「思い、出したんだ」

夜の街、眠らない都会の喧騒は輝く月すら沈むほど。
チカチカと灯るネオンサインは下品で、路上には汚らしい塵が散らかっている。
馬鹿みたいに笑う声がする。その一方で、暴力的な響きを籠った怒号がどこかで聞こえる。

厭な臭いのする街。
そこに一人の少年がいた。
パーカーを羽織った癖毛の少年だ。歩く度にマフラーがゆらりと舞い、フードにはうさぎを思わせる飾りがある。身にまとった服は嘘みたいに白かった。
僅かに顔を俯かせ、彼は歩を進める。

すれ違う人々はどこまで能天気で、馬鹿みたいで、来る明日をただただ貪っている。
そんな人ごみにあって、彼は思い出していた。
人々の日常はどこまでも愚かで、でも――だからこそ取り戻さなくてはならない、と。
欲したのは、やり直しだと。

「僕は生き残った。生き残ろうとしていた。
 あの……人類最後の七日間を、何とかして生き残ったんだ。
 毎日、毎日、来る災厄を何とか退けて……世界が消えて行っても、仲間が死んでも、それでも何とか生き残ろうと……」

日常の破壊者、セプテントリオン。
ドゥベ、メラク、フェクダ、メグレズ、アリオト、ミザール、ベネトナシュ、そしてアルコル。
人類を、世界を破壊すべく一日ごとにやって来る侵略者。
それを彼は――久世響希は仲間と共に何とか退けていた。

人類最後の砦、ジプスの一員として使えるものは全て使って、悪魔すら使役して戦っていった。
みな生きたかった。それだけは同じだった筈なのに。それでもなお多くの人が死んでいった。
ケイタもジョーもロナウドもオトメも……みんなセプテントリオンとの戦いの最中、その命を散らしていったのだ。

そして迎えた七日目。
人類の行く末を決める最後の戦いの末に……

『聖杯戦争へとやってきた』

不意に隣りで声がした。
姿はない。既に彼はカタチなき霊体となっている。
今しがた出会ったサーヴァント――キャスター。彼と出会い響希は契約を交わした。
肩を並べて戦うべき――仲魔だ。

そんな彼が語りかけてくる。
その声色は穏やかだ。威圧する訳でもなければこちらを侮り見下ろしている響きもない。
しかし、同時に響希は感じていた。
言葉の端々からにじみ出る、何か、人から外れ遠いどこかに行ってしまったかのような、途方もない何かを。

響希は無言で歩を進める。
キャスター。彼と語らわなければならない。
今を享受する人々から離れ、響希はどこか二人で話せる場を探していた。

「…………」

空では大きな月が浮かんでいる。
都会の空気に呑まれ、その光はどこか窮屈そうだと、響希には思えた。

月が良く見えるところまで。
そう思い街の中心から離れていくと、いつしか住宅街の中の小さな公園までやってきていた。
真夜中、そこはしんと静まり返り人ひとり見えない。遊具は錆びつき、捨てられた塵が風に吹かれ転がっている。
都会の喧騒の中にあってぽっかりとできてしまった空洞。そこには闇が溜まっていた。

『ここなら大丈夫そうだね』

キャスターの声がした。
しかし未だ姿は見えない。霊体化したまま彼は語りかけてくる。

『さて、聞かせてもらおうか、マスター。
 君の願いを、君の選択を。それがあったからこそ、君は生き残ったんだろう?』
「……そうだよ、キャスター。
 僕は生き残った。最後のあの日、生き残っていた他のみんなも死んで、ダイチや新田さんまでも倒れて、それでも僕は生き残ったんだ」

響希は顔を俯かせながら答える。
彼らとの思い出、日々、そして別離が未だこびりついて離れない。
それでも、響希は生き残った。人類の試練、セプテントリオンを退けた。
結果として生き残った人類は――二人だった。

「世界が滅び、生き残ったのは僕とヤマトだけだ」

ヤマト。
響希はその名を口にした。
彼が元居た世界において生き残った、もう一人の人間。
これから彼と殺し合う筈だった。峰津院大和。彼は自らの野望を――実力主義の世界を創造しようとした。
生き残った最後の人類で雌雄を決する。

