「ただいま戻りましたー!」

扉が開き、事務所の中にリボンをつけた少女が現れる。

 「あれ、誰もいない?小鳥さん買い出し中なのかな?」

テレビ局の番組の収録から戻った少女、天海春香は
キョロキョロと辺りを見回しながら
他のアイドル仲間がいないか、事務所の奥へと入っていく。

 「みんなまだ、お仕事終わってないのかなぁ……ん?」

辺りを見回していた春香は応接の机とソファーのあるスペースの方向を見て立ち止まる。
その近くにあった事務所に所属するアイドル13人分ある黒い箱。
毎日ファンから山ほど送られてくる手紙やグッズなどが収められている箱だ。
その中に一番上に目立つように置かれているものがあった。

 「これ、何だろ……?」

春香は自分宛ての手紙、プレゼントが置かれている箱に近づいて見る・
すると、木でできた胸飾りのようなアクセサリーと
メッセージが書かれている便箋が置かれていた。

 「今日届いたものなのかな?」

春香は自分宛てに贈られたプレゼントを手に取り、
最初にアクセサリーに添えられていた書かれていた文章をを読み上げる。

 「『天海春香さんへ ハリウッドで見つけた木製のアクセサリーです
   大切に使ってください 貴方のファンより。』」
  ハリウッド、か……」

ハリウッド。
その文字を見た春香が思い浮かべたのは、
黒いスーツに水色のネクタイを締めた眼鏡をかけた青年の姿だった。
まだ彼女が無名なアイドルだった頃、765プロに現れ、
アイドル全員と共にいろんなお仕事、ライブを経験し、
一人前のアイドルになるまで輝かせてきた。天海春香にとって一番大切な人
アイドル候補生達との合同ライブを最後に海の向こうに旅立っていった。
今は映画の殿堂のかの地で歌や映像のことについて学んでいるらしい。

 (一度だけでいい、ハリウッドにいるプロデューサーさんに会いたい……!)

春香はアクセサリーを胸の中で抱きしめ、
遠くにいる大切な人との再会を心の中で願う。
きちんと
あれが永久の別れになるのではないかと、春香の胸の奥で
その瞬間、春香の視界は真っ白に染まりながら意識は闇へと沈んでいったのだった。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


 「……思い出した。私はあの時にここに連れて来られたんだ」

月見原学園での何一つ不自由の無い学園生活。
しかし、そこには彼女の知る仲間達の姿は無く、765プロのアイドルとして、
ステージで歌ったり踊ったりするキラキラ輝く世界も存在しなかった。
アイドルとしての自分が無い。
彼女はその違和感に気づき、記憶を取り戻したのだった。

 「気がついたか、ワシのマスターよ」

記憶を取り戻した春香が最初に聞いたのは男の声。
いつの間にか彼女の背後に立っていた。

 「あなたは……?」

春香は声がしたほうを振り向く、すると目の前には
黄色の服に身を包んだたくましい体つきの青年が立っていた。

 「某はランサーのサーヴァント、徳川家康。我がマスター、天海春香殿の呼び掛けに応じ馳せ参じた」

目の前に突如と現れたランサーのサーヴァントの名乗った真名。
それを聞いた春香は目を丸くする。

 「と、徳川家康さんって……も、もしかしてあの有名な!?」

日本人であれば名前だけでも聞いたことがあるだろう有名な戦国武将の名前。
春香もその有名人が目の前に現れたことにが驚きを隠せなかった。

 「ど、どうしよう本物の徳川家康さん……!?
  え、え~っと……そうだ!サイン!サイン貰わなくっちゃ!」

ペンと色紙を探すため春香は慌てて、自分の周りを両手で探りまわる。

 「ハハハハハハハハッ、春香殿は面白いマスターだな」

珍妙な行動を取る春香に家康は思わず吹き出し、笑い出す。

 「何がおかしいんですか?笑い事じゃないですよ!」

笑った家康に、春香は不満そうにぷぅと顔を膨らませる。

 「いやぁ、すまなかった。まさかサーヴァントとして呼ばれて
  最初にする事がサインだなんて思いもしなかったからな」

 「だって!徳川家康さんって言ったら戦国時代を終わ――う、痛……!」

突如春香の熱い痛みが走り、手の甲を見る。
そこには、胴体部がアルファベット「A」の形を模した
天使のようなマークが赤い光を放っていた。

 「これって、令呪……」

 「そう、聖杯戦争に参加したマスターの証。
  春香殿、貴方はどんな願いを胸にこの月へとやってきたのだ?」

家康に願いを尋ねられた春香はばつが悪そうに目線を下に向ける。

 「私は……確かに願いがあってここに来ました。
  大切な人に会いたいって願いが……
  だけど、他の人達を殺してまで叶えたくありません。
  元いた世界……みんなの所へ帰りたいです!」

