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雪崎 絵理&セイバー ◆R/DzX5mHgw


「行ってきます!」
そう言って、少女は勢い良く玄関から高校に向けて駆け出していった。
セーラー服とロングヘアーをはためかせて慌ただしく駆けて行く様は、女子高生特有の溌剌とした愛らしさを醸し出している。
「おはよ!絵理!」
「おはよ、――。」
通学路が同じ友人とあいさつを交わす、その事自体に何の変哲もない、極自然な日常的行為である。
ただ、雪崎 絵理が誰かの名前を呼ぶ度に彼女の脳内に響き渡るノイズ音がある。
…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
それはどこか、駆動するチェーンソーの音に似ていた。

「大丈夫?頭痛いの?」
「うぅん、全然だいじょうぶだょ」
ノイズと共にもたらされる鈍い頭痛にはもう慣れた、しかしこのノイズと共に胸の底から湧き上がるような焦燥感は何なのだろうか、
家族仲は良好だし、友人もいる、恋人は――まぁ、そのうち、
成績面でも優秀の部類に入ると言って良いし、部活も上手くいっている、何一つ生活に不満なんて無い。
だというのに、何かを忘れているような気がする。
「――何か、大事な事を」
…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。

夕食はすき焼きだった。
母親は今日は奮発したのよ、とどこか自慢げな顔つきであるし、
弟などは、まだ煮えてもいない肉に手を付けようとして父親にたしなめられている。
ただ、絵里だけはこの状況を疑問視していた。
夏日照りの暑い今日である、暑い時には熱い食べ物を食べれば良いという話もあるが、
だからと言って、何も言わずに鍋物を受け入れるような家族だっただろうか。
弟ならば、不平不満の一つも言いそうなものを、そこまでを思い、弟と絵里の目が合った。

…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。

人形と目が合った。

「あなた達……」
目の錯覚に過ぎない、絵里はそう思い込もうとした。
しっかりと見れば、やはり目の前にあるのは弟の顔だ。
最近、疲れているから、だから弟の顔が人形に見えてしまうのだ。
そう、思い込もうとして――やはり無理だった。

「だれ?」
目の前にあるのは確かに人形などではなく、人間だ。
だが、それは彼女の知っている家族の顔などではなかった、ああ、そうだ、何故忘れてしまっていたのだろう。

「絵里!待ちなさい!!絵里!!」
全てを思い出した彼女は、偽物の母親が制止するのを振り切って、外へと駆け出していった。
何もかもに気づいてしまっても、母を騙る彼女も、弟を騙る彼も、父を騙る彼も、
きっと家族のままでいさせてくれたのだろう、それが彼らの役割だとしても――それでも、家族になってくれたのだろう。

でも、家族は死んでしまった。
雪崎 絵理は、だから戦っているのだ。

どこまでも、どこまでも、走って行く。
後ろを見ると、もう母だった人はいない。
完全に振りきれたようだ。

夜の公園のベンチで一息つく、くうと小さい腹の音が鳴った。
結局、家族ですき焼きを食べることはなかった――でも、もういいのだ。

…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。
以前から鳴り響いていたチェーンソーの駆動音染みたノイズが現実に生じた。

世界を切り裂いて、サーヴァントが降りてくる。
雪崎 絵理が戦うために、その願いを叶えるために。


「あなたが――私のサーヴァントね」
緑色の上着に紺色のジーンズ、左手にはハンドベルトコンピューターを装着している。
年齢も彼女と同程度であり、背に担いだ剣が無ければ、とてもサーヴァントとは思えない、
いや、彼女もまた、一人の例外を除いて誰にも露見することなく敵と戦い続けたように、
戦う者というのは、そういうものなのだろうか。

「君の願いを……教えて欲しい」
「……なんで?」
絵里が聖杯に懸ける望み、それは他の参加者に比べれば余りにも小さいものだろう、
しかし、彼女にとっては真剣なもので――だから、少しだけ言うことが躊躇われた。
「願う内容によっては……君を殺さなければならない」
濁流のように押し寄せる殺意は、目の前の少年がやはりサーヴァントであることの証左であった。
どれ程の修羅場を超えれば、いや――彼は英霊となった、この結果が何もかもを証明している。
恐怖に意識を飛ばしてしまいたくなる、偽りの家族の元へと帰り、全てを忘れてしまいたくなる、
けれど、毅然とした態度で絵里はサーヴァントの視線を受け止めた。
命を賭して戦ってきた、ならばこの問いにも命を賭して答える、ただそれだけだ。

「お父さんとお母さんと弟が、交通事故で死んだんです、
なんにも悪いことしてないのに。普通の家族だったのに。何の前触れもなくみんな死んじゃって」
「……家族を蘇らせたい?」
「それで、あたしの好きな男の子もね、転校しちゃうらしいんです、あたしがとても会いに行けないような場所に」
「……転校を止めさせたい?」

「みんなに帰ってきて欲しい……」
ほとんど聞き取れないような小さな涙声で彼女は確かに言った。

「……あたし、本当はみんなと一緒にすき焼きが食べたかったの…………でも、あの人達は偽物で……でもあたし……あたし……ひっく」
「もういいよ」
「……ひっく」
「もういいって!」
殺気は消えていた、今この場所にいるのは泣きじゃくる絵里をなんとかしようとあたふたとするただの少年だった。

