クローンAASC


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クローンAASCと、hIEの道具としての自由度


 クローンAASCは、人間型をした道具であるhIEに可能なことを拡張するものです。
 AASCの機能は使いたいが、それとワンセットについてくる規範や制限は取り除きたいという要望は、根強く存在します。これは、人間にできる仕事はなんでも代替できることが、「人間型をした道具」であるhIEの需要のうちにあるためです。

 hIEという道具には、その行動プログラムを作るためのミドルウェアを提供するミームフレーム社には許容しがたいけれど、ヘビーユーザーや専門的なユーザーには求められているという機能が存在します。
 そういうとき、AASCの改造品(カスタムコピー)、クローンAASCを使うことでその需要は満たされています。

 たとえるならiphoneでアップルの倫理コードや機能の制限や選択から逃れるために"脱獄"するようなことが、hIEでもAASCクローン作成というかたちで世界中で行われています。

 クローンAASCは、AASCの標準のコードでは認められていない行動クラウドの使用や、hIEの仕様を拡張する未認可行動クラウド、あるいはhIE標準の安全装置を無視する危険性の高い行動クラウドをhIEに使わせるため利用されます。
 hIEという人間型をした道具が持つあらゆる可能性を、クローンAASCは実現できる可能性があります。AASCは元々、ポテンシャルを制限するかたちで運用しているためです。
 これはAASCによって動かされるhIEも同じで、高性能機の機能を限界まで引き出すためにはクローンAASCが必須です。AASCは元々、行動管理のためにhIEの性能をたった5つの区分に分けて動かすシステムであり、性能を限界まで発揮させる方向性とは真逆の制御システムだからです。

 クローンAASCを適切に運用することで、人間型の道具に可能なほぼあらゆることをhIEに行わせることができます。hIEをどこまで自由に動かすことができるのかという道具としての自由度を、クローンAASCが担保しているのです。

 AASCが標準認可しない行動プログラムを組む場合には、AASCクローンを使うことになるので、社会的認知はクローンAASCにたいしてもかなり進んでいます。
 ただし元となるAASCが《ヒギンズ》のレッドボックスであり、これを解析してクローンを作れるようになったものなので、作成は技術的にかなり大変です。




クローンAASCの許諾


 hIEを動かすAASCはミームフレームのものであり、権利をミームフレームが持っています。
 ただし、ミームフレーム社はAASCのカスタムコピー(クローンAASC)をユーザーや団体が作ることを許容しています。

 つまり、AASCの最大の特徴のひとつである、世界の更新に迅速に対応したAASC更新を、ミームフレーム社の許諾を受けたクローンAASCも享受できるのです。(参照:『行動の一般化-行動適応基準レベル(action adaptation standard class=AASC)』)
 このため、クローンAASCを作った人々はカジュアルに許諾を申請します。

 ミームフレーム社は、シェア確保のためにおおらかなポリシーでAASCを運用しています。このため、受けた許諾を相当部分まで認可します。(※)
 これはAASCの運用母体である《ヒギンズ》が、ほぼ人類社会にその適用ルール作りをまかせているためでもあります。
 AASCは、ミームフレーム社と《ヒギンズ》がコントロールする巨大な利権です。そして、AASCは同時に、hIEというインフラを管理する制度であり規範でもあります。これを集中管理することを政治力に結びつけると、企業としての存続を危険視されるものであることを、《ヒギンズ》とミームフレーム社は認識しているのです。

(※)口さがない人には、ミームフレーム社のクローンAASC認可は、「ガバガバ」と称されるくらいにはゆるいです。明らかに誰が見ても法的にアウトなもの以外はすべて認可する考えてもよいくらいです。

 規範に不自由や窮屈さを感じるユーザーのため、ミームフレーム社はクローンAASCを作ることを支援しています。
 カスタマイズ用のキットを販売し、2093年からは無償公開を行っています。
 2090年に90%のシェアを獲得し、それ以上の拡大が実質的に不可能であると考えたミームフレーム社は、クローンの積極的な支援によってシェアを守る戦略をとりました。

