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瀬戸幸助&キャスター ◆ZETT/RRB.g



深い深い海の中の眠り姫。

魔王に囚われ心を閉ざす。

千年経っても目覚めない。


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川。対岸には誰もいない。少年達は土手の斜面を沈むように下っていった。
流れる水の速度は一定で、夜の中にせせらぎは涼やかに心地よく聞こえる。軽快に草を踏んでいく音がそこに交じった。
河川敷に設置された公園。設置された寂れた遊具。……休日には使われることもあるだろうか。

――何のために。

ふと浮かんだ疑問は普段ならば思い付くこともないだろう。
知りたければセトは……瀬戸幸助は心を覗くことが出来る。
だが、彼はその能力を嫌っており滅多なことでは使わないし、それをしたところで本当に知りたいことに辿り着くかは微妙だ。

作られた世界で遊ぶNPCたち。それらしくあるためのそれらしき存在。その中には記憶を失ったままの者もいるのかもしれない。
取り戻した記憶から――否、与えられた記憶から、この虚構世界の成り立ちのようなものは得ていた。
予選を通過したことも、今はわかっている。認めなければならない。

――サーヴァントが目の前に現れたのだから。

長い黒髪。白の外套。星の文様をあしらった飾り。
だまし絵が一瞬で新たな姿を見せるように、気付いた違和感が世界の様相をがらりと変貌させる。
現界したサーヴァントは『未来王』と名乗った。
知る人はその言葉から"かつての、そして未来の王"と墓碑に刻まれたアーサー王を思い起こすかもしれない。


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道はどこまでも続くかのように川に沿って伸びていた。
歩けば月がついてくる。見上げればいつものようにそう見えるだろうか。

「……月が気になるかい?」

前を歩くサーヴァントが後ろも振り返ず、マスターに問うた。

「……そうっすね。色々なことがあって整理が追いつかないっすけど
 いつも見ていた月に、こっちも見られてたって何だか不思議な気分っす」

今尚、地球を観測し続ける月。途方もなく膨大な演算装置。ムーンセル・オートマトン。
ありとあらゆる事象の改変さえ可能な万能の願望機を前に、セトの答えはあくまで感傷的なものにとどまった。

「……願いはないんだね」
「人を殺して願いを叶えるなんて、……間違ってるっすよ」

諦観が含まれているためか。その声に力はない。
英霊となってさえ、まだ追い求める願いがある。
死は、人が願いを求める為の歯止めにならない。

「おかしな話だな。お前は僕の願いが何か、もう既に知っているはずだろ。セト」

何より、そのサーヴァントの願いは人の滅びだ。


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結局また学校というものに馴染めなかった。耳を塞いでも届く声。狭い世界が崩れていった。
目覚めるマスター達が、この世界は違うと叫ぶ。制御を忘れた力が暴発し、心をかき乱す。
逃げるように飛び出して、いつかの森を目指した。行けど探せどあの家に辿りつけない。
探しているものが何なのか。自分さえわからないものに答えてくれる者は誰もいない。
からっぽなんだと思った。迷い込んだ森でようやく気付けたのはそんなことだった。

「ちっちぇえな」

――キャスターのサーヴァントである麻倉ハオが現れたのはそんな時だ。
それは心臓をつかみ出す声だ。それは魂に突き刺さる声だ。そして心にいつまでも残る声だ。
蛇に睨まれた蛙のように固まり、視線も逸らせずセトの赤い目がサーヴァントを直視した。

サーヴァントとマスターを繋ぐパスが、二人の持つ心を読む力をより伝わらせる。鬼の力。蛇の力。
合わせ鏡のようにお互いの心を再現なく幾重にも映し出した。幻惑にも似た一瞬のうちの無限。円環の中で永遠に繰り返される反響音。

セトはそこに子犬にすがる己を見た。
ハオはそこに小鬼と戯れる己を見た。


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「そういえばラザホーも面白いことを考えていたな。
 心から生まれた悩みや苦しみは心を消去する以外解明する術がない。
 シャーマンファイトは心を解明するために始められたのではないかとね」

