「キャスターのサーヴァントとして現界した、走り鳰っス。情けない三下サーヴァントで申し訳ないスけど、よろしくお願いするっス」

灰色の雲、灰色のビルに囲まれたマンションの階段で、金髪の少女が仰々しくお辞儀をしながら目の前の幼い少女に話しかける。

「いやー、ウチを引くなんてマスターは運が悪いっスね~。まあ、狂暴なバーサーカーを引くよりはマシだと思うっスけど」

走り鳰と名乗った少女は、目を丸くして押し黙っているマスターには意を介さず、身ぶり手ぶりを交えながら話し続ける。

「ただ、ウチ弱いっスからねぇ。マスターも戦えそうにないし、ああ!!もうダメっスか。万事休すっスか!」

突然頭を抱えて、うずくまる鳰を見て、青い髪の幼いマスターは戸惑い、うろたえる。
しばらく、動きを止めた後、何事もなかったように起き上がると、鳰はマスターに笑いかけた。薄暗いコンクリートの階段で、二人はしばらく無言で立ち尽くす。

「やっぱり、都会は怖いのん」

少し緊張がほぐれたのか、口ごもっていたマスターが一言つぶやいた。それを聞いて、若干オーバーな演技で、鳰は手を頭に当て、あちゃー、と顔をしかめる。

「いやー、怖がらせちゃったみたいで申し訳ないっス。ウチはマスターの味方っスから、怖くないっスよ。それじゃあ改めて、マスターのお名前、伺ってもいいスか?」
「宮内れんげ」
「れんげさんっスか、良い名前っス」
「れんちょんでいいのん」

鳰から若干身を引きながら、マスター、宮内れんげは不満げに呟いた。
うんうん、と頷きながら、鳰は再び口を開いた。

「じゃあ、れんちょんの願い、聞いちゃってもいいっスかねぇ。どんな願いでも引いたりしないっスから。どうぞ」
「…願い?」
「えっと、願いは……あるっスよね」
「特にないのん。ここ、どこなん?」
「……何も知らないで参加してたんスね」

しばらく押し黙って、鳰は空を見上げた。うっすらと雲が割れ、光の線が街には走っていた。再び顔をマスターに向けて、鳰はやさしく、答えた。

「月っス。お月さまっスよ」




鳰はやさしく、聖杯戦争についてれんげに教えた。方舟のこと、令呪のこと、隠すことなく伝えた。
もっとも、早口で言ったこともあり、ほとんど理解はしてもらえなかったのだが。

「ここには姉ねぇもいない。お家に帰りたいのん」
「れんちょんは怖がらなくても大丈夫っス。ウチがなんとかするっス」

れんげの頭を撫でながら、鳰ははっきりと言い切った。

「ウチは忠誠心だけは自信があるっスよ。それ以外は駄目駄目っスけど。ステータス見えるっスか?」
「なん?」
「ウチの方見て集中したら、何か見えないっスか?」
「見えるん。Eが多いのん」
「おお、英語分かるっスか。Eは一番弱いってことっスよ」
「うちら、弱いん?」
「そうっス。三下っスから」

マンションの一角に笑い声が溢れた。ひとしきり、話が終わり、鳰は最後に疑問をなげかけた。

「そういえば、れんちょんはどうやって記憶を取り戻したっスか?」
「ウチ、田舎なのん。こんなに人、いないのん」

目の前の灰色の景色を眺めながら、れんげがさびしそうに言った。さらに続けようとするのを遮るように、肩を叩きながら、鳰が割り込む。

「じゃあ、さっさと終わらせてお家に帰るっス。全力でサポートするっスよ」

【マスター】
宮内れんげ@のんのんびより
【参加方法】
ゴフェルの木片を偶然山で拾う
【マスターとしての願い】
家に帰りたい
【weapon】
なし
【人物背景】
田舎の小規模な学校に通う小学一年生。学校は生徒が少なすぎて小中全学年が一つの教室にまとめられている。
語尾に「のん」がつくなどの変わったしゃべり方をする。「にゃんぱすー」とあいさつするなど、独特な感性を持っているが、頭は悪くない。
三姉妹の末っ子で、青髪のツインテールを黄色いリボンでまとめている。
【方針】
なし

