マリア・カデンツァヴナ・イヴ&ライダー ◆Vj6e1anjAc


 決して望んだ道ではなかった。
 戦わなくてもいいと言われていたなら、間違いなくこの道は選ばなかった。
 マリア・カデンツァヴナ・イヴとは、そういう奴なのだと断言できた。

 世界を暴き救うための、偽悪のテロ組織・フィーネ。
 育ての親に近いナスターシャ教授から、その首魁となることを求められたのは、ひとえに組織を維持するためだった。
 非正規のシンフォギア装者3人と、老い先短い科学者1人――世界を相手取るにしては、フィーネはあまりにも脆弱だった。
 新たな人材を得るためには、ナスターシャの研究成果が必要だった。
 故にマリアは己を偽り、ウェル博士を組織へと招き入れた。
 世界全土を敵に回し、屍の山に立つことを選んだのは、そうした経緯からだった。

 要求を受け入れたこと自体は、仕方がなかったとは思う。
 あの時自分が拒んでいたなら、代わりに祭り上げられていたのは、僅か15歳の子供達だったのだ。
 決して見過ごせたものではなかった。
 自分の臆病風に押されて、彼女らが修羅道に誘われることは、絶対にあってはならかった。
 それでも、どうしても思ってしまう。
 もう投げ出してしまいたいと。
 こんな苦しみを味わうために、立ち上がったわけではなかったのにと。
 戦いの矢面に立つ重圧と恐怖は、絶えずマリアの胸を苦しめた。
 見捨ててしまった者達の亡霊は、絶え間なくマリアを苛み続けた。
 どだい無理な話だったのだ。こんな重責に耐えられるほど、マリア・カデンツァヴナ・イヴは強くないのだ。
 いっそ何もかも忘れて、あの安らかな幻の中で、滅びを迎えられたなら――

