衛宮切嗣&アーチャー ◆F3/75Tw8mw




僕はね……正義の味方になりたかったんだ






◇◆◇◆◇






「……一体、何が起きている……?」



人気の無い、他者からの監視も恐らくは無いであろう薄暗い建物の中。
壁に背を預け、その男―――衛宮切嗣は、口からタバコの煙を燻らせつつそう呟いた。


事の発端は、時間にして十数分程前。
妻のアイリスフィールと共に、アハト翁が用意したという聖遺物を確認していた最中であった。
全ては来る第四次聖杯戦争に勝ち残る為……アインツベルンは持てる権力・財力の全てを賭し、その聖遺物を探し出したという。
そうして見つけ出されたのが、かのノアの方舟に使われたとされる欠片―――即ちゴフェルの木片だ。



もしこの木片が本物だというならば、宿る神秘性は計り知れないものがある。

呼び出される英霊もまた、極めて強き力を持ったサーヴァントとなるだろう。




そう、アハト翁をはじめとするアインツベルンの者達は喜んでいた。
まるで自身の勝利が絶対のものだと確信したかの如くだ。
しかし、その気持ちも無理はない……事実、切嗣もこの聖遺物を用いれば強力な駒を手に入れられるという予感があったからだ。
彼はこの聖杯戦争を勝ち残るに当たり、己に最も見合うサーヴァントはキャスターかアサシンであると考えていた。

そして……この聖遺物で呼び出されるであろうサーヴァントは、十中八九キャスターだ。
他のマスターが纏わる聖遺物を入手でもしていない限り、呼び出される英霊はほぼ確実に方舟を作った本人―――ノアに固定される。
ノアについては様々な伝承が現代に至るまで残されているが、その伝承から基づくに当てはまるクラスはキャスターしか存在しないのだ。

然程アインツベルンの者達に期待をしていなかった切嗣からしてみれば、これは嬉しい誤算であった。
確実な勝利を目指すアインツベルンならば、三騎士……中でも最優とされるセイバーの触媒を用意するだろうと踏んでいたからだ。




―――戦場は地獄であり、そこで行われる命のやり取りには高潔さも何も無い。




数多くの修羅場を、文字通りの地獄を潜り抜けて来た切嗣にとって、英雄というものは許容し難い存在そのものであった。
平和の為と称して人を殺し、血を流す。
そんな者達の何処に美化される要素があるというのか、讃えられる謂れがあるというのか。
ましてやそれを『騎士道』として振りかざし、『誇り』として平然と言い放つ者達など、切嗣からすれば度し難い者達であった。
だからこそ、騎士道などとは無縁の存在たるキャスターを引く事がほぼ確定したのは朗報と言えたのだ。
無論、ノアにもその騎士道に通じる様な伝承もあるにはあるが、泥酔して裸を晒した際に、その裸体を偶然見かけてしまったハムの息子に呪いをかけるといった悪の側面もまたある。
何より……キャスターは最大限に活用すれば、自身の戦法を最大に活かせる。
聖杯戦争の勝率を大きく高められるという事実が、何よりも大きかった。


そう……アインツベルンの肩を持つつもりなどは一切無いが、切嗣は勝たねばならなかったのだから。
人の身では一生叶えられる事の無い、奇跡に頼らなければ叶えられない願いを、叶えるために。


『正義の味方』として流し続けてきた血を、奪ってきた多くの命を無駄にしない為には……
世界の恒久的な平和という願いを叶えるには、聖杯を手にする以外に手は無いのだ。



そんな強い願いを胸に、彼は託された木片を手に取った。

それが……本来の聖杯戦争とは大きくかけ離れた流れの中に彼の身を置くとも、知らずに。




◇◆◇◆◇




(……本来の聖杯戦争とは違う。
 何か、アインツベルンですらも予想しえなかった事態が起きているという事か……)