黙るセトを余所にハオは淡々と言葉を紡いでいく。

シャーマンファイト。それは霊と交流できるシャーマン達の王を決める戦い。
そして全ての魂が生まれ、全ての魂が還る場所。グレートスピリッツを巡る戦いだ。
500年に一度地球に接近する羅睺と計都星、二つの凶星が開幕を告げる。
パッチ族十祭司に導かれ、シャーマンは己の持霊を具現化する術を学び、星の聖地を目指す。
星の導きにより辿り着いたシャーマンは最初の洗礼を受け、己の内に眠る星の記憶を呼び覚ます。
56億年もの記憶を。戦いに勝ち、シャーマンキングとなったものは全ての記憶を得たものとなる。
ありとあらゆる存在の魂を得た全知全能のそれはもはや神に等しい。

「……つまりこれも同じってことっすか?」

人と霊。いくつかの重なる符号は何かを示しているようにも思えた。咄嗟に声をあげたセトをハオの眼差しが静かに制する。

「さてね。興味深くはあるが、僕にとってはどうでもいいことさ。方舟にはまた別の役割があるのかもしれない。
 ……勝ち残る上では大して重要なことじゃない。人を殺すのに心なんていらないからね」

怒り、嘆き、悲しみ、苦悩、妬み、憎悪。無数に流れこむ人の心。心を鬼に喰われたハオがそれを言う。


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「若く見えてもおじいさんじゃないっすか。心配っすよ」

と言って夜の散歩に行くと言い出したサーヴァントに無理やり付き合うことにして、どれだけの時間が過ぎただろう。
心を見透かされてるため、何を言っても本心は筒抜けではあるのだが、心配であることに嘘はないと心のどこかで言い訳する。
誰にも出会わなくてよかった。まだどうすればいいか答えは出ていない。……答えなんてあるのだろうか。

『教えてあげようか』――そんな目でハオが笑って見ているようだった。慌てて首を振る。

……あまりにも違うとセトは思う。千年は人が理解するには、人が生きるには、途方もなく長い年月だ。
マリーの百年ですら、どれだけわかってあげられているだろうか。そもそも自分にわかることなど簡単なことでしかないけれど。

森の奥。人目につかない家。一人隠れ住む少女。助けてと声がした。
それは自分にしか聞こえない声で、自分の叫びのような声で。
森へと逃げ込んでいたはずなのに、助けることでいっぱいになった。
世界は案外怯えなくていいんだよ。大丈夫だよ。泣かないで。

マリーのことを何一つ知らず、ただ自分と重ねて、絵本みたいに救い出せたらと。
マリーが自分の持つ力に怯えてることも、化け物と思われ、母親を連れ去られたことも知らずに。
目を見たら固まってしまうという言葉を取り違えて勘違いもした。心を読めたって何がわかるというのか。

ハオは間違っている。そう思うのにあの時のように言葉が出てこなかった。
ハオは助けを求めている。そう思うのにあの時のように何をすればいいのかがわからない。
流れこんだ情報はあまりに膨大で凄惨。けれど、そこにはどこか切なさがあった。
……人間を否定する冷えきった心は雪のように。涙のように。


帰り道。
少年の頃の勇気が欲しい、明日を変える勇気が欲しい、とセトは月を見て願うように思った。




【クラス】
 キャスター

【真名】
 麻倉ハオ@シャーマンキング

【パラメーター】
 筋力D 耐久D 敏捷D 魔力EX 幸運D 宝具A++

【属性】
 混沌・悪

【クラススキル】
 陣地作成:A
 陰陽師として、自らに有利な陣地を作り上げる。

 道具作成:A
 巫力を帯びた術具や式神を作成できる。

【保有スキル】
 陰陽道:A++
  『超・占事略決』としてまとめられ、千年後の世にも通じる数々の強力な巫術を開発した。
  降魔調伏、式神の作成法、巫門遁甲、三日月ノ祓、呪禁存思、禁人呪殺などと多岐に渡る。

