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ライダー ◆ZTnr6IpaKg




その魔術師が召喚された己が従僕の姿を目にしたとき、思わず総毛立った。
その姿は軍服を着た成人男性のもの。
何ら奇妙な点は無い。
しかし彼は直感的に理解したのだ。



『こいつは、絶対にこの世界にいてはならないものだ』と。



魔術師としての感覚が告げているのか。
あるいは『人間』としての本能の叫びか。
それとも――『抑止力』が彼の後押しをしたのか。

魔術師は魔力を練る。
その令呪に、三つの命令を込めて。



『死ね』『死ね』『死ね』



全ての令呪を費やした自害の命。
正気ではない。
サーヴァントを失ったマスターは、速やかに消去される運命だというのに。
しかし、そんな思考は彼の頭の片隅にも残っていなかった。
あるのはただ一つ、『こいつを殺す』それだけである。

果たして、令呪は正常に機能した。
召喚されたサーヴァントは、右腕で自分の心臓を抉り、
左腕を自分の脳天に突き立て、
次の瞬間、その全身が潰れ、四散した。

死んだ。間違いなく死んだ。
たとえ不死性の能力があっても死ぬであろう有様である。

魔術師は、そのときに自分の体が震えていたことに初めて気付いた。
全身の力が抜け、床にへたり込む。
そして―――



『己のサーヴァントに、呑み込まれた』



魔術師に付着した、飛び散ったサーヴァントの肉体を通じて。
いや、召喚されたときに繋がっていたラインを通じて。
既に『汚染』は成されていたのだ。
サーヴァントの体が殺されたことなど、なんの影響もなかった。

驚愕は一瞬。
次に絶望。
そして、それっきり彼の人間としての思考は終わった。

もう彼は『悪夢』から醒めることはない。
ただ、サーヴァントの現界の憑代として、同化し、存在するだけのものとなった。



 ■ ◇ ◆ □




ライダーは、自分達を受け入れてくれる場所を求めて、
エーテルの波を越え、旅立った。
そのはずであった。

しかし、何の因果か、別れを告げたはずの地球圏に帰還した。
『方舟』による召喚という形で。

既にヒトではなくなった自分達が必要とされていないことを理解し、
かつての同胞たちの為に、故郷を去ることを選んだ。
しかし、戻ってきた。戻ってきてしまった。
いや、違う。喚ばれたのだ。
地球の方が、自分達を喚んだのだ。

地球への帰還が叶うのかもしれない。
この世界にある地球は自分達を受け入れてくれるかもしれない。
全ての事象を演算し、記録すべき人間を選定する『方舟』が自分を『英霊』として召喚したのは、そういうことではないか?

その考えは、あまりに眩く、惹きつけられるものであった。
だから、希望に縋ってしまった。

『方舟』による地球への帰還。それが彼の、彼らの願い。
彼らは、ただ帰りたいだけなのだ。



 ■ ◇ ◆ □



マスターからの思念が届く。
『死ね』と。

ああ、自分を受け入れてはくれないのか。ならば敵か。
ライダーは、『汚染』されながらも冷静な思考で、己のマスターをそう判断した。

既に発動した令呪を覆すことは不可能。
まして『死ね』というごく単純な令呪の命令。それ故に高い強制力を持つ。
だからライダーはその命令に対し一番簡単な対処方をとることにした。

素直に従うことにしたのだ。

三回『死ね』と命じられた。
なので、律儀に三回死んだ。
心臓部と頭部の霊核を破壊し、全身の筋肉を強制的に動かして自分の肉体を潰した。
これで三回。

死んだ。
召喚されたときにエーテルで編まれた、今や懐かしく思う昔の自分。
それが死んだ。

それだけだ。





『バイド』としての自分には、何の影響も無い。





あくまでも命令者は人であるために、下せる命令も人の想像を越えることはない。
それが令呪の限界であった。
召喚者である魔術師のイメージに基づく死の命令では、
『バイドの死』を実現させることができなかったのだ。
故に、単純な肉体の破壊に留まってしまった。