その先に待つポラリスへと謁見する為に。
ポラリス――世界の管理者。その力を使えば世界のありようを定め、新世界を創造することすらできる。

『ポラリス、ね』

そのことを告げると、キャスターは短くそう返した。
どこか含むような言い方に響希は少し疑問に思いつつも口を開いた。

「たぶん君と出会ったのもポラリスの意志なんだ。
 ヤマトを追ってあの門を追った先に、僕はここにたどり着いた。
 万能の願望機……それさえあれば全て思いのままなんだろう。世界のコトワリをも書き換え、新世界を創造する」

それが響希の聖杯の解釈だった。
門の先に広がっていたこの戦争の意味を、彼はそう定義したのだ。
だからこそ、彼は告げる。

「でも、駄目だ。誰か一人がそんなことをしちゃいけないんだ。
 世界の行く末を一人で決めてしまうなんて。
 だから僕は――何も願わない。他の誰にもあれは使わせない。
 その為に僕は聖杯までたどり着く。そして、やり直すんだ」
『すべてのコトワリを否定する為に、聖杯を目指すと?』
「ああ」

一瞬の間を置いて、

『それは俺のサーヴァントとしての願いも否定するということかい?』

キャスターはそう尋ねてきた。
……その問い掛けは別段変った口調で投げかけられたものではなかった。
にも関わらずキャスターが持つ存在感が膨れ上がったのが感じられた。

その存在感に響希は一瞬言葉を詰まらせる。
だが、すぐに口を開いた。結果どのようなことになろうとも、答えは既に決まっている。

「ああ……キャスター。君にも聖杯は使わせない」

キャスターは何も言わない。
姿すら見せず闇に溶け込んだまま、沈黙を保っている。
押し寄せてくる沈黙が息が苦しい。自然とポケットの中の携帯電話へと手が伸びた。

バチバチ、と近くの電灯が明滅した。

『そうか――その答えは』

キャスターが口を開いた。
次の瞬間、世界がぐにゃりと歪んだ。
空間に黒いひずみが走り、爆発を思わせる閃光が走ったのち、

「っ……!」

悪魔が現れた。
それも複数、誰もいなかった筈の夜の公園に彼らは呼び起された。

緑の肌を持った筋骨隆々の邪鬼・オーガ。
轟々と燃え盛る炎を司る精霊・フレイミーズ
妖艶な笑みを浮かべ宙に舞う鬼女・リリム。

多種多様な悪魔たち。
出自も種族も違えば在り方も違う。しかし悪魔たちはみな同じ『魔王』に仕えている。
悪魔たちの中心にいるヘッドホンをつけた一人の少年。
血のように紅いマフラーが風に吹かれ揺れている。
そして奇妙なことに、その手には見覚えのある携帯ゲーム機があった。

彼こそが王――悪魔統べる『ベル』の王である。
魔王は悪魔をはべらせ、辺りにその圧倒的な存在感を放っている。

「その答えは――俺を前にしても言えるのか?」

そしてキャスター、魔王ア・ベルは静かに問いかける。
声も、顔も、姿かたちはただの少年のもの――それは間違いない、その筈なのに。
だが、しかしそれは確実に人間ではなかった。
昔は人間だったのかもしれない。その面影はある。でも、もはやそれは人間の境界を越えてしまっている。

響希は息を呑む。
キャスター。契約を結び、新たな仲魔となったのは紛れもない魔王。
彼を前にして、自分は自分でいられるのか。

ぐっ、と響希は携帯電話を握りしめた。
夜の公園に溢れる悪魔を見て、彼らを従わせる魔王を見て、響希もまた己の力を解放した。

「来い、ビャッコ……!」

携帯を操作し、響希は悪魔召喚プログラムを起動する。
サマナーとして宿った回路が火花を上げ、悪魔をこの世に呼び出す。
そうして現れたのは――白き神獣、ビャッコ。
その純白の毛並みと毅然とした眼差しが何よりも頼もしい。
この七日間ずっと連れ添った仲魔を呼び出し、響希は魔王と相対する。

