∇         ∇         ∇

――3/5 金 午前


春の日差しが柔らかく降り注いでくる…

遠くから聞こえる歓声、
 まだ少し冷たい風…

仲間たちと守った、この世界…

少し眠気が差してきた…

「ありがとう…
 本当に…」

「疲れたでしょう…?」

「今はゆっくり休んで…
 私はずっと、ここにいるから…」

たくさんの足音と、耳慣れた声が、
 近付いて来る…

「みんなとも、
 すぐに会えるから…」

うららかな陽射しに、
 ■■■■の声が優しく重なる…

だんだん眠くなってきた…

…目を閉じますか?

   >目を閉じる
   ……。


     ∇         ∇         ∇

来る筈だった“世界の終わり”を覆し。
死に選ばれた少年は力の全てを使い果たして、少女に見送られながら永い眠りにつく。

――その、筈だった。

     ∇         ∇         ∇


――?/? ? ???



「……マスター? 起きてくださいます?」

目を瞑った闇の中で、ふと声が聞こえた。
 そして閉じた瞼越しに、不意に光が射しこんでくる…

   目を開く
   >それでも閉じたまま

「マスター? あのー? もしもーし?」

しきりに自分を呼ぶ声が聞こえる…

   目を開く
   >意地でも閉じたまま

「……起きろって言ってるでしょうがー!」

思い切り体を揺さぶられ、地面に頭を叩きつけられている…
 …どうやら、眠っているわけにはいかないようだ。

…だるかった体が、妙に軽い。
 疲れも取れている気がする…

どのような運命の悪戯か。
二度とその瞳を開かないはずだった“彼”は、月に依る方舟の中で目を覚ました。
しかし枕元にいたのは『彼女』の姿ではなく、

「あ、やっと起きましたねマスター!」

和装ピンクな狐娘だった。

     ∇         ∇         ∇

「まったくもー、ぐっすりしすぎですよマスター!
 確かに寝る子も三年、と言いますが…あれ、なんか違うような?」

   誰?
   >あと五年

「五年ぅ!?
 三年寝太郎もビックリですよ!」

   >ところで誰?
   うるさいな

「むっ、よくぞ聞いてくれましたっ!」

目の前の狐娘はやけに意気込んでいる…

「謂れはなくとも即参上、軒轅陵墓からかわいいキャスターちゃんのデリバリーに参りましたっ!
 ……ん? あの、マスター? リアクション薄くないですかー?」

   キャスター?
   >どうでもいい

「ど、ど、ど、どうでもいいですとっ!
 こんな美少女英霊をつかまえて『どうでもいい』と申しますかっ!」

…どうやら、憤慨させてしまったようだ。

「信じられません!
 マスターは女の子の心がわかってないんですか!」

   >素直に謝る
   これでも七人以上の女の子がメロメロだ

「……むぐぐ。そこで素直に謝られると少し弱いですね。
 まぁ、長い聖杯戦争を一緒に勝ち抜くパートナーなんですから、このくらいは見逃してあげましょう。
 心が広いのもいい女の子の条件ですからねっ」

どうやら、許してもらえたらしい。
 …ところで、聖杯戦争とはなんなのだろうか。

「え、聖杯戦争を知らない?
 またまたー、知らずにここに来ちゃっただけならともかく、こうやって私が召喚された段階で聖杯戦争のことが頭の中に入ってないわけがないじゃないですかー。
 マスターも予選突破して来たんでしょ?」

…?
 予選など突破した覚えはないが…

「……覚えがない?
 えーと、それマジで言ってますかマスター?」

    >マジもマジ
    ごめん、嘘

「……聖杯戦争のことだけならともかく、予選の記憶すらない?
 ……すいません、マスター。あなた、いったいどうやってここまで来たんです?」

…とりあえず、ここまでの経緯を話すことにした。

     ∇         ∇         ∇

「ふーむ。今まさに死にかけているところで、気付いたらここに放り込まれていた、と。
 記憶の混濁もそういうことなんですかね?
 そういうことならばこのキャスター、わかりやすく簡単に説明させていただきましょう!」
「いいですか、聖杯戦争とは!
 なんでも願いを叶えられる万能の願望機たる『聖杯』!
 その聖杯に選ばれたマスターが、古今東西全世界の英霊たるサーヴァントを呼び寄せて使い魔とし血で血を洗うサバイバルバトルな一大イベントなのです!」

