テンカワ・アキト&バーサーカー ◆w7FNZrLzJw


全身黒ずくめの男が、一人ビルの屋上に立っていた。
その目には何も映さず、その両手には何も掴めず。
男は、一人――悔いていた。

「記憶を奪われていたとはいえ、俺がこのような茶番に満足していたなんて不覚だな」

男は一刻も早く聖杯を手にせねばならなかった。
願いの為に、奪われたものを取り返す為に、不浄なる敵を断罪する為に、愛する人を救う為に。
複雑に絡み合った想いは星を超え、宇宙を貫き、別次元の月へと届く。
ゴフェルの木片。男の想いを聞き届けた願望器。
願いを叶えるに足ると判断されたのか、男は月の方舟へと招待され、“予選”に参加するに至った。

「それでも、俺のこの記憶と奪われた五感ですぐに思い出せた」

ムーンセルとはいえ、消えたものを再現するまではサービスをしてくれなかったらしい。
もっとも、この違和感のお陰で記憶をすぐに取り戻せたのでイーブンか。

「記憶を封じようとも拭われないんだ、この汚れは」

男は過去に思いを馳せる。
全てが満ち足りて幸せだった日々を。

「忘れない、奪われた屈辱を」

最愛の彼女がいて。妹みたいな少女がいて.
言うことなんて何一つなかった。
金銭的には苦しい毎日だったけれど、輝いていたのだ。

「消してなるものか……! この憎しみを!」

それを、“火星の後継者”と名乗る奴等は全部奪い去った。
男達が大事にしていた幸せを粉々に打ち砕いたのだ。

「あいつらを殺す為なら。…………ユリカを救う為なら、俺は何だってしよう」

男――テンカワ・アキトはもう迷わない。
持ち合わせていた情も過去に築いた絆もゴミ箱に投げ捨て、突き進む。
最愛の彼女であるミスマル・ユリカが再び幸せを掴めるなら後悔はない。

「他者を裏切ることを許容しよう。他者を絶望に突き落とすことを嬉々としてやろう。
 他者の譲れない願いをこの手で潰すことを平然とやろう」

だが、それは茨の道だ。アキトも理解している。
同じく願いを以って参加しているであろう人々を自分の願いの為に犠牲にする。
そんなこと、ユリカは望まないことだって痛いぐらいに感じていた。

「譲れないのは、俺だって同じだ。だから、覚悟もできている。
 好きなだけ罵られても構わない。それでも、俺はもう一度ユリカに笑って欲しいんだから」

その上で、彼は願う。
エゴを重ねて、想いを貫くことを選んだ。

「ユリカを救う為にも――力を貸してもらうぞ、狂戦士」

彼の声に共鳴するは黒の鎧に身を包んだ狂戦士。
背後から何も言わずとも現れる忠実なるサーヴァント。
隻腕隻眼ながらも、まるで衰えを知らない殺気が、アキトを脅かす。
半端な覚悟でオレを乗りこなせると思うな。
言外にそう言ってる気がしてならないのだ。

「なぁに、わかるさ。言葉にしなくてもお前のことはな。同じく、復讐を生きる糧としているクソッタレなんだからな」

溢れ出る殺気を平然と受け流しながら、アキトは言葉を続ける。

「理不尽に奪われて悔しかっただろう? 大切なモノを汚されて憎いと思っただろう?」

狂戦士は答えず、されど意志は交わる。
言葉に出さずとも、無念は互いのラインを介して通じるのだ。
復讐を、慈悲なき裁きを彼らに。

「それがわかるだけで十全だ。俺達が戦う理由に足る。
 ようやくだ、ようやく……俺達はスタートラインに立てた。
 後は勝ち抜くだけだ。その過程で何を犠牲にしようとも、聖杯への道を切り拓く」