春香の搾り出すようにして紡ぐ言葉を聞いた家康はそうか。とゆっくりうなづく。

 「ワシも同じだ。ワシも心の奥底に願いがあった。
  失った絆……かつての友との絆を取り戻したいと……」

家康は自分の握り締めた両手の拳を見つめる。
彼の拳にはあの時の感覚が今でも染み付いていた。
細い身体の彼から繰り出された刀を受け止めた重み、
彼の胸を自らの拳で思いっきり殴った時の衝撃、
彼の頭蓋が自らの拳の衝撃で砕けた音を……

 「だが、ワシは聖杯にそれを望まない。その願いを叶えることは
  今までワシを慕い着いてきてくれた兵、民達の想い、
  そして、今まで歩んできた道を無かった事にしてしまう行為だ」

家康は手を広げ、ゆっくり春香の方へと差し伸べる。

 「月の聖杯戦争への脱出……春香殿、ワシがその力になろう!」

 「でも、私達と違って聖杯が欲しいって人達がいっぱいいるんじゃ……」

春香は不安そうに視線をそらす。
オーディションでの争い事には慣れているが、
自分の命を懸けた殺し合いに直面した彼女には不安を隠せなかった。

 「確かに、ワシ達だけではこの戦は厳しいものとなるのだろう。
  だが、春香殿のようなこの聖杯戦争に心ならずとも
  参加してしまったマスターも少なくないはず。
  彼らとの絆を結ぶのだ」

 「家康さん……」

 「ワシには分かる。元の世界でも春香殿は仲間との絆に助けられ
  仲間との絆があったからこそ、この世界でも自らの記憶を取り戻し、
  聖杯よりも元の世界帰還を望んだのだろう?」

春香は無言で首を縦に振るも、不安そうな顔はまだ消えてはいなかった。
それを見た家康は自分の方からゆっくりと春香の方へ近づく。

 「貴方が手を取るのが難しいのなら、ワシから歩み寄ろう。
  出会うマスターとサーヴァントは説得し、可能な限り
  すぐに相手を殺すようなことはしない。これでどうかな?」

家康はもう一度、春香の方へ手を差し伸べる。
春香は家康から差し伸べられた手を両手で恐る恐る握り締める。
握り締めた家康の手は無数のマメや傷の跡の感触が春香の小さな手からも感じられ
お世辞にも綺麗な手とは言い難い。
だが、自分以外に仲間がおらず孤立無縁な彼女にとっては
とても温かく、心強いものだった。

 「よ、よろしくお願いします家康さん!」

 「手を取ってくれてありがとう。今は小さな絆だが、
  いずれこの大きな争いの運命を変えることができる力になる
  ワシはそう、信じている!」

【クラス】
ランサー

【真名】
徳川家康@戦国BASARA3

【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷C 魔力D 幸運C 宝具C

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

【固有スキル】

戦闘続行:A
不屈の闘志。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。

心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

騎乗:B+
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
ただし、鋼鉄の巨人に乗る場合に限りプラス補正がかかる。

東照権現(とうしょうごんげん):B
ランサーの生前の生き様がスキルとして昇華されたもの。
ランサーと彼との同盟を交わしたサーヴァントの両方に発揮され、
彼と彼の付近にいるサーヴァントは、ステータスや宝具、
相手が行使した宝具の対処に若干有利な補正が与えられる。
同盟を交わしたサーヴァントが多ければ多いほど効力を発揮する。


【宝具】

『絆一願』
ランク:C 種別:対人~対軍法具 レンジ:1~50 最大捕捉:30
ランサーとその部下達との絆が宝具化したもの。
ランサーの身長の2倍以上の長さがある機械仕掛けの槍が地中から飛び出し、
彼の手元に納まる。この槍を敵に目掛け投擲してダメージを与える。
また、槍に魔力を込める時間を長くすることによって、
範囲と威力を増大させることも可能。