木片を手にした結果、切嗣はこの異質な場―――聖杯戦争の会場へと呼び出される羽目になった。
本来開かれる筈であった聖杯戦争とは、何もかもが違いすぎる。
予期しえなかった―――恐らくはアインツベルンですらも分からなかったであろう―――完全なイレギュラーだ。



(しかし……どのような形にせよこれが聖杯戦争である事自体には間違いない。
そして勝ち上がった者には、奇跡を叶える聖杯が与えられる……この大前提に変化は無いだろう)


だがこの事態を前にして、当初は困惑を覚えこそしたものの、あくまで冷静に切嗣は頭を働かせていた。
まず何より疑う余地が無いのは、これが聖杯戦争だという事実だ。
そして勝ち上がれば、目的の聖杯を手に入れられる。


(なら……問題は無い)


ならば最初から、選ぶ道は決まっている。
この聖杯戦争に、当初の予定通り勝ち残るまでだ。


(無論、このイレギュラーが何なのか考える事を放棄するつもりはない。
 その結果によっては、立ち回り方を変える必要性も出てくるだろうが……基本的な点に変更は無しだ)


勿論、この聖杯戦争の異質さを放置できるほど切嗣も楽観的ではない。
勝ちあがり聖杯を手にするというスタンスを変えるつもりは一切無いが、この異変の正体だけは突き止める必要がある。
その結果によっては、勝つ為に取るべき行動を変える必要性もあるだろうからだ。


(……予定していた舞弥によるサポートも無ければ、下調べして集めた情報も意味を成さない。
 使える装備もそこまでなく、状況は決して良いとはいえないが……)


それでも、成さねばならないのだ。
『正義の味方』として世界に平和を齎す為には、この戦いには絶対勝たねばならないのだ。


『……アーチャー、引き続きそのまま監視を続けろ』


その為には、効率よくサーヴァントを扱う必要がある。
切嗣は念話を使い、簡潔に指示を出した。
もう一機のそれを持つ、己がサーヴァント―――目覚めた時には傍らに居た、あの英霊に。





褐色の肌に赤い外套を身に纏う、アーチャーと自らを名乗った男に。








◇◆◇◆◇






うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ。






ああ―――安心した。





◇◆◇◆◇





「……爺さん……」



切嗣が身を隠す建物の屋上。
その一番高い地点で、見張りの指示を受けていたアーチャー―――エミヤシロウは、人知れずそう言葉を漏らした。

彼にとって、この様な召還はあまりにも予想外すぎた。
まず、自身の記憶にある聖杯戦争の知識とは……何より自身が経験してきた聖杯戦争とは、まるで状況が違う。
もっともそれについては、基本的な情報をかつての召還同様に聖杯から与えられているのだからまだいい。

しかし、最大の問題は……自身のマスターが、養父である衛宮切嗣その人であった事だ。
磨耗した記憶の中にあっても、決して忘れる事は無かった。
彼は、自身が正義の味方を目指す切欠になった憧れともいえる大切な存在であり……呪われた運命を進む元凶ともいえる存在だった。
そんな彼が、まさか自分を召還し……そして聖杯戦争に勝ちあがろうとしていようとは。
『正義の味方』と呼ぶに相応しい願いを胸に、聖杯を望んでいようとは……こんな事をどうして予想できようか。


(……爺さん、俺は……正義の味方にはなれなかったよ)


アーチャーは、エミヤシロウは生前、正義の味方を目指した。
より多くの命を救う為に修練を続け、その死後にも守護者となるべく世界と契約を結んだ。
英霊としての力があれば、多数を救う為に少数を斬り捨てるやり方を選ばず、誰もが幸福な世界を実現できると信じていたからだ。
しかし、その結果に待ち受けていたのは、どうしようもない絶望であった。
守護者とは、彼が望んだ様な正義の味方ではなく、ただ人類の滅亡を回避する為だけに、起因する全ての者達を殺しつくすための存在だった。
信じ続けた理想を裏切られ、拒絶する事も許されない。
そんな役割を演じ続けた末に、彼の心はその信念ごと磨耗し、やがてかつての己自身を憎み、己自身の消滅を願うようになっていった。


