殺生院キアラ・バーサーカー ◆Ee.E0P6Y2U



 Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth.
 pleni sunt caeli et terra gloria tua.
 Hosanna in excelsis.

(聖三祝文 セラフィムの歌)


「これ、みんな人間が作ったのよね。<神>のために」
「そうだな」
「だけど、<神>には分からないのよね。これがどんなにきれいかも。
 なにを思って、この歌が作られたのかも。この歌を歌う人たちの心も、どんな祈りが乗せられていたかも、<神>にはわからないのよね』

(   )


 女は螺旋である。
 たとえば、人類というものを、時間軸の中で連続したものとしてとらえると、袋状をした連続体と見ることができる。
 子宮という機能として女をとらえた場合、女とは子を産む袋である。袋が袋を生み、その袋がまた袋を生む――、
 男は連続体ではなく、その袋の付属物である。
 つまり、人間を時間軸にそって眺めた場合、女という無数の肉の袋でつながった螺旋として見ることができるのだ。
 一種のウロボロスである……

(上弦の月を食べる獅子)(螺旋論考)


 ……月もまた螺旋である。
 月は、自転と公転をする螺旋であり、太陽系や銀河系などのさらに大きな螺旋の一部でもある。
 しかし、別の視点から見た場合でも、月を螺旋と呼ぶのは、それなりに根拠のあることなのだ。
 朔望を繰り返す、月の陰陽の満ち欠けそのものが、ひとつの螺旋なのである。

(上弦の月を食べる獅子)(螺旋論考)




 ……ああぁっぁっぁあぁ! ――いけませんわ!
 そんなにも、強く貪るだなんて――ああっ!
 駄目ですわ……駄目ですわ。そんなにがっつかれたら、私、もう――


はぁぁぁ、と女の嬌声が響き渡った。
あまりの快楽にもはや耐えられぬ、と云わんばかりのみだらな声であった。
口元は弛緩し涎がこぼれ、瞳はもはやとろけるよう、はっはっ、と断続的に吐く息はじんわりと熱を帯びている。
女の衣服は既に破り去られていた。露わになった豊満な肉体は火で炙ったかのように紅潮し、でんと張りのある巨大な乳房はてらてらとした汗に塗れている。
女は時節腰をくねらさせている。快楽に打ち震えているのか。その動きがまだ卑猥であり、淫靡であった。
犯される女は凌辱を一身に受け、一方的な快楽に溺れていた。

女を犯しているものは、羽だった。
羽がはらりはらりと舞っている。羽に覆われた小さきもの。
羽を持つ者は、奇妙なカタチをしていた。丸くふくれた胴体には首も脚もなく、首の先にある筈の頭部もない。
ふわふわとした体毛はわずかに金色を帯び、まるで人間の髪の毛のようだ――

それが、女を犯していた。
一つや二つではない。無数の羽が女の身体に吸い付き、這い回り、ただ己が欲望のままに貪っていた。


 そんなにも、貴方は私を求めて……
 ああ、いけませんわ、いけませんわ……気持ちよくなってしまいますわ――
 ―――ああぁ、あ―――あ―――!!!


女が再びみだらな叫びを上げる。 
その興奮が伝わったか、舞い散る羽は勢いを増して女を犯していく。
肌を舐め、乳を吸い、ぐちゅりぐちゅりと汁をまき散らす。ただただ肉を求めて。
そうして凌辱を繰り返すうち、さらに幾ばくかの羽が舞った。

――出てきたのは子どもの頭だった。
青い目とちんまりした鼻、ふっくらした唇を持ち、巻き毛の淡い金髪の先からは一対の羽が伸びている。
子どもの頭が羽ばたき空を飛び回り、その下では無数の乳呑み児が女の身体を這い回っている。
飛び回る子どもらは一様に口を開けている。紅い唇に笑みを浮かべ何かを唱えている。


『■■■■・■■■■・■■■■――■■■・■■■・■!』
『■■■■・■■■■・■■■■――■■■・■■■・■!』
『■■■■・■■■■・■■■■――■■■・■■■・■!』

『■■■■・■■■■・■■■■――■■■・■■■・■!』
『■■■■・■■■■・■■■■――■■■・■■■・■!』
『■■■■・■■■■・■■■■――■■■・■■■・■!』