魔王と視線がぶつかった。
感情を感じさせないその瞳はじっと響希を見つめている。
それはまるでこちらの価値を測るかのように。
怖くないといえば嘘になる。死が怖くなかったら当の昔に死んでいる。
それでも響希は口を開いた。

「言うさ。
 僕は誰にも世界を変えさせない。それが魔王であるなら、なおさらだ」

と。
キャスターは再び口を閉ざした。
すっ、と目を閉じ頬に風を受けた。マフラーがばさばさと舞う。
それに合わせ悪魔たちも黙る。彼等は今統率されているがゆえ人を襲うことがない。
しかし魔王が一たび指を降れば、それに合わせその凶暴性を解放するだろう。
それがたとえマスターであろうとも。

殺されるか。響希の身体に冷たい汗が滲んだ。
右手の甲に刻まれた令呪は――駄目だろう。恐らくそれを使うよりも早く向こうが動く。
だが、後悔はなかった。ここでサーヴァントと向き合い悪魔と交渉しなければ、彼を仲魔とすることなどできない。

そう思ったからこそ夜の中、響希は悪魔たちと対峙した。

「いいよ、協力しよう」

しばしの沈黙の末、魔王は了解した。

「聖杯なんて使わない、なんて意見は俺としても賛同したいところだ」

再び空間が歪み、悪魔が帰還していく。キャスターの命に従ったのだろう。
それを響希は呆けたように見ていた。キャスターは微笑みを浮かべ、響希のそんな顔を眺めていた。

「じゃあ……君には願いがないのか?」
「いや、違う。俺に願いはあるよ。絶対にやらなくちゃいけない、俺が選んだ願いが」
「それは一体」

何、と尋ねるよりも早くキャスターが答えていた。

「神を討つこと。俺の願いはそれだよ」

神。
それが敵であり、それを討つことこそが自身の悲願だと、
あっさりと、何でもないことのように彼は言ってのけたのだ。

「聖書に伝わりし唯一神。あれに俺は喧嘩を売った。死ね馬鹿って。
 そんな奴が方舟や聖杯なんて――神の力が宿ったものなんて使う訳にはいかない。
 だから、俺は聖杯も方舟も、みんな壊す。そしてそのあとは――」

言ってキャスターは空を見た。
夜空の真ん中には大きな月が浮かんでいる。
その輝きは美しく、絶対的で、決して届かない場所にある。
キャスターは月を仰ぎ見て、そして不敵に笑って見せた。

その笑みに響希は確かな恐怖を覚えた。
先の鋭い殺気はまだよかった。死の恐怖など、この七日間でそんな緊張感は何度も経験した。
しかし、これは違う。これは理解できないことへの恐怖だ。
ああ、そうか。確かにこれは――魔王としか言いようがない。

「あの月にも挑む。どこまでも高くから人を見下ろして超越者を気取るような者。
 それに戦いを挑むんだ。魔王として、人として、生かされるのではなく生きるために」

その言葉がどんな意味を持つのか、あまりにも荒唐無稽過ぎて掴めない。
いや、全く掴めない訳じゃない。事実自分は神というに値する存在へと謁見しようとしていたのだ。
だからこそ、それを討つという選択の途方もなさが分かるのだ。

「ところで響希。少し疑問なんだが良いか?」
「え、あ、何だい」

突然の問いかけに響希ははっとする。
そんな響希の胸中を知ってか知らでか、キャスターはやはりさらりと、

「響希はさっき聖杯なんて誰にも使わせないと言った。世界の行く末を誰か一人が決めていいはずがないと。
 それは正しい。だが、君は言ったな。だからやり直すんだ、と。
 それは聖杯を使っていることにならないか? 他でもない君が、世界のやり直しを求めている。
 ポラリスにもう一度人を見て貰う――それは世界の行く末を決めているとはいえないのか?」