そして……そんな虐殺を続けている最中、遂にアーチャーはその機会を得るチャンスを手にしたのだ。
即ち、聖杯戦争への参加である。


(……どうすればいいんだ)


しかし、召還を受けたアーチャーの心に去来したのは、喜びではなく戸惑いと驚愕であった。
何せ目の前にいたのは、己が正義の味方を目指す発端となった養父なのだ。
その顔を目にして、思わず言葉を失った程だ。

しかも話を聞くに、彼は自身が知る衛宮切嗣とは違う。
第四次聖杯戦争に参加する筈だったという、全盛期の衛宮切嗣なのだ。
つまり……ここで彼を殺害できたならば、時間の流れは変わるかもしれない。
衛宮士郎が誕生する発端がいなくなる事で、自身もまた消滅するかもしれない。

だが……アーチャーには、それが出来なかった。
守護者となった時点で、元の人物とは別物の高位の存在として己は英霊の座に記録されてしまっている。
ならばここで切嗣を殺したところで、自身が消滅できる可能性が限りなく低いだろう。
ましてや、彼はアーチャーにとっては既に死亡した筈の人物だ。
それが生きていると言う事は、この場にいる彼は自身が知る衛宮切嗣とはまた別の存在―――平行世界の彼なのかもしれない。
だとすると、殺害しても何も変わらないのかもしれない。

そして、なによりも……自身を育て上げてくれた養父への思いもまた少なからずある。


(……聖杯を手に入れる……だが、本当に聖杯に願いを託してよいものなのか……)


ならば、残された道は一つ……聖杯を手にするしかない。
聖杯を手にし、自身の完全な消滅を願う事だけしかないのだが……アーチャーは、かつての聖杯が如何なる物であったのかを知っている。
万能の願望器は、歪んだ形でしか人の願いを叶えられない邪悪な代物だった……だからこそ、『彼女』に破壊を願ったのだ。
もし、この戦いで得られる聖杯もまた同じ性質を持っていようものならば、願いを叶えることはかなわないだろう。

しかし……この聖杯戦争は、かつてとは大きく違う。
ナニモノにも染められていない、純粋な願望器たる聖杯を手に出来る可能性もまたあるのだ。
ならば、ここはどう立ち振る舞うべきか。


(……見極めるしかあるまい。
この聖杯戦争を戦い、その最中で聖杯がいかなる存在なのか……私自身の目で)


アーチャーが出した結論は、この聖杯戦争を戦う中で、聖杯の正体を見極めるというものだった。
戦いを進めていけば、聖杯へは自然と近づく事になる。
その中で、聖杯が正しいものなのか否かを確かめ、その上でどうするかを決めなければならない。
今の時点では判断できる材料も殆ど無い……それが恐らくは最良だろう。


(もし、この聖杯にも穢れがあったならば……その時は……)


今度は、己自身の手で聖杯を破壊せねばならない。
その様な聖杯は、誰の手にも渡すべきものではない。

まして……かつての自身と同じ理想を抱く衛宮切嗣にだけは、尚の事だ。
彼を、己のようにする訳にはいかない。
正義の味方に絶望し、憎悪し、自らの破滅をも望む様な思いを……大切な父にだけは、させたくない。


(例えそれが、マスターの意に反するものだったとしても……)


磨耗した記憶の中においても……衛宮切嗣という男は、エミヤシロウにとって特別な存在なのだから。





◇◆◇◆◇




(アーチャー……奴は一体、何を考えている)


愛銃の手入れをしつつ、切嗣はアーチャーについて考えを巡らせていた。
彼は己が目覚めた時、自身のサーヴァントとして宛がわれたというのだが……その存在には、大きく疑問があった。