【CLASS】
キャスター
【真名】
走り鳰@悪魔のリドル
【パラメーター】
筋力E 耐久E 敏捷E 魔力B 幸運D 宝具D+
【属性】
混沌・中立
【クラススキル】
 陣地作成:D
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
  魔術的な陣地に加えて、裁定者としての経験から、
電子機器を組み合わせた自身に有利な空間を作成可能。
 道具作成:E
 魔術的な道具を作成する技能。
 オカルトに詳しいだけのキャスターはおまじない程度の効果しか付与できない。
【保有スキル】
現代技術:D
 現代技術に精通したキャスターは機械的な罠や監視装置に精通している。
 電子機器の調達、整備、設置が可能。
話術:E
 言論によって人を動かす才能と技術。
 相手に親しみを持たせ、会話や交渉を比較的円滑に行える。
気配遮断:E
 サーヴァントとしての気配を絶つ。隠密行動に適している。
 裁定者として多くのアサシンを観察してきた経験による見よう見まねで、ほとんど効果はない。
【宝具】
『ミョウジョウ学園黒組の裁定者』(ルーラー オブ アサシン)
ランク:D+ 種別:対軍宝具 レンジ:5~10 最大補足:12
ミョウジョウ学園黒組の裁定者としての経験、権限が宝具となったもの。
学園内のセキュリティに対して特権を持ち、隠し通路や監視カメラを自由に扱える。
ミョウジョウ学園外では以上の効果が無効となる。
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「さて、これからどうするっスかねぇ」

近くのマンションの一室にマスターを置いて、鳰は外へ出る。ポケットに手を入れて、武器を確認する。あるのは拳銃とナイフ程度。
いったいこれらがどの程度役に立つのか。

「ウチは強くないっスから、人に頼らないと、ねぇ」

周囲に人がいないことを確認して、立ち止まり、“偽装されていない”ステータスを見る。

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運D 宝具B-

「偽装しなくても弱いってどういうことっスか。兎角さんを強くしたような化け物とやりあっていたら、流石のウチでも死んじゃうっスよ」

首を振りながら、やれやれと再び歩き出す。探すは毒、武器、罠の道具、そして―――

「どこかにいい手駒でもいないっスかねぇ。ふふ、面白くなってきたなあ」

魔術師(キャスター)の暗殺者は邪悪な笑みを浮かべながら、マスターを残して、闇に消えた。

【CLASS】
キャスター
【真名】
走り鳰@悪魔のリドル
【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運D 宝具B-
【属性】
混沌・中立
【クラススキル】
陣地作成:B
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 “工房”の形成が可能。
 科学技術を組み合わせた幻術発動に適した陣地を作ることに秀でている。
道具作成:C
  魔術的な道具を作成する技能。
  特に幻覚性の毒物の調合、またそれを使用した器具の作成に特化している。
【保有スキル】
現代技術:B
  現代技術に精通したキャスターは武器や機械的な装置に精通している。
  武器の取り扱いや機器の調達、整備、設置が可能。
話術:B
 言論によって人を動かす才能と技術。
 相手の警戒心をほどき、交渉や会話に有利な補正を得られる。
気配遮断:C
 サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
 完全に気配を断てば発見する事は難しい。
【宝具】
『ミョウジョウ学園黒組の裁定者(ルーラー・オブ・アサシンズ)』
ランク:D+ 種別:対軍宝具 レンジ:5~10 最大補足:12
ミョウジョウ学園黒組の裁定者としての経験、権限が宝具となったもの。
学園内のセキュリティに対して特権を持ち、隠し通路や監視カメラを自由に扱える。
ミョウジョウ学園外では以上の効果が無効となる。
さらにステータスの隠蔽、偽造を可能とするが、ランクB以上の看破系スキルによって無効化される。

『幻覚迷宮(ハルシネーション・ラビリンス )』
ランク:B- 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大補足:1
高位の幻術によって、自身の姿や声を錯覚させる秘術。
葛葉一族としての暗殺術。相手に幻覚を見せ、自身を別人と錯覚させることで暗殺、洗脳を行う。
幻覚性の毒物や催眠作用のある光を出す装置などを用いるため、専用の陣地外では効果が落ちる。
【weapon】
「拳銃」
小型のマガジン式拳銃
「ナイフ」
特徴のない刃の長いナイフ
【人物背景】
ミョウジョウ学園黒組出席番号10番。1人の女子高生を殺すために12人の女子高生が集められるミョウジョウ学園黒組。
その中で暗殺のルール通達、監視の役割を負っていた金髪の身長の低い少女。人懐っこくて噂話が大好きなお調子者。
その正体は東の東(アズマ)、西の葛葉と称される暗殺に関する名門一族の一人(養子)。全身に催眠を誘発するタトゥーがあり、人前で服を脱がない。
ミョウジョウ学園の理事長に忠誠を誓っている。
【サーヴァントとしての願い】
聖杯戦争を楽しむ
【基本戦術、方針、運用法】
ステータスは低いが、偽装宝具と話術で人畜無害を装い接触し、幻覚・洗脳宝具で暗殺、もしくは自身の手駒を増やすことで勝ち筋を得られる。
できるかぎり、この聖杯戦争が楽しくなるよう、引っ掻き回す。