 霊視:A
  見ることなく聞くことなく相手の心や事柄を把握する。魂を見る力が特化したもの。

 対魔力:A
  儀礼呪法等への対抗は特に強く、呪詛返しとして破った呪いを相手に返す。

【宝具】
 『S・O・F(スピリット・オブ・ファイア)』
  ランク:A++ 種別:対軍宝具 レンジ:1-50 最大補足:1000
  全ての魂の集合体グレートスピリッツから火という特性を抽出して完成させた五大精霊の一つ。
  そのため持霊とした者はグレートスピリッツの最上位のコミューン内でも、王の意思に背いて存在することが出来る。
  グレートスピリッツと同質の魂の集合体であるため、魂を吸収するごとにその力は増していく。
  空気を媒体として具現化され、ありとあらゆる炎の力を持ち、魂さえも焼き尽くす。
  更にハオは陰陽術でS・O・Fの属性を変えることにより、別属性の力さえも使いこなすことであらゆる状況に対応する。

  これだけでも十二分に強力過ぎるが、甲縛式O.S『黒雛』として身にまとうことでこそ、その真価は発揮される。
  その力は衛星砲からの攻撃さえ防ぎ、島を1秒とかからず吹き飛ばす天使アザゼルを一撃で葬り去ってしまうほど。

【weapon】

【人物背景】
 大陰陽師・麻倉葉王。
 陰陽道を究め、閻魔大王との契約により『泰山府君の際』で自らの輪廻転生さえ自在に操る。
 幼少期は母と子、二人暮らし。共に鬼が見えるため周囲からは疎まれ迫害されていた。
 化け物退治と称して母は焼き殺される。一人となったハオに声をかける鬼がいた。
 200年を経た罪人の魂から生まれた小鬼の乙破千代。
 共に過ごすうちにお前みたいな鬼になれたらと言うハオに乙破千代は鬼の力を授ける。
 心を読む力。それにより母の殺害を命じた田浅法師の魂胆を知ることとなる。
 復讐を果たすことで鬼の力は抜けなくなり、乙破千代も姿を消した。
 その後、陰陽師の師に拾われ、その名を高めていくこととなる。
 鬼さえ恐れる鬼神を従え、あらゆる占術とあらゆる巫術をもって世に活躍したハオ。
 だが、その心は苦しむ民と強欲な貴族たちの権力抗争の闇に呑まれ、優しさを失っていく。
 そして、いつしかシャーマンの理想世界を創るべくシャーマンキングを目指すこととなる。

 パッチ族に転生することにより、パッチ族の至宝とも言うべき五大精霊の一つを奪ったハオ。
 だが、その企みは子孫である修験者・麻倉葉賢の「修験の極み」と、己が巫力を与えていた猫のマタムネに打ち砕かれる。
 屍の溢れた鴨川に病におかされながら死も鬼も恐れず勇敢に生きる一匹の猫。その気高き姿をハオは見捨てられなかった。
 唯一の友。霊となったあとも御霊として傍にいて欲しいと思った友に倒され、ハオは何を思っただろうか。
 それでもシャーマンキングを諦めることはなかったが。

 再び麻倉の血を手に入れるため、子孫の麻倉家へと転生したハオは双子として生まれてくることになる。
 片割れの葉を「半身」と呼び、それを試練とも受け取ったハオは何かと弟とその許嫁であるアンナに目をかける。
 アンナは心を読み、鬼を呼ぶ、ハオと同じような力を持っていた。その苦しみから救い出したのが葉だった。

 二度のシャーマンファイトの経験から圧倒的な力を持ちながらも仲間集めにも尽力を注ぐことになる。
 恨みを集めるように逆らう者は殺していった。部下達に敬われたとして、どこかでどうでもいいと思う心は隠せない。
 心を読めるのだから、求めている言葉がわかる。そこに自分の言葉はあっただろうか。
 唯一、心を読む力を持ちながらもきれいな心を失わないオパチョと、ただひたすら強いラキストにだけ自分の能力を打ち明けていた。
 後に事実を知った部下のペヨーテは裏切り、多くの仲間を道連れにしていく。

