「呉キリカ&アサシン」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

呉キリカ&アサシン」(2014/07/06 (日) 20:05:06) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*呉キリカ&アサシン ◆Vj6e1anjAc 「いやぁしかし、驚いたよ」  からからと笑い声を上げるのは、黒髪をショートヘアにした少女だ。  ネコ科の獣のような金眼には、恐怖や緊張の色はない。この状況下で平然としていられるのは、大した器だと言えるだろう。 「聖杯戦争なんてのもそうだし、まさか私のサーヴァントとやらが、君のような奴だったとはね」 「ああ、それは同感だ。おれだってお前のようなやつと、言葉が通じるようになるとは思わなかった」  何よりその光景を、異様なものとして印象づけるのは、彼女の傍らに立った存在だ。  驚くなかれ、ライオンである。  浅黒い体毛を全身に纏い、緑の瞳を怪しく光らす、雄のライオンがいたのである。  しかもそれが黒髪の少女と、人間の言葉を使いながら、平然と談笑しているのだ。  そんな光景が成立するのは、彼らが戦争のルールに定められた、主君と従者の間柄だからだ。  アサシンのサーヴァント・スカー――この1頭の獅子こそが、呉キリカという少女に与えられた手札だった。 「人間の言葉を話すライオンなんて、どんなサーカスでも見られないだろうねぇ。それも方舟とやらの力なのかな?」 「おれに聞いてくれるなよ、マスター殿。所詮は草原暮らしのけだものなんだ。人間様の文明のことなど、知る由もない」 「まぁいいか。大事なのは君が強いかどうかだ。そこのところはどうなんだい?」 「知恵比べなら自信はあるが、直接戦えと言われれば……まぁ、まず勝ち目はないだろうな。  神にも悪魔にも縁遠い身だ。ライオンの領分以上のことはできん」 「なーんだ、そうなの」  果たして知恵比べというものは、その「ライオンの領分」に当たることなのだろうか。  それだけは気になったものの、すぐに落胆の方が勝った。  一応キリカは魔法少女なのだから、自分で戦うこともできる。  しかしそれでも、サーヴァントとのタッグを組めた方が、より勝利は確実なものとなったはずだ。  それがかなわないとなれば、どうしてもがっかりしてしまう。 「おいおいそう落ち込むなよ、マスター。爪と牙が役に立たずとも、頭を使えば勝機はある。  他の参加者は大勢いるんだ。だったらそいつらを潰し合わせれば、おれが弱くとも問題はあるまい?」 「潰し合わせる? そんなことができるのかい?」 「ちょっと頭を使えばいい。人の心を操ることなど、コツさえ掴めば簡単なことだ」  本当にそんなことができるのだろうか。  自信げに語るアサシンの言葉に、キリカはすっかり聞き入っていた。  ライオンが人を操るなど、眉唾ものとしか思えなかったが、なるほど確かに、こいつは非常に口が上手い。  こうして耳を傾けていると、あるいはそんなことすらも、可能なのではとすら思えてくる。 「まぁそっちはおれに任せておけ。おれはマスターの忠実な下僕だ。  言うとおりにしていれば悪いようにはしない。必ず聖杯をプレゼントしてやるとも」 「そうだね……まぁ駄目で元々だ。君に任せてみることにするよ」  上手くいったらお立ち会い。駄目なら自分で戦うまで。  元より自分は考えるのが苦手だ。だったらここは無い知恵を絞るより、アサシンに賭けてみた方が気も楽だろう。 (待っててね、織莉子。必ず聖杯を持って帰るよ)  そう心に決心を固め、キリカは行動を開始した。  実のところ、彼女には、聖杯を使うつもりはなかった。  願望器の力を必要としているのは、自分ではなく友人の方だ。  ここにはいない親愛なる友――世界の救済者・美国織莉子。  世界を滅亡から救わんとする彼女には、聖杯の願いを叶える力が、きっと助けになることだろう。  