何せ、その正体があまりにも不明瞭すぎる事だ。
切嗣は彼がサーヴァントであると認識すると同時に、何はともあれその真名・宝具を問いただした。
戦う上に当たって、まずは基本的な戦力の把握を行うべきと判断したが為のものであったのだが……
この問いに対する答えが、切嗣に大きな疑問を抱かせた。


(『強引な召還の為に記憶が一部欠如しており、真名を思い出せない』……か) 


アーチャーは、自身の真名を忘却していると口にしたのだ。
その原因は、本人曰く召還の不備不手際という事らしいのだが……切嗣はこれを鵜呑みにはしなかった。
出会って間もない相手の言葉を信用するなど、そんな危険且つ無防備な真似など出来るわけもない。

そしてもう一点……真名のみならず、その宝具に関しても大きな疑問が彼にはあった。
曰く、アーチャーは自身を象徴するような宝具は持ち合わせてはいない。
その代わりとして、投影魔術を駆使して戦闘を行うというのだ……これは、英霊としても極めて異端だ。
もし、真名を思い出せないのではなく隠しているのならば、恐らくは……いや、ほぼ確実にこの点に繋がってくるだろう。


(例え味方であろうとも、情報を安易に他者に与えないという点では評価できるが……
不安要素を抱えている駒を扱い戦い抜くというのは、戦略上相当に厄介だ。
やはり、早急に事実を確かめるべきか……)


己が手に宿る三画の令呪を見つめ、切嗣は思案した。
アーチャーが隠している真実を引き出すのは簡単だ……この令呪を使えば良い。
隠し事を洗いざらい全て話せとでも命令すれば、それで問題には片がつくが……


(いや……まだ早い。
少なくとも今はまだ、奴は僕をマスターとして認め共に戦う姿勢を見せている。
それに、僕自身もこの聖杯戦争の異質さは感じている……本当に記憶を失っている可能性もゼロではない。
なら、戦略上有効な切り札である令呪を捨てるのはあまり得策でもない)


しかし、切嗣は令呪を使いはしなかった。
もし本当にアーチャーの記憶に欠落があるならば、ここで令呪を使うのは無駄にしかならない。
戦略上、令呪は貴重な切り札となりえる武器だ……出来る限り、使用するタイミングは計りたい。
アーチャーの存在が己にとって害になると判断できた時こそが、この令呪を使う時となるだろう。


(逆に言えば、アーチャーが僕にとって害にならない限り、奴の異質さは大きな武器にもなる。
投影魔術を扱い戦うという能力は、幅広い戦術を望める……そういう意味では、僕にとっては相性がいいサーヴァントだ)


そして、アーチャーの異端さは敵に向ければそのまま武器に出来る。
弓兵のクラスにありながらも近接戦闘もこなせ、ランクが本来のモノに比べれば落ちるとはいえ、投影魔術を扱い様々な武具を生み出せる能力。
扱い方次第では極めて応用が利く戦い方が出来、その真名を看破される事もまずありえない。
駒としてみるならば、このアーチャーは切嗣にとって中々に悪くないサーヴァントだったのだ。


(……それに、奴にも叶えたい願いがある。
こちらを裏切る可能性も勿論考慮に入れるが、序盤のうちから本性を現す可能性は低いだろう)


何より、アーチャーには己と同じく聖杯へ託す願望がある。
それを考慮すれば、例え裏切るにしてもそれは戦いが山場を迎えてからだ。
この序盤では、互いに敵の数が減るまで利用しあうのが得策であるというのは、分かっているだろう。
それに……彼の願いは、恐らくかなり切実なものだ。


(『存在を消したいものがいる』……か)


アーチャーが自身に話した願い。
それは、聖杯に願いこの世から存在そのものを抹消したい者がいるというものだった。
死後も他者を呪い恨み続ける英霊というのは、数ある伝承の中では然程珍しいものじゃないが……
私怨による願いというのは、なまじ綺麗事を言われるよりも信用できる。
故に切嗣は、彼のその願いは恐らく真実であるだろうと判断していたのだ。

