第10章:呪文の使用

第10章:呪文の使用


魔法はD&D世界に満ちており、呪文という形で最もよく登場する。この章では呪文発動のためのルールを提供しよう。異なるキャラクタークラスは特有の方法で呪文を学び準備し、モンスターは独特な方法で呪文を使う。その発生源は無視して、ここにルールをフォローした呪文がある。

呪文とは何?

 呪文は個別的な魔法の効果であり、多元宇宙を覆う魔法のエネルギーが具現化し単一の形態に限定的に現れたものである。呪文を発動すると、キャラクターは世界を覆う生の魔法の見えない存在を注意深く引き出し、それらをその場で特定の模様にピン留めし、それらを特定の方法で振動させ、その後望んだ効果に解き放つために-ほとんどの場合この一連の時間を数秒で-解放する。
 呪文は汎用性の高い道具であり、武器であり、防御の言葉で有り得る。それらはダメージを与えたり元に戻したりでき、状態を与えたり取り去ったり(おまけを参照)、命のエネルギーを吸い取ったり、死から命を復活させることもできる。
 勘定されていない数千の呪文が多元宇宙の歴史の移り変わりの中で作られ、それらの多くが長いこと忘れられている。いくらかは死したる神の精神に囚われていたり太古の廃墟に隠されているボロボロの呪文書に未だ記録が横たわっている。あるいはそれらは、そうするに十分な力と賢明さを蓄積したキャラクターによってある日再発明されることもある。

呪文レベル


 全ての呪文が0から9のレベルを持つ。呪文のレベルはどの程度力強いかの一般的な指標で、低い(しかし未だ印象深い)1レベルのマジック・ミサイルから9レベルのタイム・ストップまである。キャントリップ(初級呪文)-キャラクターが大抵そらんじて発動できる単純だが力強い呪文-はレベル0である。最も高い呪文のレベルは、その呪文を使うためにより高いレベルの術者でなければならない。
 呪文レベルとキャラクターレベルは直接的な対応はしていない。一般的に、9レベル呪文を発動するためにキャラクターは9レベルではなく最低17レベルになっている。

呪文を知り、準備する


 術者は呪文を使う前に、彼ないし彼女は呪文をしっかり精神に留めておかねばならないか、魔法アイテムでその呪文にアクセスしなければならない。2~3のクラスの一員は常に精神に固定されている限定された呪文のリストを持つ。同じ事は多くの魔法を使うモンスターにも当てはまる。他の術者、クレリックやウィザードは、呪文を準備する過程を経る。この過程は異なるクラスで様々で、彼らの記述に詳しい。
 あらゆる事例で、術者が精神に一度に留めておける数は、そのキャラクターレベルで決まる。

呪文スロット


 術者が幾つの呪文を知っていて覚えているかに関係無く、彼または彼女は休憩を取るまでに限定された数の呪文しか発動できない。魔法という生地の操作と本当に単純な呪文のエネルギーに同調する事は肉体的にも精神的にもやっかいで、より高いレベルの呪文であるほどよりそうなる。このように、呪文発動クラスの記述は各キャラクターレベルで各呪文レベルを何回発動できるかの表を含む。例えば3レベルウィザードのウマラは4つの1レベル呪文スロットと2つの2レベル呪文スロットを持っている。
 キャラクターが呪文を発動する時、彼ないし彼女はその呪文のレベルかより高レベルのスロットひとつを消費し、事実上スロットをその呪文で「充填」する。あなたは呪文のスロットを決まったサイズの型-1レベルスロットは小さく、より高レベルの呪文ではより大きくなる-であると考えることができる。1レベル呪文はどんなサイズのスロットにも収まるが、9レベル呪文は9レベルスロットにしか収まらない。そうウマラが1レベル呪文のマジック・ミサイルを発動する時、彼女は自身の4つの1レベルスロットのひとつを消費し、3つが後に残るのである。
 大休憩を完了させると消費した呪文スロットが回復する(第8章の休憩のルールを参照)。
 いくらかの術者やモンスターは呪文スロットを使わずに呪文を発動させる特殊能力を持つ。

呪文をより高レベルで発動する

 術者がその呪文のレベルより高いレベルのスロットを使って呪文を発動する時、その呪文はその発動ではより高レベルであると仮定される。例えば、もしウマラがマジック・ミサイルを2レベルスロットのひとつを使用して発動させたなら、そのマジック・ミサイルは2レベルである。事実上、その呪文はそれが置かれたスロットを満たすために拡張される。
 いくつかの呪文、マジック・ミサイルやキュア・ウーンズのような物は、より高いレベルで発動させた時に、呪文の記述に詳細を書かれているように、より強力な効果を持つ。

