アルヴィス&ランサー ◆jb1z7kQ0l2


ポッカリと空に浮かぶ満月に並ぶように、さながらバベルのように高層ビルが起立する。
その建築途中の高層ビルの名は神殿(シュライン)。
この神殿を建築するため土地は整理され、周囲には鏡のようにまったいらな地面が広がっていた。
遮るものもなく吹きすさぶ強い風に、目を引くような赤いマントが翻り、焔のような赤い髪が揺れる。
月光が長い影を地面へと落とすシュライン前。そこに立っていたのはその場に似つかわしくない壮齢の魔術師だった。
その身形は彼が高貴な身分であると一目で分るほどの品格を漂わせており、ある種の近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
だが、立ち尽くすその表情はどこか暗く、かつて精悍であったろう顔は苦労が滲むように影を帯び、眉間に刻まれた苦悩の証は深い。

魔術師の名はアルヴィス。
炎の聖戦士ファラの血を引くヴェルトマー公爵家の当主にして、グランベル帝国の初代皇帝その人である。

アルヴィスは袖を捲り自らの右腕を見つめる。
そこには火傷のような炎の紋章(ファイアーエムブレム)がある。
左腕に刻まれたファラの聖痕と対になるように描かれたそれは、マスターの証である三画の令呪である。
コンクリートで打ち付けられた高層ビルの立ち並ぶこの世界は、彼が生きている世界とは余りにも違いすぎた。
故に違和感を覚えるのも早く、燃えるような痛みと共に炎の聖戦士は目覚めたのだ。

彼が『ゴフェルの木』を手にしたのは苦悩の時だった。
息子であるユリウスが暗黒神ロプトウスとして覚醒し、妻であるディアドラを殺害。娘であるユリアも行方不明となった
自らの力では暗黒神に対抗することもできず、暗黒教団のいいように帝国を蹂躙されて行く。
なすすべもなく、発狂するほどの苦悩の末に、それは神が舞い降りたダーナ砦の奇跡の様に、木片は迷える彼の元に訪れた。
それは救いの手か、それとも更なる悪夢への誘いか。
それすらも分からぬまま、アルヴィスはその木片(きせき)に手を伸ばした。

そして今、彼はこの月の聖杯戦争の舞台に立っている。
マスターとして目覚めた以上、令呪の導きに従いサーヴァントの召喚を執り行う事に迷いはない。
地に描かれた魔法陣が燃え上がるように輝きを帯びる。
アルヴィスは直系としてファラの血を受け継ぐ最高レベルの魔術師である。
そのアルヴィスでさえこの奇跡には息を呑んだ。
光の陣の中心に奇跡の具現(サーヴァント)が降臨する。

「お前が、サーヴァントか…………?」

おずおずとアルヴィスが問いかける。
召喚に応じ、現れたのは黒い影のような男だった。
ダークスーツに身を包み、垂れさがる漆黒の髪は片目を隠すように覆っている。
何より目に付くのは男の表情を隠すような仮面だった。仮面の奥より覗く眼光は暗い輝きを帯びている。

「ああ、その通りだマスター。
 仮面の無礼は許してほしい。昔ある戦いで傷を負ってしまってね」

物腰は柔らかく、その立ち振る舞いからは品性すら感じられるが、男から漂う影のような陰湿な印象は拭えない。
その両腕には逆手に構えた双剣が握られている。
そこからアルヴィスはセイバーを連想したが、見れば腰元にはホルスターに収められた対の双銃が覗いている。
聖杯より与えられた知識により銃がどういうものであるか理解している。
そこから考えればアーチャーである可能性もあるだろう。

「お前はセイバーか? それともアーチャーか?」
「いや、私はそのどちらでもないよマスター」

だが、その認識は当の本人に否定された。
サーヴァントの口から語られたクラスはそのどちらでもなかった

「私は――――ランサーだ」
「ランサー? 装備に槍は見受けられないが……?」

剣や銃のほかに大槌らしきモノも見えるが、肝心の槍らしき装備はどこにも見当たらない。
その疑問の視線を感じ取ったのか、ランサーは答える。

「それは私の宝具に関係している。 
 制限のある宝具であまり多用できるものでもないのでな、申し訳ないがこの場で私の槍をマスターにお見せることはできない」

その言葉にふむとアルヴィスは思案する。
戦力の確認は確かに重要だが、確認のためだけにおいそれと切り札を消耗されても困るのもまた確かだ。

「いいだろう。宝具の槍がなくとも戦闘は可能なのだな?」
「勿論だマスター」

ランサーは双剣を揺らし応える。
確認できるステータスもセカンドランクの水準は満たしており悪くはない。
アルヴィス自身が最高ランクの魔術師であるという点も考慮すれば、戦力面での不安はないだろう。