「僕が何とかする、君のお母さん、お父さん、弟、恋人、何から何まで、何とかする。
なんなら君は聖杯を鍋にして、すき焼きでもしゃぶしゃぶでも好きに食べれば良い、もちろん君の家族、恋人も一緒だ、ついでに僕もいれてくれると嬉しいけど贅沢は言わない、
なにせ恋人がいる君に僕が付いて行ったらなんか複雑な関係っぽいし、何より僕には恋人がいるからあんまり勘違いはされたくないからね、大丈夫、何から何まで大丈夫だ。
わかるよ僕も、僕だって母さんや父さんに会いたいし、友達や幼馴染にも会いたい、どうでもいいけど幼馴染ってなんか流れ的に僕と付き合うものかと思ってたら、
僕の友だちと付き合ってて、旅の最中に何度もええいこいつ絞め殺したろか、って思うことがあったよ、まぁあいつはいいやつだったけどね。
とにかく、僕に任せておけば全然オールオッケー!」
「……ほんとに?」
「あったりまえだろ!」
景気良く言ったサーヴァントであったが、でも――と続けて、絵里に問いかけた。

「君は願いのために……人を殺せるかい?」
「……あたしは、ころせ」
「なーんて!全部僕がやるから、いいよいいよ」
絵里の言葉を最後まで聞かずとも、彼女の答えはわかっている。
ただ彼女の決意のために――出来れば彼女には手を汚させたくはない。
彼女は知っているのだ、失う悲しみを。
ならば、それを喪失を与える悲しみもまた、人一倍にわかってしまうだろう。

「え?」
「こう見えても、母親の偽物から親友、魔王に大天使、なんならヤクザに狂信者まで殺してる、ちょっとしたジェノサイダーだからね。殺しに関しては、プロだよプロ。
だから……何もかも僕に任せておきなよ、君が天井の染みを数えている間に、僕がすべてを終わらせる」
「……見くびらないで!」
耳まで紅潮させた彼女の怒気に気づいたのは、流石英霊と言えるだろうが、
しかし女性はこういう場合、平手打ちを放つものだという固定概念が彼を傷つける羽目となった。
絵里のローキックが、彼の膝を打つ。

「あなたが人を殺すなら、それはあたしが殺すのと同じっていうことぐらいはわかってるんだから。だから、だから……きっと、あたしは殺す」
「ああ……わかったよ」

彼女は覚悟を決めた、いや――とっくに決めていた。
ならば、もう言うことはない。

「セイバー ザ・ヒーローの名において、君に聖杯を……君に訪れた全ての不幸を取り除くことを誓う。コンゴトモヨロシク……」


【マスター】
雪崎 絵理@ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

【参加方法】
父親の遺したゴフェルの木片を発見する。

【マスターとしての願い】
みんなに帰ってきて欲しい

【能力・技能】
『対チェーンソー男』
チェーンソー男との戦闘の時のみ、常人離れした身体能力を発現することが出来る。

【人物背景】
極普通の高校一年の女子生徒であったが、家族の葬式の帰り道に出会ったチェーンソー男と戦う様になる、
チェーンソー男の正体は作品中では語られていないが、彼女曰く、哀しいことを生み出す悪者らしい。
チェーンソー男との戦いの最中、ある少年と出会い、最初はいがみ合いつつも、最終的に彼の協力を受け入れ共に戦うようになるが、
少年が転校することとなり、また彼女は一人ぼっちになってしまう。
その転校を止めるために、彼女はチェーンソー男に最後の戦いを挑むはずだったがゴフェルの木片を手に入れたので、聖杯戦争に参加することとなった。

【方針】
優勝を目指す。

【クラス】
セイバー
【真名】
ザ・ヒーロー@真・女神転生Ⅰ
【パラメーター】
筋力A(B) 耐久B(C) 敏捷B(C) 魔力D(E) 幸運D(E) 宝具A
【属性】
中立・中庸
【クラススキル】
対魔力:C
騎乗:C

【保有スキル】

戦闘続行:A
ナイフで撫ぜる程度で死ぬほどの致命傷を負っても動き続けるその様は人間であるが故に怪物染みて見える。

話術:D
言論にて人を動かせる才。
取引から契約まである程度のことは行えるが、悪魔召喚プログラムを失っているために、
言語が通じない相手との交渉は不可能。

心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”
逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

人間:A
友が魔と融合しようとも、友が神の使徒になろうとも、それでも彼は人間で在り続けた。
彼が人間で在ることを捨てない限り、彼は英霊になろうとも人間として扱われる。

【宝具】
『握られしは一振りの神(ヒノカグツチ)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2~4 最大補足:1人
炎の神をその刀身に封じた魔剣。
常時発動方の宝具であり持つだけで全能力が一段階ランクアップする。

『神が救わぬゆえに(ハンゴンコウ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大補足:1人
屍鬼と化した幼馴染を偽りの生から解放した逸話から生まれた宝具。
死を望む屍鬼を強制的に成仏させる。

【weapon】
『握られしは一振りの神(ヒノカグツチ)』
ザ・ヒーローの宝具である。

【人物背景】
ただの少年が、母を殺され、
ただの少年が、故郷を喪い、
ただの少年が、幼馴染を殺し、
ただの少年が、友を殺し、
ただの少年が、天使を殺し、
ただの少年が、魔王を殺し、
そして誕生した英雄。

【サーヴァントとしての願い】
特に無し、ただ聖杯を手にする相手を選びたいとは思っている。

【基本戦術】
東京ではないために将門装備も失ってしまった上に、セイバーとして召喚されたために悪魔召喚プログラムはその機能を停止し、銃を持ち込むことも出来なかった。
また、神が救わぬゆえにもよっぽどの場合で無ければ効用を発揮しないため、基本的にはヒノカグツチでの近接戦闘が望まれる。