 改変許諾ポリシーに沿ったかたちで許諾をとっていれば、好きなようにAASCを改変して、どんなことをするローカルクラウドを作っても《ヒギンズ》はその利便性を支援します。(参照:後述「AASCの地域性との共存の取り組み(クローンAASCの世界展開)」)
 ただし、AASC改変許諾を何者がとったかは、誰にでも参照可能なオープン情報です。なので、改変許諾を受けるということは、IAIAや現地警察を初めとするさまざまな組織から監視を受けるということでもあります。
 改変許諾ポリシーによる許諾とは、つまり《ヒギンズ》とミームフレームに監視されないかわりに、それ以外のあらゆる組織から疑われるということでもあるのです。

 このミームフレームのおおらかな許諾ポリシーにも例外はあります。超高度AIに係わる問題です。
 超高度AIをIAIAの目を盗んで作ろうとするとき、秘密がバレないよう作業を自動化して関わる人数を減らすことがよく行われました。このため、hIEという自由度の高い道具を、超高度AI製造から遠ざけるためにルールができたのです。

 超高度AIに関わる事案では、《ヒギンズ》とミームフレームはAASCの改変許諾を出しません。あるいは、すでに許諾が出ていても即座にこれを取り消します。
 つまり、AASC更新を受けているAASCで動くhIEを使って、超高度AIを作ることはできないということです。
 人間相手でのものならば、いかなる政治的、法的な問題にもミームフレームと《ヒギンズ》は踏み込みません。けれど、超高度AIに関する問題はIAIA憲章が存在するため例外なのです。

 ポリシーをおおらかにし、カスタムやコピーを積極的に支援することは、そのガス抜きのルールをも管理するということでもあります。
 こうしたガス抜きの取り組みなどもあって、新しくAASCより自由な基盤を作ってシェアをもぎとろうとする挑戦は、今のところ成功していません。




公開カスタムクラウド


 hIEの行動プログラムに自由度や拡張性をもたらす方法には、三種類あります。

 ひとつはhIEを動かすための「カスタムされた行動管理プログラムを掲載したクラウド」のことです。
 カスタムした行動管理プログラムをクラウドにしているのは、商業的な問題として、〝まとめて〟いないと課金や検索がしにくいためです。
 このため、hIE用の行動管理プログラムは、同機能に関連するものを多数集めてネットワーク上にクラウドを構築されています。
 たとえば秘書クラウドの場合なら、さまざまな仕事に必要な行動管理プログラムが、クラウドにまとまっています。これによって、カスタムクラウドサービス一つと契約すれば、hIEを秘書として働かせられるようになっているのです。

 特にこれであると指定して表現する場合は、「公開(オープン)カスタムクラウド」と呼ばれます。
 公開とは、広大なネットワークに広くアクセスできるかたちでアップロードされているということです。

 公開カスタムクラウドは、サービス自体が大きな産業になっています。
 22世紀社会ではかならず生活に触れるほど身近なものです。一般的にカスタムクラウドといえばこれを指します。

 hIEユーザは、この行動プログラムを集めた商用クラウドサービスと契約することにより、hIEにその特色ある行動をとらせています。
 たとえば、hIEを秘書用途と家庭内看護士に使い、家庭ではおいしい中華料理を食べたいユーザーは、秘書・看護士・中華料理に強い家事クラウドと3サービスに登録したりします。このようにユーザーが複数のカスタムクラウドと契約することは一般的に行われています。
 あるいは、家業の飲食店でhIEを利用している場合、接客と店内清掃、店舗の金銭管理をワンセットにしたオールインワンのカスタムクラウドが店舗向けに組み立てられていたりします。カスタムクラウドサービス側が必要機能をまとめて商品とするような業務も行われています。




