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地下

 草木が鬱蒼と生い茂った密林。
 木陰に日光が遮られ、直接日を浴びずに済むのは助かるが、それでも汗が滴り落ちる。
 瓦礫だらけで歩きにくいこと、この上無い。
 瓦礫の隙間から、または瓦礫を押しのけて草木が伸びている。
 鉈を振って背の高い草を切り払い、足下を探索し続ける。
「あっ」
 蔦が絡み付いた瓦礫――
 その隙間に地下へと続く階段を見付けた。
 石が溶けて固まったような不思議な材質の階段だ。
 雑草を脇に払うと、階段の周囲も四角く、同じような素材で舗装されている。
「隊長!」
「でかした! 皆、見付かったぞ!」
 仲間達が、わっと湧く。
 地下世界の入口を見付けられるかどうかは運次第だ。
 一日で見付かることもあるし、一週間掛かっても見付からないこともある。
 四日目で見付けることができたのはまだ運が良い方だと言えよう。
「三班は瓦礫をどかせ! 二班は周囲を警戒! 一班は突入に備えろ!」
 隊長の指示で隊員が各々の仕事を始める。
 隊員は常に二人以上で行動することになっている。
 二人で一組、二組で一つの班。隊長と副隊長と三っつの班、総勢一四名。
 俺は三班――瓦礫の撤去作業だ。
 革手袋をぐっとはめ直し、気合を入れる。
「よく見付けたな」
 相棒役の先輩が肩を叩いて、褒めてくれた。
「たまたまですよ」
「この仕事は運も実力の内だ……よし、そっち持て」
「はい」
 まず、二人掛かりでかい瓦礫をどかす。
 それから小さな瓦礫を、そのへんに放り捨てる。
 俺達の組は左から、もう一組は右からせめて瓦礫を取り除いていく。
「――ふぅ」
 やがて、地下世界の入口が解放された。
 隊長がそれを確認して、
「一班、行け!」
 突入班が隊列を組んで階段に潜っていく。
 二班は周囲を警戒、副隊長は書類とにらめっこして、食料の残量等を確認している。
 隊長は副隊長のほうに近付いて、なにやら相談した後――俺達、休憩中の三班のほうに近付いてきた。
「三班、地下に潜りたいか?」
「えっもちろんです!」
「研修の内容は覚えているか?」
「はいッ」
「地下探索の最初の手順は?」
「退路の確保と、遺跡の種類を示す記号を探すことです」
「惜しい。記号ではなく、文字だ、喪失時代の」
「あっはい……」
「まぁ、似たようなもんだ――よし、実地と行こう。俺が先導する、ついてこい」
「はいッありがとうございます!」