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「ふっざけんなあああああああッ!!」 データ上に再現された冬木市、その町を左右に断ち切る未遠川の水上に浮かぶ貨物船の中で、一人の男が空に吠えていた。 短くも長くもなく整えられた銀髪をくしゃくしゃにし、 そこそこに端正であったであろう相貌を乱した科学者風の男……Dr.ウェルは押さえきれない嘆きを慟哭に変え続ける。 「ここまで……ここまで来たんだぞッ!」 無理はなかった。後一歩だったのだ。 月の落下による世界滅亡を控えた世界で、彼は己が望みを叶える後一歩までたどり着いていたのだ。 彼の属していた武装組織フィーネは、その災厄に立ち向かう為に創られた組織だった。 だが、それは組織と言うにはあまりにも幼く、弱すぎた。 「ナスターシャのクソババアは犠牲に怯え思考と指向を鈍らせるッ!  ガキ2人は友達づきあいのレクリエーションと勘違いしてやがりッ!  トドメとばかりにアホのマリアは弱虫泣き虫いじけ虫と来てやがる……ッ!!」 そんな組織に犠牲を許容することも何かを貫くことも出来るわけもなく、 掲げられた槍の穂先の向かう先は、組織の空中分解と本来の帰属先であるアメリカからの抹殺以外になかった。 「それをッ! ボンクラだらけの貧乏所帯をなんしか組織の体(てい)に整えッ!  特機部ニと米軍艦隊をかき分けてッ!災厄より逃れる唯一の箱船……フロンティア浮上まで至らせたのは、  この僕じゃないかああああッ!!」 巨大なる現実にくず折れそうになった理想。それを立ち上がらせたのが、誰であろうこの男だった。 その背は高くとも肉の足りぬ体からあふれ出す理想(ゆめ)は、組織をかろうじて維持し、 目的まで数多ある障害を「必要経費を支払って」達成し、 フロンティア……古代先史文明期に封じられた星間航宙船型聖遺物・鳥之石楠船神を復活させた。 後はそれを掌握するだけでウェル博士の理想は達せられるはずだった。 その方舟の中にあった、もう一つの方舟の破片を見つけなければ。 「ふざけんな、ふざけんな……ふざけんなよ……どうして僕がこんな目に会うんだ……  頑張ったんだぞ、僕は、一所懸命にッ! だったら叶わなかったらおかしいだろうがよッ!」 油で薄汚れたメガネがずり上がる。それほどの絶望だった。 夢を諦めない。ただその一念だけで突き進み、たどり着いた場所は皮肉にも立ち向かうべき月の海だった。 偽りの学園生活は最初から色褪せていた。こんな十把一絡げ、顔のない世界なんて吐き気がする。 掴みたかったのは「唯一」。彼が抱いた夢は、こんなものからもっとも遠いのだから。 だが、その祈りは空しくもセラフの中へ消えてゆく。 「イヤだッ! イヤだイヤだイヤだイヤだイヤダイヤダイヤイヤイヤッ!!  僕は成るんだッ!! 絶対に、必ずッ!! 僕は、僕は――――!!」 「ならば、聞かせてくれよ。お前の欲す夢を」 その叫びに応ずるようにもう一人の男が囁く。 つばのある帽子を被り、軍服の上から真白い外套を羽織った長身の男だった。 目つきは鋭いが、美形にカテゴライズされるだろう。 だが、そんな些末など吹き飛ばしてしまうほど、その笑みは剣呑の極みだった。 「だ、誰だお前は……ッ!?」 「人に誰何するのであればまず自分からと思うが……なに、無礼は不躾に問うた俺も同列。  見ての通り、お前のサーヴァントだ。キャスターのクラスをあてがわれている」 キャスター。その単語を聞き、ウェル博士は己が立つ場所……聖杯戦争のことをようやく思い出した。 ただ一つの熾天の座を巡る殺し合いの儀。そしてその為の力、サーヴァントこそが目の前にいる男なのだ。 「そら、突っ立っているだけでは案山子と変わらんぞ。詠ってくれよ、ここに来た意味を。お前の内に熾る願いを」 「ぼ、僕は……」 月の災厄を阻止するため、と嘯こうとした口が本能的に噤む。 濁り過ぎていっそ澄み渡ったような紫瞳が、ウェルという夢を暴こうとしていた。 御為ごかしの嘘を吐こうものなら、殺される。 必要なのは、本気。本気の夢だけが、このサーヴァントを揺り動かすのだと確信した。 「僕は、僕は英雄になるッ!! 誰からも賞賛される英雄にッ!!」 フロンティアを掌握したそのときこそ解き放つつもりだった赤心を晒す。 キャスターは口をゆがめるが、それが笑みか失意かはまだ判別できない。 「ほう、ならば如何にしてそれを為す。いや、そもそも英雄になるという矛盾はどうする。  古今東西、英雄論の欠陥なぞとっくに手垢まみれだ」 英雄になろうと思った時点で英雄失格。英雄とは犠牲の証明。 抱いた理想と共に溺死する末路だけが英雄志願に残された道だ。 