ある警察官の日記



午後4時過ぎに現場に到着すると、最初の死体を運び出すところだった。
勤続20年のベテラン上司ふたりが青ざめた顔をしていた。


救急隊員が吐き気を我慢できずに担架を落としそうになっていた。
この街はどうなってしまったのか?

3時間前、一人のホームレスが雨宿りできる場所を求めて、現場の廃工場に入り込んだ。
かわいそうに
10分後、絶叫しながら路地を走る彼を巡査が発見した
仕方ないだろう。
私自身、そう多くの死体を見たわけではないが……
奇妙に変色した肌、笑っているように歪んでいる顔……どれもこれもが狂ってる。
こんな光景は初めてだ




驚くべきことではないかもしれない。最近どうもこの街は何かがおかしい。
住民の変死、多数の行方不明者、謎の建物崩壊、異常犯罪……
いずれにしろ、街が狂い始めているのは事実だ。他の皆も騒ぎ立てないだけで、薄々感づいている。
奇妙な事件が何処からともなく現れる。
私たちの日常は終わった……




恐らく、信じたくはないが、これは何かの始まりにすぎないのかもしれない
この街はどうなってしまったのか……



◆◆◆



街は不安に包まれていた。
変死、行方不明、大量殺人……
日々頻繁に起きる不可解な事件の数々。誰もが口にはしないが、この街での異変、何かが始まっていること、起こっていることを感覚で感じていた。
しかし、それは決して表面には出ないだろうし、出たとしてももう何も変わらない。街の闇がそれを隠してしまう。
市民は皆、異常を感じながらも日常を演出する。まるで、映画や劇の役者のように。
しかしその夜、その日常に明確な異変が起こった。


『……こんばんは、冬木市民の皆さん』


その男は、突然テレビを通して人々の前に現れた。"あなた"は何事かと驚く。

『俺様は超忙しいんだが、みんなに挨拶して、超わかりやすい脅迫をしておこうと思ってな』

カメラに銃を向けながら、陽気な口調で会釈する。
紫のスーツに、白粉を塗りたくったような真っ白な顔。
髪の毛は緑色に染められ、顔は長く、口元は裂けたように広がっている
まるで悪夢に現れる道化師だ。"あなた"はそう思った。



『こんちわ。あばよ。

 お   前   ら   は   全   員   死   ぬ    』




『HAHAHAHAHAHAHAHAHA』



酷く不愉快な笑いが、画面を通して街の各所に響いた。滑稽だと、無様だと、何処か侮蔑を含んでいた。

『お前らを殺すことを考えたら……泣けてきた。悪い悪い』

一頻り笑ったあと、男はスーツの裾で涙を拭った。その合間も、クスクス笑っている。

『けど、大安売りの皆殺しセールを始める前に……有名人たち向けの特別イベントをしようじゃないの』

男は冷たく"あなた"を見据える
画面越しでもわかる。恐ろしいほどの狂気が伝わってきた。

『サーヴァントとそのマスター。あんたらだよ、あんたら。みんな死相が出てるぜ』


何も知らない"あなた"は、聞き覚えのないその言葉に首を傾げる。そして怯える

知っている"あなた"は、男の言葉を理解して警戒を強める。そして、警戒する

慎重な"あなた"は、静かに安全圏から傍観する



『俺に予知能力がありゃ、お前らは全員息を引き取るって予言するところだ
いやまあ、とにかく言っとくわ。お前らのせいでみんなメシウマだわ』

男は微かに肩を震わせ、銃を"あなた"に向ける。画面がぶれる。どうやら生放送だったらしい。強制的な
何も知らない"あなた"達は、男が何をするつもりかわかり、怯える。そして空しく止めるように願う。
一部の知っている"あなた"は、怯えか義憤を募らせる
そして歪な"あなた"は、愉快げに男の行動を鑑賞する。
一番気の毒なのは、カメラを撮っている"あなた"だろう。

『さて、』

『バン!』



男は撃った。
大多数の"あなた"は凍りつき、または怯え、怒り、そして安心して感嘆する



『何だこりゃ?昔の銃はこれだから……』


黄色い旗が飛び出た銃を、顔をしかめて見る男。
これはショーなのか、それとも何かのドッキリか?
緊張のほぐれた"あなた"は、してやられたと苦笑い。そして画面の男はにっこりと笑う



