斑鳩悟&ライダー



24時間営業の全国チェーン店である牛丼の“由野屋”――それは仮想空間の中にも元の世界と同じように存在していた。
そしてその中から牛丼を食べ終えた2人の少年が出てくる。
彼らは一見、街中で見るには珍しくない現代の少年らという風であったが、しかしこの聖杯戦争に参加する一組のマスターとサーヴァントであった。



「“聖杯戦争”……ねぇ」

少年の片方、カッターシャツにズボンと何の変哲もない見た目の少年が顎を掻きながらこぼす。

「どうにもまだピンとこないんだが……現実味がないというか、これって俺の仕事じゃないっていうか」

彼ともう一人は並んで夜の繁華街を歩き始める。
その風景は彼のよく知っている日常と変わるところはない。だからこそ、頭の中に植えつけられた“知識”と“認識”が齟齬を起こしていた。

「ま、オメーがそう言うのはわかんねぇでもないけどよ。まずは信じるしかねーんじゃねぇか? 死ぬ間際になってから後悔しても遅いぜ?」

そう言ったのは隣を歩くツナギを着た少年だ。ニット帽の端から覗く毒々しいピンク色の髪の毛が目立つ。

「とりあえず、オメーにやる気がねーと俺も出てきたかいがねーってもんだからよ。よろしく頼むぜ、相棒っ!」

少年の名前は左右田和一(そうだかずいち)。
超高校級のメカニックと呼ばれる知る人ぞ知る機械(マシン)のエキスパートだ。
機械というジャンルであればドライヤーから通信機、ロボットまでなんでもありだが、特にエンジンのついたものに関しては彼の右に出る者はいない。
彼が設計したモンスターマシンの最高時速は940km/h。
“乗り物”の申し子と言える彼は『ライダー』のサーヴァントとして今回召喚された。

「……まぁ、心強いよ。よろしくな」

そして彼を召喚したマスターである少年――斑鳩悟も“乗り物”の申し子だった。
国際的人材派遣会社『ASE』、そこに所属するスーパーマルチドライバーであり、17歳にして最強のエージェントの称号を持つ者である。
マルチドライバーの名の通り、運転する機械に関しては万能であり、自転車からバイク、自動車から旅客機、電車、戦車等々、乗れないものはない。
例え、初めて触れるものであろうと乗り物である以上は一瞬でそのマシンの癖を把握し、最大限のスペックを引き出すことができる。
それ故のスーパーマルチドライバー。
彼ほど『ライダー』のマスターに相応しい者もそうはいないだろう。

「とりあえず、マシンの調達からだな。こう魔法のようにってわけにはいかねぇからよ。なんとかしてパーツから集めねぇと」
「うーん、金はないからなぁ。ここじゃいつも頼りにしてる人達もいないだろうし」

二人揃って腕を組み、渋い顔をして道を行く。
彼らにとってはまずはそこが壁だ。スーパーマルチドライバーである斑鳩悟も、その実力はマシンあってこそである。
マシンがなければ彼は多少運動神経のいいだけの少年でしかない。戦闘などもっての他だ。それがこの聖杯戦争であればなおさら。
翻って超高校級のメカニックである左右田和一も、英霊でありながら固有の宝具としてのマシンは持たない。
あくまで彼はメカニックだ。部品さえあればそれこそ人知の限界に達する腕前を見せるだろうが、ない以上は彼もサーヴァントとして活躍できない。

「廃車なりなんなり、もらってもかまわねぇものがそこらに転がってればいいんだけどよ」
「え、そんなスクラップからマシンが作れるのか?」
「へっ、この左右田和一様を見くびってもらっちゃ困るぜ? 使えないパーツでも使えるようにしてこそメカニックだろ?」
「それは頼もしいな。てっきり俺はこれからバイトでも始めなきゃいけないのかと思ったよ」

ハハッと左右田が笑う。
まずはバイトから、なんてひどくのんびりした発想だ。だが悪くないと思った。盗もうなどと提案されていたら怒っていただろう。
悟も相方のことを信頼できると感じた。
彼からは一流のメカニックからは必ず感じられるマシンへの愛がある。見た目は若干怖いが、油の染みこんだ掌とツナギがその証拠だ。

「改めてよろしく頼むぜ、悟」
「こちらこそな、左右田」

二人の姿は明るい繁華街を離れ、暗闇の中へ消えていく。次に彼らが明かりの下に現れる時、その時彼らは“何”に乗っているだろうか――?


