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それは、本来なら在りえなかった物語
正史から外れた物語
他愛ない“IF”のお話




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「はあっ……はあっ………くそっ!」


夜の町を少年が走る。
日常の象徴たる家を目指してひたすらに。
止まるわけにはいかない。
止まれば“死”が待っている。


どうしてこんな事に…!?


ほんの些細な偶然だった。
友人に頼まれ事をして夜の学校に残り、終わって帰る途中のこと。
普段なら見向きもしない路地裏へと続く細い一本道に違和感を覚え足を踏み入れた。
……それが最悪の選択肢だと知らずに。

「……っ!?」


初めに見えたのは赤色だった。
次に見えたのが倒れ付す自分と同じ制服を着た生徒とそれを見下ろす黒い影だった。
闇に溶け込むような姿に不自然なほど浮かび上がった白い顔。
いや、顔に見えたのは仮面だった。
仮面に隠された顔は倒れ付した生徒に向けられておりその手には血に染まった短剣が握られていた。
完全なる非日常の存在は自分に気づくことなく倒れ付した生徒に近づき……その体を貪っていた。


なんだこれは…これは現実なのか―――

思考は麻痺していたが、本能の部分が今すぐ逃げることを訴えていた。
気づかれないようゆっくり後ろに下がり――――


パキン!

足元にあった木の枝に気づかずに踏み潰した。
その瞬間黒衣の男は勢いよくこっちに振り向き、お互いの目が合う。
それと同時に路地裏から抜け出し一目散に逃げ出した。




マズイマズイマズイ!
あれはサ■■■■■だ。
逃げなくては死ぬ。サー■■■■に勝てるのはサーヴァ■■だけだ!

不意に覚える既視感。自分は自分は以前もこんな風にサーヴァ■■に追いかけられていたような…
あれは確か夜の学校で―――

「追いついたぞ」

その言葉と同時に切り裂かれた足。
バランスを崩しその場に転倒したが、その勢いのまま転がって振り下ろされた短刀を回避する。
いつの間にか家の近くまで来ていたことに気づけば、家には入らずに無意識に土蔵の方へ駆ける。
同時に強くなっていく既視感。やはり以前にも同じことがあった。

そうだ…あれもこんな月の綺麗な夜だった……

その時浮かび上がった光景。
月を背に佇む騎士と自分を殺しにきた青い槍兵。
赤い主従。雪の少女と狂戦士。悪友と騎兵。担任と魔女。

―――思い出した。自分は以前も聖杯戦争に参加していた。
未来の自分と決着をつけた。古の英雄王を打ち破った。最愛の少女と共にいった。
右腕に痛みが走る。そこに浮かび上がったものを自分は覚えている。

―――令呪、聖杯戦争参加者の証―――

そして、目覚めた参加者にムーンセルがサーヴァントを選出する。
土蔵に書かれた魔法陣が輝きはじめる。

「新しいマスターだとっ!?」

驚愕する影…アサシンのサーヴァントが止めを刺すべく飛び掛る。
足をやられたいまの状態では英霊の一撃を回避することは不可能だ。
このままでは痛みを感じるまもなく死を迎えるはずだった。



―――ガキンッ!


しかしそれは突如現れた紅槍によって阻まれた。
そして主を庇うべく槍兵のサーヴァントは前に立ち敵を見据える。
不利を悟った暗殺者はダークを投擲すると同時に駆け出し、逃げだした。

後を追わず、ランサーのサーヴァントはマスターに向き直る。


「問おう、貴方が俺のマスターか」











貴様らは……そんなにも……
 そんなにも勝ちたいか!? そうまでして聖杯が欲しいか!?
 この俺が……たったひとつ懐いた祈りさえ、踏みにじって……貴様らはッ、何一つ恥じることもないのか!?
 赦さん……断じて貴様らを赦さんッ! 名利に憑かれ、騎士の誇りを貶めた亡者ども……
 その夢を我が血で穢すがいい! 聖杯に呪いあれ! その願いに災いあれ!
 いつか地獄の釜に落ちながら、このディルムッドの怒りを思い出せ!





無念と憎しみと怨嗟に苛まれ、何も獲られず敗退した記憶。
ただ俺は、生前果たせなかった忠義の道を果たしたかっただけだった。
だが…主には認められず疎まれ、その思いも踏みにじられ最後は生前と同じく主の裏切りによって終幕を迎えた。
結局…裏切り者の騎士にはお似合いの末路だったのか……
忠義を尽くすことも、騎士として誉ある戦いをすることも、主に認められることも…
もう何も期待しまい。
所詮は儚い夢だったのだ。

そして座から引き寄せられる感覚。
再び召還されようとしているのか……
もはや望みを果たせそうに無いと諦めながら目を閉じ、召還の流れに身を任せた――――





「槍兵のサーヴァント、名をディルムット・オディナ。
召還により馳せ参じた。貴方が俺のマスターか?」
「…ああ、おれがお前のマスターだ」

自分の窮地を救ってくれた男の言葉に、ハッと意識を取り戻し名乗り返した。

(セイバーじゃ無かったか……)