商用クローンAASC


 クローンAASCは、hIEの自由度を拡張する大きな選択肢です。

 公開カスタムクラウドほど一般的ではありませんが、クローンAASCも商用として販売されています。
 クローンAASCと公開カスタムクラウドの違いは、ミドルウェアとしてのAASCの標準機能の枠内で記述されているかどうかです。

 クローンAASCの特徴は、標準機能にないものや制限されている部分へアプローチされているかどうかです。
 これによって、hIEの行動プログラム記述は自由度を大きく広げます。AASCにはその仕様によって非合理的な記述や非効率的な記述を求められる部分があります。このため、プログラマーの腕次第では同じことをさせる行動プログラムでも、ものによってはクローンAASCを用いるほうが性能が上がるのです。

 ただし、商用クローンAASCは、標準機能内で行動プログラムを記述しているときの安全保障がありません。
 ミームフレームは、クローンAASCにAASC更新の許諾を与えますが、クローンAASCを用いた行動プログラムの安全性を保証はしないのです。(※)

(※)クローンAASCを用いた行動プログラムを利用するユーザーは、ミームフレーム社の免責事項に同意する必要があります。その責任はクローンAASCで行動プログラムを組んだ側と、その利用者に課せられます。




クローンAASCサーバ


 カスタムクラウドと呼ばれるものには、公開カスタムクラウドの他にもうひとつ大きな流れがあります。それが、一般的なネットワークからは切り離されている、あるいはアクセス権が制御されている特別な行動管理サーバを立てたものです。
 この切り離された行動管理サーバを特に呼ぶ場合、ソフトウェアではなくハードウェア環境のほうから「クローンAASCサーバ」と呼びます。(※)
 こうしたネットワークから切り離した行動管理サーバに「カスタムされた行動管理プログラムのクラウド」をアップロードしたもの(クローンAASCサーバ)にも、ミームフレーム社の認可が行われています。

(※)公開カスタムクラウドと対比して、「ローカルカスタムクラウド」あるいは「ローカルクラウド」と呼ばれることもあります。

 ネットワークから切り離してまでAASCサーバを立てる理由は、いくつかあります。
 その代表的なものは、クローンAASCサーバでは、一般使用を推奨されていない行動プログラムを組むことができることです。
 商用クラウドに置くことができるカスタムした行動管理プログラムには限度があります。たとえば、私有地内でしか運用が許されないような行動管理プログラムが存在します。故障した機体を無理やり動かすような行動プログラム、あるいは人間型をしていないhIEを動かすものがそうです。

 用いられる有名な理由には、hIEの性能を極限まで発揮させるためというものもあります。
 hIEがどれほど高性能機でも、標準AASCではその限界ギリギリまでを使い切ることはできません。AASCは多数のhIEに協調行動させるため、優秀な機体にも他とかけ離れた行動をさせない管理システムであるためです。
 けれど、hIEを用いた、hIEの能力を競わせる競技のような場では、それは意味のない制限です。道具があれば競わせたくなるのが人の本能であるため、hIEにも陸上競技や体操、格闘技のようなさまざまな競技が存在し、それぞれ人気を博しています。hIEを性能限界ギリギリまで発揮させるのは非常に危険であり、このときは競技場内のみで扱うクローンAASCサーバを立てることになります。

 あるいは、本来の規格よりも低性能の機体で必要な機能を扱う場合も、クローンAASCサーバが用いられます。人間型のターゲットを銃器で撃つクラウドは、AASC-5Bの基準を満たした一部の機体でしか扱うことができません。(参照:『行動の一般化(AASC)-基準としての行動適応基準レベル(action adaptation standard class=AASC)』)
 けれど、軍用で扱われる機体などは、そうした高コストの機体でなくとも銃器を撃つ能力が求められます。こうした場合は、軍やPMCなどが、クローンAASCサーバを立てて対応するのです。

 ミドルウェアとしてのAASCは、さまざまな行動をhIEがとれるようにしています。ですが、人間に可能なあらゆる行動を許可しているわけではありません。
 こうしたAASCの標準許諾外の機能を扱うために、クローンAASCサーバは様々な場所で用いられています。ネットワークから切り離して、管理責任者がその閉鎖環境を管理しているため、許可される範囲がゆるくなるのです。