「――下らないな」


 方舟の街の中にいた方が、元の世界よりもマシだったのかもしれない。
 ライダーのサーヴァント――カイトと名乗った青年は、そんなマリアの告白を一蹴した。
「どれほど甘く優しかろうと、所詮は見せかけだけを繕ったまやかしだ。現実が変わるわけではない」
「ええ……分かってるわよ、それくらい」
 サーヴァント(従者)にあるまじき不遜な態度に、マリアは微かに眉をひそめる。
 理性で分かってはいたことだ。
 自分だけが幻に逃げても、現実に残された子供達が、変わらず苦しみ続けるのは間違いないだろう。
 だとしても、それほどにはっきりと言い切られては、さすがに心にくるものがある。
「まったく、笑えない冗談もあったものだな。この俺にあてがわれたマスターが、こんな腰抜けだなんてのは」
「……否定はしないわ」
「お前のような奴を頼るようでは、その教授とやらもタカが知れている」
「ッ! マムを悪く言わないでッ! 何も知らないくせにッ!」
「もっともだな。俺はそいつのことを知らない。だからそいつを評価しろと言われても、困る」
 思わず声を荒らげたマリアに対し、ライダーは失笑しながら肩を竦めてみせた。
 何故こんな奴が、というのはこちらの台詞だ。
 こちらの痛いところばかりを、遠慮なくずけずけと抉ってくる。
 自分の想いを正当化するつもりはないが、さすがにここまで無遠慮になじられるとは思ってもみなかった。
 こいつとは気が合いそうにはない。まったく何でこんな奴が、自分のサーヴァントとしてあてがわれたのだろう。
「……さて、戯言はこの辺で終わりだ」
 結局自分から煽っておきながら、勝手に切り上げたのもライダーだった。
 表情を元の仏頂面に戻し、青年は真っ向からマリアを睨む。
「最初に言っておくが、俺は聖杯には全く興味がない」
 願いを自分で叶えようとせず、他人任せにするなど馬鹿げている。
 そんな弱者のためにあるような装置に、かけるような願いなどないと、ライダーはきっぱりと言い切った。
「故にこの戦いで通すべきは、俺ではなくマスターであるお前の意志だ。
 期待はしないが聞かせてもらおう。お前はこの戦いの先で、聖杯に対して何を願う?」
 よく言う――とマリアは内心で思う。
 その問いに答えるということは、自分が彼の言う「弱者」だと、認めるようなものではないかと。
 とはいえ、自分が強者だとは言えない。叶えたい願いがあるのも確かだ。
「私は……月の落下を止めたい。これ以上の戦いも悲劇も、決して増えないようにするためにも」
「そして他ならないお前自身が、戦いから逃れるためにも、か」
 図星だ。
 マリアは沈黙で返した。
 全く考えなかったとはとても言い切れない。
「……まぁいいだろう。お前らしい願いだ」
 どういう意味だ、と聞くのはやめた。もう今更だと諦めていた。
「戦いから逃げ出すために戦いに臨む……そんな私を愚かだと思う?」
「間違ってはいないだろう。戦いから逃れる方法は2つに1つ。
 負けて死ぬか……あるいは全ての敵を倒して、さっさと戦いを終わらせるかだ」
 お前は後者を選んだに過ぎない、と。
 そう言って羽織ったコートを翻し、ライダーはマリアに背中を向けた。
「そうと決まったからには行くぞ。ぐずぐずするのは性に合わん」
 言いながら、ライダーはマリアを置いて、ずかずかと前進していった。
 マリアは少し慌てた調子で、早足でその後に続く。まるで主従が逆転したような光景だ。
 そしてそんな中、マリアは目の前の男について、しばし思考にふけっていた。
(なんとなく、分かってきたような気がする)
 きっとこいつは自分とは、まるきり正反対の人間なのだろう。
 どうせ自分なんか、という考えが、この男にはまるでない。
 むしろ自分は強者なのだと、何物にも屈したりはしないのだという、強い自信の持ち主に見える。
 どんな苦境や困難にも、決して泣き言を漏らさず立ち向かう――きっとこいつは、そういう男だ。
(私もそうあれるだろうか)
 今までの自分にはできなかったことだ。
 そうあらねばと念じながらも、今日まで貫けなかった生き様だ。
 この戦いの中でこそ、自分は己の弱さを捨てて、敢然と戦うことができるのだろうか。
 そんなことを考えながら、マリアはライダーの後に続いていた。



【マスター】マリア・カデンツァヴナ・イヴ
【出典】戦姫絶唱シンフォギアG
【性別】女性

【参加方法】
『ゴフェルの木片』による召喚。エアキャリアーの備品に、たまたま木片を材質としたものが紛れていた

【マスターとしての願い】
月の落下を止めたい。聖杯の力で組織の目的を果たし、戦いを終わらせたい

【weapon】
ガングニール
 北欧の軍神オーディンの槍から生み出されたシンフォギア。
 その由来の通り、槍型の武器(アームドギア)を用いる。
 また、羽織ったマントは自在に操ることができ、中距離攻撃やシールドとして使うことが可能。
 必殺技は、槍の先端からエネルギーを解放し、ビームのようにして発射する「HRIZON†SPEAR」。

白銀のシンフォギア
 実妹セレナ・カデンツァヴナ・イヴの遺品。
 彼女の死亡および、本シンフォギアの破損により、登録データは全て抹消されてしまっている。
 そのためいかな聖遺物に由来するものなのか、どのような性能を持っているのかなど、ほとんどの情報が不明。
 起動聖詠には「アガートラーム」というフレーズが盛り込まれており、それがシンフォギアの名称であるということは推測できる。
 相応の覚悟と意志により、「奇跡」を手繰り寄せることがない限り、決して起動することはない。

【能力・技能】
シンフォギア適合者(偽)
 神話の遺産・聖遺物から生み出された、FG式回天特機装束・シンフォギアを扱う技術である。
 しかし彼女自身の適合率はあまりに低く、制御薬・LiNKERの服用なしには、シンフォギアを纏うことはできなかった。
 初期状態では効力が切れているため、シンフォギアを纏って戦うためには、まずLiNKERを確保しなければならない。

