雨流みねね&アーチャー  ◆MQZCGutBfo



「……こんだけあれば足りるか」

森の中の隠れ家で、眼帯を付けたタンクトップ姿の女性。
雨流みねねが、爆弾の作成作業を終え、肩をさすり一息つく。

立ち上がり、長時間の作業で縮こまった腰を伸ばし。
ふと、壁に掛けてあった、フリルのついた服に目を止める。

「フン……くだらん少女趣味だ。アタシの住む世界はコッチ……」

バッグに大量に詰めた爆弾を手に取る。


―――血と闘争の日々だった。

遠い中東の地。
8歳の時に、言葉も通じないその場所で、アタシは両親を失った。

それからはずっと命がけの毎日。
パンひとつ盗むのも死に物狂い。
失敗して、死んだ奴もたくさんいた。

アタシが両親を失ってから、誰も助けちゃくれなかった。

両親を殺した奴らは、それぞれの『神』を掲げ、
自分達にこそ正義があると、敵対する人間をお互いに屠っていった。

『神』だと?

もしも『神』なんてモンがいるんなら。

ああ。一人だろうと複数だろうと関係ない。


………アタシが、殺してやる。



そして―――――光に包まれた。




「ハ。…………アハハハハハハハ!!
 ……アタシが学生?
 この雨流みねね様が?」

我ながら笑いしか出てこない。

記憶がどうにもあやふやだが、
無様にも、まるでお子様のように学生生活とやらに勤しんでいたらしい。
傑作だね。

すべてを取り戻したアタシは、校舎にある扉をくぐった。

そこは既に学校ではなく。
荒廃した洋館のような場所に出ていた。

「逃亡日記は……使えるみたいだな」

携帯電話の日記を読み、直近で【DEAD END】が書かれていないことを確認する。

因果律大聖堂への精神干渉も行おうとしたが、そちらはブロックされている。


―――聖杯戦争。

どうもデウス・エクス・マキナの仕業ではないらしい。

「チ……面倒なことになった」

そもそも未来日記所有者を全員殺せば力を手に入れられただろうに。
なんだっていきなり三倍近く人数が増えてるんだよ。

「おまけに……これだ」

左手に宿る紋章。

英霊とやらを現界させ、パートナーとして共に聖杯を目指すだと?
英雄だが偉人だが知らないが。
そんな御大層なエイユウサマと折り合いがつくとは思えない。


そんなことを思っていると、アタシの左手が突然輝きだし。

――― 一人の少女が、目の前の光の柱から現れた。


長い銀色の髪を桃色のリボンで二つに縛っている。
意志の強そうな紫がかった瞳。
首元がゆったりとした赤いワンピース。

―――どう見ても英雄様には見えない。

「……あんたが、あたしのマスターか?」

銀髪の少女はアタシに問いかける。

すると、視界からコイツの情報が流れ込んでくる。
―――アーチャーのクラスらしい。

「あ、ああ」

想像とのギャップにやや面食らっていると。

「ふうん。で、あんたの願いとやらは?」
「……あ?何でンなこと教えなきゃなんないんだよ」
「別にいいだろ、減るモンでもないし」

不躾にも真っ向から聞いてきやがった。
英霊様――にはみえないが――なんぞは『神』に認められた奴らじゃないんかね。
ま、先に言っておいて、この令呪とやらで抑え込んでおくのも手か。

「フン。じゃあ言ってやるさ。
 アタシは―――神を殺す」

油断なく令呪を構え、反応に備える。

「ふうん? 神サマをね。……神、神」

するとアーチャーは少しだけ腕組みした後。


墓標にゃ何を添えればいい?
雁首揃えてインフェルノ
One,Two,Three
祈ってろ

アンタの神はバカンス中
南無阿弥陀仏もIt's sold out
One,Two,Three
跪け


ゆっくり歩きながら歌のようなものを口ずさみ始める。

「……あんた、なかなかのスクリューボールだな」
「はぁ?」

何言ってんだコイツ。
なんだよスクリューボールて。

「ま、いいぜ。あたしも神サマにはちっと言っておきたいこともあるし」
「いいのかよ!」

変わってんなコイツ。
まあ……令呪一回分使わずに済んだからよしとすべきかね。


「あたしは雪音クリス。よろしくな、マスター」
「……雨流みねねだ」

するとアーチャーの情報が更新される。
射撃・砲撃型で戦うタイプらしい。
いやアーチャーのクラスなんだから当たり前か。

「……『月の守護者』?」

廃墟となっている洋館の天井は空いていて。

―――見上げれば、月が見える。

「あー。そんなこともあったかな」

アーチャーも同じく月を見上げる。

「ふうん……お月様が力を分けてくれんのか。ありがたいな。
 あたしはバカみたいに火力使うからな。
 ……あんた、魔術師じゃないんだよな?」
「ああ。……そうか、魔力供給」