過去のアキトなら否定しただろう。
報われぬ思いを胸に戦ったとしても、虚しいだけだ。
この血で塗れた両手で誰かを救えるなら、誰かの笑顔を護れるならそれでよかった。
だが、運命はそれすら叶えなかった。
アキトは思い知らされたのだ。
大切なのは過程ではなく結果だということに。
火星の後継者と名乗るふざけた連中に粉々に打ち砕かれた幸せは、戻ってこない。
それこそ、奇跡が起きない限り。

「後悔なら十分にした、奇跡を奪い取る代償は払った。前段階は終わった」

ならば、無理矢理にでも奪い取るにいくしかない。
復讐鬼らしく苛烈な意志を刃に変えて、聖杯を勝ち取るのだ。
もう、戻れないあの日々を胸の奥底にしまい、テンカワ・アキトは前に進む。
その果てが、奈落の落とし穴に繋がっていようとも、進む以外の術を知らないから。

「往くぞ………………ガッツ。全てを壊して復讐を遂げよう」
「■■■■――――!!」

立ち塞がる敵を屠るのに、何の躊躇いもない。


【クラス】バーサーカー

【真名】ガッツ@ベルセルク

【パラメーター】
筋力A+ 耐久A+ 敏捷A 魔力D 幸運D 宝具B
(狂化によって強化されています)

【属性】
混沌・狂 

【クラススキル】

狂化:B
全パラメーターを1ランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
もっとも、宝具の影響でもともと理性なんて奪われているのだが。

【保有スキル】

戦闘続行:A
生還能力。瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。

無窮の武練:A
ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。心技体の完全な合一により、
いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。

【宝具】
『ドラゴンころし』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
それは剣というにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった。
ガッツが使徒や悪霊を叩き斬る時に愛用する大剣。
多くの敵を斬ってきたおかげか、霊的存在にも通用する武器となっている。
特に、龍の因子を持つサーヴァントには効果的だろう。


『狂戦士の甲冑』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
鉱精が製作した呪いの甲冑。狂化スキルの固定に一役買っている。
この甲冑を着用することで、肉体の持つ力を限界まで引き出し、超人的な力を発揮することができる。
ただし、代償として肉体と精神に大きな負荷をかけることになる。
もっとも、バーサーカーとして召喚されたガッツには、特に影響はないだろうが。

【weapon】

義手砲。

連射式ボウガン。

投げナイフ。

炸裂弾。

【人物背景】

「黒い剣士」の異名を持つ、右目と左腕を失った全身傷だらけの剣士。黒髪黒眼。
この世に生まれ落ちてから、グリフィスが頭を務める鷹の団に入るまでは気の休まらない人生を生きてきた。
だが、鷹の団に仲間と居場所、絆や愛を確かめていく。
しかし、その安息も長くは続かず――。

【サーヴァントとしての願い】

■■■■■を斬る。

【基本戦術、方針、運用法】

壊すことしか知らない狂戦士に戦う以外の戦術は似合わない。

【マスター】テンカワ・アキト@機動戦艦ナデシコ The prince of darkness

【参加方法】
 裏で活動中、ゴフェルの木片を手に入れた。

【マスターとしての願い】
ミスマル・ユリカを救い出す。

【weapon】

拳銃。

【能力・技能】

機動兵器操縦技術に体術は一級品。拳銃の扱いにも手慣れたものであり、戦闘経験も豊富である。
A級ジャンパーとしても優秀なので、魔力供給も一般人よりは潤沢だろう。

【人物背景】
ネルガル重工の戦艦『ナデシコ』のコック見習い兼機動兵器『エステバリス』のパイロット“だった”青年。
最愛の彼女であるミスマル・ユリカと共にテロリストに誘拐され、非道な人体実験・改造手術を繰り返されることになる。
その後、実験の末にネルガルに救助されるが、ユリカを取り戻すことはできず一人無力感に苛まれた。
そして、自分達の幸せを壊したテロリストへの復讐、ユリカ救出を目的に、一人で影ながらの活動を開始する。

【方針】
聖杯を取る。手段は選ばない。



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