「ならば、せめて聖杯に託す願いだけは聞いておこう」

サーヴァントである以上、召喚に応じた願いがあるはずだ。
目の前のサーヴァントがどのような願いを託すのか聞いておかねばならない。
互いの願いが相成れないものであれば、土壇場で関係性が崩れることもありうる。
ランサーはその問いかけに、何の躊躇もなく静かにただ淡々と答える。

「――――生まれ変わりだ。
 私は聖杯に願い、私は私として生まれ変わり人生をやり直す」

分りやすいと言えば分りやすい願いだ。
サーヴァントは死者である、そのことを考えれば第二の生を望むのはそれほど珍しくもないだろう。

「失礼かと思うが、こちらからも同じ問いをしておきたい。マスターの願いについて」

逆に問いかけられた言葉に、アルヴィスは僅かに言葉を躊躇った。
望みを語るという事は自らの恥部を語るに等しい。
あまり大ぴらに語るのは憚られるが。

「私は何としても願いを叶える。途中で諦められるような半端な決意では困るのでな」

静かに、だが否定を許さぬようにランサーは言う。
それは言外に、勝利を諦めることなど許さないと言っていた。
そのあまりにも真っ直ぐすぎる意思には、どこか狂気すら感じる。
ここで答えを渋れば信頼関係に亀裂が入るだろう。

さらに眉間の皺を深くしながらアルヴィスはランサーへの語りかける。
己の願いとそれに纏わる顛末を。



【名前】

アルヴィス

【出典】

ファイアーエムブレム ~聖戦の系譜~

【サーヴァント】

ランサー

【人物背景】

十二聖戦士の一人、魔法戦士ファラの血を引くヴェルトマー侯爵家の当主にして最強の炎魔法ファラフレイムの後継者。
アルヴィスの母であるシギュンはロプト皇帝の弟であるマイラの子孫であり、傍系ながら暗黒神ロプトウスの血を受け継いでいた。
それ故、シギュンは精霊の森に隠れ住んでいたのだが、ヴェルトマー公爵であるヴィクトルの求愛を受け、外と関わってはならないという掟を破りその妻となる。
ヴィクトルはシギュンを愛するあまり軟禁のような生活を強いり、妻に本当に愛されているのかという不安から気を紛らわせるため多くの愛人を抱え込んだ。
このヴィクトルの女癖に心痛めたシギュンは、ヴィクトルの主君であるクルト王子に相談を持ち掛け、クルトも彼女を哀れに思い次第に愛し合う様になってゆく。
そしてこの事実を知ったヴィクトルがシギュンへの当てつけに自害。アルヴィスは7歳にして神器ファラフレイムと共にヴェルトマーの家督を受け継ぐ事となった。
家督を継いだアルヴィスは数多くいた異母兄弟を全て家臣に落とすか追放へと追いやる。
だが母や自分に尽くしてくれた下女と、ヴィクトルが酒に酔った勢いで彼女に生ませた弟アゼルだけは追放することができず家族として手元に置いた。
その後、若くしてグランベル帝国の近衛軍指揮官を務めるなどの才覚を見せるが、暗黒神復活を目論むロプト教団に見つけられ接触を図られる。
暗黒神復活に協力する気はないが、己の血と暗黒教団の存在を認め、彼らと手を結びグランベルの乗っ取りを画策。有力諸侯を陥れ、その全てを死に追いやった。
ロプト教団の大司教マンフロイが見つけてきた暗殺されたクルト王子の落胤ディアドラの夫となり、現王の亡き後グランベル王国を継いだ。
そして南トラキアを除く周辺諸国を圧倒的武力で制圧しグランベル帝国を建国、初代皇帝となる。
炎の聖戦士ファラと闇の聖戦士マイラの血を受け継ぐ者として「差別のない、誰もが住みやすい世界を作る」という理想の元、賢王として務める。
だが息子であるユリウスが暗黒神ロプトウスとして覚醒。妻ディアドラはユリウスの手によって殺害され、長女ユリアもその魔の手にかかろうとしたが最後の力を振り絞ったディアドラの力により難を逃れる。
暗黒神の力を得たユリウスを抑え込むことができず、帝国の実権を握られ、暗黒教団の台頭を許してしまう。
これによりグランベル帝国は子供狩りや圧政が蔓延る暗黒時代に突入する。
暗黒神に逆らうこともできずお飾りの皇帝となったアルヴィスは、かつて反逆者の汚名を着せて処刑したシグルドの息子セリスに保管していた聖剣ティルフィングを授け、自ら討たれることを望んだ。
暗黒神ロプトウスの血を引く故にその運命に振り回された男であった。