サーヴァント…要するに、目の前の狐っ娘がそうだということだろうか。

「そう! データの海からはるばると降臨したキャスターのサーヴァント、それが私です!
 サーヴァントとは、聖杯戦争に際して召喚される特殊な使い魔。
 過去・現在・未来に存在する英雄の魂が聖杯の助けによりマスターに召喚された存在であり、そのそれぞれが正体である『真名』を持ちます。
 ……あ、私の真名は聞かないでくださいね?」

…ペルソナのようなもの、ということでいいのだろうか。
 そして、聖杯とは…

「ええ、お答えしましょう!
 先ほど話した通り、万能の願望機です!
 この場合はムーンセルの改竄能による世界の書き換えですが……願いを叶えるという効果に違いはありません!
 ええ、どのような願いでも叶えてみせますとも!」

    それはすごい
    >どうでもいい

「これもどうでもいいってどういうことですか!
 願望機ですよ! 万能の願望機! なんでも願いが叶うんですよ!
 憧れのあの子のハートから世界の果てのお宝までゲットだぜってもんですよ!」

    >別に願ったわけでもないし…
    そう言われても

「願いなんてないとおっしゃりますか!
 なんです、今流行りの草食系男子って奴ですか!?」

…そもそも力尽きかけていたわけだし、願いと言われても正直思い付かない。

「そこですよ!
 死にかけてたんですから復活とか願わないんですか!?」

    >死を怖がりはしない
    どうでもいい

「草食系を通り越して幽霊系男子!
 うう、こんなマスターに呼び出されるなんてついてません……」

…ひどく落ち込んでいるようだ。

    >キャスターにはなにか願いがあるのか
    無視してもう一度寝る

「……私の願い、ですか?
 ありますよ、そりゃあります!」

    >キャスターの願いに手を貸す
    どうでもいい

「……へ?
 い、いや、願ったり叶ったりなんですけど、いいんですか?
 私の願いが何なのかさえ聞いてないですけど」

    良ければ聞かせて欲しい
    >どうせ暇だった

「……なにか釈然としないものは感じますが、もらえるものはもらっておくのが主義です。
 もう一度聞くけどいいんですか、マスター? 後戻りとか基本的にお断りですよ?」

