第二次二次キャラ聖杯戦争@ ウィキ
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第二次二次キャラ聖杯戦争@ ウィキ
ja
2019-07-07T21:13:49+09:00
1562501629
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発覚
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/646.html
* 発覚 ◆/D9m1nBjFU
―――全くもって情けないことに。
―――俺という人間はこうなる事態を毛ほども想像していなかったらしい。
◆ ◆ ◆
チクタクチクタク、と時計が秒針を刻む音が聞こえてくる。
朝陽が昇りはじめ、誰もが今日の仕事の、学生であれば登校の準備をしはじめてもおかしくない時間帯だ。
もっともテンカワ・アキトにとってはそういった喧騒は指名手配となった今もそれ以前も関係のないことだった。
NPC時代は食堂を休業にしていたし、犯罪者として追われる身となった今は言うまでもない。
そしてこれからは過去の思い出に浸るようなこともない。
そのために方舟におけるアキトの過去の象徴とも言える少女、東風谷早苗を殺す。
そうして初めて己は失うもののない一匹の修羅として聖杯戦争を勝ち抜く資格を得る。言わば通過儀礼だ。
アキトを保護している同盟者、HALの情報網を通じて早苗の居場所は既に掴んでいる。
コンディションには些かの不安もあるが、テロリストであるアキトは常に万全の態勢でのみ臨めるほど戦争というものが甘くないことを知っている。
武装。もとよりヤクザの事務所から盗んできた銃があったがここにきてHALから予想外の武器の供給があった。
サブマシンガン・MAC10にアサルトライフル・AK47がそれぞれ予備弾倉つきで一丁ずつ、それに手榴弾が三つ。配下と思われるNPCを介して届けられていた。
HALにメールで尋ねると、どうやら奴は予選の頃から来るべき時に備えて銃火器の密輸を配下にさせていたらしく、アキトがヤクザから盗んだ銃も元々はHALが仕入れたものだった。
手付金のつもりかは知らないが寄越すというのなら有難く使わせてもらうまでの話だ。
―――と、ここまで来たところで極めて現実的な問題がアキトの前に立ち塞がっていた。
『続いてのニュースです。昨夜未明、B-9で美遊・エーデルフェルトさんと思われる十歳の女の子が銃撃された事件について、警視庁はテンカワ・アキト容疑者を指名手配とする方針を明らかにしました。
テンカワ容疑者は現在も逃走を続けており、警察が今も厳戒態勢を敷いて捜査にあたると同時に、近隣住民へ不用意な外出を控えるよう呼び掛け
2019-07-07T21:13:49+09:00
1562501629
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if - a fool of loneliness
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/645.html
*if - a fool of loneliness ◆WRYYYsmO4Y
【4】
どうやら、令呪の影響でマヨナカテレビの外へ飛ばされてしまったらしい。
禍津冬木市とは対照的な風景に囲まれ、ライダーは溜息をついた。
「困ったわね」
早く狭間の元に戻りたい所だが、生憎ライダーの身体能力は極めて低い。
それこそ一般人同然である彼女の脚力では、移動には相当な時間がかかるだろう。
第一、ライダー単独では電脳世界に転移することすらままならない。
出来ることがあるとすれば、自宅でマスターの帰りを待つ事くらいだ。
とはいえ、ライダーは特に焦燥感を抱いている訳でもなかった。
マスターがサーヴァント並みの能力を所有している事は、これまでで十分解らされている。
よほどのハプニングが起こらない限り、彼が斃れる事はないだろう。
しかし、問題は彼が元の世界に帰還した後である。
怪物と対峙していた時のマスターは、見るからに多大な精神ダメージを受けていた。
あの様子から察するに、戦闘後もしばらく引き摺るのは間違いないだろう。
