間桐雁夜&キャスター ◆6fyLoSYK52


どこにでもあるような一軒家が立ち並ぶ住宅地、その中のある家の一室、一組の主従がいた。

「なあカリヤ、そんな仏頂面してないでさ、もう少し僕と話をしようよ。
君のドロドロとした人間模様をさ、もう少し聞かせてよ」

「うるさいぞ、キャスター。さっきから頭が痛くなるような話をするな」

「おっと、こりゃ失礼。君の身体、荒らされているのを忘れてたよ」

マスターである間桐雁夜は馴れ馴れしく話をかけてくるキャスターに嫌気が指していた。

(どうしてこんなやつが俺のサーヴァントなんだ)

「どうしてって、そりゃあねえ。僕が君を気に入っただけのことだよ」

「俺を?」

雁夜はキャスターが話した自分を選んだ理由に疑問を持った。
自慢できることではないが、雁夜は魔術師としては――一年間しか時間がなかったとはいえ――かなり質は低い。
聖杯戦争を勝ち残ろうと考える場合、彼をマスターとして自ずから彼のサーヴァントになるものなどかなりの物好きだけであろう。

「そう、君を。僕の親友――セージっていうんだけど――には少し劣るけど、
君のような人間らしい人間は滅多にいないからね、この聖杯戦争には」

ゆえにこのキャスターはかなりの物好きであることを察するのは容易であろう。
彼は聖杯などには興味はない、彼が興味を持ったのはこの間桐雁夜という男である。

「根源の到達とか、正義感振りかざして戦争を止めるとか、魔術師の箔がつくだとか、
そんな輩しかいないこの蠱毒に、他人のためといいながら自分の欲望が混じった願いを持つ人間らしい人間、はかなり貴重なんだよ。
例えば君のような、ね」

「違う! 俺はただ桜ちゃんを助けたいだけで「本当に?」……えっ?」

「本当にそれだけかい? 違うだろう、君は断じてそんな綺麗で優しい人間じゃないはずさ」

キャスターの話に反発し、反論しようとした雁夜は口を噤んでしまった。言えるはずの続きをなぜか彼は言えなかったのである。

「その桜ちゃんって子は、君の思い人である遠坂葵に喜んでもらうための単なるダシに過ぎない」

「やめてくれ……」

「葵さん、僕はこんな姿になってまであなたの娘さんを助け出しましたよ。
だから俺を見てくれ、彼女の笑顔を取り戻せた俺ならあなたを笑顔にすることだってできる」

「やめろ……」

「時臣にはできなかったことが俺にはできる、
だから君を幸せにできるのは俺だけだ――きひひ、ひぃっひっひっひ――きひははははははははは!」

「やめろおおおオオオオオオオオオ!」

確かに間桐雁夜はキャスターの言ったことを思ったことはある。
遠坂時臣を排除して、自分が遠坂葵と結ばれる、そう思っていることは本当であろう。
しかしそれらを抜きにしても間桐桜を助けようと思ったことは雁夜自身の純粋な思いである、純粋に彼女を助けたいと思ったのである。
しかしこの悪魔はそんな雁夜の純粋な思いを土足で踏み荒らし、歪んだ方向へと変えようとしている。
お前は単に遠坂葵を手に入れようとしている男である、と。

その言葉に耐えなれなかった雁夜は令呪を使ってまでキャスターの口を封じた。

「これは失礼、別に令呪を使わせようと思ったわけじゃなかったんだけどね。
僕も久しぶりに友達になれそうな奴に会えて、大人げなく少しテンションが上がっちゃったみたいだね。
勘違いしないでくれよカリヤ、僕は君と一緒にこの戦争を混沌(べんぼう)に堕としたいだけなんだ。
そのために君の迷いを吹っ切らせようと思っただけなんだ、だからこれかもよろしく頼むよ。カ、リ、ヤ」

そう言ってキャスターはその場から去っていく。雁夜の精神を荒らすだけ荒らして――。

「俺は……、俺は……」

雁夜はひどく狼狽していた、自問自答を繰り返して自分の願いを確認しようとした。
彼の願いは保たれるのか、はたまた混沌(べんぼう)へと堕ちるのか、それはまだ誰も知らない――。


【CLASS】

キャスター

【真名】

神野明影@相州戦神館學園 八命陣

【パラメーター】

筋力:E 耐久:E 敏捷:D 魔力:C 幸運:C 宝具:A+

【属性】

混沌・悪 

【クラススキル】

陣地作成:―
キャスターは魔術師ではないため陣地作成を行うことはできない。

道具作成:―
キャスターは魔術師ではないため道具作成を行うことはできない。

【保有スキル】

読心:A
キャスターが人の想像から生まれたことにより身につけているスキル。
相手にとって触れられたくない部分や無意識に思っている負の感情を見つけることができる。
キャスターはそこを下賤な言葉で煽ることで相手を堕落させる。