 それでも圧倒的な強さをもったハオが勝ち続けることに変わりはなかった。けれど、その強さは弱さを隠すためのものではないか。
 「だ っ て あ い つ 友 達 い ね え だ ろ」
 葉は力では勝てないハオに心で勝とうとする。

【サーヴァントとしての願い】
 人を滅ぼし、シャーマンの世界を創る。

【基本戦術、方針、運用法】
 強力ではあるものの何をおいてもS・O・Fが基本となってくるので、使用不可になる状況は避けよう。
 魂喰いは欠かせない。手駒を増やして極力自分で戦わないで済む状況を作ることも大切だ。
 本性は寂しがりなので仲間集めも厭わず、霊視能力によって協力者を難なく見つけてくれることが期待できる。
 ただ協力しない者の殺害に躊躇をしない上、悪評にも頓着しないため、敵を増やす危険性に注意。
 情報を集める上でも、非常に有力な能力持ちなので大半の相手に優位性をもった上で交渉に臨めるだろう。

 グレートスピリッツと一体となる一時的な死の眠りの状況下で呼ばれているので、グレートスピリッツの試練である可能性を考えている。
 とはいえやることは何一つ変わることはない。


【マスター】
 瀬戸幸助@カゲロウプロジェクト

【参加方法】
 バイト先の花屋が入荷した物の中にゴフェルの木片が混じっていた。

【マスターとしての願い】
 思い浮かぶ願いはいくつかあるが、人を殺してまで叶えるものではないと思っている。
 取り憑いている蛇は「言葉を使わず、気持ちを伝えられたら」という願いに反応して今も身に宿っている。
 それが今回の召喚に関係しているかは不明。

【weapon】

【能力・技能】
 『目を盗む蛇』
 人間の持つ炎に追い立てられ、初めて恐怖と痛みに怯えたメデューサ・アザミが生み出した能力。
 情報を読み取る力。相手の考えていることを読み取り、強く発動すれば相手の記憶や過去まで読み取ることができる。
 動物の心を読むこともできるが、動物に人間の言葉が通じなければあくまで一方通行。

【人物背景】
 楽曲「少年ブレイヴ」の主人公。裏表のない誠実な人柄をしており、大抵のことは受け入れる度量もある。
 両親がおらず幼い頃は臆病で泣き虫、周囲との会話も満足に出来ず、いじめられて一人過ごす毎日だった。
 雨の中、濡れる子犬を見て友達になろうと声をかける。自分を傷つけず庇護を求めるような子犬に救いを求めた。
 けれど、ある日氾濫する川に子犬は悪意で投げ込まれ、助けようとしたセトも飛び込んだ結果、死亡することに。
 8月15日に二つの命が失われた時、黒い蛇が命を呑み込む。カゲロウデイズ。吐き出されたのはセトただ一人だけだった。
 その結果手に入れた能力は彼を更に追い詰めることになるが、その能力をきっかけに仲間と家族を得ることにも繋がる。
 児童養護施設。107号室。化け物部屋と呼ばれたそこに押し込まれたキド・カノ・セトの三人は能力との付き合いに悪戦苦闘する。
 友好を深め、時には喧嘩もして、同じ時を過ごしたのち、彼らは楯山家に引き取られることになる。やっと手に入れた幸せだった。
 幸せであったとしても物事がうまく行くとは限らない。学校に馴染めず、能力の暴発は常にセトを苦しめた。耐え切れず家を飛び出す。
 迷い込んだ森で少女と出会った。目を合わせると固まってしまうと怯える少女に、僕も同じだと声をかける。
 少女を助けることでセトは少しずつ自分の能力の制御ができるようになっていく。いつの日か少女を外の世界へ連れ出すのだった。

 ある悲劇を避けるため少女は世界を呑み込んで時を巻き戻し、セトは同じ出会いを物語のように繰り返す。何度でも何度でも。

【方針】
 ハオの記憶から生き返らせる術があることは知ったが、殺し合いへの忌避感は消えない。
 仲間のもとに帰りたいため、ハオの全てを否定することもできない。とはいえハオを放っておけば世界は破滅する。
 打開する何かを探したい。