    構わない
    >どうでもいい

「くうう、クールぶって!
 ……ま、それじゃよろしくお願いしますね、マスター?
 コンゴトモヨロシク……ってやつですかね?」

     ∇         ∇         ∇

時は、待たない。
すべてを等しく、終わりへと運んでゆく。

限りある未来の輝きを、守った者よ。

聖杯戦争――
その与えられた時を往くがいい。

己が心の信ずるまま、
偽りの日々にも、揺るぎなく進むのだ――

     ∇         ∇         ∇



【CLASS】
キャスター
【真名】
玉藻の前
【属性】
中庸・悪
【ステータス】
筋力E 耐久E 敏捷B 魔力A 幸運D 宝具B
【クラス別スキル】
 陣地作成:C
  魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
  が、どうも性格的に向いていないらしく、工房を作る事さえ難しい。
 道具作成:C-
  魔力を帯びた器具を作成できる。
  が、作る道具によって出来がまちまちであり、苦手な分野の道具はまともに使えない。
【固有スキル】
 呪術:EX
  ダキニ天法。
  地位や財産を得る法(男性用)、権力者の寵愛を得る法(女性用)といった、
  権力を得る秘術や死期を悟る法がある。
  しかし過去さんざん懲りたのか、あまり使いたがらない。
 変化:A
  借体成形とも。
  玉藻の前と同一視される中国の千年狐狸精の使用した法。
  殷周革命(『封神演義』)期の妲己に憑依・変身した術だが、
  過去のトラウマからか、あまり使いたがらない。
【宝具】
『水天日光天照八野鎮石(すいてんにっこうあまてらすやのしずいし)』
 ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:3~30 最大捕捉:100人まで
 玉藻の前が身につける鏡。
 呪詛によって常世の理を遮断した結界で、この結果以内ではあらゆる呪力行使コストがゼロになる。
 本人の霊格が落ちている為、ランクも下がっている。
 本来ならEXランクの対界宝具。EX時の範囲は一国を覆うとされる。
 キャスターの扱う呪術は、すべてキャスター自身の体を使って行われる物理現象だ。
 通常の魔術は、“そこにあるものを組み替える”プログラムだが、
 呪術は“自身の肉体を素材にして組み替える”プログラム。
 「今回はムーンセルからの制約で一つしかありませんが、
 本来なら多数の尾から百万の軍勢を生み出せるのです!」
 とはキャスター本人の弁。実に眉唾である。
【Weapon】
『呪術』
 キャスターの扱う呪術は、すべてキャスター自身の体を使って行われる物理現象である。
 通常の魔術は、“そこにあるものを組み替える”プログラムだが、
 呪術は“自身の肉体を素材にして組み替える”プログラム。
 「今回はムーンセルからの制約で一つしかありませんが、
 本来なら多数の尾から百万の軍勢を生み出せるのです!」
 とはキャスター本人の弁。実に眉唾である。
『常世咲き裂く大殺界(ヒガンバナセッショウセキ)』
 殺生石を用いたキャスターのスキル。
 玉藻の前が死後石に変じたものを“殺生石”と言い、これはたいへんな呪毒を帯びた石で、
 近づく人や獣を中毒死させた。
 本来は栃木の那須高原にあったが、後に玄翁和尚という高僧によって砕かれ、
 日本に三箇所ある高田という場所に飛散した。
 また、この際に飛散した残りはオサキ狐や犬神となり、各地の使役術師に使役される
 使い魔となったという。
『呪法・玉天崩』
 「敵に筋力による貫通ダメージを与える」という、キャスターにあるまじき接近戦技。
 一見キワモノ技に見えるが、キャスターの行う呪術の中では貫通ダメージもあってかなり強力。
 その分魔力も相応に消費するが。
 具体的になにをやっているのかは、「男性相手にはクリティカル確定」という追加効果で察してほしい。
【人物背景】
 平安時代末期、鳥羽上皇に仕えた絶世の美女。
 白面金毛九尾の狐が化けた姿とも言われている。
 幼名は藻女(みずくめ)。
 十八歳で宮中に仕え、のちに鳥羽上皇に仕える女官となり、
 玉藻の前(たまものまえ)と名乗った。
 その美貌と博識から次第に鳥羽上皇に寵愛されたという。

 諸説様々だが、その後、鳥羽上皇は病に伏し、
 その原因を調べた陰陽師によって狐の正体を暴かれ、宮中から追い払われた。
 宮中から去った後は那須野で悪名を重ね、
 上皇からの命によって八万もの討伐軍を派遣されるもこれを撃退。
 二度目の戦いにおいて人間に敗北するも、
 その骸は毒を放つ石になったと言われている。
【サーヴァントとしての願い】
……???
【方針】
願いを叶える?
【基本戦術、運用法】
やはり本領は呪術による魔術戦にある。
キャスターとしてはかなり高い方である敏捷ステータスや「呪法・玉天崩」、強化の術によって対魔力を持ったサーヴァント相手にも接近戦で戦えないわけではないが、
「対魔力を持ったサーヴァント」=「三騎士を筆頭にする接近戦ガチ勢」である為分が悪いのには変わりない。
できるだけ戦闘は避けたい。