それこそ、今後の立ち回りに影響を及ぼすおそれさえある。
(……悪い事しちゃったわね、拒むのも無理ないわ)
狭間がどうしてセックスを拒んでいたのか、今のライダーには理解できた。
あの反応からして、自分の前に現れた子供は過去の彼自身で間違いないのだろう。
幼少期に母親と別離したという経験から、彼は心のどこかで愛情に飢えていたのだ。
実を言うと、狭間を探している最中に目撃してしまったのだ。
、「ぴちぴちビッチ」越しに、"影"の見せる幻影に怯える自分のマスターの姿を。
勿論、彼がひた隠しにする過去も知ってしまったし、愛を嫌悪する理由も概ね察しがついた。
狭間がそれを知ったら、烈火の如く怒り狂うのは容易に想像できる。
最悪の場合狂乱した彼に殺されかねないし、恐らくそうなるだろう。
だから、この事実はライダーの胸中に秘蔵されてそれっきりだ。
けれども、ライダーは解っている。
狭間偉出夫は、深層心理では愛を求めている。
愛を求め、愛に裏切られ、愛を憎み、愛を嫌悪し。
だがそれでも、今もなお心の何処かで愛を欲しているのだ。
2019-11-27T01:00:19+09:00
1574784019
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if - a king of loneliness
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/644.html
*if - a king of loneliness ◆WRYYYsmO4Y
【0】
我々がある人間を憎む場合、我々はただ彼の姿を借りて、我々の内部にある何者かを憎んでいるのである。
自分自身の中にないものなんか、我々を興奮させはしないものだ。
――――ヘルマン・ヘッセ
【1】
「お前は私じゃないんだ」と。
狭間は叫んだその途端、空間が水を打ったように静まり返る。
すすり泣く少年の嗚咽すら聞こえない、彼自身が急に泣き止んだからだ。
「僕を、認めないんだね」
狭間と同じ格好をした少年が、ぽつりと呟いた。
それはまるで、狭間の言葉を待っていたかのようで。
あるいは、彼がそう叫ぶのを知っていたかのようで。
「それなら僕も、みんなと同じ様に君を否定しよう」
ゆらりと、その少年が立ち上がる。
泣きはらした彼の顔は、服装と同様に狭間と瓜二つであった。
けれども、そこには魔神皇の威厳などまるで感じられない。
少年の表情が体現するのは、「陰鬱」の二文字だ。
己の未来をひたすらに悲観し、周囲全てを恐れ続ける子供の顔。
世界の悪意のただ泣きじゃくる事しかできなかった、醜い弱者の姿。
狭間の心臓が早鐘を打つ。全知全能の魔神皇の額に、焦燥を示す脂汗が滲む。
「我は、影……真なる、我……」
涙で濡れた頬が、ニィと釣り上がって。
直後、何者か――"影(シャドウ)"の姿が一変した。
ただのちっぽけな人間の姿から、見上げる程に巨大な胎児へと変異する。
胎児の額からは、あのひ弱な"影"がチョウチンアンコウの触手の様に生えていた。
マヨナカテレビを訪れた者の前に現れるもう一人の自分、それが"影"。
歪な怪物へと変貌するそれの正体は、ひた隠しにしてきた本性の具現化だ。
「神様気取りの弱虫を聖杯は求めない。さあ、仮面を捨ててお家に帰る時間だ」
サーヴァントの霊基ではないものの、"影"の魔力量はそれに匹敵していた。
ただの魔物の類と一蹴するには、目前の怪物はあまりに強力すぎる。
本能的に驚異を感じ取ったライダ
2019-06-14T01:37:14+09:00
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グッドモーニングFUYUKI
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/643.html
*グッドモーニングFUYUKI ◆HOMU.DM5Ns
■
「うわっさぶっ」
正門を出たところで、思わぬ北風に身を強張らせる。
山の方は寒くなるとはいうが、この私服で早朝だとやや薄着だったかもしれない。
そういや、今は何月だったか。聖杯戦争の時の為の舞台でも季節は巡るのだろうか。
