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Devil Flamingo ◆IbPU6nWySo


すっかり掃除が終わった頃には朝と呼ぶには遅い時間帯となっていた。
聖白蓮は寺を僧侶たちにまかせ、デパートへ向かっていた。
これは情報収集の一環でもある。
人々が賑わう交差点、林のようにそびえ立つビルの数。
こうして見ると彼女にとって新鮮なものばかりであった。
これらは自分のいた世界にはないものだから、目を奪われる。

「ところでセイバー。あなたはその姿でよろしいのですか?
 ついでに服を買ってあげましょう」

しかし、霊体化しているセイバーの念話による返事は否。
少し唸ってから白蓮は言う。

「もしここで実体化すれば目立ってしまいますよ?
 装備を外したくない?…ふむ、ルーラーの監視もありますから
 人々を巻き込んだ戦闘はない、と……それならば良いのですが」

白蓮がデパートの中に入る。
ずらりと並ぶ品々。
彼女はまず本屋へ立ち寄った。
小説から雑誌、文献など種類は豊富。
白蓮の足は自然と宗教関連のエリアに向かっている。

「色々あるわね……とくに異国の宗教はどのようなものかしら?」

これは聖杯戦争には無縁であるし、知識を得たところで彼女の価値観に影響することもない。
ただの興味本位なのだ。
彼女が開いた本は『神の子』の歩みが綴られ
やがて人々の手によって処され、復活を遂げる奇跡の物語だった。
彼は最後まで神を信じ、神の元へ誘われた。

『神の子』は最後の晩餐を開いた。
彼ら、弟子たちにパンと聖杯に注がれたワインを与える。

聖杯

ふと白蓮はその単語と聖杯戦争を重ねた。
『聖杯』とはここで語られている代物なのだろうか?
きっと神に纏わる聖遺物であることは確かなはず。
一体、どのような神の聖遺物か。
白蓮はそれに関心を惹かれる。
デパートに11時を知らせる放送が流れたことにより、白蓮は顔をあげた。

「あ、こんなに時間が経っていたなんて。他の場所も立ち寄りましょう」

本をまだ読み終えていない為、それを購入し、本屋を後にした。
白蓮は次の目的地へ足を運んだ。
目につけたのは家電量販売店。
つねにテレビが映し出され、近辺のニュースの話題を取り上げられている。

寺にテレビはない。
そして幻想郷にも見られないものだ。
関心の目を輝かせてそれらを視聴していると、次のようなものが目についた。
廃ビルの倒壊
倉庫の火災
猟奇殺人事件
商店街の盗難事件
何かと物騒な事件の目白押しである。

「なるほど…これらもサーヴァントと関係があると見て良いのかもしれません……」
『速報です。B-10地区において暴行事件が発生したとの情報です』

少し慌てふためいたニュースキャスターが報じた内容は女性による暴行事件。
現在も犯人は捕まっておらず、犯行は場所を変えて続けられているとのこと。
卑劣な争いはどこにでもある。
生中継ということで最新の映像がテレビ画面には映されていた。
目撃者が撮影したそれには、一人の女性が鉄パイプを振り回し暴行を行っている。
撮影に気づいたのか、女性は手の甲にある痣――令呪を見せびらかすかのように手を振った。

『ども!ジナコさんッス!!
 ボク、これからもおぉっと悪いことしちゃいまぁーす!
 どういうこと?色んなこと!知りたい?みぃーんな知ってるッスよぉぉおぉ?
 この辺で起きてる事件ってぇ、みぃ~んなボクの仕業ッスからぁ!!』
「…」
『うふふふ!あ!そぉだぁ!!
 アーカードの旦那ぁーwwwwww旦那ぁ、見てるぅ?
 素敵でしょぉ?これwwww真っ赤っ赤な血ぃ、もっと見たいでしょぉ???
 あははははーーー!!!もぉお誰も助かることなんてwwでwきwなwいwwwwww
 みぃーんなwwwお前らのせいだよぉおおぉwwwwわっかるかなぁ~wwwwwwww』

白蓮の周囲にいた通りすがりのNPCたちも茫然としていた。
その一部からは
「警察は何やっているかしら」
「早く捕まえろっての」
「マジあの女いかれてる」
といった誹謗中傷が飛び交う。
白蓮は思わず溜息をついてから、その場を立ち去る。
それから離れた場所でセイバーに語りかけた。