まさかその消滅を願う存在が……自分自身の遺言で生み出されてしまった、後の正義の味方だとも知らずに。


(……僕はこの聖杯戦争を、人類最後の流血にする。
必ず……聖杯を手に入れてみせる)




衛宮切嗣と、アーチャー/エミヤシロウ。

本来ならば出会う筈がなかった、同じ理想を追い求めた二人の男達。

彼らのこの出会いは、果たして互いの心に何を齎すのか……


【クラス】 アーチャー
【真名】 エミヤシロウ@Fate/Stay Night
【属性】 中立・中庸

【ステータス】
 筋力:D 耐久:C 敏捷:C 魔力:C 幸運:E- 宝具:??

【クラススキル】
◎対魔力:D 
一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。
魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

◎単独行動:B
マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
現界可能な時間は二日程度。

【保有スキル】
◎心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

◎千里眼:C
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
ランクが高くなると、透視、未来視さえ可能になる。

◎魔術:C
基礎的な魔術を一通り習得している。
特にアーチャーは道具の本質を一時的に増幅する「強化」、物質の構造を把握し、一時的に複製する「投影」と得意とする。


【宝具】
 『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』
ランク:E~A++ 種別:??? レンジ:??? 最大補足:???
錬鉄の固有結界。
本来は魔術であり宝具ではないが、アーチャーの象徴ということで宝具扱いになっている。
心象風景は、燃えさかる炎と、無数の剣が大地に突き立つ一面の荒野が広がり、空には回転する巨大な歯車が存在する。
結界内には、あらゆる「剣を形成する要素」が満たされており、目視した刀剣を結界内に登録し複製、荒野に突き立つ無数の剣の一振りとして貯蔵する。
ただし、複製品の能力は本来のものよりランクが一つ落ちる。
刀剣に宿る「使い手の経験・記憶」ごと解析・複製しているため、初見の武器を複製してもオリジナルの英霊ほどではないがある程度扱いこなせる。
神造兵装の複製は不可能。
守護者として世界と契約しているため、固有結界にかかる負荷は非常に少ない。

【weapon】
投影魔術を用いて投影した武器を扱い戦う。

『干将・莫耶』
アーチャーがメインの武器として扱うことが多い陰陽二振りの短剣。
互いに引き寄せ合う性質を持っており、二つ揃いで装備すると、対魔力、対物理が上昇する。
宝具としてのランクは高くないが、投影の負担が軽いことと、先の特質から愛用している。


【人物背景】
とある未来の世界で、死すべき百人を救うために世界と契約した衛宮士郎その人である。
全てを救うという理想を追い求め続け、限界にぶつかった彼は、「英霊になれば、きっと全てを救えるはず」と世界と契約を交わし、その百人を救った。
だが、理想を追い続けたその生涯は最後まで報われることなく、自分が助けた相手からの裏切りによって命を落とす。
それでもなお、誰一人恨むことはなかったが、その後に待ち受けていたのは自身が信じる正義の味方などではなく、「霊長の守護者」という残酷な現実であった。
死後、彼に与えられた役割は霊長の守護者として、ただただ人類滅亡を防ぐために、拒絶不可能な虐殺に身を投じることだった。
さらにその過程で人の暗黒面をまざまざと見せ付けられ、その結果信念は磨耗し、かつての理想に絶望することとなり、己自身の消滅を願うようになる。

【サーヴァントとしての願い】
憎むべきかつての己自身を殺すことで、自身の消滅を願っている。

【基本戦術、方針、運用法】
基本的にはマスターと共に聖杯戦争を勝ち抜けるつもりで、その戦術については切嗣の指示に従う。
また、その最中で聖杯の正体について見極めようと考えている。
その上で、自身の記憶にある様に聖杯が汚染された代物であった場合は、例えマスターの意に背いてでも破壊する。
また、全てに絶望した自分の様な思いを切嗣にはさせたくないとも考えている。
切嗣には自身の宝具や願いなどは伝えているが、真名については「召喚のショックで記憶に欠落がある」と誤魔化し伝えていない。