肌着のみでは寒いが厚着するほどでもない、オシャレのしやすい気候だとするとだいたい春ぐらいだろうか。
などと、どうでもいいことを乙哉は考えてみる。
「お~お日さまきれーい!」
地平線から覗く曙光に目を細める。
手を広げて全身で受け止めると体も暖まってきた。
日の出とはいかないが中々の景色である。これを見れただけでも寺に来た価値はまあまああったかもしれない。
もちろん本命の目的も忘れてはいない。寺にいるとされるマスターとの接触、それが第一。
珍しい精進料理を食べて、ちょっと豪華なお風呂に入って、畳の上の敷布団で眠って。
総評して、いい気分転換になった。我慢が多く溜まっていたストレスの解消も出来た。
結果は上々。乙哉は階段前で振り返って、見送りに来てくれた尼僧に軽くお辞儀をした。
「それじゃあ、泊めてくれてありがとうございました、白蓮さんっ」
紫と亜麻の鮮やかなグラデーションヘアの住職は柔らかに微笑む。
「こちらこそ。お話を聞かせてくれてありがとう乙哉ちゃん」
僧が髪を染めてもいいのだろうかと疑問を抱かないでもない乙哉だが、楚々とした所作は驚くほど寺に馴染んでいて、そういった違和感を霧散させている。
「えー?学校の話なんて退屈じゃないですかー」
「いいえ。とても充実しましたよ。あまりお寺から出る事もないので、若い子お話を聞くのはとても新鮮ですもの」
「あはは、白蓮さんだって全然若いですよ。制服とか着ても意外とイケますって、きっと!」
「あらやだ、おばあちゃまをからかうものじゃありません」
一夜泊まっただけの短い間とは思えない、慣れ親しんだ会話。
乙哉も社交性は高い方だし、白蓮も柔和な性格だ。夜の会話は予想外に弾み距離はすぐさま縮まった。
乙哉から見ても、白蓮という女性は不思議だった。
妙齢には違いないのだが、ごく普通の仕草や佇まいが時折、青春の色を帯びる少女のようにも見せる。
2019-04-13T22:09:09+09:00
1555160949
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『ただいま』はまだ言えない
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/642.html
* 『ただいま』はまだ言えない ◆/D9m1nBjFU
これはまだ日を跨ぐ前、B-4エリアからバーサーカー、黒崎一護が主の下へ帰還した直後のことだった。
(思っていたほど魔力が枯渇していない?)
令呪の内容を消化し戻ってきた一護の状態、美遊自身のコンディションを一通りチェックして意外な事実に気がついた。
彼は違反行為があったという主従がいる、恐らくは多くの主従が集まってきたであろう激戦区に行っていたはずだ。
それなのに美遊の魔力はほとんど持っていかれておらず、一護も魔力が枯渇ないし枯渇寸前といった様子には見えない。
不可解な出来事に首を傾げるばかりだった。
この時点においてまだサファイアを取り戻していない美遊に視覚共有などという芸当はこなせない。
故に一護が出向いた先で何があったのかは推測する他ないが、いくら何でもロクな戦闘もなくさっさとサーヴァントを斬り伏せて戻ってきたなどと楽観的な思考はしない。
戦闘自体は行ったはず。それも場所がB-4なら超速再生を使わされるような事態も複数回あったと考えて然るべきだ。
(……まさか、バーサーカーの貯蔵魔力だけで乗り切った?)
サファイアはない。しかし美遊の魔力はほとんど使われていない。
だとすればもうこの可能性ぐらいしか考えられない。
考えてみればこれまでの美遊は一護への魔力提供に専念していた。僅かでも魔力不足に陥ることのないよう魔法少女としての機能を全て切って。
そうしていたのは「バーサーカーは消費魔力が他クラスより段違いに多い」という聖杯から齎された基本的な情報が頭に入っていたからだ。
だからテンカワ・アキト(この時点で美遊はガイという名前だと認識していたが)のバーサーカーと戦った時もアキトに取り押さえられる瞬間まで一護への供給は続いていた。
つまりあの時点で一護は彼が保有できる魔力貯蔵量の上限いっぱいまで魔力を溜め込んでいた。
(だとすれば―――戦っていない時の魔力供給さえ怠っていなければ、供給を完全に切っても一回は全力で戦闘ができる!?)