「やっかましいッ!! 僕のオカンでもペットでもないお前に心配される謂われはないッ!!  僕だけが気づいた必勝法は完全無欠ッ! 英雄の手に収まらないほど人類が溢れたというならさっ引けばいいだけのことッ!!」 だが、そんなこと知ったことかと、子供のような瞳で彼は現実に抗う。 人の数だけ祈りがあって、そのぶつかり合いで英雄が磨耗するというなら、その人の数を程良く減らせばいい。 「他の奴が真っ当を言おうが知ったことか! 真っ当で何が出来る!?   真っ当で何が届くッ! 知るか知らいでかッ! 僕はその先のものを掴むッ!! それが、それがッ!!」 彼が抱く祈りが、俗人にとっては奇異に映ることなど知っている。 目の前の男がサーヴァントということを差し引いても異常なことはよく分かっている。 それでも。 「それが、僕の「夢」だからだッ!!」 それでも、夢だけは裏切れない。理屈で夢は止められない。 胸に秘めた有らん限りの想いが、空に、水面をに消えてゆく。 糸が切れたように、ウェル博士は尻餅をついた。言ってしまった。言い切ってしまった。 彼とて知っている。自分が抱く夢が凡俗には理解できないものであることを。だから最後の最後まで胸に秘めていたのだ。 英雄になる過程で人類を絶滅寸前にまで追い込む。 こんな願い、真っ当なサーヴァントならば到底許容できるものではない。 「……ふ、ふふ」 だが、ウェルの夢に応じたこのサーヴァントは真っ当を超越していた。 「ふはははははははッ!! いいな、心地いいぞその想い!!   自分を異端と弁え、それでもと己の夢を貫かんとするその勇気。実に俺好みだ!!」 哄笑ではない。嘲りなどでは断じてない。この狂える青二才が抱く青臭い願いを、本心から尊敬している。 「理屈や方法論がどうこうと、無意味とは言わんがそれを矢面に出すなど女々しくで仕方ない。  重要なのは先ず覚悟! 道理を捻じ曲げようと何が何でも事を成し遂げようとする気概ッ!!  あらゆる展望を論じる前に、これを押し通さなければ話にもならんッ!!」 笑いながらも真っ直ぐに見据えてくる瞳に、ウェルは確信した。ああ、こいつも同類なのだと。 見果てぬ夢を、それでもと言い続けてきた青臭い奴原なのだと。 「いいだろう。貴様を我がマスターと……否、それではこの敬意には似つかわしくない。  お前はセージによく似ている……親友と呼ばせてはくれまいか?  そして魅せてくれ、応援させてほしい。お前の夢の続きを、この月の邯鄲(ユメ)で」 尻餅をついたウェルに、魔人が手を伸ばす。 誰にも理解されなかった夢は、この月でついに真の理解者を得る。 「ならば、僕はなんと呼べばいい? 貴方の真(まこと)の名を教えてくれ」 「名をいうも憚られるしがない罪人だ。それでもというのならば、大尉と呼んでくれ」 手をつかむ。二人の間に、未遠川の涼やかな風が吹いた。 「問いましょう。貴方の願いは?」 「楽園(ぱらいぞ)を。光り輝く勇気の下で、人間賛歌を歌いたいのだ」 キャスターの言に偽りは何一つない。だがウェルは確信する。その為ならばこの男はなんでもするのだ。 そのためならば世界を混沌(べんぼう)に叩き落としてでも。 僕だってそうするから。 「困難だ大尉、ああ、余りにも困難だ」 「青臭いとは自覚しているよ。だが――」 ずり上がった眼鏡を整える。だが、すぐにずり落ちた。 「僕たちは夢をあきらめない」 「故に、我等の夢は、必ず叶う。なぜならば――」 右手に魔人の手を、左手にソロモンの杖を。 魔に彩られた両の手を天に掲げる。 「「なぜなら誰でも、諦めなければ夢は必ず叶うと信じているのだァァァァァァァッ!!!!」」 ああ―――――――なんて、空気が旨い。 【クラス】キャスター 【真名】甘粕正彦@相州戦神館八命陣 【パラメーター】筋力D 耐久C+ 敏捷C 魔力A+ 幸運B+ 宝具EX 【属性】混沌・善 【クラススキル】 『陣地作成:A』  魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。“神殿”の形成が可能。  創法の形と界。かつて夢界にてキャスターは内部に大聖堂を設けた戦艦・伊吹を創り上げた。 『道具作成:A』  魔力を帯びた器具を作成可能。  キャスターが最も得意とするのは創法の形であり、  核・水爆・衛星兵器など、近代兵器・近未来兵器の作成すら可能。  ルーラー(ジャンヌ)でさえも欲しがるスキル。 『対魔力:-』  アーチャーのクラススキルである対魔力はキャスター適正によって相殺・消滅している。  軽減などもったいない。全力の輝きこそを受け止めたいキャスターは気にしていない。 