それはまるで歌のようであった。
――そう! 歌なのだ。
子どもたちは歌っているのだ。
言葉を奪い取られ、その身は狂人に堕した。
しかし子どもたちは歌い続ける。そこには確かな祈りがある。
ただだた歌い続ける。意味を失った詞はまるでこのように聞こえるのだ。


『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』


と。


『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』

歌は途切れることなく続く。
子どもの頭が飛び回り、犯される女が嬌声を上げる。
サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥスと響く歌声に愛撫されるかのように、女はあああぁっぁあっぁぁ、と乱れているのだ。
それは淫欲に溺れる地獄絵図のようでもあると同時に、聖なる祝福の女は神々しい導きの図であるようにも見えた。


 あ―――ああ、ああああああああああ!
 いい、最高……! これが三千世界……! 貴方――天使でしたのね。
 んん、あっ……ああああぁぁぁぁぁあぁあぁあぁぁっぁぁぁあぁぁぁぁ!


雷のごとく迸る快楽に、女の身体がびくんびくんと跳ね上がる。
その目はもはやどこにも焦点が合っていない。彼女は既にどこも視てはいないのだ。
祈荒という名すらどこかに置いて、導きに従い遥かな天上へと繋がろうとしている――

それを見下ろしているのは、確かに天使であった。
翼生やした子どもの頭部の群れ。それを統括するがごとく鎮座する天使がいる。
一見してそれは卵のようだった。歪な形をした、直径3メートルほどの卵。膨らんだ胴体は鱗状の何かにびっしりと覆われている。
その突端部に、人間の上半身に見えた。

そして彼であって彼女であったそれこそが、<天使>なのであった。

太陽が発狂したある時代、あるところにカルト教団があった。
災厄を齎す太陽の下、近親相姦を重ねることによってある子どもが生まれた。
近親相姦による遺伝子異常に依るものか、生まれた子どもは完全なXXY染色体を持っていた。
雄を決定づけるXYと雌を授けるXX――その両方を兼ね備えたモノ。
完全なる両性具有、シーメール、アンドロギュノス……! 

教団はそうして生まれ出でた彼/彼女を<天使>として扱った。
神より遣わされしエンジェル/天使。それは教団が彼/彼女を残して全員死に至るまで続いた。
集団自決を唯一生き残った<天使>は研究施設に保護された。

保護された彼/彼女は言葉を理解できた。否、言葉しか理解できないのだ。
<天使>は周囲のヒトや物質を一切感知できなかった。
理解することができたのは電子的に変換されたデジタルデータのみ。
コンピュータ処理で電子化すること――純粋なる情報として出力することで、ようやく<天使>は世界を認識する。
ヒトは仮想のアヴァターを介してのみ、<天使>の目に留まることができるのだ。

彼/彼女は明らかに何かを視ていた。
それはあふれ出る情報の渦であった。情報を代謝し、森羅万象を喰い散らかしてなお足りぬような、超常たるモノ。
ヒトが<神>と名付けた存在にそれは接続<アクセス>しているのではないか――当時<天使>を研究していたヒトは考えた。

しかし、その研究の途上で<天使>は堕してしまった。
初潮を迎えた彼/彼女は彼/彼女ではいられなくなったのだ。
完全なる両性具有を失った彼/彼女は<天使>でなくなり――
――ただの女になった。<天使>はヒトに堕した。

エンジェルの名を持った彼女は、意識を持ったのだ。
ヒトの世界に降り立った彼女は、その意義を与えられヒトとして生きてきた。

しかし――それで彼女は満たされなかった。

どれだけ正義を掲げようと、
これ以上ないほど高邁な使命であろうと、
たとえ人類の未来と存亡を賭けた戦いであろうと、

彼女にしてみれば――どうでもよかったのだ。

与えられた存在意義に従事した。人類の未来、進化の導き手として諾々と従った。
しかし、本当はそんなことどうでもいい。
人類が、ヒトがどうなろうと構わない。

彼女が求めていたのは、かつて接続した<神>の領域。
純粋なる情報世界へ還りたい。物質に縛られない零子の海へと溺れたい。
堕した<天使>は再び天に還ることのみを求めていた。

故に――彼女は再び身体を捨てた。
堕天使の王<ルシファー>の我/アートマを纏い、彼女は天を目指した。ただ己が欲望と本能に溺れるままに。
此度の聖杯戦争でもそれは同じこと。サーヴァントというアヴァターに己をコンバートし、仮想世界に物質として身を結ぶ。

それが――バーサーカー/エンジェル<ルシファー>の在り方。


 あああぁぁぁぁぁぁぁあああああ――いいの! 気持ち良いの! 
 貴方! こんなものを視てきたの――!