わずかに共に戦場を駆けた騎士王との再開を期待していたが、そううまくいかないのだとわずかに落胆した。
それをどう捕らえたのか、ランサーは僅かに目を細める。

「どうされたマスター、槍兵では不満か?」
「あっいやすまない。実は聖杯戦争に参加するのはこれで二度目なんだ。
その時のサーヴァントが来てくれないか期待してたんだ。気に障ったのなら謝るよ」
「いえ……お気になさらず」

それ以来黙りこくってしまったランサーに申し訳なさを感じながら、お互いの自己紹介と目的を話した。

「おれは聖杯に叶えてもらうような願いは無いんだ。
だから元の場所に戻ることが最優先なんだけど…ランサーは何か聖杯に託す願いがあってきたのか?」
「いや、俺の願いは聖杯に叶えてもらうような物ではない」
「そっか……なあランサー、聞いてほしい事がある」

幼さを残しながらも強い決意を宿した眼差しに、最初に感じた頼りなさを見改めることにしたランサー。


「俺は元の場所に戻りたい。だけど、俺と同じように分けもわからず来てしまった参加者が他にもいるかもしれない。
俺はそんな彼らのことも助けたいって思ってる。だからランサー、この戦いを止めるためにお前の力を貸してほしい」
「…あなたはこの場に集う全ての参加者を助けるおつもりか?そんな事が可能だと思っているのか」
「全ての人を救うのは不可能かもしれない、でも助けられる命もあるはずだ。だったら俺はそれに賭けたい」

だから……

「頼むランサー、あんたの力を俺に貸してくれ!」

そう言ってサーヴァント相手に頭を下げるマスターに僅かに驚きの表情をみせた。
少なくとも二度目の主、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトは自分のことを使い魔程度にしか見ていなかった。
こんな風に対等に扱うことなど考えれなかったランサーは動揺し、そして口元をつり上げた。

「青臭い理想論だが嫌いではないな。……ふん、いいだろうマスター!
我が槍をもってマスターの望みを叶えて見せよう。
そしてお前が我が主に相応しいか、この目で見極めよう!」
「……ああ!任せておけ!」





それは、本来なら在りえなかった会合。
それは、本来なら在りえなかった物語。

正義の味方を志す少年と、主に裏切られた騎士の二人。
存在しなかったゆえに、彼らがどんな結末を迎えるかは誰にもわからない。


これは―――“IF"の物語………



【クラス】
ランサー

【真名】
ディルムッド・オディナ(Fate/zero)

【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷A+ 魔力D 幸運D 宝具B

【属性】
 秩序・中庸 

【クラススキル】
対魔力:B 詠唱が三節以下の魔術の無効化。それ以上の魔術でも傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す"戦闘論理゙。
逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

愛の黒子:C 異性にディルムッドへの強烈な恋愛感情を懷かせる魅惑。対魔力や抗魔力で回避可能。

【宝具】
破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大補足:1人
紅の長槍。刃が触れた対象の魔力的効果を打ち消す。
基本的には、魔術的防御を無効化させるための能力を持った宝具。
魔力で編まれた防具や、魔術やあるいは宝具によって魔術的な強化・能力付加を受けた武具から
その魔力的効果を奪い、物理的な防御力のみの状態にする。
過去に交わされた契約や呪い、既に完了した魔術の効果を覆すことはできない。

必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2〜4 最大補足:1人
治癒不能の傷を負わせる。
通常のディスペルは不可能で、この槍で付けられた傷は槍を破壊するか、ディルムッドが死なない限り癒えることがない。
いかなる治癒や再生でも回復できない仕組みは、この槍が与えるダメージは最大HPの上限そのものを削減するため。
それ故に回復や再生をしても「傷を負った状態」が全快状態であるため、それ以上治らない。
なお、使い手である彼はこの槍で傷つくことはない。

大なる激情(モラルタ)
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:? 最大補足:?
”魔剣”の類で、マナナーン・マクリールから授かった。
詳細な能力は不明だが、原典には「ひと振りで全てをなぎ倒す」とある。
ランサークラスで現界したため所持していない。

小なる激情(ベカルタ)
ランク:B(A++) 種別:対人宝具 レンジ:? 最大補足:?
”名剣”の類で、マナナーン・マクリールから授かった。
大猪を軽々殺した伝承から、柄の部分が宝具だと推測されるが詳しい事は不明。
モラルタと同じくランサークラスで現界したため所持していない。