『単独行動:B』  マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。  ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。 【保有スキル】 『邯鄲の夢:EX』  普遍的無意識の集合世界である夢界において、イメージの力で超常現象を発動させる技術。  大別すると五種、細分化して十種の夢に分類される。   戟法・剛(筋力UP)、戟法・迅(速力UP)、楯法・堅(防御UP)、楯法・活(回復力UP)   解法・透(自己当たり判定無視)、解法・崩(相手の防御無視)、呪法・射(単体魔法攻撃)、   呪法・散(全体魔法攻撃)、創法・形(物質創造・操作)、創法・界(環境創造・操作)  これらを組み合わせて己独自の夢を創り上げるのが邯鄲の極意であり、スキルレベル上昇によって同時展開できる夢が増える。  邯鄲を制覇した盧生――EXクラスになると現実世界にまで夢の力を持ち出せる上、  これら10項に属さない、五常・終ノ段が使用できる。(位階は序段・詠段・破段・急段・終段となる)  ただし、サーヴァントであるキャスターは夢界の代わりにセラフを用いているため、  中枢を掌握でもしない限り出力・燃費は生前のそれに劣る。 『勇者:D-』  驚異的存在(魔王)に立ち向かう者の概念。敵対者と自己のレベル差が相手側に開けば開くほど自己のパラメータをアップさせる。  本来キャスターは魔王・魔人側に属するため、本来ならばこのスキルが付与させることはありえないが、  人類の普遍的無意識たるアラヤにまで(呆れ気味に)賞賛されたことで手に入れた。『勇者(バカ)』。 『二重召喚:B(弓)』  二つのクラス別スキルを保有することができる。極一部のサーヴァントのみが持つ希少特性。  夢を操る魔術師でありながら、近代兵器や神性存在の釣瓶打ちを得意とする弓兵である魔人の証明。 『戦闘続行:C』  瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。  諦めなければ、夢は叶うと信じているのだァッ!! 『使い魔(蠅):A+』  蠅(の悪魔)を使い魔として使役できる。攻撃力はないが魔力さえ供給すれば復活も容易。欠点はウザいこと。 【宝具】 『裏匂陳・百鬼空亡(そらをほろぼすひゃくのおに)』 ランク:B- 種別:対軍宝具 レンジ:1~100 最大捕捉 100人 邯鄲の夢、五常・終ノ段。狂える大地の化身たる百鬼空亡を召喚する。 その狂気のまま、悶え苦しむように周囲のありとあらゆるものを破壊しつくす。 発動条件は確保した霊地を狂わせ、その霊地を霊脈ごと捧げること。 霊地ならば5ターン、大霊地ならば10ターン暴れ続け、最後にはその霊地及び地脈エリアごと消滅する。 本来ならば発動すれば誰も倒せない地球の神霊だが、月の疑似世界ではその力は大幅に減じている。(それでも脅威だが) 『斯く在れかし聖四文字(あんめいぞ・いまデウス)』 ランク:B 種別:自己強化宝具 レンジ:- 最大補足:1人 邯鄲の夢、五常・急ノ段。キャスターの抱く「お前たちの輝きが魅たい」という夢と 敵対する者たちの「奴(キャスター)の脅威に立ち向かおうと勇気を奮い立たせる」という夢が同時に成立することで発動。 強まる輝き(勇気)の人数と質に比例してキャスターのパラメータをアップさせる。 日本全国民を対象として発動し、強化されたキャスターの一撃は刀の一振りで山脈を消し去るほど。 より脅威となったキャスターに対抗して更なる奮戦を見せれば、その輝きに応じて魔王は更なる闇となる。 『神々の黄昏(ラグナロク)』 ランク:EX 種別:終末宝具 レンジ:1~1000 最大補足:10000人 邯鄲の夢、五常・終ノ段。北欧神話における神々の最終戦争の顕現。 普遍的無意識の中に偏在する今古東西種別様々な神話的存在・奇蹟を具現する終ノ段を用い、 北欧神話に限らないありとあらゆる神性存在を召喚。 それらを制御して彼らを戦わせ、その際に生じる破壊現象にて攻撃する。 否、最早攻撃ですらない。ありとあらゆるルーツに属する神が集っているため、 人の信仰、無意識の限り戦争と破壊は広がり続け、最後に残るのは何一つ残らない黄昏の世界だけである。 欠点は神々の最終戦争というプロセスを経るため、始動から効果発動まで時間がかかることと、 始動したらキャスターが死んでも止まらないことと、キャスター本人も無事では済まないこと。 【weapon】軍刀 【人物背景】  大日本帝国特高警察憲兵大尉。甘粕事件で有名なあの人。  