マスターたる女は打ち震えている。
エンジェルの記憶に貫かれ、彼女はその一端をを垣間見た。
そこにあったのはヒトの脳ではとても耐えきれないような情報の海!
心がが結晶と化し、肉が透明になり、肉が結晶と化し、心が透明になる――
無限の螺旋階段を上るヴィジョンが流れる。あらゆる感覚が溶けてなくなり、因果の一部と化す。

螺旋に繋がること、縁に混じり合うこと――これ以上の快感があろうものか!
女は、キアラはひたすらに快楽に溺れた。そして理解する。<天使>が何を求めているのかを。
それでもなお、溺れた。


 恥知らずの身体! なんてふしだらな娘なの。いやらしい……
 ほんとうに、だらしなくてふしだらな身体……!
 貴方は神様になりたいのですね。はぁ……なんともふしだらな。
 ――でも


信じられぬほどの快感に溺れながらも、誘っていた。
天使を。
言葉介さぬ堕天の王を。
意識をも超越する、更なる快楽の深みへと導く為――


 ――まだ足りませんわ。あっあっあっ――
 神になるのはただの手段でしょう!……あっ……あぁぁぁぁぁ――!
 気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい――!
 ただそれだけを貴方は求めている。
 それが<神>という名であろうと、なかろうと、もはや貴方はどうでもいい
 貴方は知ってしまったから、この快楽を。
 気持ちよくなりたい。結局のところ、貴方はそういう娘なのですよ。


だからねえ、と女は<天使>へと手を指しのばした。
快楽に溺れながら、子どもの顔に貪られながら、淫猥な手つきで彼女は<天使>を誘った。


 もっと、もっと気持ちよくなりましょう――
 貴方にはそれ以外何もないのですから。
 和光同塵。真如波羅蜜。
 人の! 生命の! 地球の! 月の! 星の! 宇宙の! 神の!
 ありとあらゆるものの欲望のはけ口として!――


接続したことでその言葉を理解できたのか、はたまた魔性菩薩の想いが情報になり<天使>を浸食したのか、
<天使>はその言葉に呼応するようにサンクトゥス! サンクトゥス! サンクトゥス! と歌い上げ、同時にキアラの身体に群がった。


 あ、ああ―――ああああ!
 ああああおあぁぁぁあぁっぁあっぁあぁぁぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁぁぁ!
 いいの! いい! そう! これ! 痛み! 快楽! ああとろける!
 痛い、痛いの、助けて、ああ、そうよ! この痛み、この随喜こそ、私の証……!


キアラは情報の濁流に貫かれ、<天使>もまた彼女の身体に溺れている。
祈りと嬌声が東京の夜を染めていく――


『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』
『聖ナル哉・聖ナル哉・聖ナル哉――萬軍ノ・主ナル・神!』
『サンクトゥス・サンクトゥス・サンクトゥス・ドミヌス・デウス・サベオス!』


果たして、その祈りは月にまで届かざるや。



【クラス】バーサーカー
【真名】エンジェル<ルシファー>
【属性】中立・狂

【ステータス】
筋力:B 耐久:A 敏捷:D 魔力:A+++ 幸運:A 宝具:A+

【クラス別スキル】
狂化:EX
<神>の世界へ、という欲望に意識が埋め尽くされている。
ヒトとしての理性や意識はもはやない。

【保有スキル】
神性(偽):A
<神>の膝元へと翔ばんとするもの。
<天使>としての神性は既に失われているが、宝具の効果によりこのスキルを得た。
判定の際は同ランク『神性』と同じ効果を得る。

信仰の加護:A+++
<神>に殉じた者のみが持つスキル。
加護とはいっても<神>からの恩恵ではなく、自己の信心から生まれる精神・肉体の絶対性。
ランクが高すぎると、人格に異変をきたす。が、既に人格などというものはない。

全門耐性:C
魔術、物理双方に耐性を持つ。
魔術、物理双方のダメージを軽減する。魔術ならば同ランクの対魔術と同じ効果。
神性スキルで貫通可能。

魔力放出(歌):A
武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。
バーサーカーが口にするのはただ一つ『Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth!』という神への祈りのみである。
神に祈り、神を呪う。その歌は大地を揺るがす。

