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運命への殉死を遂げた先に、何が待っているのだろう。






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【運命には抗えず】

鳴海歩の人生はいつだって奪われてばかりだった。
それは、普通の人間なら無条件で迎えることが出来る未来であったり、初めて好きになった女性であったり。
天使の指先と評されたピアノも、兄である鳴海清隆からすると子供のお遊びだ、滑稽極まりないものにしか映らない。

【運命とは無明の闇】

抗いは無意味だった。どれだけ手を伸ばそうとも、世界に光は灯らない。
短い人生しか生きていないが、歩は太鼓判を押せるだろう。
このどうしようもない世界は、運命に縛られている、と。

【運命は終末の盤面を描く】

それは今までの短い人生で嫌というほど証明されている。
誰を思おうが、憎もうが、愛そうが、正義も悪も夢も現実もごった混ぜにかき混ぜられ、消えていく。
神が望んだのは綺麗な世界、盤上の駒が全て粉々に砕け散ったゼロなのだから。

【運命は絶望の鐘音を鳴らす】

確かに、ゼロは美しい。
あらゆる事象、不確実性、絶望、希望を無くした世界はきっと幸せを築けるだろう。
その過程で少数の犠牲が発生しようとも、他の大多数は幸せになれる。
来たるであろう困難を回避し、最良の未来を確実に掴むことができるのだ。

【運命に抗うものに憐れみを】

それでも、歩はゼロを否定した。
一人一人が恐怖に打ち勝つ可能性を秘めた最高の未来を信じたのだ。
その未来を信じるに足らせる為にも、歩は創造を選んだ。
孤独の中の神の祝福を――踏み越える。破壊よりも創造を。憎しみよりも許しを。
それはどれだけの覚悟だっただろうか、希望だっただろうか。
無論手放しで褒められる選択ではない。事実、彼はその選択を選ぶ時、大切な友人を切り捨てた。
周りからはトチ狂ってると評されるぐらいに――自分を押し潰す選択を歩は取り続けた。

【そして、運命を踏み越えた者に賞賛を】

それでも。それでも。歩は満足だった。
クローン故に満足に生き抜くことが出来ないけれど。
他の人間とは違って、未来なんて何処にもありはしないけれど。
残された者達が自分を覚えてくれるなら、きっと大丈夫だ。

【運命は君を見捨てない】

そして、運命の螺旋の果てに――――歩は方舟に運ばれた。

「…………満足した、つもりだったんだがな」

どうやら、知らず知らずの内に自分は願ってしまったらしい。
もっと、生きていたい。ようやく見つけた自分だけのピアノを弾き続けたい。
断ち切った未練も、別れを選んだ少女も、歩にとっては消えない想いとなって胸にこびりついていたのだろう。
だから、月は歩を呼び寄せた。残留した願いはゴフェルの木片を呼び寄せ、発動に至らせた。
そして、記憶を取り戻すのも、特段に苦戦はしなかった。
絶対に忘れることのない意志は、記憶封印程度で完全に消されるものではない。

「そんなの、嘘ね。貴方は飢えている。運命に捻じ曲げられてなお、再臨を望んでいる」

かけられた声は、鈴の音のような凛と響くものだった。
薄紫の髪にゴスロリの衣装、そして何と言っても背中に生えている黒の両翼。
威風堂々とはこのようなことを言うのだと歩は心中で呟いた。

「それを読み取ったのは、あんたの力か? レミリア・スカーレット」
「ええ。運命を操る程度の力によって、見させてもらったわ、貴方の運命。驚いたかしら?」
「生憎とそこまでは、運命を操られるのは慣れてるんだ、特段に驚くことじゃないさ」
「……なによ、可愛げがないわね」
「十六歳の高校一年生に可愛げを求めないでくれ」
「五百年は生きてる私からすると赤ちゃんみたいなものよ」

くつくつと笑い合う彼らの空気は弛んでいながらも、油断はない。
見極めている、互いの相棒を。
自分の背中を預けるに足る胆力を持っているか、切り出そうとしている。

「それで、再臨を望むアユムはこれからどのような方針を私に見せてくれるのかしら」
「まあ、一応聖杯を手に入れる可能性を探ってみるのが一番だと考えている」

何気なしに切り出した言葉は、直球だった。
このような手合に回り道は不評を買うだけだと判断したのだろう、歩は真っ直ぐな視線をレミリアへと向ける。

「本来なら、俺に未来はない。満足に動くことすら出来なくなるまで必死に意地を張って生きるだけだった。
 だが、今回みたいな機会が巡ってきたということは――俺に何かしろということなのかもしれない」