本作品では、天才学者・柊聖十郎と出会い、普遍無意識の集合世界「夢界(カナン)」を踏破し、  夢を力に変える超常能力「邯鄲の夢」を手に入れた。  だが、その試練の課程で大正期から約100年(現代あたりまで)のシミュレート世界を体験し、  戦後人は物質的に豊かになり法の加護の下で堕落し、輝きを失うことを知り絶望。  輝きに満ちた人間を愛すべく、楽園(ぱらいぞ)……自身が魔王となり、  全人類を邯鄲の夢使用可能にして超人乱神の入り乱れた混沌世界を作り上げようとしていた。  愛・勇気・希望をこよなく愛し、それを持つ人間を尊敬する。人間賛歌を歌い続ける青年。  だが、愛するあまりもっと輝きをみたいと試練・立ち向かう障壁を追加する悪癖がある。 【サーヴァントとしての願い】  魔王となり楽園(ぱらいぞ)の完成。  ウェルの願いを応援していけば、その対抗たる輝きも楽しめると思っている。 【基本戦術、方針、運用法】  夢による強化を乗せた軍刀による攻撃や砲門を創形しての射撃など。  明らかな格下相手に本気を出すほど大人げなくはない。  ただし、これぞと見込んだ相手にはより相手を輝かせるために、  試練という名の近代兵器釣瓶打ちやクロウ・クルワッハなどの審判系の神々召喚を仕掛ける。  (なお、すごくいい声で兵器名や神の名を叫ぶ)  基本的には理知的なので相手の意見は聞くし尊重もする。  相手の全力を見るためならば待ちも応援もするし、策略さえも許容する。  が、問題はキャスター独特の価値観と感極まった時に自制が効かなくなる点。  令呪やパスによる縛りはあるとはいえ、マスターはこの台風を制御する必要がある。 【マスター】ウェル博士(本名はシークレット扱い) 【参加方法】フロンティア内にあった木片を手にして巻き込まれた。 【マスターとしての願い】英雄となり人類の支配。 【weapon】  『ソロモンの杖』   バビロニアの宝物庫へのゲートを開き、   特異災害にして先史文明の人類殲滅兵器ノイズ(単独行動E-持ちのサーヴァント相当)を召喚する完全聖遺物。   杖に備わった72種類のコマンドを組み合わせることにより、複雑で精緻なコントロールを可能とするばかりか、   目的に応じた自律行動をプログラムできる。   ただし、某英雄王に見つかれば死罪どころでは済まないため、その召喚量には制限が掛けられ、   またノイズのスキルである『位相差障壁(シンフォギア以外での被ダメージ99%減)』と  『炭化現象(ノイズに接触すれば致死ダメージ)』は激減している。  『ネフィリムの心臓』   完全聖遺物ネフィリムに大量の聖遺物を捕食させたことで励起した心臓。   自律稼動するエネルギー増殖炉。装備させれば膨大なリソース供給源となる。   ただし、心臓だけになってもネフィリムの捕食衝動は健在のため、下手をすれば逆にリソースにされるだろう。 【能力・技能】  『生化学者』   聖遺物と生体を結びつける科学を専攻していた。生体に詳しいため、医療スキルとしても使用可能。   その科学により生成される『LiNKER』は多少の副作用と引き換えに、適合率の低い奏者にシンフォギアを纏わせるほど。   資材と情報さえあれば、シンフォギア以外の神秘と人体を適合させるLiNKERすら生成できるだろう。 【人物背景】  米国連邦聖遺物研究機関より特務二課へ出向した科学者。  しかしそれは表向きであり、実は武装組織フィーネ……米国の裏の機関FISより出奔した構成員である。  中核メンバーのナスターシャの医療スタッフ、  及び保有戦力たるシンフォギア奏者用のメンテナンススタッフとしてナスターシャに招聘され、彼らと共に世界へ敵対する。  頼りない他メンバーの中で数少ない知性派として様々な策を立案し、敵対する特務二課を翻弄した。  目的のためならばただ目撃した野球少年達を炭素に変え、友を案じる少女を薬物漬けにして消耗品の戦闘兵器に変えることも厭わない。  だが、狂気にはらんだ彼の目的は人類の救済であっても月の落下阻止ではなかった。  彼の目的は「英雄」になることで、数多の英雄が人類を束ねられなかったのは人類の数が多すぎたためと断じ、  月の災厄から生き延びた僅かな人類を支配する計画を練っていた。  性格は独善を通り越した自己中心。  人類救済も自分さえ生き残っていればそれで成立すると豪語する始末。  なお、追いつめられると結構簡単に取り乱して顔芸する。  でも、調子に乗ってもわりかし簡単に顔芸する。 【方針】  優勝一択。基本的に自分以外の人間は英雄たる自分に比べれば無価値と思っているので、殺害には躊躇しない。  ただし、必要とあれば自分の内側の狂気を鞘走らせることなく、交渉・騙しも行える。