この瞬間、美遊はようやく一護の魔力消費量を過大に見積もり過ぎていたことに気がついた。
あるいは聖杯からの知識を額面通りに受け取りすぎていた。
バーサーカーは殊更に魔力を喰う、マスターに特段の負
2019-04-13T21:56:22+09:00
1555160182
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THE DAWN
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/641.html
* THE DAWN ◆HOMU.DM5Ns
春川英輔の知識と知能をクローニングした人格プログラム。
それがHALの正体だ。
零からアメーバ一匹も創造できない21世紀の黎明において、プログラム上とはいえ自身の完全なる模倣を造り出す、当時からすれば途方もない偉業。
日本有数の天才である春川のデータを精密に模倣(コピー)し、思考と記憶を寸分違わず再現されている。
その意味ではまさしくHALこそは春川英輔の「もう一人の自分」だといえよう。
しかし春川はHALだが、HALは春川ではない。
国内のあらゆるサーバーにアクセスして瞬く間に掌握し、去った後は尻尾を掴む痕跡も残さない。
電脳空間で最適された意志持つプログラムによる、他と隔絶したハッキング能力。
これは電子上に住まうHALであるが故に獲得した能力であり、同等の頭脳を持つ春川であっても人間である限り、同様の成果を出す事は不可能に近い。
さらに寿命という概念の消失。あくまでデータの塊であり自己変革を繰り返すHALに肉体の生存限界は存在しない。
自らの手で消滅する、人間でいう自死の選択肢は春川から与えらておらず、外部の手で破壊されなければ幾らでもHALは存続できる。
永遠の計算。無制限の自己改革。それがHALに課せられた最大の、そして唯一の意義だ。
春川が死すともHALは消えず、その逆も然り。
これだけでも、既に二者は完全な同一個体とはいえないだけの差異が生じている。
『電人HAL』と自ら称したプログラムとは、いわば宿主が消えても地に残り続ける陽炎。人の背に張り付く影(シャドウ)でありながら個別した人格(ペルソナ)だ。
「……だが私と春川の目的は変わらない。
その為の私であり、その為のHALだ。それを成す事のみこそ私は生きる。1ビットたりとも変化してはいない」
研究室。
最低限の明かりがあり、大型の冷蔵庫が稼働しているような音が鳴る暗い部屋で、いまや一人であるHALはいる。
春川として個人の身分と研究室を得ている現在、ここはHALの手で日々改造を施されている。
物理的にではない。春川の地位とマスターである能力を用いれば幾らかの資材を投入する事は可能かもしれないが、科学、物理を用いた防備がサーヴァントに有効になり得はしない。
コンクリートであろうがカー
2019-07-07T21:19:46+09:00
1562501986
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路地裏ミッドナイト
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/640.html
*路地裏ミッドナイト ◆HOMU.DM5Ns
二の足ではなくその裏についたホイールを高速で回し、夜の街を鉄塊が走り抜ける。
交通道路の中を移動している、絡繰の巨人スコープドッグ。
4メートル未満のATの姿は大型自動車に取れなくもないが、薄明かりを差し引いても人型の造形を見過ごすのは無理がある。しかしそれを見咎める通行人も今はいない。
この時この場所に限っては、『巨人』が街に現れる程度の事も幻覚と受け止められてしまっていた。
だからこそルリも、そのサーヴァントたるライダー、キリコも顧みず目的地を宝具によって突っ切っていた。
たどり着いたC-6、錯刃大学付近。
双子館の火事を消防に任せ錯刃大学に向かったルリを待っていたのは、またしても炎だった。
炎のような狂乱。炎のような熱狂。
老いも若きも男も女も分け隔てなくドミノ倒しになってごった返す人、人、人の混沌。
ここは欲望と暴力が絡み合うソドムの街。その残滓。
大学付近の通りで突如起きた暴動事件。主張も発端も理由も判然としない、曖昧なままに始まり、曖昧に終わった謎の狂騒の時。
無秩序なままに無軌道に暴れ回るその傾向をルリは既に知っている。