『まあ、いいさ。もう一丁ある』




今度は本物だった



◆◆◆



時間は過ぎてとある廃墟で……


「どうだったマスター。今夜のショーは?」

不運なレポーター達を殺してきたアサシンは、今晩のショーのウケを訪ねる。

「狂ってるよ。あんたは……イカれてる」
「HAHAHA……これは手厳しいこったな。えぇ?ボーイスカウト」

先程、街で既に活動を始める"聖杯"戦争の参加者全体に発せられたメッセージ、もとい挑発は、マスター――岡島緑郎、もといロックの意向から完全に離れた行動だった。
ロックは意図してこの狂った戦争に自ら飛び込んだ訳ではなく、あえて言うなら"巻き込まれた"組だ。叶えたい願いなど、まったく思い当たらない。

しかし彼は"ロアナプラ"の住民になる前、平凡なサラリーマン時代と同じように再現された日常に違和感をもち、埋もれることなくマスターとして覚醒した。

「だが、狂ってるってのは頂けないな。俺は一歩先をいってるだけだぜ」

そして、この道化師が召喚された
目下ロックは、このとんでもなく狂ったアサシンを、制御できているとは言い難い

アサシンの狙いはテレビ局の移動通信車だった。これを少し改良すれば、いつでも好きなときに生放送することが可能になる。アサシンが生前に一度使用した手口だ。……メッセージは、ただ単に"joke"にすぎない。

「俺は気づいてんだぜ。お前さんの心に潜む怪物をな。それに引かれて、俺はここに来たんだ。俺とあんたは同類さ」

違う!俺はあんたとは違う!ロックは無意識にアサシンの言葉を否定していた。
肯定するほど、彼はまだ染まっていないし、染められていない。

「"アッチ"側にいるつもりで物を言うな!アンタは違うだろ!たとえそうありたいと思っていたとしてもな」 

アサシンは続けて語る。ステップ&ターンを踏みながら、一流のコメディアンのように。

「そうとも!
教会の中じゃゲスな事を想像しろ!
ホワイトハウスにゃ正直さを教えてやれ!
会ったこともない奴に、使われてもいない言葉で手紙を出せ!
子供の額にゃ、卑猥な文句を書きなぐれ!
クレジットカードは捨てて、ハイヒールを履け!
精神病院のドアは開いてるぜ!
お上品な郊外を、殺人と強姦で埋め尽くせ!
聖なる狂気よ!
快楽よ満ちよ!あらゆる街路に!
笑え、そうすりゃ

世界も一緒に笑うぜ!」


HA HA HA HA HA HA HA
ロックはアサシンに気圧された。その狂気に、その言葉に、そしてある種の羨望で。
アサシンの言葉に嘘はなかった。ロックには、本人もまだ知らない、いわば"悪党の才"がある。
アサシンは、面白いと思った。
まるでバットマンと同じじゃないか。闇にいながら光に居たがる半端者。
丁度いい機会だ。俺が教えてやる。怪物の飼い方を
染めて遊んで晒けださせてやる。



「口が裂けるほど笑わせてやるよ。チェリーボーイのボーイスカウト」



アサシン――ジョーカーは、狂気の笑みでそう語った。



【マスター】
岡島緑郎@BLACK LAGOON
【参加方法】
不明
【マスターとしての願い】
願いはない(と思っているが……)
【能力・技能】
海外との取引が多かったため英語に堪能。日本のヤクザと取引するために来日したバラライカの通訳を勤めるほどに流暢な英語を使いこなす。多少ながらフランス語も体得している。
商工マン時代に得た豊富な知識量からラグーン商会の参謀として、国際情勢に鑑みた作戦立案をすることも。しかし裏の道に関する知識や経験は心許なく、肝心な部分で危機を招いたりしている。
交渉事にも長けており、無断で麻薬の取引をしている組織を牽制する等、ここ一番で度胸を見せることから、バラライカには「良い悪党になれる」と太鼓判を押されている。
【人物背景】
鴨がネギ背負って、ついでに鍋とガスコンロも背負ってきたような兄ちゃん
しかし誰よりも腹黒く悪党らしい一面をのぞかせることがある。しかし無自覚
【方針】
聖杯戦争は傍観する
アサシン(ジョーカー)はもう放任