「ふっざけんなあああああああッ!!」 データ上に再現された冬木市、その町を左右に断ち切る未遠川の水上に浮かぶ貨物船の中で、一人の男が空に吠えていた。 短くも長くもなく整えられた銀髪をくしゃくしゃにし、 そこそこに端正であったであろう相貌を乱した科学者風の男……Dr.ウェルは押さえきれない嘆きを慟哭に変え続ける。 「ここまで……ここまで来たんだぞッ!」 無理はなかった。後一歩だったのだ。 月の落下による世界滅亡を控えた世界で、彼は己が望みを叶える後一歩までたどり着いていたのだ。 彼の属していた武装組織フィーネは、その災厄に立ち向かう為に創られた組織だった。 だが、それは組織と言うにはあまりにも幼く、弱すぎた。 「ナスターシャのクソババアは犠牲に怯え思考と指向を鈍らせるッ!  ガキ2人は友達づきあいのレクリエーションと勘違いしてやがりッ!  トドメとばかりにアホのマリアは弱虫泣き虫いじけ虫と来てやがる……ッ!!」 そんな組織に犠牲を許容することも何かを貫くことも出来るわけもなく、 掲げられた槍の穂先の向かう先は、組織の空中分解と本来の帰属先であるアメリカからの抹殺以外になかった。 「それをッ! ボンクラだらけの貧乏所帯をなんしか組織の体(てい)に整えッ!  特機部ニと米軍艦隊をかき分けてッ!災厄より逃れる唯一の箱船……フロンティア浮上まで至らせたのは、  この僕じゃないかああああッ!!」 巨大なる現実にくず折れそうになった理想。それを立ち上がらせたのが、誰であろうこの男だった。 その背は高くとも肉の足りぬ体からあふれ出す理想(ゆめ)は、組織をかろうじて維持し、 目的まで数多ある障害を「必要経費を支払って」達成し、 フロンティア……古代先史文明期に封じられた星間航宙船型聖遺物・鳥之石楠船神を復活させた。 後はそれを掌握するだけでウェル博士の理想は達せられるはずだった。 その方舟の中にあった、もう一つの方舟の破片を見つけなければ。 「ふざけんな、ふざけんな……ふざけんなよ……どうして僕がこんな目に会うんだ……  頑張ったんだぞ、僕は、一所懸命にッ! だったら叶わなかったらおかしいだろうがよッ!」 油で薄汚れたメガネがずり上がる。それほどの絶望だった。 夢を諦めない。ただその一念だけで突き進み、たどり着いた場所は皮肉にも立ち向かうべき月の海だった。 偽りの学園生活は最初から色褪せていた。こんな十把一絡げ、顔のない世界なんて吐き気がする。 掴みたかったのは「唯一」。彼が抱いた夢は、こんなものからもっとも遠いのだから。 だが、その祈りは空しくもセラフの中へ消えてゆく。 「イヤだッ! イヤだイヤだイヤだイヤだイヤダイヤダイヤイヤイヤッ!!  僕は成るんだッ!! 絶対に、必ずッ!! 僕は、僕は――――!!」 「ならば、聞かせてくれよ。お前の欲す夢を」 その叫びに応ずるようにもう一人の男が囁く。 つばのある帽子を被り、軍服の上から真白い外套を羽織った長身の男だった。 目つきは鋭いが、美形にカテゴライズされるだろう。 だが、そんな些末など吹き飛ばしてしまうほど、その笑みは剣呑の極みだった。 「だ、誰だお前は……ッ!?」 「人に誰何するのであればまず自分からと思うが……なに、無礼は不躾に問うた俺も同列。  見ての通り、お前のサーヴァントだ。キャスターのクラスをあてがわれている」 キャスター。その単語を聞き、ウェル博士は己が立つ場所……聖杯戦争のことをようやく思い出した。 ただ一つの熾天の座を巡る殺し合いの儀。そしてその為の力、サーヴァントこそが目の前にいる男なのだ。 「そら、突っ立っているだけでは案山子と変わらんぞ。詠ってくれよ、ここに来た意味を。お前の内に熾る願いを」 「ぼ、僕は……」 月の災厄を阻止するため、と嘯こうとした口が本能的に噤む。 濁り過ぎていっそ澄み渡ったような紫瞳が、ウェルという夢を暴こうとしていた。 御為ごかしの嘘を吐こうものなら、殺される。 必要なのは、本気。本気の夢だけが、このサーヴァントを揺り動かすのだと確信した。 「僕は、僕は英雄になるッ!! 誰からも賞賛される英雄にッ!!」 フロンティアを掌握したそのときこそ解き放つつもりだった赤心を晒す。 キャスターは口をゆがめるが、それが笑みか失意かはまだ判別できない。 「ほう、ならば如何にしてそれを為す。いや、そもそも英雄になるという矛盾はどうする。  古今東西、英雄論の欠陥なぞとっくに手垢まみれだ」 英雄になろうと思った時点で英雄失格。英雄とは犠牲の証明。 抱いた理想と共に溺死する末路だけが英雄志願に残された道だ。 「やっかましいッ!! 僕のオカンでもペットでもないお前に心配される謂われはないッ!!  