24年目の再会

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池袋

 高速バスは池袋に入った。

 北陸自動車道、関越自動車道をひたすら暖風を求め南下して5時間後のことである。

 びっくりガードを抜け昭和通り、左手に池袋駅が見える。

1月11日 午前5時。

運転手に礼をいい、駅前大通りに降りる。

人口5千人の村に24年間住んでいたこの初老の男には都会の喧騒すらめづらしかっ

た。

初老のこの運転手は、北陸の小さな停留所で高速バス「池袋行き」を待っていた

市橋修造を無理に運転手助手席に乗せて東京に連れてきてくれだのだ。

「お客さん、何時から待ってるんだい」

場末の停車場に泊まり、予約客を乗せようとおりたった運転手はどきもをぬかれた。

黒い膝頭までのラシャのガウン、ブルーのリュック、赤いカーボーイハットの男が

全身、雪におおわれて佇んでいたからである。外は大雪、この男は始発からずっとそ

こで立っていたに違いない。キップをもっていないので、キャンセルをまっているの

である。不幸なことに1月で全車、予約でいっぱいだった。

「3時から、二つ断られた・・・」「池袋にい

かなくちゃあならん理由があると?」「ああ、おふくろが危篤で今日中に会いにゆきた

い・・・」と嘘をついた成果。「会社に内緒にしてくれ・・・」と最前列、運転席の

一段下方にある補助席をひいて自分と同じくらいの客を座らせ電気を消した。

友人が松戸から広域暴力団牛馬一家に動きがないことをFBで連絡が入った・・・

「今度上京したら殺すぞ」「やばっす、もう都会に来ないほうがいい、ヤツラ本気で

すぜ、わたしにも止められませんから」(24年前検察調書より)

で首都圏に入ることは避けていた。

貴殿の松戸入りに問題はない・・・

さあ、乗換えだ。24年ぶり、常磐線から千代田線。

駅の構内に入る・・・

24年ぶりで1ケ月の時に別れた娘ミリ(美莉)と再会するのだ。

横浜

 ミリ(美莉)は横浜にいた。

松戸

 ミリ(美莉)はおじさんのところに連れていかれた。後見人にするためだった。

新松戸

 ミリ(美莉)は新松戸のマツモトキヨシにいた。携帯の充電器を買うためだ。

ふたたび池袋

 ミリ(美莉)は父親とともに池袋に送ってもらった。

 そして、また横浜へ戻り放浪を続けるのだ。

 父親と二度と会うことはあるまい。

追記

登場人物
オメダ(市橋修造) 商売を失敗して田舎にかえっている元伝説の企業家
グズロク(斉藤市朗) 毛皮の通信販売で成功した実業家
コースケ(鈴本都市太郎) エステ・チェーンのフランチャイズで年商100億円になっている青年実業家
ミリ(美莉) オメダの娘
みゆき ミリ(美莉)の母親 つまりオメダ(市橋修造)の元妻
  • いちげん 新松戸店 - 新松戸/居酒屋
  • 2016/10/10 縁を切る と連絡

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