明らかにルリが追っていたサーヴァント、れんげが解き放ったアサシン、ベルク・カッツェの巻いた種による事件だった。
ジナコ・カリギリに変装した時と同様に、聖杯戦争での勝ち筋とは何の関係もない、ただの享楽の一環のための騒乱。
孤児院で数組のマスターとサーヴァントに囲まれた絶体絶命の状況から、れんげの令呪で自由になり、今またこうして徒に被害を拡大させたというわけだ。
一手二手も遅れた形で現場に着いたルリだが、待っていた光景は予想外だった。
肝心要のカッツェの姿は何処にも見えない。住民達はまだ混乱から立ち直ってないが、警察の誘導に従うだけの理性を既に取り戻している。
うっすらと残る興奮の空気も余熱のようなものであり、既にカッツェの支配下からは脱している証だ。
現場に着くなり指示を求めに詰め寄った警官達に話を聞くに、骨折を負った住民はあれど死者が出るまでは至ってないらしい。
解せなかった。確かに多少の騒動にはなったが、街の機能が停止するほどの規模ではない。聖杯戦争にも大した支障が出ることもないだろう。
自由になった形なき悪意の扇
2019-04-13T21:51:13+09:00
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ウェイバー・ベルベットの憂鬱(何度目)
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/639.html
*ウェイバー・ベルベットの憂鬱(何度目) ◆HOMU.DM5Ns
▼ ▼ ▼
雨の強い日だった。
外に出るのも億劫になる、暗い淀んだ空。地面を削るように打つ水滴の音。
そんな悪天候でも、遊びたい盛りの少年にとっては新しい遊び場なのは変わらない。
雨には雨の日の楽しみ方がある。雨合羽に長靴の防水装備で、側溝に浮かんで進む、新聞紙で出来たヨットを追いかけている。水がある限りどこまでも続くおいかけっこ。
しかし遊びは唐突に終りを迎えるもの。流れるヨットはそのまま、用水路に続く大きく空いた溝に流されてしまった。
「僕のお小遣いがドブに!」
なぜそんなものをヨットに入れて流したのか。
急いで溝の傍に駆け寄って中を窺うが、残念ながらとうにヨットは見えない。
「ハァイ、ジョージー」
諦めて立ち去ろうとする少年に、その時陽気に呼びかける声があった。
前には誰もいない――――――と思った瞬間、ひゅうん、と音がした
ピエロだ。白粉を塗りたくったメイク、真っ赤な髪と鼻のピエロが薄暗い排水溝から顔を出したのだ。
「映画『デッドプール』観た?」
ピエロはそう問いかけた。
知らない少年、驚きながらも首を横に振る。
「えー、面白いのに。今ならレンタルやってるよ」
「言うてアメコミでしょ?ガチムチはないわ」
「いやいや、そう嫌厭しなさんなって」
興味無さそうな素振りを見せる少年にも、ピエロは宥めて言葉を続けた。
「ヒーローのデッドプールはおしゃべりで画面の前の視聴者にも話しかけてくるお調子者だ。コミカルで日本人受けもいい。
でも映画の内容はラブストーリーだ。おちゃらけた孤独なヒーローが愛する人のために命を懸けて戦う王道を行くんだ。どう?」
語る内容に聞き入ってるうち、少年も面白そうに笑顔を見せる。
「面白そう!『インフィニティ・ウォー』観るわ」
「待てや!」
まさかの逆張りにノリツッコミ。
ピエロ、慌てて態度を直してあるものを取り出した。
「これを置いていっていいのかい?」
「僕のお小遣い!」
流されてしまっていたヨット(お小遣い入り)である。
失ったと思った宝物に少年の関心は再びピエロに向く。
「返して欲しければデッドプールを観ろ
2019-02-17T18:28:40+09:00
1550395720
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リブート
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/638.html
**リブート ◆HOMU.DM5Ns
……
………………
……………………………………
----
では、聖杯戦争を始めます
所詮、人間など誰であろうと『魔王』に成りうる存在だ
“あぁ、そうさ。人類は負けない。最後には必ず勝つ。―――だが、いつまでこれを繰り返すのだ?”
感じられなくてもいいの、ただ忘れないで。人類はまだ希望が無くなった訳じゃないことを……。
――――生きろ。
もしかしてそこのキミ、おれをサーヴァントとして呼んじゃったマスターなの?