【人物背景】
かつてアメリカの実験機関「F.I.S」に囚われていた、レセプター・チルドレンの1人。
月落下の事実を世界に公表し、完全聖遺物・フロンティアによる状況打開を行うため、武装組織「フィーネ」の首魁として蜂起する。
しかし彼女自身は争いを恐れており、現在の立場も組織の維持のため、ナスターシャ教授に依頼されて受け入れたものだった。
2歳歳下の妹・セレナを喪っており、妹の悲劇を繰り返したくないという想いが、彼女の心を繋ぎ止めている。

表向きには強気に振舞っているものの、本来は消極的な性格。
そのため、テロ組織として戦うことによる良心の呵責や、組織の代表を求められる重圧により、心を擦り減らしていった。
それでも、優しく面倒見のいいお姉さん基質でもあるため、周囲の人間からの信頼は厚い。

表向きには歌手活動をしており、そちらの方面では、僅か2ヶ月で全米ヒットチャートの頂点に立つほどの才能とカリスマを有している。

【方針】
迷いはあるが、一応優勝狙い。



【クラス】ライダー
【真名】駆紋戒斗
【出典】仮面ライダー鎧武
【性別】男性
【属性】混沌・中庸

【パラメーター】
筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:E 幸運:D 宝具:B

【クラススキル】
対魔力:D
 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

騎乗:D
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。

【保有スキル】
執念:A
 勝利への強い執着心。
 いかに困難な状況だろうと、どれほどの実力差を突きつけられようと、決して負けを認めない。
 このランクまで来るともはや病気のレベルだが、それ故に逆境に気後れすることはあり得ないと考えていい。
 また、一度敗れた相手と戦う際には、その強い対抗意識により若干のステータス補正も見込める。

勇猛:B
 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
 また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

軍略:C
 多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。
 団体戦闘における指揮能力や、逆に敵集団への対処に有利な補正がつく。

話術:E
 言論にて人を動かせる才。
 交渉から詐略・口論まで幅広く補正が与えられる。
 このランクだとほとんど有利な補正は得られないが、良くも悪くも話し相手の意識を、戒斗に向けることができる。

【宝具】
『唸る騎士の黄槍(バナナアームズ)』
ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:1人
筋力:C+ 耐久:C 敏捷:C 魔力:D 幸運:C 宝具:C
 異界の果実の力を封じたアイテム・ロックシードにより、鎧の戦士「アーマードライダー・バロン」へと変身する。
 バナナロックシードにより発動するこの力は、走攻守のバランスに優れた基本形態。
 槍型の武器・バナスピアーを使い、敵を着実に追い詰める。
 必殺技は、槍からオーラを発して敵を貫く「スピアビクトリー」。

『轟く闘士の赤槌(マンゴーアームズ)』
ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:1人
筋力:B 耐久:B 敏捷:D 魔力:D 幸運:C 宝具:C
 異界の果実の力を封じたアイテム・ロックシードにより、鎧の戦士「アーマードライダー・バロン」へと変身する。
 バナナロックシードにより発動するこの力は、敏捷性を犠牲に筋力・耐久を高めた強攻形態。
 メイス型の武器・マンゴパニッシャーを使い、パワーで敵を圧倒する。
 必殺技は、メイスからエネルギー弾を放って敵を砕く「パニッシュマッシュ」。

『勝利せし黄金の覇王(レモンエナジーアームズ)』
ランク:B 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:1人
筋力:B+ 耐久:B 敏捷:B+ 魔力:C 幸運:B 宝具:B
 異界の果実の力を封じたアイテム・ロックシードにより、鎧の戦士「アーマードライダー・バロン」へと変身する。
 レモンエナジーロックシードにより発動するこの力は、他の形態とは一線を画した力を持つ進化形態。
 弓型の武器・ソニックアローは、両端に刃が備えられており、接近戦・遠距離戦共に威力を発揮する。