その問いに、響希は咄嗟に答えることができなかった。
全く考えなかった訳ではなかった。世界のやり直し、それは体の良いリセットだ。場合によっては再びセプテントリオンがやってきてしまうかもしれない。
しかしヤマトを止めるにはもうこれしか……

「思うに、そのポラリスという奴もぶっ倒せばいいじゃないか。
 それで人類は晴れて自由だ」

キャスターは続ける。
響希が考えもしなかったことを、彼はあっさりと言ってのける。

「考えてみろ。人類の敵、セプテントリオンを送り込んできたのは誰だ。
 勝手に人類に価値がないと定め、こちらを試す為に試練と称して世界を崩壊させる。
 そんな傲慢を、響希は許せるのか? 殴ってやりたいとは思わないのか?」

キャスターの問いかけが鋭く刺さる。
選ぶ? 僕が、神を討つことを。
それが正しい道なのか? 北極星<ポラリス>も、この聖杯を用意したであろう月<ムーンセル>も、全て打ち倒すことが、人が生きる道なのか?

「それは……」
「君も、そのヤマトという男も、ポラリスに世界をどうにかしてもらうことしか考えていない。
 俺と君の意見は大体にして一致している。だからこそ疑問なんだ。何故戦わないのか」

問いがぐるぐるとまわり続ける。
どうするべきなのか。響希は自らの選択に苦しんだ。

「……響希、別にすぐ答えを出さなくてもいい。
 どちらにせよ俺と響希の道は途中までは一緒だ。あとのことは聖杯戦争を勝ち上がってからでいい。
 ただ、これだけは聞いておきたい。響希にとって生きることとは、何?」

生きること。
それはこの人類最後の七日間で、ずっと考えていたことだ。
響希にとっての答えは、生きるとは何か、それは――


「生きるとは――選び続けること」


だったら、と魔王は突き付けた。


「選べ――生きるか、生かされるか」











Peaseful days died_

Let' s survive.




【クラス】キャスター
【真名】魔王ア・ベル
【パラメーター】筋力C 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A+
【属性】混沌・善
【クラススキル】
陣地作成 C …魔王として召喚に適した空間を作る。
       完全に覚醒していない為、範囲効果ともにそこまで大きくはない。

【保有スキル】
対神性 D …神に反旗を翻した英霊に与えられるスキル。
      神性スキルを持った者を相手にする際にパラメーターが僅かに向上する。
      キャスターはまだ魔王として覚醒したばかりの状態のため低ランクに留まっている。
魔術 D … 初歩的な魔術を操る。キャスター本人は魔術による攻撃をあまり得手としてない。
スキルセット - … compを操作することにより自分自身のスキル構成を変更できる。
         ただし変更できるスキルはあらかじめデータとしてストックしていたスキルに限り、自身の力量を越えるものは当然セットできない。
         またセットには煩雑な操作を必要とし、戦闘中のセットは不可能。セット可能なスキルも三点までに留まる。
スキルクラック - … 倒した敵のスキルをcompにストックする。
          ただし条件として『事前に対象となるスキルを指定しておくこと』『自分自身の手で直接敵を撃破すること』が条件となる。
          一度に一つまでのスキルしか対象とすることができず、ストックしてもパラメーターが足らなければ当然セットすることはできない。

以下スキルセットにより変更可能なスキル枠。

[貫通] C … 物理的な防御を無視するスキル。どれだけ堅固な物理耐性があろうと無視して通常通りの物理ダメージを与える。
       ただし物理反射だけは無視できない。
[物理激化] - … 物理属性の攻撃を行う際、その威力が通常の1.5倍になる。
[戦神の加護] A … クリティカル率を通常より+50%する。
         攻撃を行う際、LUC判定に成功する確率が上昇する。

【宝具】
『ベルの王』
ランクA 種別:対軍宝具 レンジ:1?10 最大捕捉:100人
悪魔統べる魔王の証。
東京封鎖を生き延びたキャスターが、その末に身に宿した『ベル(バアル)』の力である。
かつて神との戦いに敗れ分割されていたが、争奪戦を経て再集結し、王の門『バ・ベル』を打ち倒すことにより完全復活した。