僕だけが気づいた必勝法は完全無欠ッ! 英雄の手に収まらないほど人類が溢れたというならさっ引けばいいだけのことッ!!」 だが、そんなこと知ったことかと、子供のような瞳で彼は現実に抗う。 人の数だけ祈りがあって、そのぶつかり合いで英雄が磨耗するというなら、その人の数を程良く減らせばいい。 「他の奴が真っ当を言おうが知ったことか! 真っ当で何が出来る!?   真っ当で何が届くッ! 知るか知らいでかッ! 僕はその先のものを掴むッ!! それが、それがッ!!」 彼が抱く祈りが、俗人にとっては奇異に映ることなど知っている。 目の前の男がサーヴァントということを差し引いても異常なことはよく分かっている。 それでも。 「それが、僕の「夢」だからだッ!!」 それでも、夢だけは裏切れない。理屈で夢は止められない。 胸に秘めた有らん限りの想いが、空に、水面をに消えてゆく。 糸が切れたように、ウェル博士は尻餅をついた。言ってしまった。言い切ってしまった。 彼とて知っている。自分が抱く夢が凡俗には理解できないものであることを。だから最後の最後まで胸に秘めていたのだ。 英雄になる過程で人類を絶滅寸前にまで追い込む。 こんな願い、真っ当なサーヴァントならば到底許容できるものではない。 「……ふ、ふふ」 だが、ウェルの夢に応じたこのサーヴァントは真っ当を超越していた。 「ふはははははははッ!! いいな、心地いいぞその想い!!   自分を異端と弁え、それでもと己の夢を貫かんとするその勇気。実に俺好みだ!!」 哄笑ではない。嘲りなどでは断じてない。この狂える青二才が抱く青臭い願いを、本心から尊敬している。 「理屈や方法論がどうこうと、無意味とは言わんがそれを矢面に出すなど女々しくで仕方ない。  重要なのは先ず覚悟! 道理を捻じ曲げようと何が何でも事を成し遂げようとする気概ッ!!  あらゆる展望を論じる前に、これを押し通さなければ話にもならんッ!!」 笑いながらも真っ直ぐに見据えてくる瞳に、ウェルは確信した。ああ、こいつも同類なのだと。 見果てぬ夢を、それでもと言い続けてきた青臭い奴原なのだと。 「いいだろう。貴様を我がマスターと……否、それではこの敬意には似つかわしくない。  お前はセージによく似ている……親友と呼ばせてはくれまいか?  そして魅せてくれ、応援させてほしい。お前の夢の続きを、この月の邯鄲(ユメ)で」 尻餅をついたウェルに、魔人が手を伸ばす。 誰にも理解されなかった夢は、この月でついに真の理解者を得る。 「ならば、僕はなんと呼べばいい? 貴方の真(まこと)の名を教えてくれ」 「名をいうも憚られるしがない罪人だ。それでもというのならば、大尉と呼んでくれ」 手をつかむ。二人の間に、未遠川の涼やかな風が吹いた。 「問いましょう。貴方の願いは?」 「楽園(ぱらいぞ)を。光り輝く勇気の下で、人間賛歌を歌いたいのだ」 キャスターの言に偽りは何一つない。だがウェルは確信する。その為ならばこの男はなんでもするのだ。 そのためならば世界を混沌(べんぼう)に叩き落としてでも。 僕だってそうするから。 「困難だ大尉、ああ、余りにも困難だ」 「青臭いとは自覚しているよ。だが――」 ずり上がった眼鏡を整える。だが、すぐにずり落ちた。 「僕たちは夢をあきらめない」 「故に、我等の夢は、必ず叶う。なぜならば――」 右手に魔人の手を、左手にソロモンの杖を。 魔に彩られた両の手を天に掲げる。 「「なぜなら誰でも、諦めなければ夢は必ず叶うと信じているのだァァァァァァァッ!!!!」」 ああ―――――――なんて、空気が旨い。 【クラス】キャスター 【真名】甘粕正彦@相州戦神館八命陣 【パラメーター】筋力D 耐久C+ 敏捷C 魔力A+ 幸運B+ 宝具EX 【属性】混沌・善 【クラススキル】 『陣地作成:A』  魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。“神殿”の形成が可能。  創法の形と界。かつて夢界にてキャスターは内部に大聖堂を設けた戦艦・伊吹を創り上げた。 『道具作成:A』  魔力を帯びた器具を作成可能。  キャスターが最も得意とするのは創法の形であり、  核・水爆・衛星兵器など、近代兵器・近未来兵器の作成すら可能。  ルーラー(ジャンヌ)でさえも欲しがるスキル。 『対魔力:-』  アーチャーのクラススキルである対魔力はキャスター適正によって相殺・消滅している。  軽減などもったいない。全力の輝きこそを受け止めたいキャスターは気にしていない。 『単独行動:B』  マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。  ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。 【保有スキル】 『邯鄲の夢:EX』  普遍的無意識の集合世界である夢界において、イメージの力で超常現象を発動させる技術。  大別すると五種、細分化して十種の夢に分類される。   戟法・剛(筋力UP)、戟法・迅(速力UP)、楯法・堅(防御UP)、楯法・活(回復力UP)   解法・透(自己当たり判定無視)、解法・崩(相手の防御無視)、呪法・射(単体魔法攻撃)、   呪法・散(全体魔法攻撃)、創法・形(物質創造・操作)、創法・界(環境創造・操作)  これらを組み合わせて己独自の夢を創り上げるのが邯鄲の極意であり、スキルレベル上昇によって同時展開できる夢が増える。  邯鄲を制覇した盧生――EXクラスになると現実世界にまで夢の力を持ち出せる上、  これら10項に属さない、五常・終ノ段が使用できる。(位階は序段・詠段・破段・急段・終段となる)  ただし、サーヴァントであるキャスターは夢界の代わりにセラフを用いているため、  中枢を掌握でもしない限り出力・燃費は生前のそれに劣る。 『勇者:D-』  驚異的存在(魔王)に立ち向かう者の概念。敵対者と自己のレベル差が相手側に開けば開くほど自己のパラメータをアップさせる。  本来キャスターは魔王・魔人側に属するため、本来ならばこのスキルが付与させることはありえないが、  人類の普遍的無意識たるアラヤにまで(呆れ気味に)賞賛されたことで手に入れた。『勇者(バカ)』。 『二重召喚:B(弓)』  二つのクラス別スキルを保有することができる。極一部のサーヴァントのみが持つ希少特性。  夢を操る魔術師でありながら、近代兵器や神性存在の釣瓶打ちを得意とする弓兵である魔人の証明。 『戦闘続行:C』  瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。  諦めなければ、夢は叶うと信じているのだァッ!! 『使い魔(蠅):A+』  蠅(の悪魔)を使い魔として使役できる。攻撃力はないが魔力さえ供給すれば復活も容易。欠点はウザいこと。 【宝具】 『裏匂陳・百鬼空亡(そらをほろぼすひゃくのおに)』 ランク:B- 種別:対軍宝具 レンジ:1~100 最大捕捉 100人 邯鄲の夢、五常・終ノ段。狂える大地の化身たる百鬼空亡を召喚する。 その狂気のまま、悶え苦しむように周囲のありとあらゆるものを破壊しつくす。 発動条件は確保した霊地を狂わせ、その霊地を霊脈ごと捧げること。 霊地ならば5ターン、大霊地ならば10ターン暴れ続け、最後にはその霊地及び地脈エリアごと消滅する。 本来ならば発動すれば誰も倒せない地球の神霊だが、月の疑似世界ではその力は大幅に減じている。(それでも脅威だが) 『斯く在れかし聖四文字(あんめいぞ・いまデウス)』 ランク:B 種別:自己強化宝具 レンジ:- 最大補足:1人 邯鄲の夢、五常・急ノ段。キャスターの抱く「お前たちの輝きが魅たい」という夢と 敵対する者たちの「奴(キャスター)の脅威に立ち向かおうと勇気を奮い立たせる」という夢が同時に成立することで発動。 強まる輝き(勇気)の人数と質に比例してキャスターのパラメータをアップさせる。 日本全国民を対象として発動し、強化されたキャスターの一撃は刀の一振りで山脈を消し去るほど。 より脅威となったキャスターに対抗して更なる奮戦を見せれば、その輝きに応じて魔王は更なる闇となる。 『神々の黄昏(ラグナロク)』 ランク:EX 種別:終末宝具 レンジ:1~1000 最大補足:10000人 邯鄲の夢、五常・終ノ段。北欧神話における神々の最終戦争の顕現。 普遍的無意識の中に偏在する今古東西種別様々な神話的存在・奇蹟を具現する終ノ段を用い、 北欧神話に限らないありとあらゆる神性存在を召喚。 それらを制御して彼らを戦わせ、その際に生じる破壊現象にて攻撃する。 否、最早攻撃ですらない。ありとあらゆるルーツに属する神が集っているため、 人の信仰、無意識の限り戦争と破壊は広がり続け、最後に残るのは何一つ残らない黄昏の世界だけである。 欠点は神々の最終戦争というプロセスを経るため、始動から効果発動まで時間がかかることと、 始動したらキャスターが死んでも止まらないことと、キャスター本人も無事では済まないこと。 【weapon】軍刀 【人物背景】  大日本帝国特高警察憲兵大尉。甘粕事件で有名なあの人。  本作品では、天才学者・柊聖十郎と出会い、普遍無意識の集合世界「夢界(カナン)」を踏破し、  夢を力に変える超常能力「邯鄲の夢」を手に入れた。  