マスターである結城理がそこそこの戦闘能力を持つため、キャスターがサーヴァントを足止めしている間に結城がマスターを狙うのも有効。

キャスターの性能としては(たとえ不完全な陣地でも)陣地に篭って様子を伺いながら戦っていくのが常道なのだが……。


【マスター】
結城・理(ゆうき・まこと)
【出典】
ペルソナ3
【参加方法】
不明。
彼が全てを使って封印したニュクスが月にいたことが関係している可能性がある。
【マスターとしての願い】
……?
【weapon】
「召喚器」
ペルソナ3の世界において、ペルソナ使いがペルソナをより安定した形で運用する為に用いる銃型のサポート器具。
必ずしも召喚に必要というわけではないが、召喚器によらないペルソナの召喚は無意識的なものや暴走の危険を孕む。
銃器の形状をしており、自らに向かって引き金を引くことにより覚悟を決め、召喚を行わせる効果があるという。
あくまで召喚の補助用具であり、武器のしての機能などは存在しない。
【能力・技能】
ペルソナを召喚していない状態でも身体能力は高い。
ある程度の種別の武器を使いこなすが、最も得意とするのは片手剣(小剣)である。
ただし、本人はこの聖杯戦争に召喚器以外の物を持ってきていない。
「ペルソナ」
心の力。
もう一人の自分。
この聖杯戦争において所持しているペルソナは「タナトス」のみ。
無数の棺桶を鎖で繋いだオブジェを背負った、一本の刀を持つ骸骨のような頭持った処刑人のペルソナ。
所持スキルは
  • 「亡者の嘆き」(恐怖状態の対象限定で相手を即死させる。格闘ゲーム版では相手を棺桶に放り込んでダメージを与える)
  • 「五月雨斬り」(敵単体に斬属性複数回大ダメージ)
  • 「メギドラ」(敵全体に万能属性による大ダメージ)
  • 「マハンマオン」(光属性・全体即死)
  • 「小剣の心得」(小剣による通常攻撃のダメージを二倍にする)
  • 「ブレイブザッパー」(敵単体に斬撃属性特大ダメージ)
  • 「空間殺法」(敵全体に斬撃属性大ダメージ)
ペルソナを召喚すれば低位のサーヴァントとも打ち合えるが、三騎士相手には2合ともたない可能性が高い。
また、マハンマオンは成功確率が極端に低下しており、さらにサーヴァントには属性に関わらず無効となる。
【人物背景】
ペルソナ3の主人公。
名前についてはメディアによってブレがあるが、今回は映画版における「結城理」を採用する。

2009年4月に港区の月光館学園高等学校に転校してきた。

一人称視点の選択肢により返答を行うRPGのためその性格ははっきりとしないが、
選択肢は落ち着いたものが多く、尚且つあらゆる会話において「どうでもいい」という選択肢が表れることから、クールでドライな印象を受ける。
その一方でお茶目な選択肢が出てきたり、時には優しく励ましたりするなど、本質的には腹黒さを内に秘めたトリックスター的な性格なのかもしれない。

転校早々にシャドウによる襲撃に巻き込まれ、ペルソナ能力を発現させたことから特別課外活動部のリーダーを任せられる。
その後シャドウを倒す為にタルタロスを探索していくことになる。

基本的に1人1体しか有せないはずのペルソナを複数所持出来る「ワイルド」の能力を有する。
この能力は10年前、大型シャドウ「デス」との戦いに巻き込まれた彼が、その場にいたアイギスの咄嗟の判断により体内に「デス」を封印したことによる。
この戦闘に巻き込まれた際に両親が死亡しており、各地を転々とし続けていた。

最後の戦いであるニュクス戦で最後のアルカナ「宇宙」を手にしたことにより、命の意味を知る。
「宇宙」の力でニュクスを封印し、殆どの力を使い果たした彼は卒業式の日に永遠の眠りについた。
【方針】
不明。
現在は、キャスターの願いを叶えるために戦うつもりらしい。