するとアーチャーはアタシに近づいてきて、じーと見つめてくる。
ん……?
魔力供給って流れてきた知識によると……

「待て!待て待て待て!!
 アタシにソッチの気はねえ!!」

ぶんぶんと首を振る。

「……なっ!?バッちげーよ!!」

アーチャーも顔を真っ赤にして離れる。
あーびっくりした。

「ったく。……マスター、少しだがあんたから魔力が流れてきてんだよ。
 何か心当たりはないのか?」
「心当たりねえ。そんなオカルトな能力なんざ、これくらいしかないが」

携帯電話―――『逃亡日記』を見せる。

「へー、逃げるルートが分かる、ねえ。
 それならこっちも心おきなくブッ放せるケド。
 んー……ソレとは別に、あんた自身から流れてきてるんだ」
「悪いが、アタシはずっと銃と爆弾で凌いできたんだ。そっちの能力は期待しないでくれ」
「……ま、いっか。
 あたしが火器をブッ放し続けるには条件があるんだ」

少し照れたように言うアーチャー。

「なんだ? 今のうちに言っておいてくれ」

「ああ。……あたしに、歌わせてくれ」



【マスター】雨流みねね@未来日記
【参加方法】爆弾調合の材料に紛れていた『ゴフェルの木片』による召喚
【マスターとしての願い】神を殺す。
【weapon】
 『逃亡日記』:携帯電話にみねねの未来の逃亡ルートが記録される未来日記。
  安全な逃走経路を知ることができる。ただし携帯電話を壊された場合、本人は消滅する。
 各種爆弾:リモコン式、時限式、閃光爆弾、音響爆弾等
 拳銃:通常の拳銃
【能力・技能】
 『逃亡日記』を使い、逃走経路の確保、応用して潜入可能なルートの確認が可能。
 10年間テロリストを続けている爆弾のエキスパート。材料があれば自作も可能。
 知恵の輪を力尽くで引き千切る程度の筋力。

【人物背景】
 「未来日記」の登場人物。未来日記の所有者の一人で9thと呼ばれる。18歳。
 左目を損失し眼帯をつけている。
 8歳の時、中東の宗教紛争で両親を亡くし自分も取り残されたため、以降「神」を憎み、
 宗教施設・宗教関係者を対象にしたテロ活動を繰り返していた。
 爆発物のエキスパート。また、変装も得意で警察や病院に潜入したこともある。
 目的のためなら躊躇も容赦も全くしないが、一方で面倒見がよく、時折女性らしい一面ものぞかせる。

【方針】聖杯戦争に勝利する。他マスターとの同盟・裏切り・撹乱を視野に入れる。



【クラス】アーチャー
【真名】雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギアG
【パラメータ】筋力E 耐久C 敏捷D 魔力B 幸運D 宝具B+
【属性】混沌・善
【クラス別スキル】
 対魔力:C…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
 単独行動:B…マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
        ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。
【保有スキル】
 月の守護者:B…存命中にその身を賭けて月を守った者。
         ムーンセルによる現界時、魔力消費に対する軽減ボーナス。
 千里眼:C…視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
 歌唱:B…歌うことでアウフヴァッヘン波形を発生させる。
      魔力を回復させることができるが、同エリア内すべてに歌声が響きわたる。
 絶唱:A…シンフォギア装者の持つ最大の攻撃手段。
      増幅したエネルギーを一気に放出し、対象にクリティカルダメージを与える反面、
      そのバックファイアのダメージもかなり大きく、諸刃の剣といえる奥の手である。
【宝具】
 『イチイバル』
 ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 北欧神話にて狩猟神ウルが扱った弓の一部、
 第2号聖遺物「イチイバル」の欠片より造られたシンフォギアシステム(FG式回天特機装束)。
 身に纏う者の戦意に共振・共鳴し、旋律を奏でる機構が内蔵されている。
 その旋律に合わせて装者が歌唱することにより、シンフォギアはバトルポテンシャルを相乗発揮していく。