魔界より悪魔を召喚し従わせることができる。強制的に従わせるのではなく悪魔の方がこの力を持つ者を王として認めるのである。
その為、自身が召喚した悪魔でなくとも、他の者使い魔として契約していないのであれば悪魔は自発的に協力する。
ただし日本の土地神等、ベルの力の及ばない地域の悪魔はその限りでない。
悪魔は何十体でも召喚可能だが、召喚の度に魔力を必要とする。

  • weapon
comp
コミュニケーションプレイヤー (Communication Player) の略称であり、とある世界においてメール、ブラウザ機能を有している。
とある人物による改造が施されており、悪魔を召喚、使役する為のプログラムが搭載されている。
魔王となったキャスター自身は既にこの機械使うことなく召喚できるが、召喚者自身を強化する機能も付いておりスキルのセットやクラックはcompを通さなければ発動できない。
また搭載されたハーモナイザーにより異界の存在と波長を合わせることで、攻撃をある程度緩和し逆に悪魔への有効な攻撃も可能になる。
全く異世界の存在であっても場合によっては解析し、ハーモナイズすることが可能。
未来を預言するメール『ラプラスメール』やそれを利用し余命を表示する機能も存在したが、既に使用不能になっている。

compの外観は二画面やタッチペンを利用した特徴的なゲーム機である。

【人物背景】
あるところに神の子として生まれ落ちた兄弟がいました。
兄は地を耕す農業に、弟は羊たちを飼う牧畜に、それぞれ従事して共に暮らしていました。
そして彼らは神に自らの仕事の成果を捧げ物をしたのです。
捧げられたものは共に最上のものでした。でしたが、しかし神は弟の捧げ物だけを見て、兄については無視してしまいました。
怒った兄は弟を殺してしまいます。

……これが人類最初の殺人。旧約聖書に記されしカインとアベルの物語である。

結果、カインは原初の罪人として永劫孤独の生を繰り返すことになる。
一方殺されたアベルは人間として転生し、その因子は多くの人に受け継がれた。
脈々と受け継がれた因子……アベル因子は薄れつつも世界に広がり、東京に住む一人の少年にも受け継がれた。
それだけならば彼はただの人のままであった筈だった。数多くいる薄れた因子の継承者、その一人に過ぎなかった筈だった。

しかし、少年は目覚めることになる。

夏休み、少年は東京にて友人たちと時間を過ごしていた。
そんな日常は、彼の従兄弟の導きにより崩壊することになる。
突如として始まった東京封鎖。現れる悪魔たち。無慈悲にも宣告される寿命。
東京に閉じ込められた少年は、それでも必死に生き延びていく。
その最中、彼は目覚めた。『ベル』の力を持つ悪魔を倒したことで、彼の身に宿るアベル因子が呼び起されたのだ。
ベル・デル。ベル・イアル。イザ・ベル。ベル・ゼブブ。ベル・ベリト。そして、バ・ベル。
彼らを全て取り込み、少年はア・ベルとして完全に覚醒する。

その覚醒には彼の従兄弟の言葉があった。
従兄弟――いや、何時しか兄を名乗っていた彼は言った。
“魔王となって神を討て”と。
そして少年はそれを選んだ。

七日間。
奇しくも神が世界を作ったのと同じだけの時間をかけて、少年は魔王として生まれ変わった。
兄と手を取り、傲慢にもヒトに苦境を強いた神を討つ。
その為にア・ベルとして、ベルの王として、少年は神の軍勢に戦いを挑む――

『女神異聞録デビルサバイバー』『デビルサバイバー・オーバークロック』における主人公、通称ネコミミ。
魔王ルート(ナオヤ・カイドールート)を通り魔王として神に挑むことを選んだ場合の彼となる。
ステータス振りは力速振り。魔と体は最低限しか上げていない。そのため物理スキルはめっぽう強いが、魔術攻撃はそもそもスキルセットできない場合が多い。
召喚時の状態は七日目終了後から八日目(OC)メタトロン撃破前あたりの魔王として完全覚醒していないあたりを想定。(完全なる魔王はサーヴァントの域に入らない為)
口調、性格は漫画版を参考。