そのまま肉体の残骸とラインを通じた汚染を利用して、マスターを浸食。
その体をバイド化させて乗っ取った。

ひとまずはこれで現界ができる。
次は、勝つ為の準備を整えなければ。
『バイド化』を広げ、魔力を溜め、武装を生産しなければ。
全ての敵の排除、そして『方舟』と同化し、手に入れる。
私は、私たちは、帰るのだ。



彼は、かつて軍を指揮し、『バイド』と戦い、地球の危機を救った『救世主』とも呼ぶべき者であった。
そして、その『バイド』に取り込まれ、地球への帰還を目指しかつての仲間と戦い、打ち破った。
今回の戦いは、その二度の戦いに比してもさらに寡兵での戦争となる。

矮小なサーヴァントという枠に押し込まれた自分では困難に過ぎる。
しかし、恐れることはない。
なぜなら、もうすぐ帰ることができるのだから。
あの地球へ。
あの故郷へ。

ライダーのサーヴァント、ジェイド・ロス。
彼の見る琥珀色の世界には、偽りの世界の向こうにある本物の地球が確かに映っていた。



【サーヴァントステータス】


【出典】

 R-TYPE TACTICS

【CLASS】

 ライダー

【マスター】

 不明(同化済み)

【真名】

 ジェイド・ロス

【性別】

 男

【属性】

 混沌・中庸

【ステータス】

 筋力E 耐久E 敏捷E 魔力A 幸運C 宝具EX

【クラス別スキル】

騎乗:A++(C)
 騎乗の才能。バイド化したものであれば何であれ乗りこなせる。
 本来のランクはC相当であり、特に艦船の指揮・操縦に優れる。

対魔力:A
 A以下の魔術は全てキャンセル。
 事実上、現代の魔術師ではライダーに傷をつけられない。

【固有スキル】

嵐の航海者:A-
 船と認識されるものを駆る才能。
 集団のリーダーとしての能力も必要となるため、軍略、カリスマの効果も兼ね備えた特殊スキル。
 しかし、バイド化の影響でカリスマの効果は著しく落ちている。

星の開拓者:EX
 人類史においてターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。
 あらゆる難航、難行が“不可能なまま”“実現可能な出来事”になる。

精神汚染:C++
 バイド化したことによる排他性、攻撃性。
 敵対者の排除を常に最優先する思考を持つ。
 但し軍略スキルの機能を阻害するほどのものではなく、
 また自分がバイドとなったことを自覚したことにより、それなりに理性らしきものは取り戻している。
 他の精神干渉系魔術を高確率でシャットアウトし、さらに自分に精神干渉を試みた相手に
 低確率でバイド化の影響を及ぼし低ランクの精神汚染スキルを付与する。
 嵐の航海者スキルの影響で同ランクの精神汚染がない人物とも意思疎通は不可能ではなくなっているが、難しい。

【宝具】

『人工の生ける悪魔(バイド)』

ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
 人類が生み出した悪夢。 覚めることのない悪夢。
 26世紀の人類が建造した惑星級の星系内生態系破壊用兵器のなれの果て。
 超集束高エネルギー生命体の一種で、物質と波動の性質を併せ持ち、
 あらゆる物や空間、人の精神にすら伝播し、融合し、捕食する。
 この宝具による同化を『バイド化』と呼び、ライダー自身もバイド化している。
 ライダーはバイド化したあらゆるモノを操り、またそれらから魔力の供給を受けることが可能である。
 生物ではない、単なる物質をも魔力として還元できる。
 さらにバイド化そのものが陣地作成:Aと道具作成:Aとの同等の機能を果たし、
 バイド化した領域内ではライダーに対し大幅な戦闘補正がかかり、
 内部のモノにバイド化の影響を与え、様々な小型バイドを生産することができる。
 バイドの本体は異相次元に存在し、本来は同じバイドを兵器転用したフォースか
 波動兵器を用いらなければ破壊はできないが、
 サーヴァントの宝具という形に当てはめられているために大幅に機能が制限されている。
 高位の神秘を宿すモノに対しては浸食の速度が落ち、またそれによるバイドの破壊が可能である。