【weapon】

ファラフレイム

【能力・技能】

魔法戦士ファラの血を引く最強レベルの炎魔法使い。
マスターでありながらヴォルトマー家に継承される神器ファラフレイムを宝具として持つ。

カリスマ:大部隊を指揮する能力。周囲の味方に支援効果を与える
見切り:相手の攻撃スキルを無効化する
大楯:一定確率で敵の攻撃を完全に防ぐことができる

【全て塵芥とす神の日輪(ファラフレイム)】

ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:20人
天より太陽のごとき灼熱が降り注ぎ敵を塵芥とする最強の炎魔法。
魔法戦士ファラの直系のみが扱える神器。
装備するだけで魔力、耐久、対魔力が1ランク向上する。

【願い】

覚醒前にユリウスから暗黒神ロプトウスを消滅させる。


【クラス】

ランサー

【真名】

ヴィクトル(ルドガー・ウィル・クルスニク)

【出典】

テイルズ・オブ・エリクシア2

【マスター】

アルヴィス

【属性】

秩序・中庸

【ステータス】

筋力:B 耐久:C 敏捷:B 魔力:C 幸運:E 宝具:A+

【weapon】

断命剣アトロポス、紡命銃ラケシス、割命槌クロートー

【クラススキル】

対魔力:C
 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

【固有スキル】

無窮の武練:B
 剣、銃、槌といった、あらゆる武器を使いこなす才能。
 初めて手にした武器でも十全に使いこなすことができる。

共鳴(リンク):B
 戦闘時に魔力の波長を共鳴させ、動きをリンクさせる技術。
 互いの動きが把握できるようになり連携力が強化される。
 能力補正を共有する事ができるが、バットステータスも共有してしまう。

ミラーリング:A
 共鳴した相手のスキルを模倣し使用する能力。
 その人物しか持ちえないユニークスキル以外なら、ほぼ全てのスキルを模倣できる。

変身:A+
 クルスニク一族が時空を司る大精霊クロノスに与えられた力。
 天性の才能に加え、父と兄より奪い取った時計を使用して最高ランクのフル骸殻に変身できる。

【宝具】

『血に染まりし最強の骸殻能力(ヴィクトル)』

ランク:A+ 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
時空の大精霊クロノスによって与えられたクルスニク一族に伝わる変身能力。
能力者は特別な時計を持って生まれ、その時計に埋め込まれた術式を解放させ能力を発動する。
骸殻を発動させた者は分史世界への進入が可能となり、時歪の因子(タイムファクター) を破壊する力を得る。
発動中は幸運以外の全ステータスが2ランク向上。異なる世界で生み出された存在に対して破壊判定を得る。
変身は20ターン維持されるが、ダメージを受けると持続時間は減少する。
非常に強力な力だが、代償として時歪の因子となるリスクを負うこととなる。
一定以上時歪の因子化が進めば全パラメータが低下、限度を超えると時歪の因子となり消滅する。

【発動後ステータス】

筋力:A+ 耐久:A 敏捷:A+ 魔力:A 幸運:E 宝具:C+

【人物背景】

分子世界におけるテイルズ・オブ・エクシリア2の主人公ルドガー・ウィル・クルスニクの未来の姿である。
ヴィクトルとは最強の骸殻能力に与えられる称号であり本名ではない。
一人娘であるエル・メル・マータが一族の中でも数代に一人という確率で生まれるクルスニクの鍵であることが判明。
その力を利用しようとする実父ビズリー・カルシ・バクーの手によってエルが浚われ、救出のためビズリーの殺害を決意。
それを阻もうとした、かつての仲間たちと実兄ユリウス・ウィル・クルスニクをビズリー諸共殺害する。
力を使いすぎた代償として既にその身は手遅れなほどに時歪の因子化が進行しており、消滅は間近だった。
その後、エルを利用し正史世界のルドガーに成り代わって、どんな願いでも叶うというカナンの地に辿り着く計画を実行。
既に手遅れなほどに時歪の因子化が進行した我が身を捨て生まれ変わり、妻と娘と共に人生をやり直すことを望んだ。

【願い】

妻と娘と共に転生し、人生をやり直す。