キャントリップ(初級呪文)


 初級呪文は任意に発動できる呪文で、前もって準備をすることも呪文スロットを使用することもない。練習を繰り返すことで術者の精神にその呪文が固定され、何度も効果を作り出す必要からその魔法が術者に注入された。初級呪文の呪文レベルは0である。

儀式


 特定の呪文は(儀式)という特別なタグを持つ。そのような呪文は以下の通常の呪文発動ルールを使えるが、この呪文は儀式としても発動できるのである。儀式バージョンの呪文は通常よりも10分長く発動にかかる。それは呪文スロットを消費せず、これは儀式バージョンの呪文はより高いレベルでは発動できないことも意味する。
 呪文を儀式として発動するために、そうするための能力を与えてくれる特徴を持っていなければならない。例えばクレリックやドルイドはそのような特徴を持っている。術者はその呪文を、ウィザードがそうであるようにそのキャラクターの儀式の特徴が特殊な別の物でない限り、準備してあるか自身の修得呪文に列記されている必要もある。


呪文を発動する

 キャラクターが呪文を発動する時、キャラクターのクラスや呪文の効果に関係無い同一の基本的なルールを以下に示す。
 各呪文の記述は第11章から、呪文の名前、レベル、魔法の系統、詠唱時間、距離、構成要素、持続時間を含む区分けされた情報とともに始まる。呪文の記載項目の残りはその呪文の効果である。

詠唱時間


 ほとんどの呪文は発動に1回のアクションを必要とするが、いくつかの呪文はボーナスアクションやリアクションやより多くの時間を発動のために必要とする。

ボーナスアクション
 ボーナスアクションで発動する呪文は殊更に素速い。キャラクターは自身のターンにその呪文を発動するために、このターンにまだボーナスアクションが使われていなければボーナスアクションを使わねばならない。キャラクターは他の呪文を同じターンに使ってはならないが、詠唱時間が1アクションの初級呪文は例外である。

リアクション
 いくつかの呪文はリアクションとして発動できる。これらの呪文は何かのイベントに反応して発動し、もたらすために秒間の断片を取る。呪文がリアクションとして発動できれば、その呪文の記述がキャラクターに何ができるかを正確に語る。

より長い詠唱時間
 特定の呪文(儀式呪文を含む)は、数分や数時間といった、発動までにより時間を必要とする。キャラクターが1回のアクションやリアクションよりも長い詠唱時間を伴う鬼門を発動する時、キャラクターはその呪文の発動に毎ターンのアクションを費やさねばならず、そうしている間集中力も維持していなければならない(後述の「集中力」参照)。もしキャラクターの集中力が崩れれば、その呪文は失敗するが、呪文スロットは消費しない。キャラクターが再度その呪文の発動を試みるなら、最初からやり直す必要がある。

射程


 呪文の対象は呪文の射程内に収まっていなければならない。マジック・ミサイルのような呪文の対象は1体のクリーチャーである。ファイヤー・ボールのような呪文の対象は火の玉が炸裂するスペースの一点である。
 ほとんどの呪文は射程をフィート表記で持っている。いくつかの呪文は術者が接触するたった一体のクリーチャー(術者を含む)を対象にできる。例えばシールド呪文のようなその他の呪文は術者にだけ効果がある。これらの呪文は術者の射程を持つ。
 術者を起点とした円錐状や直線の効果の呪文も、呪文の効果の始点が術者でなければならないことを示すため、術者の射程を持つ(この章の「領域効果」の項を参照)。
 ひとたび呪文が発動すると、この効果は呪文の記述に他のことが記述されていない限り、その射程に制限されない。

構成要素


 呪文の構成要素はそれを発動させるために術者が満たす必要のある物理的な要求である。各呪文の記述にそれが発声や動作や物質の要素の要求しているかどうかが示されている。術者がひとつかそれ以上の構成要素を提供できなければ、術者はその呪文を発動できない。

発声

 ほとんどの呪文は神秘的な言葉を詠唱することを要求する。その言葉それ自体は呪文の力の源ではなく、むしろを特定のピッチや共鳴を伴う適切な音の組み合わせが魔法の動作の道筋を設定する。従って、猿ぐつわをはめられたり、サイレンス呪文のようなもので作られた静寂の領域にいるキャラクターは発声要素を持つ呪文を発動できない。