【weapon】
「アームドギア」
 シンフォギア装者の主武装。
 可変・可動のギミックを内蔵し、行使する技や使用方法に応じて、特性や形態を変化させる。
 『イチイバル』の標準武装は両手のクロスボウ。
 その他の武装は下記。下に行くほど魔力消費高。

 『QUEEN's INFERNO』:アームドギアを連装型の弓に変形させ、矢を連射する。
 『RED HOT BLAZE』:アームドギアが変形したスナイパーライフルによる狙撃。頭部バイザーが狙撃モードへと変形する。
 『CUT IN CUT OUT』:腰部アーマーを展開し、追尾式小型ミサイルを発射する。
 『BILLION MAIDEN』:クリスのメイン武装。アームドギアが変形した4門の3連ガトリング砲からの一斉掃射。
 『GIGA ZEPPELIN』:弩弓に変形させたアームドギアからクラスター弾としての性質を持った大型矢を放つ範囲攻撃。
 『MEGA DETH PARTY』:腰部アーマーを展開し、そこから大量のミサイルを発射して攻撃をおこなう。
 『MEGA DETH FUGA』:肩部に大型ミサイル2機を展開し発射する。他の攻撃をしながらほとんどチャージなしで使用可能。
 『MEGA DETH QUARTET』:ギア全体を固定砲台形式(前述のガトリング砲と小型ミサイルに加え、大型ミサイル4基を搭載)へと
   変形させ、広域砲撃を行う。チャージとギアの変形に時間を要するため、単独での使用は難しい。
 『TWIN SATELLITE BUSTER』:絶唱時のみ使用可能。
   アームドギアを二本のバスターライフルに変形させ、スカート状のリアアーマー内部に格納された多数の
   エネルギーリフレクタービットを射出・展開。
   これにより反射させたエネルギーを加速・増幅することで放つ一点収束砲撃。
   月を破壊する威力のカ・ディンギルの砲撃を防いだ。

【人物背景】
 「戦姫絶唱シンフォギアG」の登場人物。シンフォギアシステム2号「イチイバル」装者。
 世界的ヴァイオリニストの父と声楽家の母を両親に持つ音楽界のサラブレッド。
 8歳の時に南米バルベルデの紛争に巻き込まれ両親が死亡、自身も捕虜生活を送る。
 「戦争の火種を無くしたい」という強い信念を持ち、「戦う意思と力を持つ者を滅ぼす」ことで思いが遂げられるとフィーネに誘われ、
 利用されていた。また、自分の歌は「何かを壊す事しか出来ない」と嫌悪していた。
 フィーネに見限られ逃亡の身に陥るも、小日向未来に保護され、
 その縁で敵対していた立花響や風鳴翼と和解。それに伴い、かつては嫌悪していた歌に対する気持ちも変化していった。

 直情傾向が強く思い込みも強い反面、夜間に迷子の兄妹の親探しに協力する等、口は悪いが困っている人を放っておけないお人よし。
 また、非常に照れ屋で響や翼に手を握られた時に赤面する
 好きな食べ物はアンパン。

【サーヴァントとしての願い】
 同じ年齢(8歳)で紛争を原因として両親を亡くし天涯孤独の身になった共通点から、マスターに引き寄せられ召喚される。
 願いは再び「歌うこと」が出来ればそれでいい。

【基本戦術、方針、運用法】
 一般人マスターのみねねだが、将来半神の力を自在に操る素養があるためか、最低限のパスは通っている模様。
 『月の守護者』『単独行動』そしてマスターの『逃亡日記』を利用することで、それぞれ単独行動が可能。
 爆破トラップを仕掛け、陽動・足止めをしたところに集中砲火を浴びせるなどの作戦行動が可能となる。
 クリスは接近戦を不得手としているので、弾幕を張って距離を取って戦うことを心掛けよう。
 『逃亡日記』でDEAD ENDが回避できないのなら令呪を惜しまないこと。
 また、『歌唱』により魔力回復を行う際、同エリア内の敵が寄ってくる可能性があるため、
 『逃亡日記』『千里眼』で安全を確保してから歌おう。

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最終更新:2014年07月16日 03:12