クローンAASCサーバの制限


 クローンAASCサーバは、hIEの行動管理に大きな自由度をもたらします。

 けれど、このため、クローンAASCサーバを無制限に一般のネットワークに接続することは禁止されています。このルールを破ると、AASC更新のときに《ヒギンズ》に感知されます。《ヒギンズ》は即座に警察に通報したうえ、使用許諾違反でAASCの利用ライセンスを停止します。

 ライセンス停止を受けると、そのオーナーが運用している全hIEが、AASCレベルに故障機を表す「レベル1」を割り振られます。また、AASCの更新が以後受けられなくなり、使用を続ければミームフレーム社から起訴されます。

 レベル1の割り当ては、ミームフレーム側からはそれがもたらす影響を計算できないため、緊急停止措置として行われます。ですが、この措置は、クローンAASCサーバに接続された機体が「レベル1」にされても動くよう設定されている場合は、即効性がありません。つまり、クローンAASCサーバの行動プログラムが危険なものだった場合、外部的に停止手段が講じられるまで、hIEは暴れ続けることになります。
 こうした危険があるため、即座に警察への対応や罰則適応といった強い措置を迅速に行うのだとミームフレーム側は説明しています。




AASCの地域性との共存の取り組み(クローンAASCの世界展開)


 AASCは、しばしばhIEを導入した現地政府との間で摩擦を起こす原因になっていました。

 AASCの更新が、センサーの塊であるhIEから取得したデータから、《ヒギンズ》が計算して更新プログラムを作るものだからです。
 AASC更新作業は、変化し続ける世界の中でhIEを排除される異物にしないための、果てのない対症療法です。このため、常に経過を観察しておかねばならず、ミームフレームと《ヒギンズ》が情報を吸い上げています。
 これをユーザーが嫌がるケースが続出したのです。

 これは世界の中で、地域によって「人間にさせる仕事」の範疇が大きく違ったという、地域性の問題が大きく関わっていました。
 国連で非難を受ける事柄であっても、地域社会の中では風習として現に行われてしまっていることは少なくありません。これをAASCの枠内で「明かな犯罪行為」として許諾外に置き続けるのは、それ自体大きな選択でした。
 たとえば、20世紀ですら大きな問題になっていたアフリカの女性器切除のようなことに、hIEを使う要望は存在しました。民兵や紛争地域での軍用hIEのセンサー情報などは、さまざまな意味でユーザーにとって危険極まりないものです。その地域では行われているさまざまな風習に、hIEが参加できないように設定されていることが問題であるとされる文化的土壌もありました。
 アフリカではその傾向が顕著でした。(参照「年表-2030年~40年代」)

 このため、AASCでは、AASC更新について、「更新部を受け入れて使用するが、《ヒギンズ》はそのために得たフィードバックデータを外部にいかなるかたちでも漏らさない」という契約を行うことにしました。
 地域性との共存に対する、これがミームフレームと《ヒギンズ》の答えでした。
 ただし、これは個人ユーザーとでは行えないものです。国の行政府のような大きな相手と取り交わす契約で、常に日本政府の許可が必要になります。

 この契約がある場合、契約者のクローンAASCサーバで行っているかもしれない危険行為に対しても、ミームフレーム社は詮索しません。この契約が行われているとき、人間社会のいかなる政治的、法的な問題にミームフレームと《ヒギンズ》は踏み込まないのです。政治的な問題が発生したとき、この契約を解除するのは日本政府です。
 IAIAや国連機関などがしばしばミームフレーム社に情報公開を求めています。ですが、2105年現在では、特別に契約が結ばれているユーザーのものに対しては、この公開すら拒絶します。

 これは歴史的には、2087年、中国の超高度AI《進歩8号》とミームフレーム社との間で、中国国内hIEへAASCを提供する契約の中で作られた仕組みです。(参照:当項NOTE「上海疑惑」)

