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大正二十年――帝都、ある酒場の隅にて、一人の男が酒を飲んでいる。
この時代には珍しい黒の長髪に、その髪色と同じ程に黒いのではないかと思われる黒の背広を纏っている。
陶器を思わせるその白い肌が彼をギリギリ踏みとどまらせているのだろう。
もしも彼の肌がその白で無ければ彼は完全に酒場の闇と同化してしまうのではないかと思わせた。
テーブルの上には、これまた闇の色をした黒の山高帽子が置いてあった。
果たせるかな、その横顔など見ればそれはもうぞっとするような美しさである。
人間が酒を飲んでいるというよりは、人間世界へと降りた悪魔が獲物を見定めているような風情がある。
その男、名を夢幻魔実也といった。

ことん。

彼のテーブルに、もう一つグラスが置かれた。
欧羅巴から来た異人の青年であろうか、金髪を短く切り、ハンチング帽を被っている。
その目は琥珀色というよりも、黄金色そのものに見えた。魔性の目である。

「相席を許した覚えは無いが?」
「ここの払いは僕が持つ、僕の話を聞いてくれないか?」

魔実也は異人を睨みつけた。
催眠術の一種というには余りにも超然としているが、彼は他人に暗示をかけることが出来る。
以前にも彼に絡んだ与太者が、ひと睨みされたばっかりに自分を幼児だと思い込まされたことがあった。
だが、凍りつくような彼の視線を、頬を撫ぜるそよ風を浴びるかのように異人は平然と受け止めていた。
時間にしては3秒にも満たない短い時間であったが、魔実也は異人から目を逸らし残り少ないグラスの酒を一気に煽った。
「手短に頼む」
「ありがとう」

バーテンを呼び再度注文をすると、異人は懐から木片を取り出し、テーブルに置いた。
「鑑定してもらいたいってなら生憎だが、僕は骨董屋じゃないぜ」
「いや、鑑定してもらうまでもないよ。魔実也君。ゴフェル……その名に聞き覚えが無いかい?」
注文したウヰスキーを一息で煽り、魔実也は言った。
「ノアの方舟に使われていたっていう木か」
「その通り、そして此度はこの木片が『きっかけ』となって、ある戦いを起こす。
僕は是非、君にこの戦いに参加して欲しいと思っている」
「悪いが戦争屋じゃないんだ、他をあたってくれ」
聞く耳を持つ必要はない、そう判断したのか魔実也は山高帽を掴み、立ち上がった。

「その戦いの勝者は、どんな願いでも叶えることが出来る」
魔実也は動きを止め、異人を振り返った。
「尚更だ、僕がそんなことのために戦うような人間に見えるか?」
「……興味があるんだ、帝都の『小悪魔』が如何なる願いを持つか。その願いのために、将来はどう変わるか」

テーブルの上のゴフェルの木片は姿を消していた。
だが、魔実也は気づいていた、先程まで空だったはずのポケットの中の異物に。

「お勘定ですか?」
「こいつ持ちだ」
「果て……先程から一人だけで飲んでいらっしゃったはずですが」
何もかもが闇から闇に消えてしまったかのように、魔実也がいたテーブルに異人がいた痕跡は在りはしなかった。

「……いや、飲み過ぎたようだ」
毒づきたくなったが、どうやら異人に約束を違える気は無かったらしい。
ポケットの中から、異人が残していた貨幣を取り出すとバーテンに向けて魔実也は言った。


「魔ッ貨払いで頼む」



酒場を出ると、魔実也は煙草に火を付けた。
何も見えぬ闇夜に、ぼう――と、魔実也の顔だけが浮かび上がっている。
「火を貸してくれないか?」
その隣には、いつの間にやって来たのだろうか先の異人が立っている。
魔実也は異人へと火を貸した、言葉を交わすでもなく、ただ煙だけが辺りに立ち込めていた。

「ところで……」
口火を切ったのは、魔実也の方であった。
「ここの払いと木片のお代の代わりと言っちゃなんだが、君の名前を当ててみせよう」
「ほう……」
魔実也の言葉に、異人はさも面白いものを見るかのように、口元を緩めている。

「ルイだろ?」
「何故、そうだと?」
頷くでも否定するでもなく、異人は理由を聞いた。
その表情からは、その名前が正解であるかどうかは窺えない。

「翼は隠すんだな、それも六枚羽となればすぐにわかる」
異人の背に、羽などは見受けられない。
それでも魔実也にはわかるものがあったのだろう、異人は特段に否定することもせずに、ふふと笑い。
「今度は気をつけることにしよう」