【weapon】
破魔の紅薔薇・必滅の黄薔薇

【人物背景】
生前、主君の婚約者から主への裏切りをゲッシュにより強制され、悩んだ末に愛に応えることを選んだという逸話を持つ。
忠義に篤く、名誉ある戦いを重んずる英霊らしい英霊。
生前、向けられた愛情に折れて主君を裏切り、それにより最期は主君に見殺しにされた彼であるが、
忠義より愛を選んだ己の行動に後悔はなく、自分を見殺しにした主への恨みもない。
もし二度目の生が与えられるならば、その時は忠義を選ぶ戦いを、という理由で第四次聖杯戦争に参戦。
しかし彼の生前を知っているケイネスは自らのサーヴァントを信用しきれず、ことあるごとに痛罵する。
それでもなお、彼は献身的に主へと仕えようとしたが、互いの相互理解を怠ったこと、ケイネスの婚約者である
ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリがランサーの持つ魔貌による魅了を受け入れてしまい、盲目的なまでの恋慕を寄せた事
が原因で彼らは主従の間に溝を深める事となった。
最後は衛宮切嗣の卑劣な作戦で、ケイネスに令呪を用いての自害を強要されたランサー。
憤怒の血涙を流し、呪詛の断末魔を上げるその姿には常の美貌も見る影なく切嗣やセイバー、
世界全てに向け怨嗟をぶつけ、絶望と共に散っていった。

【サーヴァントとしての願い】
特になし。
生前果たせなかった忠義を果たしたいと願っていたが、無理だと諦めている。
士郎の事はマスターと認めているが主と認めるかはこれから見て判断する。


【基本戦術、方針、運用法】
対人特化型の宝具とスキルの通り白兵戦に真価を発揮するサーヴァント。
類まれなる技量でステータス以上の活躍が期待できる。
宝具を使った敵の足元を掬う戦法を得意としており、派手さは無いが堅実な戦いができる。
長期戦はせず必滅の黄薔薇の一撃いれたら即離脱の戦いをとって相手の消耗を図れば、多くの参加者がいる
アークセルの聖杯戦争では十分な勝ち筋が見えてくるだろう。(本人は嫌がりそうだが)
対軍宝具など大人数を相手にする術を持っていないので使い魔やイスカンダルの「王の軍勢」など大人数の物量で攻める
相手は天敵となる。
もし士郎がランサーの剣を再現できたら……?

【マスター】
衛宮士郎(Fate/staynight)

【参加方法】
物置の中にあったじいさん(切嗣)の遺品に触れた事で参加

【マスターとしての願い】
元の場所に戻る。争いを止め巻き込まれただけの参加者を助ける。

【weapon】
なし

【能力・技能】
強化…魔力を通して対象の存在を高め、文字通りの効果を発揮する魔術。
ナイフに使えば切れ味が良くなり、ガラスに使えば硬くなる。あまり曖昧なモノを、曖昧に強化させることはできない。
基礎中の基礎でありながら、極めるのは困難と言われている。

投影…グラデーション・エア。オリジナルの鏡像を、魔力で物質化させる魔術。
非常に効率の悪い魔術で、投影でレプリカを作るなら、ちゃんとした材料でレプリカを作った方がよほど手軽で実用に耐える。
本来は、魔術の儀礼などに際し、既に失われたオリジナルを、本当に数分間だけ自分の時間軸に映し出して代用する魔術。
つまり(外見だけの)レンタル。
……で、ありながら、投影した品がずっと残っているなど、衛宮士郎の投影がどれだけデタラメであるかは、
『Fate/stay night』にて語られている通り。

無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)
ランク:E~A++ 種別:???? レンジ:???? 最大捕捉:????
錬鉄の固有結界。起源・魔術属性共に「剣」と、一点特化した魔術とした稀有な才能を完成させた魔術。
結界内には、あらゆる「剣を形成する要素」が満たされており、目視した刀剣を結界内に登録し複製する。
荒野に突き立つ無数の剣の一振りとして貯蔵する。ただし、複製品の能力は本来のものよりランクが一つ落ちる。
基本的に宝具の投影で出来るのは白兵武器のみで盾や鎧は剣投影の2~3倍の魔力を使えば一時的に引き出せる。

【人物背景】
日本の地方都市「冬木市」にある穂群原学園に通う二年生。10年前に冬木市で起きた大火災の唯一の生存者。
聖杯戦争に巻き込まれ、偶発的にセイバー(アルトリア)を召喚してマスターとなり、以後争いを止めるために聖杯戦争に身を投じる。
魔術師見習いであり養父の影響で、「正義の味方」になることを本気で志している。
それはそれはもともと養父が諦めた理想であり、その遺志を継ぐという考えと、大火災の時自分だけが助かってしまったとの思いから、
「十年前の大災害で唯一生き残ってしまった」自分は人の為に生きねばならない、という強迫観念に似た義務感のため培われた理想である。
歪で『借り物の理想』だったが、平行世界の未来の自分との邂逅により自分が壊れていると自覚し、
自分の言動が偽善だと理解してもなお養父から受け継ぎ、胸に抱いたそのユメだけは間違いではないと信じた。
魔術師、マスターとしての力量は未熟もいいところで、士郎の実力を遠坂凛は『へっぽこ』と酷評している。

【方針】
争いを止めるべく行動する。
自分と同じく巻き込まれただけのマスターを保護及び同盟を結びたい。
積極的に人は襲わない平和主義ではあるが、必要となれば人殺しも辞さない覚悟は持ち合わせている。