悪魔:EX
キャスターが悪意の塊であることを示すスキル。キャスターには異常や汚染、狂化などは存在しない。
ただの純粋な悪意であり、誰にも彼のあり方を変えることはできない。

廃神(たたり):EX
神祇省が定めた妖、異形、化外の総称。その正体は廃仏毀釈によって壊され、燃やされ、廃棄された神仏の祟りの具現。
人の想像、無意識の海から生まれた人の恐れという夢そのものである。キャスターはその中でも最も危険な第八等指定廃神に分類される。

【宝具】

『第八等指定廃神・蝿声厭魅(さばえのえんみ)』
ランク:A+ 種別:対人(自身)宝具 レンジ:― 最大補足:1人
キャスターの存在そのものであることを表す宝具。極小の虫が集まった身体で、大抵の物質攻撃は透過することができる。
またその身を構成する粒子の一つ一つが汚らわしい影のようなものであり、邪悪なエネルギーそのものである。

攻撃方法として自身の身体の一部である虫が攻撃された際に体液を相手にぶちまけるものがある。
ただしこの体液にはすごく気持ち悪いものであること以外は特にないため、キャスターの単なる嫌がらせでしかない。

奥の手として蠅を中心としたありとあらゆる不快害虫を無限にも届くほど凝集し、相手にぶつけるものがある。
しかしキャスターが直接的な攻撃を行った場合、自分のあり方がぶれてしまうことで、
相手が返す刀でキャスターを討伐するのに補正がかかってしまう欠点がある。

【weapon】

なし

【人物背景】

夢界深層にある何かを巡って争っていると思しき六勢力の一角、べんぼうの首領。
無貌、じゅすへるなど、数多の名で呼ばれる底知れない男で、道化のように戯れながらすべてを愛で、嘲笑している。
姦計に長けたトリックスターであり、あらゆる勢力を操り、誘惑し、演出する者。
その性質上、積極的に害を加えてくることはなく、彼の興味は人の憎悪と絶望、
それによって生じる混沌を美しく演出することにのみ帰結するので、まともに手を組めるような相手では絶対にない。
一言、悪魔という概念が凝縮したような男である。

【サーヴァントとしての願い】

雁夜や参加者たちを堕落させること

【基本戦術、方針、運用法】

物質攻撃は透過できるとはいえ、非物質攻撃がよくある聖杯戦争で直接戦闘を行えば死ぬしかない。
そのため相手の心の隙をついて煽り、錯乱させて逃げる。もしくは他の陣営と早く組むこと。それしか生き残る術はない。
方針は雁夜の契約に基づいて彼に聖杯をとらせる。そのついでに他の参加者にちょっかいをかけまくる。



【マスター】

間桐雁夜@fate/zero

【参加方法】

間桐臓硯から渡された『ゴフェルの木片』 

【マスターとしての願い】

間桐桜を救うことだが、キャスターにより荒らされたため、今ははっきりとしていない

【weapon】

 なし

【能力・技能】

 蟲を使役する魔術を使う、切り札は牛骨すら噛み砕く肉食虫「翅刃虫」の大群使役。。また魔術行使にあたっては刻印虫が過剰に励起、自身の肉体を破壊していくという代償を伴う。

【人物背景】

第四次聖杯戦争当時の間桐家当主・間桐鶴野の弟であり、正当な間桐の魔術師ではない。
魔術の素養に関しては兄・鶴野より上でありながら、臓硯の支配する間桐の家と間桐家固有の魔術を嫌って11年前に出奔、
以来フリージャーナリストとして海外を飛び回り一般人として生きてきた。
幼馴染であった禅城葵に好意を寄せていたが、彼女を幸せにできるのは自分ではなく遠坂時臣だと信じたため、
思いを告げることもなく身を引いた。

そんなある日、葵の口から桜が間桐へ養子に出されたと知る。
自身が間桐の継承を拒んだことにより桜が犠牲になったことに絶望した彼は、償いのため11年間戻らなかった間桐の家に戻る決意を固める。間桐臓硯と交渉の末、間桐のおぞましい魔術から桜を解放することを交換条件に自身をマスターとして聖杯戦争に参加。
葵の悲しみと桜の惨状をもたらした時臣を憎悪する。

魔術師としての実力は無きに等く、一年間の無理な魔術鍛錬と体内に「刻印虫」を宿すという処置によって即席の魔術師となる。
しかしその影響で半死半生の状態になり、命を大幅に削られて死人のような容貌となってしまい、
半身不随で食物の嚥下も不可能という状態となりながらも聖杯戦争に臨む。

【方針】

 聖杯は獲りに行くが、基本的にはキャスターに任せる