動作

 呪文発動の身体動作は強制的な身振りや入り組んだ身振りの組み合わせを含む。もし呪文が動作要素を必要とするなら、術者はこれらの身振りを遂行するために最低でも片手を自由に使えなければならない。

鎧を着ての発動
精神集中と正確な身体動作が呪文発動には要求されるため、術者は呪文を発動するために自身が着ている鎧に習熟していなければならない。術者はそうでなければ自身の鎧によって呪文発動のための集中が乱され物理的にも邪魔される。

物質

 いくつかの呪文の発動は構成要素の欄に括弧書きで特記された特定の物資を要求する。キャラクターは物質要素ポーチか呪文発動焦点具(第5章で見つかる)呪文の特定の物質要素の代わりに使える。しかし物質要素に費用が示されているなら、キャラクターは自身が呪文を発動する前にその特定の物質要素を持っていなければならない。
 もし呪文が物質要素の呪文による消費を示していれば、術者はこの物質要素をその呪文を発動する度に提供しなければならない。
 術者は片手をこれらの構成要素にアクセスするため開けておかねばならないが、それは動作要素を遂行するために使う手と同じで構わない。

持続時間


 呪文の持続時間はその呪文が持続する時間の長さである。持続時間はラウンド、数分、数時間、数年で表現される。いくつかの呪文はその効果が呪文の解呪されるまでか破壊されるまで持続する効果が指定される。

瞬間

 多くの呪文は瞬間である。この呪文は有害なものや回復や創造やクリーチャーないし物体を変える物で、その魔法の存在がほんの瞬間でしかないため解呪されない方法である。

集中

 いくつかの呪文は魔法をアクティブに保つために術者に集中力の維持を要求する。もし術者が集中力を失えば、その呪文は終了する。
 もし呪文が集中力で維持しなければならないなら、その事実は持続時間の表記に示され、その呪文がどれだけ長く集中していられるかを特定している。術者は集中力をいつでも終了できる(アクション不要)。
 移動や攻撃のような通常の活動では、集中力には干渉しない。以下の要素は集中力を壊すことができる。

  • 集中力が必要な他の呪文を発動する:術者はもし他の集中力を要求する他の呪文を発動すると呪文の集中を失う。術者は2つの呪文を同時に集中することができない。
  • ダメージを受ける:術者が呪文の集中をしている間にダメージを受ければいつでも、術者は集中を維持するために【耐久力】セーヴィングスローを行わねばならない。難易度は10か術者の受けたダメージの半分のどちらか高い方である。もし術者が矢とドラゴンのブレス攻撃など、複数の発生源からダメージを受けた場合、術者はそれぞれのダメージ発生源毎に分割してセーヴィングスローを行う。
  • 不自由になるか殺される:術者は不自由になるか術者が死ぬと自身の呪文への集中力は失われる。

 DMは暴風に揺られる船に乗っている間に波に打ち付けられるような、適切な環境的要因で望むこともでき、術者に呪文の集中力を維持するため難易度10の【耐久力】セーヴィングスローを要求するかもしれない。

対象


 一般的な呪文は術者に、呪文の魔法によって影響を受ける1体かそれ以上の対象を要求する。呪文の記述は術者に呪文の対象がクリーチャーなのか物体なのか領域効果の起点なのかどうかを教えてくれる(後述)。
 呪文が知覚的な効果を持っていない限り、クリーチャーは全ての呪文によって対象とされたかどうか知ることができないだろう。バチバチ音を立てるライトニングのような効果はすぐに分かるが、もっと微妙な効果、クリーチャーの思考を読む試みのようなものは、一般的には呪文が違う事を書いていない限り気付かれない。

対象に視線が通っているか

 何らかの対象に術者は明確な道筋を持っていなければならず、完全遮蔽の背後には道筋ができない。
 もし術者が領域効果を、術者との間に壁などが有り邪魔されて術者から見えない一点に置く場合、その起点はその障害物の手前側に来る。

術者を対象にする

 もし呪文の対象が術者の選択する1体のクリーチャーであるなら、そのクリーチャーが敵対的でなければならない場合や術者以外のクリーチャーと特定されている場合でない限り術者は自分自身を選択できる。もし術者が自信の発動する領域効果の呪文の中に居れば、術者は自分自身を対象とする。

