易され、五条・沙彌らはクロン共和国へと亡命した。
コンフラックス(衝合/Conflux)以降
衝合以前は瑞穂の強力な後ろ盾となっていたウィルバー合衆国の消滅は瑞穂に大きな指針転換を迫ることとなった。浄久戦争以降ほぼ断行状態となっていたクロンとの国交再興はその顕著なものであろう。
政治
瑞穂の執政権力者層は「侍」「武家」と呼ばれる武官階層である。当初彼らは貴族層の私兵集団に過ぎなかったが、貴族同士の苛烈な権力争いへの加担でその地位を高め、やがて高級武官や上位官吏のポストを独占していき、遂にはその圧倒的武力により旧支配層である貴族を排斥し、武断政治によるまったく新しい執政機関「将軍府」を築くに至った。
「将軍府」は全国の守護を配下に置き、中央を直轄領としつつ地方政治は守護たちに任せ、瑞穂全土の間接的支配を実現している。
帝王家は建前上征鬼大将軍の主君となっているが、事実上全政治権力は征鬼大将軍に統一されており、その露骨なまでの傀儡ぶりは「将軍の意向に逆らった帝王は即日譲位させられる」とまで揶揄されている。
為政方針は地方を鎮護する複数の「守護」と将軍の合議制により決定される。この将軍と有力守護による為政会議を「評定会」と呼ぶ。たとえ将軍でも評定会メンバーの意向を無視して立法処置や行政指令を行うことはできない。
職制
侍の頂点にして事実上の瑞穂元首。将軍府の長。幣氏の嫡流によって継承される。
将軍補佐・事務処理担当官。将軍府発給の殆どの書類は彼の職の署名が無ければ権威がないとされている。現在は西条氏がその地位を独占している。
地方有力守護による将軍補筆組織。
民生全般を担当する中央官庁。
軍事行政担当官庁。
外交担当官庁。
人物
現将軍。歴代将軍に比べるとあまり勇猛とは言えず、和歌と書道を得意とする文化人。その凡庸さから西条家の面々の傀儡と化している。
西条家当主。管領として将軍を影から操る暗躍者。腹黒い。
女 |
人類種 |
真っ白い水干姿。黒い長髪を後ろ結び。男装の美少女 |
頼晴の長女。幼いながら武芸に秀で、鉄砲の扱いに長ける。幣家では次期将軍筆頭として期待されているが、西条家からは自分たちの権力を危ぶむ存在として敵視されている。
外交
瑞穂において慣例的に使われているもの。
マティエ・アルツェール大陸 |
麻的厄阿爾杖大陸(西方大土) |
国名 |
寬字表記 |
略称 |
ポートランド=ソビエト連合 |
波刀蘭合議連合 |
波連 |
リドニア共和国 |
立陶尼共和国 |
立国 |
ソブラーニャ共和国連邦 |
所布羅尼共和国連邦 |
所連 |
イーゼンスティン共和国 |
飯然斯丁共和国 |
飯国 |
クロン共和国 |
久崙共和国 |
久国 |
国名 |
寬字表記 |
略称 |
エーデルグリューン |
永照具柳王国 |
永朝 |
ケレスデン財団 |
肯黎斯典権門領 |
肯一門 |
リヴァディア魔法帝国 |
利巴代怪異帝国 |
利朝 |
大菊水帝国 |
大菊水帝国 |
菊水朝 |
マハロボ王国 |
馬波浪暮王国 |
馬朝 |
プッペンシュピール=アリストス |
沸遍修蒜天仙国 |
沸国 |
アフカール朝カルディザ |
亜朝軽代国 |
亜朝 |
ハラオエン巫邑同盟 |
原乎焉巫女惣郷 |
原惣 |
経済
農業
稲作が盛ん。特に瑞穂に於いて米は通貨と同等の価値を持つ取引基準に位置づけられ、貴族・武官らの重要な蓄財となっている。