【クラス】
アサシン
【真名】
ジョーカー@バットマン
【パラメーター】
筋力C(E) 耐久C(E) 敏捷B(E) 魔力E 幸運B(E) 宝具B
【属性】
混沌・悪
【クラススキル】
気配遮断:B
【保有スキル】
精神汚染:A+
ジョーカーの精神は狂いきっている
専科百般:B+
多重人格の進化した超正気。固有の人格が定まっておらず、その本質は混沌に満ちている
カリスマ:A
反英霊、またはその素質のある存在に対して絶大なカリスマをもつ
破壊工作:B
戦闘の準備段階で相手の戦力を削ぎ落とす才能。
単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。

【宝具】
『そのしかめっ面はなんだ?(ノースマイル・スーサイド)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:5 最大補足:1人
ジョーカーの狂気を相手の精神に流し、発狂させる
精神汚染A以上のスキルを持っていなければ防ぐことはできない

『狂気に染められし異常者達(アーカム・ヴィランズ・イン・フリークス)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:10 最大捕捉:10
ゴッサム・シティのヴィランをサーヴァントとして召喚する宝具
ヴィランは一人一人が単独行動:Cランクのスキルをもっており、ある程度なら独立して行動可能
しかし召喚されたヴィランは一部を除きジョーカーに必ずしも従わず、好き勝手に行動することがほとんど。
各自がそれぞれ外部から魔力を補給(魂喰い)すれば長時間現界し続けるが、それをしなければ数時間で消滅する
一度召喚して消滅したヴィランは再度召喚することはできない、また、召喚できるヴィランは最大で10体まで
ヴィランはサーヴァントだが固有の宝具は所持していない。しかし、特殊能力や自前の装備はそのまま再現される


『巨躯なる道化師の最終演目 (ジョーカー・タイタン・ラストステージ)』
ランク:B 種別;対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
肉体を強化する宝具
ベインの血液から開発されたタイタンを接種し、狂気の巨人に変貌する
筋力、耐久、敏捷のステータスを底上げする。
使用したあとはジョーカーのステータスが下がり、弱体化する
【発動後ステータス】
筋力:A 耐久:A 敏捷:A 魔力:B 幸運:E 

【weapon】
笑気ガス
特に好んで使用する。
吸い込むとニッコリ笑顔であの世に行ける。
酸入りの花
胸に飾られた造花。
花弁からは強酸が発射される。
感電装置
主に手袋に付けて使用。
ニッコリ握手で相手は黒焦げあの世逝き。
ピストル
弾丸ではなく旗が飛び出すジョークグッズ。
とはいえ心臓を貫通するするくらいの威力があるので立派に武器になる。

【人物背景】
あのな、ある男が大慌てで病院にかけこんだ。

女房が赤ん坊を産んだんで早く顔をみたかったんだ。

医者は笑顔で返した。

“とてもお元気ですよ。奥さんは元気な男の子を産んで二人は健康そのものです。おめでとう。”

男は花束を抱えて新生児室へとかけこんだ。なのに誰もいない。女房のベッドも空っぽだ。

“先生?”

男が振り向くと医者や看護婦たちがいっせいに腕を広げて叫んだ。

“エイプリルフール!ホントは嫁さん死んじゃった!子供の方も虫の息だよ〜ん!”



……ピエロのような見かけをした残忍な犯罪者。
性格は非常に気まぐれで常にふざけて笑えない冗談を言っているが、短気でプライドが高く狡猾で残忍で卑劣で策略に長けている。
別名「犯罪界の道化貴公子」「アーカム精神病院の王」「憎悪の道化師」とまぁ物騒なあだ名をつけられている。
【サーヴァントとしての願い】
混沌をもたらす
【基本戦術・方針】
破壊と混沌をもたらし、マスターとサーヴァント達で遊ぶ
アサシン自身の戦闘能力は低いため、一ヶ所に立て籠る?
入手した移動通信車で適当に参加者にメッセージをおくる
マスター(ロック)を悪党に覚醒させる

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最終更新:2014年07月09日 10:07