【weapon】
戦極ドライバー
 アーマードライダーに変身するためのベルト。バナナアームズ、マンゴーアームズに対応している。

ゲネシスドライバー
 上級のアーマードライダーに変身するためのベルト。レモンエナジーアームズに対応している。
 既に戦極ドライバーで変身している場合でも、素早くベルトを付け替えれば、変身を解除せずアームズだけを切り替えることができる。

バラロックシード
 薔薇を象ったロックシード。変身に使うことはできない。
 このロックシードは「ロックビークル」という乗り物を生じるためのものであり、
 起動することで拡大・変形し、黒いバイク・ローズアタッカーへと姿を変える。
 本来ならヘルヘイムの森へのクラックを開く機能があるのだが、制限により封印されている。

ヒマワリロックシード
 向日葵の種を象ったロックシード。合計3つ用意されている。変身に使うことはできない。
 宝具発動時に使用すれば、ヘルヘイムの森に巣食う怪物・初級インベスを召喚・使役することができる。
 (一応生身でも召喚はできるが、競技用にリミッターがかけられるため、能力は雀の涙ほどしか発揮できない)
 エネルギーはロックシード自体のそれに依存するため、戒斗本人およびマスターに負担がかかることはない。
 更に戦極ドライバーにセットし使用すれば、少量ながら、戒斗本人への魔力補給も可能。

トランプ
 何の変哲もないトランプ。52枚セット。
 戒斗はこれを投擲武器として使うことが多い。

【人物背景】
沢芽市で活動するダンスチーム「チームバロン」の元リーダー。
戦極ドライバーおよびゲネシスドライバーにより、アーマードライダーバロン(仮面ライダーバロン)へと変身する。
幼少期に大企業・ユグドラシルコーポレーションによって、実家の町工場を潰されており、「弱肉強食」という概念を強く意識している。

傲慢不遜な性格であり、他者との協調性は低い。
常に「強者」たらんとしており、強者にへつらう「弱者」を嫌悪している。
一方で、その突き抜けるところまで突き抜けたプライドは、いかな苦境にも屈しない精神力へと繋がっており、
自分を曲げることを知らず、どんな困難にも立ち向かうことができる。
もっとも強さにこだわる理由は、あくまで「敵を倒すことが自分を守ることに繋がる」と考えているからであり、弱い者いじめを楽しんでいるわけではない。
幼少期から持っていた元々の性分なのか、なんだかんだで情のある人物でもある。

真っ向勝負を好む傾向があり、立ちはだかる敵は正面から粉砕しようとする。
姑息な策略は彼にとって、最も唾棄すべきものだが、ルール上認められている行為は、最大限利用するタイプでもある。
あまりにも無謀かつ無意味な戦闘は避け、迂回路を取ろうとするなど、最低限の冷静さと戦術眼を兼ね揃えてはいる。
小規模ながらも組織の頂点に立つ者であるが故か、数の優位性を正確に認識しており、可能であれば組織戦を展開することもある。

本人にはライダーの適性以外に、アーチャー・ランサーの適性も存在した。
ただしそれらのクラスで召喚された場合、アーチャーだとゲネシスドライバー、ランサーだと戦極ドライバーを用いた変身しかできなくなる。
また、ローズアタッカーを使用できるのも、ライダーのクラスで召喚された場合に限られる。

【サーヴァントとしての願い】
他者に願いを委ねることなどあり得ない。強いて言うなら、英霊達と戦うことで、より強い力を身につけたい。

【基本戦術、方針、運用法】
向かってくる敵はまとめて倒す。気に食わない者は残らず倒す。
好戦的なサーヴァントであるため、マスターには上手く手綱を引く手腕が求められる。
どんな苦境にも立ち向かう精神性は立派だが、それ故に無駄な消耗を招くこともあるため、戦闘の引き際には特に注意が必要。
他のマスターとの同盟を組む際には、彼のわがままさと協調性のなさもあり、苦労を強いられる場面も多い。
しかし彼の眼鏡にかなう者は、優れた力と精神性を兼ね揃えた者が多いため、この際同盟の人選は彼に任せてしまっていいだろう。