EULEN SPIEGEL【オイレンシュピーゲル】
     ――14世紀のドイツに実在した伝説のトリックスター
     ――戯曲「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」。    
     ――死に至る悪ふざけ


『オイレンシュピーゲル』 著/冲方丁 イラスト/白亜右月


角川スニーカー文庫より発売されているシリーズ。テロが多発する近未来のウィーン=ミリオポリスを舞台に、「黒犬(シュヴァルツ)」「紅犬(ロッター)」「白犬(ヴァイス)」と呼ばれる三人の少女がたちと、彼女らが所属する〈猋(ケルベルス)〉遊撃小隊及び警察組織MPBの活躍を描く近未来SFアクション小説
選ばれし三人の少女たちが、飼い主たるMPBと獲物たる犯罪者の間で繰り広げるキュートでグロテクスクな「死に至る悪ふざけ」――それがオイレンシュピーゲルなのだ!

概要

もとは著者・冲方丁がスニーカー大賞10周年企画に編集部から依頼され執筆した短編小説。
ザ・スニーカー2004年12月号に掲載された読み切り「オイレンシュピーゲル 三匹のタンタン・タカタカ・タンタンタン」を発表後、著者がその短編をもとに〝勘違い〟していた部分を修正/あらたに設定書の形で書き直しスタートしたのが本作品である。
シュピーゲルシリーズは複数の視点から物語を見つめることをコンセプトにしており、本シリーズでは治安組織MBPに所属する三人の主人公「涼月」「陽炎」「夕霧」の三者それぞれの一人称視点をメインにミリオポリスで起こる事件が描かれる。
オイレンシュピーゲル=悪ふざけというテーマのもと、近代社会の抱える諸問題や犯罪心理などをブラックジョーク+奇抜でユーモラスな比喩表現で風刺している。そのためもう一つのシリーズである「スプライトシュピーゲル」に比べ戦闘描写・性表現・社会の裏側についてより過激につっ込んだ内容も多い。
シリーズの特徴であるクランチ文体を多用することで、それら近未来に生きる少女たちの世界を巧みに表現している。
また「悪ふざけ」の一貫として、ザ・スニーカー誌上連載時には読者から作中のアイデアを募集し、採用されたものを本編に登場させていた。
(例:(゜Д、゜)「夕霧に一刀両断して欲しいものを募集するよ~」→読者「男の子の夢!」→(゜Д、゜)「夕霧が戦車=男の子の夢を切断!」など)

オイレンシュピーゲル肆発表後の段階では単独でシリーズが完結する予定であったが、「スプライトシュピーゲル」との兼ね合いから二つの物語を一つの作品に合流されることになり、主人公たちの物語は「テスタメントシュピーゲル」へと続く形となった。

既刊一覧

  • オイレンシュピーゲル壱 Black & Red & White (2007年2月1日初版発行)

  • オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!!/壊れもの注意!!(2007年6月1日初版発行)

  • オイレンシュピーゲル参 Blue Murder(2007年11月1日初版発行)

  • オイレンシュピーゲル肆 Wag The Dog(2008年5月1日初版発行)

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最終更新:2015年08月25日 23:47