荘園
瑞穂の個人資産の大なるものは何と言っても不動産たる荘園である。
荘園は単なる土地ではなく、その地の田園工廠類の経営権や、それに必要な土着賎民(伴部と言う)の所有権一切を指す。これが瑞穂の法概念に於ける荘園の概念である。荘園は経営さえ誤らなければ所有するだけで莫大な不労所得を得られる個人資産であり、その所有は古代は貴族が、近代は侍たちが独占している。
その性質上その所有権を巡ってしばしば醜い争いが頻発するため、すべての荘園関係訴訟が将軍府により一括裁定されている。
文化
言語
瑞穂独自の言語。言文不一致。
西大陸の古代王朝が発明した「寬字」という文字と瑞穂独自の文字「秀真文字」を組み合わせて表記する。
ただし知識層は簡字のみを使用した「寬文」という表記方法を専らとしており、政府発給文書も全て簡文で表記される。
娯楽
食文化
衝合以前にウィルバー合衆国からもたらされた醸造酒。伝来後は一番搾り製法などの独自の製法が加味され進化していった。現在では多くの瑞穂人の原動力として名高く、欠乏すると百姓らが一揆を起こす。
地理
西大陸東海岸に面する列島「瑞穂列島」に位置する。
列島を構成する主要な島は本州・八州・鬼地の三島。これを「瑞穂大三洲(みずほおおみしま)」と呼ぶ。
北部の粤後国に建設された電気工学専門の大学。全国から技師を志す秀才が集まる。
軍事
陸上兵力
各守護配下の兵力(○○(守護名)兵と呼称)及び将軍府直轄軍「直参軍」により構成されている。
各守護兵もこれにならって編成されている。伴類は所謂農民兵で、練度は今ひとつ。上士は武家子息による士官階層であり、連度は高い。
歩兵 |
抜刀伴類 |
|
槍伴類 |
|
鉄砲伴類 |
|
抜刀上士 |
|
鉄砲上士 |
|
槍上士 |
騎兵 |
騎馬伴類 |
|
鉄砲騎馬伴類 |
|
騎馬上士 |
|
鉄砲騎馬上士 |
戦車 |
戦車上士 |
名称 |
口径 |
銃身長 |
ライフリング |
作動方式 |
開発・製造 |
概要 |
享宝鉄砲 |
6.5mm |
810mm |
6条右回り |
柄倒し(レバーアクション) |
威豆鉄砲店 |
享宝二年に開発されたためこの名で呼ばれる。その異様に長い銃身長から「槍」「物干し竿」と揶揄される歩兵銃。 |
睿安騎馬鉄砲 |
6.5mm |
380mm |
8条左回り |
槌引き(ボルトアクション) |
坂井屋 |
睿安元年に開発された騎兵銃。享宝鉄砲とは打って変わって徹底した小型化が図られている。見て分かるように作動方式やライフリング方向まで威豆鉄砲店の享宝鉄砲と違っており、その規格対立から兵士の間では「東は威豆の右回り、西は坂井の左回り」と揶揄されている。 |
享宝連射鉄砲 |
6.5mm |
443mm |
なし |
風押し(ガス圧式) |
見鶴城造兵試所 |
享宝五年に開発されたいわゆる軽機関銃の一種。銃床が銃把底部に直結した独特のデザインを持つ。密閉が甘く、砂塵や泥のある環境ではすぐに誤作動を起こす。 |
名称 |
開発年 |
武装 |
開発・製造 |
概要 |
睿安大戦車 |
睿安五年(衝合歴13年) |
二与三分之一寸戦車大筒×1・一寸戦車大筒×2・連射鉄砲×2 |
松本職人商会 |
主砲塔一つと副砲塔二つを持つ重武装戦車。攻撃防御ともに優れるが運動性能や精度・信頼性は最悪。 |
最終更新:2014年10月16日 23:39