【クラス】 ライダー
【真名】 左右田和一(そうだかずいち)
【属性】 秩序・善

【ステータス】
 筋力:D 耐久:D 敏捷:C 魔力:E 幸運:B 宝具:B

【クラススキル】
 騎乗:E ライダーであり乗り物のエキスパートではあるが、ひどい乗り物酔い体質なので運転することは超苦手。
 対魔力:D 一工程により行使される魔術までを無効化する。気休め程度と言ってもいい。

【保有スキル】
 クラフトワーク:A
  現実(物質として)の部品を元にあらゆる機械を作り上げる能力。最低限の部品さえあればいかなる機械でも作ることができる。
  またこのスキルで作成されたものは機械でありながら微弱な神秘性を帯びる為、英霊に対しても有効な武器となる。

【宝具】
 『小型縮退路』
 ランク:B 種別:対物宝具 レンジ:--- 最大捕捉:---
 内部でマイクロブラックホールを発生せる超々高性能エンジン。これひとつで“宇宙旅行”に行けるくらいの出力を持つ。

【weapon】
 『工具』
 常備しているレンチやスパナ。武器として使用すればそれなりの鈍器となる。

【人物背景】
 出展は「スーパーダンガンロンパ2」
 才能を蒐集する才能の為の学園『希望ヶ峰学園』で超高校級のメカニックと呼ばれていた少年。
 幼少時から機械に囲まれて育ち、メカニックとしての才能が開花し、それを認められて希望ヶ峰学園へと入学した。
 超高校級とは言うが、実際の実力はそれに留まらず全世界を見ても有数のメカニックである。

 髪をピンクに染めるなど一見ヤンキー風ではあるが、実はそれは人に舐められないようにという所謂高校デビューであり、実際は生真面目で小心者。
 普段はチャラい態度を取るが、メカニックとしては非常に真摯な人間であり、夢は自分自身の宇宙ロケットを作ること。

 実は人類史上最低最悪の絶望的事件においては、超高校級の絶望の一員として絶望側に加担しており、世界に絶望を振りまく手助けをしていた。

 今回の聖杯戦争では超高校級のメカニックとして活躍していた時期の姿で召喚されている。

【サーヴァントとしての願い】
 宇宙船を作る。

【基本戦術、方針、運用法】
 サーヴァントではあるが本人に戦闘能力は皆無。なので斑鳩悟のメカニックとしてマシンの作成/メンテナンスに徹するつもり。
 乗り物に乗ると酔うので、できればマシンを用意するだけで同乗はしたくない。


【マスター】 斑鳩悟

【参加方法】
 アーカム考古学研究所からの遺物運搬の依頼中、積荷であったノアの箱舟の欠片に触れたことで召喚されてしまった。

【マスターとしての願い】
 史上最高のマルチドライバーとなる。

【weapon】
 なし。

【能力・技能】
 『スーパーマルチドライバー』
 動力のあるなしに関わらずあらゆる乗り物を最大限にスペックを発揮して乗りこなせる能力。
 ただの運転だけではなくアクロバットや乗り物による戦闘も自在にこなすことができ、それも乗り物の種類を問わない。
 また、未経験の乗り物であろうともすぐにその特性を把握し乗りなれたものと同じように運転できる。

 『スーパーマルチドライバー・マルチシンクロ』
 斑鳩悟の中で開花しようとしているマルチドライバーとしての新しいスキル。
 乗り物に対するシンクロを自分が乗っているものだけに限らず、他人が乗っているマシンにまで発揮することで相手の動作を読むことができるようになる。
 このスキルが発揮されれば『ライダー』同士の戦闘であれば負けることはなくなる。だが、まだ芽生えたばかりの能力で常時発揮するには更に経験が必要。

【人物背景】
 出展は「D-LIVE!!」
 国際人材派遣会社『ASE』に所属するマルチドライバー。
 ドライバーなので任務は常になんらかの運転であるが、ただの運搬からレース出場、逃走犯の追跡、重機による発掘等々バリエーションは多い。
 また、運搬物を狙う者や、ASEまたは斑鳩悟個人に恨みを持つ者の襲撃を受けることも常であり、乗り物による戦闘経験も多い。

 普段は一般の高校生として生活しており、マシンに乗っていない時はのんびりで心配性の面があり、ミスも多い。
 だが、一度マシンに乗り込めばそういった面は引っ込み、冷静に目的を遂行するので、他人からはマシンに乗ると人が変わると見られている。

 父親の斑鳩真もASEのマルチドライバーで、斑鳩悟は彼に憧れて同じマルチドライバーを目指した。
 父からはマシンを大事にするあまりに自分の身体を顧みないことから反対されていたが、最終的にその性分は新しいシンクロ能力として開花することになる。

【方針】
 殺人をしたいという性分ではないが、状況を脱出できるまでは最大限抵抗するつもり。