だが、その試練の課程で大正期から約100年(現代あたりまで)のシミュレート世界を体験し、  戦後人は物質的に豊かになり法の加護の下で堕落し、輝きを失うことを知り絶望。  輝きに満ちた人間を愛すべく、楽園(ぱらいぞ)……自身が魔王となり、  全人類を邯鄲の夢使用可能にして超人乱神の入り乱れた混沌世界を作り上げようとしていた。  愛・勇気・希望をこよなく愛し、それを持つ人間を尊敬する。人間賛歌を歌い続ける青年。  だが、愛するあまりもっと輝きをみたいと試練・立ち向かう障壁を追加する悪癖がある。 【サーヴァントとしての願い】  魔王となり楽園(ぱらいぞ)の完成。  ウェルの願いを応援していけば、その対抗たる輝きも楽しめると思っている。 【基本戦術、方針、運用法】  夢による強化を乗せた軍刀による攻撃や砲門を創形しての射撃など。  明らかな格下相手に本気を出すほど大人げなくはない。  ただし、これぞと見込んだ相手にはより相手を輝かせるために、  試練という名の近代兵器釣瓶打ちやクロウ・クルワッハなどの審判系の神々召喚を仕掛ける。  (なお、すごくいい声で兵器名や神の名を叫ぶ)  基本的には理知的なので相手の意見は聞くし尊重もする。  相手の全力を見るためならば待ちも応援もするし、策略さえも許容する。  が、問題はキャスター独特の価値観と感極まった時に自制が効かなくなる点。  令呪やパスによる縛りはあるとはいえ、マスターはこの台風を制御する必要がある。 【マスター】ウェル博士(本名はシークレット扱い) 【参加方法】フロンティア内にあった木片を手にして巻き込まれた。 【マスターとしての願い】英雄となり人類の支配。 【weapon】  『ソロモンの杖』   バビロニアの宝物庫へのゲートを開き、   特異災害にして先史文明の人類殲滅兵器ノイズ(単独行動E-持ちのサーヴァント相当)を召喚する完全聖遺物。   杖に備わった72種類のコマンドを組み合わせることにより、複雑で精緻なコントロールを可能とするばかりか、目的に応じた自律行動をプログラムできる。   ただし、某英雄王に見つかれば死罪どころでは済まないため、その召喚量には制限が掛けられ、   またノイズのスキルである『位相差障壁(シンフォギア以外での被ダメージ99%減)』と  『炭化現象(ノイズに接触すれば致死ダメージ)』は激減している。  『ネフィリムの心臓』   完全聖遺物ネフィリムに大量の聖遺物を捕食させたことで励起した心臓。   自律稼動するエネルギー増殖炉。装備させれば膨大なリソース供給源となる。   ただし、心臓だけになってもネフィリムの捕食衝動は健在のため、下手をすれば逆にリソースにされるだろう。 【能力・技能】  『生化学者』   聖遺物と生体を結びつける科学を専攻していた。生体に詳しいため、医療スキルとしても使用可能。   その科学により生成される『LiNKER』は多少の副作用と引き換えに、適合率の低い奏者にシンフォギアを纏わせるほど。   資材と情報さえあれば、シンフォギア以外の神秘と人体を適合させるLiNKERすら生成できるだろう。 【人物背景】  米国連邦聖遺物研究機関より特務二課へ出向した科学者。  しかしそれは表向きであり、実は武装組織フィーネ……米国の裏の機関FISより出奔した構成員である。  中核メンバーのナスターシャの医療スタッフ、  及び保有戦力たるシンフォギア奏者用のメンテナンススタッフとしてナスターシャに招聘され、彼らと共に世界へ敵対する。  頼りない他メンバーの中で数少ない知性派として様々な策を立案し、敵対する特務二課を翻弄した。  目的のためならばただ目撃した野球少年達を炭素に変え、友を案じる少女を薬物漬けにして消耗品の戦闘兵器に変えることも厭わない。  だが、狂気にはらんだ彼の目的は人類の救済であっても月の落下阻止ではなかった。  彼の目的は「英雄」になることで、数多の英雄が人類を束ねられなかったのは人類の数が多すぎたためと断じ、  月の災厄から生き延びた僅かな人類を支配する計画を練っていた。  性格は独善を通り越した自己中心。  人類救済も自分さえ生き残っていればそれで成立すると豪語する始末。  なお、追いつめられると結構簡単に取り乱して顔芸する。  でも、調子に乗ってもわりかし簡単に顔芸する。 【方針】  優勝一択。基本的に自分以外の人間は英雄たる自分に比べれば無価値と思っているので、殺害には躊躇しない。  ただし、必要とあれば自分の内側の狂気を鞘走らせることなく、交渉・騙しも行える。

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