長丈ダッシュ

長丈ダッシュ(ながたけダッシュ)は、南城栄旅客鉄道(JR南城栄)藤服本線で行われるエクストリームスポーツである。別名はたけべダッシュ

概要

赤松県たけべ市中心部の藤服本線の経路はΩ状のカーブになっており、この間に6つの駅(長丈駅服繕小寺駅補陀駅嶽部駅梅谷駅岡田山駅)がある。一方、人はカーブの入口(長丈駅)と出口(岡田山駅)との間を直線的に走っていくことができる。列車が7.5kmものカーブを回っていく間に、人は2kmの直線状の道を走れば、降りた列車に再び乗ることができるのである。

しかし、「楽勝!」と思ったそこの君。たけべの街は起伏が激しい。2kmの道がいくら線路よりも直線的なルートだからといって、平坦な一本道ではないのだ。幾つかの不規則な交差点、2つの谷、1つの丘を越えてゆかねばならない。

歴史

この競技は、地元に住む高校生が電車に乗り遅れたときに、Ωカーブの区間を走れば遅刻せずに済むことを発見したことが起源と言われている。

そもそも、この競技が行われる長丈-岡田山間を含む藤服本線のこの区間は「嶽部線」とも呼ばれ、山間の渓谷に沿って走る田舎区間であり、本数が多くない。このため、都会の電車のように「乗り遅れたら次の電車に乗ればいい」というわけには行かない。
そのような路線では、電車に乗り遅れることはそれすなわち遅刻確定を意味するわけである。そのような中で、機転を利かせたこの高校生の噂はすぐに広まり、この路線を利用する高校生達の間で裏技として浸透した。

「人が電車に追いつくことができる」というインパクトのあるこの事象は、漫画のネタの1つとしても取り入れられた。そしてテレビ番組でこのダッシュが実際に可能なのかを実践する企画が行われ、鉄道ファンの間でエクストリームスポーツとして知られるようになった。

(そこの君、「下山ダッシュと同じじゃないか」とか言わない!)

ルール

勝敗

藤服本線の長丈駅で下車し、岡田山駅で同じ列車に再乗車することができれば勝利となる。
複数の競技者間の比較は、下記のルールによって計算される得点により評価する。

得点

列車選択

途中の嶽部駅で長時間停車する列車が存在する。このため、同区間を走る列車の所要時間には差がある。
選択した列車のこの区間内の所要時間(分)を、最長の所要時間から引いた値を10倍したものが基礎得点となる。

ちなみに、嶽部駅での停車時間が10分を超える列車を選択すると、「チキン」「逃げ恥」「独活の大木」「トーテムポール」「電信柱」「巨神兵」などと不名誉な称号を賜ることになるので注意が必要である。なお、逃げ恥とは逃げの姿勢の恥という意味であって某ドラマとは関係ないので気にしてはいけない(戒め)

時間帯

途中の道は、起伏の激しい嶽部盆地の地形のため、ルートを熟知していない初心者は迷うことがある。このため、日出1時間以前または日没1時間以降にスタートした場合には、時間帯ボーナスとして30点を加算する。なお、日出・日没時刻は、長丈駅のホームを基準地点とする。

天候

天候に応じて、以下のボーナスを加算する。
  • 雨天 10点
  • 降雪 20点
  • 路面凍結 10点
  • 気温が氷点下の場合 1度下がる毎に1点
  • 気温が30度を超える場合 1度上がる毎に1点

参加者の身長

道路にアップダウンが多く、見通しが悪い区間が多いため、身長が高い方が有利である。
このため、参加者の身長が178cm未満の場合、1cm低い毎に1点を加算する。
なお、178cmとは、市東部にある嶽部山の標高(3560m)の2千分の1である。某写真素材サイトで活躍する「巨人」とは無関係である。

荷物

列車内に荷物を残して競技に参加すると、荷物の貴重さに応じたボーナスポイントが加算される。

交通法規

参加者は交通法規を遵守するものし、以下の行為が認められた場合はペナルティを課す。
  • 信号無視:-20点/回
  • 歩行者・自転車と衝突:-10点/回
  • 不幸にも黒塗りの高級車に追突する:-30点/回
交通事故を起こした場合は失格とする。
なお、参加者に非がない事故(例えば信号無視の車に轢かれた場合)はペナルティを科さない。むしろ、車に轢かれながらも競技をクリアした場合、怪我の程度に応じて特別ポイントが与えられる場合がある。ただし、特別ポイントを狙ってわざと事故を起こした場合は失格である。

切符

旅行会社を通じて、「長丈までの切符」と「岡田山からの切符」を事前に購入してから競技に参加することが望ましい(5点の加算となる)。途中下車のできる切符でも同様の扱いとなる。

なお、切符の扱いは、JR南城栄の旅客営業規則を守る必要があり、これに違反した場合は失格とする。
また、駅員・車掌の指示に従わない行為が見られた場合、行為の重大性によっては失格とする場合がある。無論、列車を止めた場合は問答無用で失格である。

不戦勝

競技開始後に電車が運転を見合わせた場合は、競技者が岡田山駅まで行くことができれば不戦勝とする。ただし、得点は0点となる。

問題点

「駆け込み乗車は危険です」「荷物が回収できなかった場合、遺失物となってしまい乗務員の手を煩わせて迷惑」という意見はよく聞かれるが、それよりももっと大きな問題がある。

そもそも、この競技は市による「公式競技大会」ではないため、得点はテレビ番組等の企画で行われる以外は自己申告制となってしまっているのが実状である。
このため、競技を公式化したかったらクラウドファンディングとかで何とかしてやるしかないだろう

(いや、だから某写真素材サイトで活躍する「巨人」とは無関係だってばよ!)

別ルートの競技

前述したとおり、Ωカーブの途中には6つの駅(長丈駅・服繕小寺駅・補陀駅・嶽部駅・梅谷駅・岡田山駅)があり、この競技は長丈駅で列車を降りて、岡田山駅で再び同じ列車に乗車するのがルールである。逆方向(岡田山で下車→長丈で再乗車)でも、競技の本質は変わらないため、こちらのルートで行われる場合がある。

ちなみに、より難易度の高いコースとして、例えば服繕小寺駅で列車を降りて、岡田山駅で再び同じ列車に乗車するというものもある。こちらの場合、人が走る距離は2km程度で変わらないが、列車の走る距離が短くなり難易度が高くなる。この競技は服繕小寺ダッシュと呼ばれる。

その他

競技に敗北した場合、一部では「赤い糸が切れた」と表現されることがある。

外部リンク

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最終更新:2021年09月21日 19:02