「あのジナコという方はマスターのようですね…彼女にお話を聞きたいものです」
『            』
「危険?ですが彼女にも事情があるはず…このような事を起こす事情が。
 ……あぁ、そういえば誰かを呼んでいましたね。
 えっと…そうそう、アーカードの旦那さん。彼女のサーヴァントかもしれません」
『           』
「話が通じる相手ではないですって?
 決めつけるのは駄目です。どのような者であれ平等にならなくてはなりません。
 たとえ悪き心を持つ者であっても善人と同じように接するべきです」
『……』
「ジナコさんか…アーカードの旦那さんとお話してみるのは悪い事ではありません」

白蓮は何かとマイペースであった。
あっと彼女が思い出す。

「そういえば…確か、みんな自分たちのせいだとか。助かることができないとか……
 どういう意味なのかしら?気になりますね……」
『        』
「挑発?いいえ、違うと思います。アレは私たちに向けたのではなく
 ここにいる全ての方々に向けた発言ではないかと…思い過ごしかしら?」
『          』
「よろしいですよ。あなたが思う事を申しても」
『……』

きっと彼女の決意は揺るぎない。
セイバーもそれを否定するところまでは足を踏み入れなかった。
あの狂気に満ちた女が善であって、悪であっても、たとえ何であっても。

「一先ず、彼女はルーラーが制してくれているはずです。
 セイバー。私たちはお昼にしましょうか」

白蓮は事前に寺で用意した弁当を手に見晴らしの良い適当な場所を探す。
やって来たのは海浜公園(月海原内で最大の公園)である。
海も近いことからか、わずかに潮風のようなものが吹きつけていた。
だが、まだ昼食を取るのは早い時間帯だ。
彼女は本屋で購入した本を開く。先ほど目を通していた聖書だ。



――なぜ、この香油を売って貧しい人々に施さなかったのか

彼がこう言ったのは貧しい人間への同情ではなく
彼は盗人で、帳簿を隠蔽していたからだ。

――あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか

彼は銀貨三十枚と引き換えに命を売った。
彼は『神の子』を捕らえる際、祭司長たちに合図を決めていた。

――わたしが接吻するのが、その人だ。捕まえて、逃がさないように連れて行け



救いには様々な形がある。
白蓮の救いにより、例のジナコが救われるかもしれない。

しかし……
彼女が対話を望む者はかつて神を裏切り
私利私欲に走り、幸災楽禍を望んだ悪魔であった。
きっと彼女の言葉に応じるどころか
銀貨三十枚を神殿へ投げ込まず、荒縄で首を吊る事すらしないだろう。

そのような悪魔にも
聖白蓮は救いを差し伸べるのか――……




【B-7/海浜公園/一日目 午前】

【聖白蓮@東方Project】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]魔人経巻、独鈷
[道具]聖書 手作りの昼食
[所持金] 富豪並(ただし本人の生活は質素)
[思考・状況]
基本行動方針:人も妖怪も平等に生きられる世界の実現。
1.昼食を取る。
2.来る者は拒まず。まずは話し合いで相互の理解を。ただし戦う時は>ガンガンいこうぜ。
3.言峰神父とは、また話がしたい。
4.ジナコ(カッツェ)の言葉が気になる。
5.聖杯にどのような神が関係しているのか興味がある。
[備考]
•設定された役割は『命蓮寺の住職』。
•セイバー(オルステッド)のパラメーターを確認済み。
•言峰陣営と同盟を結びました。内容は今の所、休戦協定と情報の共有のみです。
•一日目・未明に発生した事件を把握しました。
•ジナコがマスター、アーカードはそのサーヴァントであると判断しています。

【セイバー(ロト)@DRAGON QUESTⅢ ~そして伝説へ~】
[状態]健康 霊体化
[装備]王者の剣(ソード・オブ・ロト)
[道具]寺院内で物色した品(エッチな本他)
[思考・状況]
基本行動方針:永劫に続く“勇者と魔王”の物語を終結させる。
1.>白蓮の指示に従う。戦う時は>ガンガンいこうぜ。
2.>「勇者であり魔王である者」のセイバー(オルステッド)に強い興味。
3.>言峰綺礼には若干の警戒。
4.>ジナコ(カッツェ)は対話可能な相手ではないと警戒。
[備考]
•命蓮寺内の棚や壺をつい物色してなんらかの品を入手しています。
 怪しい場所を見ると衝動的に手が出てしまうようだ。
•全ての勇者の始祖としての出自から、オルステッドの正体をほぼ把握しました。

[その他の情報]
ジナコ(カッツェ)に関する映像がテレビ、ネット上に出回っています。



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