そう言って、闇の中に消えていった。

「……さて」
消えたルイを別段探したりすることもせず、魔実也は川を探した。
道端に捨てれば、誰かが拾うやもしれない。
ならば、水に流してしまうのが一番だろう。
歩くこと数分、目当ての物は直ぐに見つかった。
洪水から逃れるために使われたゴフェルにとっては皮肉な末路であろうが、深く、深く、水の底に沈んでもらおう。
そう思い、魔実也はポケットからゴフェルの木片を取り出し――





何もかもが、闇の中に消えた。










「まさか、捨てようとするだけでこの場に呼ばれるとはな」
夢幻魔実也の中学教諭としての記憶はあっさりと崩れ去った。
当然だ、夢幻魔実也と中学教諭の接点など一切ない。
違和感に気づいてしまえば、後はもう流れのままだ。

「迷惑な話だ、なぁライホーくん」
「ホー!」





【マスター】
夢幻魔実也
【出典】
夢幻紳士 怪奇篇
【参加方法】
ゴフェルの木片を川に投げ捨てようという願いに反応して呼び出される
【願い】
特に無し
【weapon】
特に無し
【能力・技能】
暗示能力を持ち、相手に自由な夢を見せたり偽りの記憶を植え付けたりすることが出来るテレパシー能力者。
幽霊妖怪の類を見抜く霊視能力も持つ。
【人物背景】
長髪の美青年。黒い背広と山高帽がトレードマーク。ヘビー・スモーカーで酒も嗜み、
女性経験も来るもの拒まずの態度で豊富である。常に平静な態度を崩さず時に冷徹ですらあるが、人情を解し特に知人の義理は欠かさない。
その他、詳細は不明瞭。
【方針】
特に無し

【クラス】
アサシン
【真名】
ライホーくん
【出典】
デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王
【パラメーター】
筋力D 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具B
【属性】
中立・中庸
【クラススキル】
気配遮断:B
溶けてしまうことでサーヴァントとしての気配を絶つ。
完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。
生前のアサシンは気配遮断を利用することで、タクシー代を踏み倒してはトンズラかましていた。
しかし目立ちたがり屋の一面もあり、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】
氷魔術:C
氷に関する魔術を一通り収めている。

十五代目葛葉ライホー襲名予定:E-
相手が真名看破のスキルを持っていた場合、非常に低確率で葛葉ライドウであると錯覚させる。

氷結吸収:A
氷に関する攻撃を己の生命力と変えるスキル

単独行動:D

【宝具】
『冬将軍(ジェネラル・フロスト)』
ランク:B 種別:対人 レンジ:1~10 最大補足:1人
魔力によって構成された鎧姿の巨大なジャックフロストが相手を追いかけ回す対人宝具。
捕まれば最後、可愛い姿ながらも強力な氷結攻撃の餌食である。

『怖くて可愛い悪魔召喚術(アクマショーカンダホー)』
ランク:C 種別:対人 レンジ:1~10 最大補足:1人
以下の悪魔の中から一匹を召喚する。
既に悪魔が召喚されている状態で、他の悪魔を召喚することは出来ず。
戦闘行動が終了するか魔力供給が途絶えるまで、悪魔を帰還させることは出来ない。

ジャックランタン
マカミ
モー・ショボー
モコイ
トゥルダク
ジャックフロスト
ピクシー
マハカーラ

【weapon】
なし

【人物背景】
平凡なジャックフロストであったが、ある刑事が総番を張っていた頃の制服と合体することで、ライホーくんとなる。
あまりの自分の格好良さにうぬぼれて、己の元ネタである葛葉ライドウを挑発するも敗北。
その後、物珍しさにタクシーを停めては無賃乗車を繰り返しているうちに、
依頼を受けたライドウに怒られ、返り討ちにせんとばかりに襲いかかるもやはり敗北。
それでも、彼は諦めない。夢はでっかく十五代目葛葉ライホー襲名だ。

【サーヴァントとしての願い】
十四代目葛葉ライドウを倒し、十五代目葛葉ライホーを襲名する。

【基本戦術、方針、運用法】
悪魔召喚を行って、敵を追い詰めつつ雪将軍でフィニッシュだ。
相手に氷耐性があった場合は諦めよう。