【マスター】
衛宮切嗣@Fate/Zero
【参加方法】
アハト翁が手配した聖遺物がゴフェルの木片であり、それを手にしたが為に聖杯戦争に参加した。
【マスターとしての願い】
世界の恒久的な平和。

【weapon】
『キャリコM950』
切嗣が主に扱うことが多い小型自動小銃。
コンパクトさに加え、50連ヘリカルマガジンを使用することで取り回しの良さと実用性を兼ねた銃。

『トンプソン・コンテンダー』
魔術礼装として独自の改造を施した、中折れ式単発銃。
大口径ライフル弾である30-06スプリングフィールド弾を使用するため、防弾チョッキ等では防げない程の破壊力を秘めている。
ただし単発銃である為に、一回発射する毎にリロードが必要である事が欠点。
また威力に比例して、その反動も当然ながら大きいものになっている。

『起源弾』
切嗣の肋骨の一本に魔術加工を施して作りだした弾丸。
彼の起源たる「切断」と「結合」の二重属性を発現させ、被弾した相手に不可逆の変質をもたらす魔弾。
これが魔術師が発動中の魔術に命中した時、その魔術回路を「切」って「嗣」ぐことで構造を変え、流れている魔力を暴走させて自滅させる。
また上記のコンテンダーを用いて扱われるため、魔術が関係なくとも命中した相手に大ダメージ自体を与えられる威力がある。
全部で66発の弾丸が作られ、その内の37発をこれまで魔術師の殺害に使用している。

【能力・技能】
魔術師としての腕前は並程度だが、一般的な魔術師が忌避している銃火器及び爆発物の扱いに長けている。
戦闘の際には、魔術師の裏を書く戦術や手段を多く用いる。

『固有時制御』
衛宮の家伝である「時間操作」の魔術を戦闘用に応用したもの。
本来儀式が煩雑で大掛かりである魔術であるのだが、「固有結界の体内展開を時間操作に応用し、自分の体内の時間経過速度のみを操作する」ことで、たった二小節の詠唱で発動を可能とし、戦闘時に用いている。
問言は「time alter 〇〇 accel(加速)またはstagnate(停滞)」。〇〇には倍率を示す単語が入る。
なお、固有時制御を解除した後に世界からの「修正力」が働くため、反動によって身体に相当の負担がかかる。
そのため、通常は2倍速程度が限界であり、それ以上を用いると肉体が大幅に損傷を受けてしまう。

【人物背景】
「魔術師殺し」の異名を持つ、魔術師を殺す術に長けた異端の魔術使い。
魔術師としての彼を言葉で表すならば異端であり外道。
戦闘に赴く場合は、幾重にも張り巡らせた策・謀略と罠で「絶対に勝てる状況」を作ってから挑む。
戦いにおいても確実に相手を葬ることを第一とし、そのためなら狙撃、毒殺、公衆の面前での爆殺、人質作戦、だまし討ちなど徹底して手段を問わない。
目的を達することでより多くの命を救えるならば、自分に近しい人間や愛する者ですらも利用し切り捨てる冷酷な行動原理の持ち主。
ただしそれは彼自身の悲しい過去に由来したものであり、むしろ普通の人間よりもずっと繊細な心をもっているが、あくまで自分の意志で非情な思考と行動を貫こうとしている。
「流血こそは悪」「戦場は地獄」という考えを持っており、英雄という存在そのものを忌避している。
これは自身がかつて「正義の味方」に憧れ、絶望したが故の反動とも言えるもので、自身のやり方でも闘争が終わらないことは理解している。
しかし、それまでに流してきた血や失われた命を無価値にしたくないという一心から、止まることができずに深みにはまり続けていた。
それ故に人類という種全体が抱える「闘争」全てを終わらせるための奇跡を求め、アインツベルンの誘いに乗り聖杯戦争に参加することを決める。



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