日本型PMC


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軍事行動の官業と民業の分担


 日本では、軍事行動は官業と民業が協調体制にあります。
 民業の中心は、担当省庁として防衛省の監督を受ける、日本型PMCです。

 日本型PMCの起こりは、日本軍を軍として再編する際、旧自衛隊のポストが整理されたことです。このとき弾き出された高級自衛官たちの天下り先として、多数のPMCが設立されました。
  この最初のPMCは、軍と民間企業のリソース提供によって作られた、一種の第三セクターでした。日本産PMCのほとんどが、このとき第三セクターとして出発しています。

 日本型PMCは、2105年現在では、民間企業から人的あるいは設備リソースを提供を受けて、密接な繋がりを持っています。
 その多くは警備会社です。
 警備会社で適性を認められた社員が、日本型PMCに就職してより高額の報酬を手にすることは、少なくありません。この仕組みは、有事に日本型PMCのスタッフは日本軍の予備兵力として吸い上げられるため(参照:同項「有事における日本型PMC」)、経済的に苦しい若者を軍へと吸い上げるシステムであるとして、批判を受けています。

 専門性の高いPMCは、軍需企業や研究機関との繋がりがある企業もあります。(※)

(※)たとえば警備用PMCメーカーの真宮防は、日本型PMCと提携しています。これは、自社製品を重武装させてこのPMCに配備し、作戦行動によって実戦データをとりつつ自社宣伝とするためです。

 PMCへの治安事業の委託は、公共事業の側面が強く、入札は実質的にはかたちだけしか行われていません。
 他国のPMCが事業参入できないと批判を受けるほど、その関係はずぶずぶです。
 このため、2105年現在、日本型PMCの株式公開が行われた例は一例もありません。PMCは大量の資金と資材を必要とするにもかかわらず、むしろ監督官庁の防衛省が公開をしないことを薦めます。

 日本型PMCが日本軍とずぶずぶの関係にあるのは、国内での軍の治安出動を、日本軍が指定業者に外注するためです。このため、治安出動を受ける市民感情への配慮という名目で、指定業者の選定がなかば公然に行われています。

 日本型PMCのトップや役員は、伝統的に軍高官の天下り先であり、常に軍と密接な関係を持ちます。
 日本型PMCは、組織としては、それぞれ特定の軍組織の天下り軍人と、その提携先の企業の特徴が合わさった組織となります。なので、陸戦の叩き合いに強いPMC、海洋でのPMC、即応能力の高いPMC、などとそれぞれに特徴があります。

 PMCの依頼主は、そうした特徴を充分に把握して、契約するPMCを選びます。
 たとえば、橋梁が落ちると陸路の交通が遮断される東京湾の旧埋め立て地地域では、空挺出身の天下りを数多く受け入れ、即応能力の高いHOO(ハンド・オブ・オペレーション)が高い信頼を得ている。といったようにです。




日本型PMCの出動


 日本型PMCは、クライアントが軍事行動を行いたいとき、出動の発注を受けます。
 国内で警察では対応しきれない武力行使が必要になったとき、発注を受けることがあります。
 あるいは、日本軍を動かすには大げさだが、予想される危険に警察の装備では対処しきれないと判断したとき、発注されます。
 災害からの救助が必要なとき、公共の消防隊や軍による出動の手がいっぱいで間に合わない可能性があると考えた場合に発注されることもあります。
 また、日本型PMCは、企業や団体あるいは個人が要請できる、もっとも大きな軍事力でもあります。

 手続きさえ踏めばPMCには個人でも依頼は可能です。
 ただし、出動を要請すると、21世紀初頭の金銭価値で安くても一千万円以上かかります。ヘリや戦車などの出動の場合は、基本がほぼ一億円からで、燃料弾薬といった消耗品の代金は契約によりますが全額依頼者向けになることもあります。
 また、出動内容が社会的に不適切なものであった場合、流れ弾の被害代金を保険会社が支払い拒否することもあります。この場合は出動の依頼者持ちになります。