いいだろう、人間……いや我が主(マスター)――――闘争を始めよう
マ、マスター……揉むだけならば、そんなァッ! にゅう、乳頭は! そんな、な、なんで服の上から的確に!?
もし、この聖杯にも穢れがあったならば……その時は……
――――Amen
待たせたわね全国の子ブタ! 復活ライブの始まりよ!
———願いは、自分自身のためだけにしろ。
我が槍は殿下の栄光を闢き、我が盾は殿下の栄光を覆う」
小娘め……俺は歳取って出直して来いと言ったんだがな……ガキになって来るとは面白れぇじゃねぇか
真っ平御免だ。俺の心も魂も命も俺だけのものだ
だが、これだけは言っておく。俺を真に支配しようとだけは考えるな……!
聖杯を精液と愛液でいっぱいにするためかな!
私はキャスター。――――そして、未来のあなた自身
その力があれば、全ては統一される
お辞儀をするのだ
余が重んじるのは絶対なる力のみ。聖杯はまさしく余が手に入れるに相応しい力の塊なのだ
ドーモ、アサシンです
さあ祭りだ、祭りだ、祭りだワショ――――イwwwwwwww
…………やってみよう
……朧
少々趣向は違うようだが、やはり君は私と同じ『殺人者』のようだね。
・・・・■■、■■■■
■■■■――――!!」
……そうだ、次の聖杯戦争でもコンビ組もう! 優勝してFateの次回作に出れますようにっ
2018-09-22T22:59:10+09:00
1537624750
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蒼銀のフラグメンツ
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/637.html
**蒼銀のフラグメンツ ◆Ee.E0P6Y2U
まとまらない思考。
断続的に明滅する記憶。
思えば思うほど、目の前の現実が歪んでいく。
それは例えるなら、既に見知っている本をさかしまにぱらぱらとめくったときのような、不思議な感覚。
結果からさかのぼって原因を眺めていくようなものだ。
シーンとシーンの間に何ら連続性はない。
けれども私は知っている。
一つ一つの断章/フラグメンツが、どこで繋がり、最後にはどこに収束するのか。
イマという知覚の欠片を繋ぎ合わせたところで、
浮かび上がるのはきっと何の変哲のない、けれどもとびっきりグロテスクな現実なのだ。
_act4
殺してしまえ。
ああ、何もかもだ。
その腕を引きちぎり、胸を切り裂き、頭蓋を貫いてしまえ。
そして死ね。真っ赤な血をまき散らして、無様に散ってしまえばいい。
――そんなささやきが聞こえる。
耳障りな声だ、と思う。
誰だ、こんなところでわめいているのは。
うるさくて集中できない。けれども耳をふさぐ訳にもいかない。
だって今は――戦場の真っただ中だから。
「……やはり不調か」
銀髪の髪が舞う。
月にきらめく銀のランサーは、ミカサを守るように立つ。
その瞳は自らの獲物――ドラム式の弾倉が特徴的な長銃に注がれている。
「どうやら――この戦場は既に敵の陣地、という訳だ」
「そのようだな。あのキャスターもよくやるものだ」
ランサーに同調したのは、まさに今刃を交えている敵自身だ。
黄金の剣を扱う彼は、どこか皮肉気に笑みを浮かべながらグラウンドに立っている。
この戦場、とランサーは言った。
ああそうだ、と彼女は思う。
だだっ広いグラウンドも、あそこにそびえたつ校舎も、もうしばらくすれば人で溢れかえる門も――
――全部、戦場だ。
ミカサは胸に渦巻く苛立ちを押さえる。
そして冷静に辺りを眺めた。
今の自分は兵士だ。この場で余分なセンチメンタリズムは不要だ。
故に努めて静かに、鋭く状況を観察する。
辺りに感じられる気配は三つ。
二つはセイバーとランサー。彼らは夜の学園にて相対し、その剣と銃を交えている。
そしてもう一つは――
“どうも妙だな”
耳元で
2019-04-13T22:01:59+09:00
1555160519