『葵の極み』
ランク:C 種別:対軍法具 レンジ:1~50 最大捕捉:50
ランサーが拳を地面に打ち付け、魔力を込めることによって
自らの家紋である『葵の御紋』の形をした光の陣を形成し、相手にダメージを与える宝具。
魔力を込める時間を長くすれば、範囲や威力を広げることができるが、
その分発動までに無防備を晒すことになる。

『淡く微笑め東之照』(バサラワザ)
ランク:B 種別:対人~対軍法具 レンジ:5~30 最大捕捉:30
ランサーの拳の乱舞にて周囲の相手を巻き込み、
最後に正拳突きで相手を吹き飛ばす宝具。
発動時間は短いが、この宝具を発動中はいかなる傷を負うことはない。

【Weapon】
『機巧槍』
彼をランサーのクラス足らしめる所以。
本来は彼の1番の部下であり、友である本多忠勝の武器であるが、
生前の彼が攻撃手段の1つとして使用したこともあり、彼の武器となった。
この槍は彼がいつも所持しているものではなく、
宝具『絆一願』の発動によってどこからともなく地中から出現し、
彼の手元に収まる。
しかし彼はこの武器を使用するより、専ら自らの拳で戦うことが多い。

『手甲』
ランサーの装着している防具。
生前の彼は避けられぬ戦の苦行を背負い、自らを傷つくことを選んだ。
そのため彼の戦闘スタイルは主に自らの拳を用いた近接格闘が多く、
この装備が必要不可欠である。
ただの手甲ではなく、光の加護を有しており、
攻撃した相手に低い確率で気絶、防御を解除させる追加判定を持っている。

【人物背景】
スタイリッシュ英雄アクション「戦国BASARA3」のメインキャラクターの一人。
三河国の徳川軍総大将。
小牧長久手の戦いにて豊臣秀吉に敗れ、豊臣軍の傘下となったものの、
民を省みぬ秀吉の世界進出に異を唱え、絆の力で持って天下統一を目指すことを決意。
豊臣軍を抜け、秀吉を倒した。
そのせいで、秀吉を崇拝していたかつての友、石田三成からひどく恨まれてしまう。
そんな彼から逃げず、彼は東軍大将として関ヶ原の戦いへと臨む。
かつての友として、新たな天下泰平"人の絆"を掲げる者として……
誰からも好かれる人懐っこさと太陽のような明るさを持つ男。
しかし、絆を結ぶ一方で絆を断ち切る戦をしている矛盾、
三河武士達の大将になったことで友人であった長曾我部元親や前田家との
関係が変化してしまう孤独などの悩みを抱え込んでしまうものの、
それを表には出すことはない。

【サーヴァントとしての願い】
かつての友であった石田三成との関係を元に戻したい。
しかし、聖杯で叶えてもらうつもりはない

【基本戦術、方針、運用法】
元は無双系ゲームのキャラといっても一騎当千出来るほど聖杯戦争は甘くない!
敵のサーヴァントとマスターを発見した時はアウトレンジから
宝具『絆一願』で槍を投げつけて先手を取り、相手の体制を立て直す暇を与えず、
攻撃するのが勝利への近道だろう。
また、原作のように志を同じくする仲間を見つけて同盟を組み、
有利な補正がかかる集団戦を挑むのも生き残る鍵といえよう。

【マスター】天海春香@アイドルマスター

【参加方法】自分のファンと名乗る人物から贈られてきたアクセサリーがゴフェルの木片で作られていた

【マスターとしての願い】ハリウッドにいるプロデューサーさんに会いたい

【weapon】なし

【能力・技能】アイドルとしての歌と踊りのスキル。また、お菓子づくりが特技。
       魔法などの特別な力は持っていない。

【人物背景】
765プロ所属のアイドル。ゲーム・アニメのメインヒロイン的存在。
明るく前向きなリボンがトレードマークな17歳。
持ち前の明るさは765プロの仲間たちをまとめるのにも一役買っている。
何もないところで転ぶドジっ娘な面も。
事務所の仲間達との絆を誰よりも大事にしており、
一緒にアイドル活動する機会が少なくなってしまった時は
その悩みを1人で背負い込み、自分を追い詰めてしまった時もある。

【方針】みんなの元へ帰る。殺し合いは可能な限り避けて、脱出の道を探す。
    聖杯を使ってまで自分の願いは叶えたくない。