どうせ自分が使おうとしても、大金や山盛りのお菓子くらいしか、願いのレパートリーはないのだ。  だったら自分が使うより、相応しい使い手の元に持ち帰って、プレゼントした方が万倍いい。  忠実なる愛の下僕・キリカは、獣の従者を伴って、愛する者のために歩みを進めた。 ◆ (ふふん、せいぜい図に乗っているがいい)  そしてそんな背中を見つめて、内心で笑う獣が1頭。  傷のある目元を妖艶に歪め、嘲笑するかのように見送るのは、アサシンのクラスを冠した獅子だ。 (今はお前に従ってやる。だが然るべき時が来たら……その時に笑うのはこのおれだ)  アサシンはこのキリカという少女に、聖杯をくれてやるつもりなど毛頭なかった。  自分にも願望器にかける願いがあり、故に聖杯を使うべきは、マスターではなく自分だと考えていたのだ。  令呪とやらが自分を縛る限り、キリカを殺すことは許されない。  それに魔力の供給源を殺せば、自分は体を維持することもできず、立ちどころに消滅するだろう。  だからこそ、動くべきは最後の最後だ。  言葉巧みにキリカを騙し、奴が願いを言うよりも早く、自分の願いを聖杯に告げるのだ。 (そしておれは王として、再びプライド・ランドに返り咲く……そうとも、今度こそは上手くやるさ)  生前追い落とされた地位を、聖杯の力で取り戻す。  生意気な甥っ子を抹殺し、あのプライド・ロックの頂に、もう一度自分が上り詰める。  確かに振り返ってみれば、生前の統治は失敗だった。  甥のシンバを殺し損ねたことも、ハイエナを野放しにしたこともそうだ。  特に後者はよくなかった。無軌道な馬鹿共の食欲は、たちまち大地を枯れ果てさせてしまった。  しかしもう一度やり直すからには、二度と愚行は犯さない。自分を殺した裏切り者など、まとめて処分してしまえばい。 (まぁ、確かにおれに力はない。それでもやりようはいくらでもある)  そしてその願いを叶えるためには、まずこの聖杯戦争を勝ち抜くことだ。  確かにアサシンたるスカーは、英雄でも神でもないただのライオンである。  その上老いた身とあれば、直接戦闘で生き残ることは、到底不可能と言っていい。  だとしても、アサシンに不安はない。  そんな絶望的な状況だろうと、全く気後れしていない。 (要は余計な戦いなど、残らず捨ててしまえばいい。必要なのはただの一撃……マスターの喉を裂く爪の1本だ)  アサシンのクラスの基本戦術は、その名の通りの暗殺である。  相手に気づかれることなく殺す――そのために特化したスキルを駆使し、サーヴァントとの戦闘を避け、直接マスターを抹殺する。  そしてそれを行うための準備は、もちろん彼にも備わっていた。  それが他者を利用するための話術であり、彼に授けられた宝具だ。  対獣宝具「偽・百獣の王(キング・オブ・プライド)」――NPCの獣を洗脳し、支配下に置くための宝具。  同時に最大50もの動物を、意のままに操ることを可能とする力だ。  さすがに戦力としてはあてにならないが、小回りが利く上、外から判別もつかない分、使いようはいくらでもある。  偵察によし、誘導によし。人間であるマスター相手なら、とどめの一撃に使うもよしだ。 (ハイエナを操れないというのは、少しばかり気に食わんがな)  もっともこの宝具にも弱点はある。ハイエナを含むイヌ科の動物には、効力を発揮しないのだ。  しかしこの方舟にいるのは、何も犬に限っているわけではない。  他の動物が使えるのなら、その穴くらい埋めることは容易だ。 (ともあれ、王たる者はこのおれだ。他の奴らに聖杯は渡さん。  最後に聖杯の前に立つのは……はは、他の誰でもないこのおれなのだ)  高笑いを上げたくなる衝動を、必死に抑え込みながら。  野心を己が胸に隠して、アサシンはマスターに付き従う。  全ては真の王として、あの月に君臨するその時のため。  万能の願望器の前に立ち、その時にこそ笑うため、アサシンは今はただ静かに、策謀を張り巡らせていた。 