【宝具】
『主よ、私を哀れんでください<ルシファー>』
ランク:A 種別:対神宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
原初の我<アートマ>。ASURAと呼ばれる量子的バイオメカニック。
高位次元に広がるダークエネルギーの海を動力源に持つ。
有機物であり、無機物である、量子演算子に近いボディは人格の主観によって形態を変化させる。
即ち<アートマ>は量子の不確定性のふるまいに依存している。

……中でもこの<ルシファー>は原初の我<アートマ>。
身につけたものの欲望と本能を増大させ、それに見合った姿に肉体を作り替える。
「<神>の情報の天国に舞い戻る」というバーサーカーの欲望と結びついたこの宝具は、<神>の似姿たる卵に似た姿となった。
そうして<天使>は神に呼びかける歌を垂れ流し、地上を放浪する。
本来なら30メートル大の大きさだが、サーヴァントして情報をコンバートした結果十分の一の大きさで再現されることになった。

舞い散る翼は金髪の子どもの頭となり、辺りを自由に飛び回る。
子どもの頭はかみつくか羽で叩く以外の攻撃手段を持たないが、一つ一つがDランク相当の神性(偽)を持つ。


【人物背景】
出典は『クォンタムデビルサーガ・アバタールチューナー』
ASURAたちを電脳空間において殺し合わせ、喰い合わせた――ジャンクヤード編においては水瀬眞と並んで黒幕の立ち位置になる。
元々は<神>との交信を担っていたが、初潮を迎えると同時に能力を失い、テクノシャーマン・セラに役目を譲る。
カルマ教会の一員としてマダム・キュヴィエの下で働いたが、最終的にはマダムに反旗を翻す。
本心では人類のことなどどうでもいいのだ――そう糾弾された彼女は<ルシファー>の<アートマ>を使用。
<神>への祈りを垂れ流すグロテスクな存在と化す。

しかし<神>が応えることはない。
情報存在たる<神>は人の意識をバグとして認識し、それから発せられる祈りを処理できていなかったのだ。
<神>の発狂により宇宙メルトダウンが起こる。<天使>の行いはそれを促進しているだけだった。
最後はゲイルに討たれる。人間だったの頃のエンジェルが、その存在意義を問いかけたASURA-AIに。

【サーヴァントとしての願い】
<神>の世界へ。


【マスター】
殺生院キアラ

【マスターとしての願い】
快楽を。

【能力・技能】
独自のコードキャストを組み上げるなど、ウィザードとしての実力は超一流。ダキニ天法に習熟する。
また武術にも精通し、アリーナのエネミー程度ならば撃退できる

【人物背景】
出典は『Fate/EXTRA CCC』
本名は殺生院祈荒。二十代後半の日本人。
本作の黒幕であり、真ルートに進むことで相対するラスボス。通常ルートでは死体を偽装したきり出てこない。

地上にて細々と長らえていた真言立川詠天流の宗主の娘として生まれたが、生来病弱だったため14歳までほぼ寝たきりでいた。
戒律に囚われ、自分の事を「可哀想」と言うだけで救おうともしなかった周囲の人々の姿から、書物にある清い人間像も消え失せた。
そして「もしや人間と呼べるものは、もうこの世にはいないのではないか?いたとしても自分唯一人なのではないか」という思いに憑かれることとなる。

14歳のとき信者から霊子ハッキングを教えられ、外界を知ったことからみるみるうちに病気は快癒する
(元々キアラの病気は外界では普通に治せるものであったらしい)。その後閉鎖的だった詠天流を改革し、ネット経由で信者を急激に増やしていった。
しかしそれに伴い行方不明者や死者が激増、そして異変に気付いた父親を存在レベルで完全否定した彼女は、
名目として「女であるにもかかわらず、女と一体になろうとする」「悟りそのものを否定する」という立川流の禁忌を二つ犯したかどで破門される。
その翌日、彼女は父親の髑髏本尊を持ち去って「師の術具を奪う」ことで最後の禁忌を破り、信者同士を殺し合わせ、自分以外は全て死者となった教団を立ち去った。
その後、彼女は立川流の理念に基づいて信者を救ったが、彼女を慕った信者は次々と自殺したという。

更に電脳史上最大の禁忌といわれるコードキャスト・万色悠滞を開発したことで西欧財閥に指名手配された。
魔性菩薩の異名を持つ。

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最終更新:2015年01月08日 01:11