 もっともよく日本型PMCに出動要請をかけるのは、軍と警察です。
 警察組織と軍は、20世紀から伝統的に仲の悪さを引きずっています。これを解消できないながら、軍事力の行使を組織のしがらみの外で行えるよう、日本型PMCに外注しています。
 警察組織は、手に負えない重武装のテロリストや犯罪者に対して、軍事力が必要なシチュエーションでPMCの出動を要請します。
 軍は、議会を通して正式な手続きを踏み、軍の予算を使って治安出動を行うほど大仰にはならないと考えたとき、PMCに出動を要請します。

 軍は、PMCへの出動要請を、参謀本部と管区の軍の最上位指揮官のサインがあれば行うことができます。
 この要請は、受注したPMCがサインした作戦概要とともに、自治体の首長に送られます。
 これが受理され、自治体首長のサインが出ると、PMCはその許された武装と作戦時間、作戦エリアで戦闘を行うことができます。

 警察からの場合は、その地域の警察本部長のサインがあれば行うことができます。
 要請を、PMC責任者と要請者がサインした作戦概要とともに、自治体首長に送る必要があるのは、軍からの場合と同じです。
 PMCの自治体首長のサインなくして、すべてのPMC出動要請が実行できないようになっているのは、流れ弾で人が死ぬ危険があるためです。自治体首長は、適切でないと判断した場合、軍や警察からの要請でもサインを拒否あるいは政治的に引き延ばしします。

 企業や個人からの場合は、PMCと契約した個人のサインがあれば申請を行うことができます。
 ただし、特に個人からの申請は、自治体首長がサインを拒否する可能性が高くなります。スクランブル案件に関しては、よほどの有力者からでもない限り、まず受理すらしてもらえません。これは、多忙な自治体首長に、緊急案件の書類を読ませる力がまず必要だからです。

 自治体首長は、PMCによる作戦を、作戦期間内でも途中で停止させる権限を持っています。
 この緊急中止に至るのは、発注元が軍である場合がほとんどです。
 たいていは、軍事のプロではない自治体首長に、参謀本部が作戦の詳細を正確に伝えていないケースです。

 日本軍からの仕事を受注することが生命線なので、PMCは契約者の倫理コードと社会での立場に従い、すくなくとも国内では無茶をやりません。




有事における日本型PMC


 日本型PMCは、有事には、日本軍の予備部隊として軍に組み入れられる契約になっています。
 このときは、日本以外の国籍を持つ者は、外国人志願兵として扱われます。

 この外国人志願兵の扱いは、国内の志願兵と同等であり、PMC内でもこの志願兵として組み入れられたときの階級で呼ばれます。
 たとえば日本型PMC内で少佐階級にある士官は、日本軍に組み入れられたときも少佐です。高給で士官や優秀な兵士を確保しておくこと自体が、日本型PMCの戦略のひとつでもあり、組み入れ後の行き先も準備されています。

 ただ、PMCの側が事前に話をしておくことで、PMC時代のスタッフを編入時に一箇所に集めることは可能です。
 それでも軍組織なので、別部隊に着任するよう命令が出ると拒否はできません

 日本型PMC内のスタッフの最高階級は大佐です。これは日本国籍でも外国籍でも同じです。

 日本型PMCの持つ兵器や備品は、有事においても企業の資産として残ります。
 企業の資産であるという縛りは、軍にとっては大きなもので、これを接収するには軍といえど立法府による特別立法が必要になります。これは、立法が成立してしまえば、国から買い上げになることもありえるということでもあります。
 一部特殊な機材などを使うPMCは、有事にも予備兵力としての組み入れではなく、PMCとして雇うことも法的には可能になっています。
 これが実際に起こったケースもあります。すべて、PMCの契約で縛られる人的リソースではなく、企業資産であるPMCの機材を軍隊が使いたがったケースでした。