『悪夢率いる紅き船(コンバイラ)』

ランク:A++ 種別:対宙宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
 型式番号B-BS-Cnb、暴走戦艦コンバイラ。
 強力な艦首砲と小型バイドを内部に収納する複合武装体。
 バイド軍の旗艦であり、ライダーが騎乗する宝具であり、
 またライダーそのものともいうべき宇宙戦艦。
 絶大な攻撃力を有するが、あまりに巨大かつ異質であるために
 通常の宝具とは異なり実際に建造する必要がある。
 相当の範囲をバイド化させて陣地を造り、
 時間をかけて陣地内の物質を変異させ建材とすることで建造が可能となる。
 建造された『悪夢率いる紅き船』は、更に物資を投入することにより
 更なる変異を遂げる可能性がある。

【Weapon】

 バイド化したあらゆるモノを武器として操ることができる。
 また、生産したバイドを武器として投入可能。

【人物背景】

 遥か未来の地球において、地球軍の司令官を務めていた若き提督。
 地球に攻め込んできた『バイド』なる生命体群を駆逐し、その中枢を破壊した。
 しかしそのときバイドに捉えられ、自らもバイドと化してしまう。
 そのことに気付かずに地球に帰還すべく進路をとり、
 バイドから地球を守ろうとするかつての味方を撃破し、帰還に成功する。
 しかし、地球の水に映る自分達の姿を見て、気付く。
 地球には自分達を受け入れてくれる人も場所も無いことを悟り、
 最後に地球の光景を心に刻み、星の海へと旅立った。

【サーヴァントの願い】

 自分達を受け入れてくれる地球への帰還。

【基本戦術、方針、運用法】

 クラスはライダーであるが、バイド化による陣地作成と手駒の生産は、その実キャスターの戦闘法である。
 どこでも任意で汚染し、陣地にできる点で通常のキャスターに勝り、
 さらに魂喰いに限らずあらゆるモノを魔力として吸収できるため
 補給供給の拠点としての能力は抜きんでている。

 しかし、バイド化の能力が著しく弱体化しているのがネック。
 人間ならともかくサーヴァント相手であれば原作みたいにあっという間に汚染されるということはなく、
 捉えてじっくりねっとり時間をかけて染めるくらいのことをしないと致命的な領域までバイド化させるのは難しい。
 宝具を汚染するのはさらに難易度が上がるし、宝具はおろか
 対魔力を貫通できれば魔術でもバイドに有効打を与えられる。
 小型バイドや既存のモノを汚染して乗っ取った程度のものであれば
 サーヴァント的には差し向けられても然程脅威となる敵ではない。
 対サーヴァント性能としては『この世全ての悪』と性質は似るが、かなりの下位互換と化している。
 マスターに対しては逆に『この世全ての悪』よりも速やかに汚染が可能なのだが。
 また、常時発動型の高位の宝具と化しているため、燃費が劣悪。
 それでも何でも魔力にできるという破格の性能であるため十分な陣地がある限り問題無いのだが、
 それなりの宝具で陣地の大部分を焼き払うと一気に魔力の枯渇での消滅の危機に陥る。
 バイド化で陣地を広げるのは基本戦術であると同時に兵站の生命線そのものである。
 人間相手の性能は高いため、効率よく陣地を広げ、小型バイドでサーヴァントを足止めしつつ
 マスターの汚染を狙うのがいいだろうか。敵マスターが陣地に踏み込もうならまず確実に汚染できる。
 ルーラーのペナルティ?何とかして汚染しろ。

 ライダーが騎乗兵らしく戦えるのは『悪夢率いる紅き船』を建造してからだが、
 必要なリソースが膨大なのでかなり難しい。
 広大な陣地を確保し、複数のマスターを汚染してサーヴァント共々手駒にして敵の襲撃への備えとし、
 そのうえで建造にとりかかれば一応不可能ではない。
 建造に成功すれば貧弱な攻撃力が一気に改善するので狙う価値はある。

【方針】

 敵対者は全て排除。
 『方舟』をバイド化し同化することを狙う。



【その他】

○魔力A?対魔力A?未来の兵器なのに高くない?
 バイドは魔道力学までも投入して作られている。
 魔術関係も隙が無い。多分。
○提督はマスターの体を乗っ取った状態である。
 なので現在は実体がある。
 もちろん体が破壊されればバイドとはいえマスター不在で消える。