淡々と紡ぐ言葉には意志が灯っている。
借り物でない本物、紛れも無いレミリアが望んでいた不屈。

「ともかく、俺らは無知だ。このムーンセルの全貌を解き明かしてもいないのに、優勝しか道はないと決め付けるのは早計が過ぎる。
 もっとも、こんな胡散臭い奇跡なんて望むべきじゃないとは思っているんだがな」

薄く笑う容貌からは必死さが見えないが、中身は伴っているようだ。
絶対に折れない、例え命が尽きようとも――この意志だけは違えないことを誓う。
それがわかるだけで、レミリアには十分だった。

「けれど、掴める可能性があるのに掴まないのは傲慢だろう?
 それに、最後まで生き残る以外に方法がある可能性だって否定はできないはずだ」
「そうねぇ、やる前から諦めるのは私も大嫌いよ。どうせなら、果てまで見てみたいじゃない? このムーンセルの、ね」

だから、レミリアは歩を信じることができた。
膨大な運命の中でも一際に輝く運命に縛られた少年が何を選ぶのかに興味を抱いたという理由もあるけれど。
そして、その運命にどこまで抗えるのか一番近くで観察する為にも。

「いいわ、此度の戦争で宛てがわれた“ランサー”の役に基づいて。勝利への運命を引き寄せてみせるわ」

レミリア・スカーレットは、持てる力の全てを尽くして、彼と共に戦場へと飛び立つことを、誓う。
ただのちっぽけな人間を五百年超、生きている吸血鬼が認めよう。

「そういえば、あんたは何を望んでサーヴァントになったんだ。どうも、あんたからは誰かに仕えるイメージが湧かなくてな」

こうして傲岸不遜な態度で自分に接する彼とは長い付き合いになりそうだ。
だが、不思議と悪い気分はしない。むしろ、気分は高揚している。

「言うなれば――――世界征服、かしら?」

人間は弱い。浅ましくて、力も足りない下等な種族である。
そんな人間に立場だけとはいえ仕えることになることが何と愉快なことか。
これを笑わずに要られるか、とレミリアは歯を剥き出しにして笑みを浮かべる。

「戯言だな」
「いいえ、真実にするのが私よ。貴方の願いも含めて、私が全てを手にするのは――決まっている」

運命の袂に集った主従が、月の聖杯に挑む。



【クラス】
 ランサー

【真名】
 レミリア・スカーレット@東方Project

【パラメーター】
筋力C 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運D 宝具B

【属性】
 混沌・悪

【クラススキル】

対魔力:C…魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

【保有スキル】

吸血鬼:B…強靭な肉体、再生能力の賜物。

スペルカード:B…レミリアの持つ魔法を惜しげも無く使えるスキル。

飛行:B…両翼による飛行が可能。

【宝具】

『神槍「スピア・ザ・グングニル」』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1-99 最大補足: 1人
魔力で生み出した高濃度の槍を生成。振り回すも良し、ぶん投げるも良し。
多種多様な使い方で敵を屠ることを可能とさせる武器。

【weapon】
 なし

【人物背景】
500年以上を生きる吸血鬼の少女。
威厳や体面を重視しているが、性格は見た目通りの子供で非常にわがままである。
ツェペシュの末裔を名乗っているが、実際の血縁関係にはない。
また、吸血鬼らしく日光に当たると気化してしまうという設定がある。

【サーヴァントとしての願い】
世界征服? それと、鳴海歩の運命を見届ける。

【基本戦術、方針、運用法】
優れた身体能力を活かした白兵戦がベストの戦術である。
しかし、日光を浴びると気化してしまう弱点を持っているので朝昼に戦闘は行うことはできない。
吸血鬼という要素を頭に入れた活用をしなければ、辛い戦いとなるだろう。


【マスター】
 鳴海歩@スパイラル~推理の絆~

【参加方法】
 残留した未練にゴフェルの木片が反応した。

【マスターとしての願い】
 普通に生きていける身体が、欲しい。

【weapon】なし

【能力・技能】
 類まれなる頭脳と何があっても折れない信念。

【人物背景】
世界一の天才と称される鳴海清隆を兄に持つ、兄に対して劣等感満載の高校1年生。
基本的にはクールで飄々とした少年だが、お人好し。
可能性、絶望といったものを信じない「持たざるものの強さ」を戦いを経ることに持つようになっていく。
ちなみに、彼の身体は、清隆のクローンという驚愕の事実が存在し、寿命は保ってあと数年と言われている。
それでも、前へ進むことをやめなかったことから、どんな事実を目の当たりにしても折れることはないだろう。
家事全般が得意であり、特に料理はプロ級の腕前。

【方針】
 ムーンセルを探る。その過程で、別のアプローチが見つかったらそれを実行。
 情報収集の過程で方針を定めていく。