【サーヴァントとしての願い】
神を討つ。
神に由来する聖遺物である方舟と聖杯を破壊し、そしてムーンセルにも戦いを挑む。

【基本戦術、方針、運用法】
キャスターであるが、魔術はさほど得意としていない。下手すると響希の方が適正が高い
使えない訳ではないが、一般的な魔術師以下。これはキャスターがcompによる強化を筋力と敏捷に振っていた為である。
そのため物理攻撃を得意とするが、それもサーヴァントとしては中途半端。三騎士クラスを相手取れるほどではない。
スキルセットやクラックも一見して強力に見えるが縛りが強く、力量を越えるスキルは扱えないので『使えるスキルを選べる』というよりは『使えるスキルを常に制限されている』という方が近い。
(似たスキルである『皇帝特権』とはその汎用性は比べるべくもない)
なのでサーヴァント単体としては『そこそこ程度には直接戦闘ができるが、肝心の魔術が苦手なキャスター』という苦しい評価になる。

キャスターの強みは宝具『ベルの王』にこそある。
キャスターは悪魔を召喚することによる物量作戦を展開できるのである。
召喚される悪魔は多彩な能力を持っており、諜報から戦闘まであらゆる局面で使えるだろう。王である為悪魔からの忠誠も高い。
マスターである響希もまたサマナーである為、彼に悪魔への指示を任せることもできる。
ただしアイテム依存の召喚ではない為、召喚のたびにキャスター自身の魔力を消耗する。また当然のことながら強力な悪魔ほど多くの魔力を使わなければ召喚できない。
幸い響希の魔力量はサマナーとしては人並み以上である為、そこまで継戦能力に欠ける訳ではない。
とはいえ召喚される悪魔がキャスターの生命線である以上、召喚の使いどころはよく考えた方がいいだろう。

攻めに回るならばスキルを攻撃的なものにした上で、圧倒的な物量に物を言わせ敵を屠り、
守りに回るならば情報収集や戦闘は召喚した悪魔に任せ、キャスター自身はどこかに籠城することになる。



【マスター】久世響希
【参加方法】ポラリスへの謁見の直前、ムーンセルにアクセスしてしまう。(ムーンセルがデビサバ2A世界ではポラリスとして観測された可能性あり)
【マスターとしての願い】聖杯を誰にも使わせない。そして、世界のやり直し……?
【weapon】携帯電話。悪魔召喚プログラムがインストールされており、響希自身も悪魔を召喚することができる。
     自らの死を予測する『死に顔動画』もインストールされているが、開発者であるアルコルが死に、世界も崩壊した為動作するかは不明。     
【能力・技能】悪魔を召喚するサマナーとして一級の能力を持つ。
       その適性の高さは『実力主義』を標榜するヤマトが一目置くほど。
       使用する悪魔は『ビャッコ』『スザク』等、神獣や霊鳥が多い。
【人物背景】
『DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATION』の主人公。
当初はただの高校生に過ぎなかったが、彼が『死に顔動画』に関わったことを皮切りに物語は始まる。
悪魔召喚プログラムを手に入れサマナーとして目覚めた彼は、峰津院大和率いる組織『ジプス』に所属し人類存亡の戦いに身を投じる。
『セプテントリオン』北斗七星の名を冠する侵略者を多くの犠牲者を出しながらも退けていく。
そしてその最中、響希はヤマトの野望を知ることになる。
それは試練の元凶である『ポラリス』に謁見することで、ヤマトは自らの信ずる実力主義の世界を作ろうとする――というものだった。
その意見に反発した響希はジプスを離脱。ヤマトと決別する形で七日目を迎えることになる。

参戦時期としては七日目の試練を乗り越え、響希はヤマトを追ったあたり。つまり最終話直前あたりになる。
アニメ版は原作と設定が多く違い、主人公の性格(元々無名主人公)もアニメオリジナルのものとなっている。

【方針】
誰にも聖杯を使わせない。
そのために聖杯を狙うマスターを止める。