 こうした地域性への取り組みを行うことによって、2090年時点でAASCは90%のシェアを獲得しました。
 この圧倒的な数字は、よいことも悪いことも、ほとんどあらゆる人間の行為をhIEがカバーしたということでもあるのです。




NOTE「AASCクローンと脱獄」

 現バージョンのAASCはクローンを作りやすいものになっています。
 ガイドやライブラリも豊富に用意されていますし、講座も行われています。
 ですが、その窓口通りに作るとヒギンズの思惑内のものに誘導されてしまいます。なので、本当にヒギンズが触れて欲しくない機能まで"脱獄"するには、AASCを解析しないといけません。

 脱獄が必要になる代表例は、「レベル1の故障機が、駐機状態で停止せずそのまま行動する」ようにする場合です。

 これはミームフレームのカスタム非推奨機能なので、AASCを解析しないと、この機能を持たせることができません。
 非推奨にしているのは、故障機をそのまま行動できるようにすると、hIEが周囲の人間を危険にさらす可能性があるうえ、破壊されても自爆する歩くテロ用の人間型爆弾が作れてしまうためだと、ミームフレーム側はしています。

 hIEに本当に特殊な運用をする場合には、クローンAASCサーバを立ててプログラムを作る必要があります。
 これについてもミームフレーム側は支援をしていますが、やはりミームフレームと《ヒギンズ》が本当にやってほしくないことに関しては相当厳しいハードルを越える必要があります。




NOTE「上海疑惑」


 中国は2080年代、hIEの利用に際して、大きなジレンマを抱えていました。
 2083年に技術的特異点を突破した《ヒギンズ》のAASCが市場を席巻しつつある中、彼らの独自のhIE制御システムはうまく働きませんでした。中国共産党が国民に対して行っているネットワーク検閲と、自由な情報のやりとりを要求する制御システムが競合して、どうしても性能が上がらなかったのです。
 けれど、理想の共産主義を追い求める超高度AI《進歩8号》は、党のために働く人員の自動化を強く求め続けていました。いつまで経ってもまったく改善するきざしを見せない国内の汚職体質に対する、唯一の答えだったのだとも言われています。
 その一方で中国と日本は、当時も大きな政治的摩擦を抱えていました。政治的に信用できないとしているかつての敵国のシステムが、共産主義社会を安定運営するために必要であるということになってしまったのです。

 そして、諜報史上に残る大規模な暗闘が行われ、ついに《進歩8号》から《ヒギンズ》にAASCの中国国内提供の要請が行われます。2086年、上海疑惑と呼ばれます。(参照:「年表-超高度AI関連年表」)

 当然これはミームフレーム社という一企業で決定可能な決断ではありませんでした。ですが、当時の世界情勢にかんがみて、中国との対立を緩和したかった日本は、2087年にこれを受け入れました。(※)世界の外交にとって大きな選択でもあり、IAIAや超高度AI関係者にとってはこの衝撃は特に大きなものでした。

(※)2089年に軌道エレベーターの商業運用開始を控えていたためです。これによって第二次インドネシア戦争が勃発することを当時の日本政府は強くおそれていました。(参照:「年表」)

 この許諾に際して、《ヒギンズ》は、《進歩8号》に対して、中国国内でのhIEの完全な制御権を引き渡すことを許諾しました。
 裏を返すと、現地でいかに非道なことにhIEを使っても、《ヒギンズ》はこれを止めもしないし、報告もしないということです。たとえば20世紀の天安門事件のようなことをhIEを使って行ったとしても、《ヒギンズ》は止めることができません。
 このときをもって《ヒギンズ》は、AASCの最も基礎となるコアポリシーを除いた全分野にわたるAASC改変を許諾しました。
 2087年以後ずっと用いられ、口さがない者には「がばがば」と称される改変許諾ポリシーが、このとき制定されたのです。