領域効果


 バーニング・ハンズやコーン・オヴ・コールドのような領域を覆う呪文は、複数のクリーチャーに一度に影響を与えることができる。
 呪文の説明はその領域効果を、一般的に5つの異なる形態、円錐状、立方体、円柱形、直線状、球状のどれかひとつに特定する。領域効果ごとに呪文のエネルギーが炸裂する場所を起点として持つ。それぞれの形状のルールは起点の位置がどのようであるか特定する。一般的には起点はスペースの中にあるが、いくらかの呪文はクリーチャーや物体を領域の起点に持つ。


魔法の系統
| 魔法の学院は呪文を呪文の系統と呼ばれる8つのカテゴリーに分類する。研究者、特にウィザードはそれが正確な学習によってもたらされたものでるか神格によって授けられた物であるかどうかは、本質的には同じ方法に全ての魔法が機能すると信じて、これら全ての呪文の分類を用いる。
 魔法の系統は呪文の説明を助ける-いくらかのルールが系統に言及しているが、それらにはそのもののルールがない-。
 防御術の呪文は本質が防衛的で、それらのいくらかは攻撃的な用法を持つ。それらは魔法的な障壁を作り、損害を与える効果を打ち消し、侵入者に損害を与え、クリーチャーを他の存在の次元界に消し去る。
 召喚術の呪文は物体やクリーチャーをある場所から別の場所に転送する物を含む。いくらかの呪文は術者のそばにクリーチャーか物体を召喚し、逆に別のものは術者に別の場所へ遠隔移動することを許す。いくつかの召喚術は何も無いところから効果や物体を作り出す。
 占術呪文は、長く忘れられた秘密の形態で、未来や、隠れた物の場所や、真実が幻術の裏にあるかや、離れた人や場所の姿を垣間見れるかどうかの情報を明らかにする。
 心術呪文は他者の心に影響し、彼らの行動を制御したり行動に影響を与えたりする。そのような呪文は敵に術者を友達のように見せたり、クリーチャーに行動を強制したり、他のクリーチャーを操り人形のように制御することができる。
 力術の呪文は魔法のエネルギーで望む効果を作り出すために操作する。いくらかは火や稲妻の噴射を呼び出す。他は正のエネルギーに同調して傷を癒す。
 幻術呪文は他者の心や感覚を欺く。それらは人に存在していないものが見えているようにしたり、幻の雑音が聞こえる様にしたり、決して起こっていないことを思い出させたりする。いくらかの幻術呪文は全てのクリーチャーが見られる幻の映像を作り出すが、最も狡猾な幻はクリーチャーの精神に直接映像を植え付ける。
 死霊術呪文は生と死のエネルギーを操る。そのような呪文は生命力の余剰な蓄えを与えるか、他のクリーチャーから生命エネルギーを吸い取るか、アンデッドを作るか、あるいは死から生を引き戻すことができる。
 アンデッドの創造、即ちアニメート・デッドのような死霊術呪文の使用を通すものは良い行為ではなく、悪の術者だけがそのような呪文を頻繁に使う。
 変成術呪文はクリーチャーや物体や環境の特性を変更する。それらは敵を無害なクリーチャーに変えたり、仲間の筋力を増強したり、物体を術者の命令で動かしたり、クリーチャー生来の回復能力を傷から高速で回復するよう増強したりできる。|}


 起点から直線的に呪文の効果は展開する。領域効果内の場所としての起点からブロックされていない直線が確保できない場合、その場所はその呪文の領域に含むことができない。ひとつの想像上の直線がブロックされるためには、第9章で説明したように障害物が完全遮蔽を提供しなければならない。

円錐状

 円錐状はその起点から術者の選択した方向に伸びている。円錐状の終端点に沿った幅の長さは起点からその点への距離に等しい。円錐状の領域効果は最大長を特定する。
 円錐状の起点は、術者が違う事を望まない限りその円錐状の領域効果に含まれない。

立方体

 術者は立方体効果の面上のどこかに起点を選択する。立方体のサイズは各面の長さとして表記されている。
 立方体の起点は術者が違う事を望まない限り立方体の領域効果に含まれない。

円柱形

 円柱形の起点は、呪文の説明で与えられているように特定の半径を持つ円の中心である。この円は地面にあるか呪文効果の高さにあるかどちらかでなければならない。円柱形内のエネルギーは起点から円周方向に直線状に伸び、円柱形の底辺を形成する。この呪文の効果はその後底辺から打ち上げるか天井から打ち下げるかして、その距離は円柱形の高さに等しい。
 円柱形の起点はその円柱形の領域効果に含まれる。

直線状

 直線状は起点から直線の道にその長さまで伸び、領域が定めたその幅までを覆う。
 直線の起点は、術者が違う事を望まない限りその直線状の領域効果には含まれない。

球状

 術者は球状の起点を選択し、その球体はその点から外側に広がる。この球状のサイズはその起点からの広がりをフィート表記の半径として表現されている。
 球状の起点はその球状の領域効果に含まれる。

セーヴィングスロー


 多くの呪文が対象に呪文の効果のいくらかあるいは全てを避けるためのセーヴィングスローを行うよう指定する。その呪文は対象がセーヴで使う能力値を指定し、成功や失敗で何が起こるかを指定する。
 術者の呪文のひとつに抵抗するための難易度は8+術者の魔法能力修正値+術者の習熟ボーナス+何らかの特殊な修正に等しい。

攻撃ロール


 いくらかの呪文は術者に意図された標的に呪文の効果が命中したかどうかを決めるための攻撃ロールを行うことを要求する。術者の呪文攻撃による攻撃ボーナスは術者の魔法能力修正値+術者の習熟ボーナスに等しい。
 攻撃ロールを要求するほとんどの呪文が遠隔攻撃を伴う。脱力状態ではなく術者を見ることのできる敵対的なクリーチャーから5フィート以内での遠隔攻撃ロールに術者は劣位を得ることを忘れてはいけない(第9章参照)。




魔法効果の組み合わせ


 異なる呪文の効果はそれらの呪文同士の持続時間が重なる間に一緒に加わる。同じ呪文を複数回発動した効果は、しかしながら、組み合わせられない。代わりに、それらの発動からのほとんどの有能な効果-最も高いボーナスなど-はそれらの持続時間が重なっている間適用される。
 例えば、2人のクレリックがブレスを同じ対象に発動した場合、そのキャラクターはその呪文の効果をたった1回しか得られず、そのキャラクターは2つのボーナスダイスをロールすることはできないのだ。

魔法の織
| D&Dの多元宇宙の中の世界は魔法的な世界である。全ての存在は魔法の力に満ち潜在的なエネルギーがあらゆる石や流れや生き物や大気それ自体に未開発で横たわっている。生の魔法は創造の原料であり、静かで存在の精神なき意思であり、あらゆるわずかな物質に浸透し多元宇宙の至る所の全てのエネルギーの兆候に現れる。
 定命の者はこの生の魔法を直接的に形作ることができない。代わりに彼らは術者の意思と生の魔法の原料との間のある種の接点として、魔法の生地を使って行う。フォーゴトン・レルムの術者達はそれを織と呼び、女神ミストラの霊的実体と認識しているが、術者達はこの接点に様々な形で名前や視覚化を行う。どのような名前でも、織が無いと、生の魔法は錠が掛けられアクセス不能になる。最も力強いアーチメイジですら織が破れている領域では魔法でろうそくに火を点すこともできない。しかし織によって囲まれた術者は敵に吹き付ける稲妻を形作ったり片目の瞬きで数百マイルを輸送したり、死それ自体を反転できる。
 全ての魔法は織で決まり、様々な方法で異なる種類の魔法にアクセスする。ウィザードやウォーロックやソーサラーやバードの呪文は一般的に秘術魔法と呼ばれる。これらの呪文は織の働きの理解-学習または本能的-に頼る。その術者は望む効果を作り出すため織の存在を直接的に引き抜く。エルドリッチナイトやアーケイントリックスターも秘術魔法を使う。クレリックやドルイドやパラディンやレンジャーの呪文は神聖魔法と呼ばれる。これらの術者の織へのアクセスは神格-神や自然の力の神格やパラディンの宣誓の聖なる勢力-の力によって取り次がれる。
 魔法の効果が作られればいつでも、織の織り糸がその効果を可能にするために絡み合い、ねじれ、折りたたまれる。キャラクター達がディテクト・マジックやアイデンティファイのような占術呪文を使う時、彼らはその織りを垣間見る。ディスペル・マジックのような呪文は織を滑らかにする。アンチマジック・フィールドの様な呪文はその呪文によって領域が影響され、その魔法がそれを通じてではなく周囲に溢れ、織を再編成する。そして織がダメージを受けたり破れたりしている場所では、魔法は予測できない形で働くか-全く働かない。|

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最終更新:2017年09月25日 02:03