【マスター】呉キリカ 【出典】魔法少女おりこ☆マギカ 【性別】女性 【参加方法】 『ゴフェルの木』による召喚。美国邸の庭園にたまたま木があった 【マスターとしての願い】 自分で聖杯を使うのではなく、織莉子にプレゼントしたい 【weapon】 ソウルジェム  魂を物質化した第三魔法の顕現。  千歳ゆまを始めとする魔法少女の本体。肉体から離れれば操作はできなくなるし、砕ければ死ぬ。  濁りがたまると魔法(魔術)が使えなくなり、濁りきると魔女になる。聖杯戦争内では魔女化するかどうかは不明。 【能力・技能】 魔法少女  ソウルジェムに込められた魔力を使い、戦う力。  武器は鉤爪で、劇中では主に3×2=6本の爪を展開して戦っていた。  固有魔法は速度低下。有機物・無機物問わず、あらゆるものに対して発動が可能で、対象の運動速度を低下させられる。  劇中では魔女結界にこの魔法をかけ、消滅を遅らせるなどしていた。  反面、攻撃に魔力を割きすぎると、この魔法の制御が難しくなり、視認できる範囲にしか効果を維持できなくなるという欠点がある。  必殺技は爪を投擲する「ステッピングファング」、膨大な爪を盾に連ねて叩きつける「ヴァンパイアファング」がある。  爪とキックを交互に繰り出す、アクロバティックな戦闘を得意としている。 【人物背景】 魔法少女・美国織莉子の友人にして、忠実な下僕。 世界を滅ぼす魔女の出現を防ぐため、その元となる魔法少女を殺すべく暗躍している。 キュゥべえの目を逸らすために、他の魔法少女を次々と殺害しており、高い戦闘センスを持っていると推測される。 明るく社交性の高い少女だが、全ての価値判断は、あくまで織莉子最優先。 織莉子に捧げる「愛」を神聖視しており、半端に口出ししようものなら、激昂し物凄い勢いでまくし立ててくる。 戦闘中にも狂っているかのような言動が多く、対戦した巴マミからは、「壊れている」と評されていた。 もっとも、何もない時には、冷静に戦況を分析したりもしており、全くの狂人というわけではない。 本来は過去のトラウマから、人間不信に陥っていたこともあり、他人と打ち解けられない内向的な性格だった。 しかし、偶然織莉子と出会った時に、彼女に惹かれる何かを感じ、彼女に声をかけられるようになるため契約。 「違う自分に変わりたい」という願いで、現在の性格へと変貌を遂げた。 この時「変わる前の自分」が持っていた願いを忘れてしまったのだが、この聖杯戦争に参加した時点では、何らかのきっかけにより思い出している。 本人はこの契約に対して、「織莉子を自分のウソに付き合わせた」と語っており、ある程度の負い目を感じていたものと思われる。 【方針】 優勝狙い。細かい作戦はアサシンに任せてみる 【クラス】アサシン 【真名】スカー 【出典】ライオン・キング 【性別】男性 【属性】混沌・悪 【パラメーター】 筋力:D 耐久:E 敏捷:D+ 魔力:E 幸運:E 宝具:C 【クラススキル】 気配遮断:B  サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。  完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。 【保有スキル】 話術:B  言論にて人を動かせる才。  国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。  弁論において、窮地にあっても挽回の可能性を手繰り寄せる。 心眼(偽):B  直感・第六感による危険回避。  視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。 カリスマ:E  軍団を指揮する天性の才能。統率力こそ上がるものの、兵の士気は極度に減少する。 【宝具】 『偽・百獣の王(キング・オブ・プライド)』 ランク:C 種別:対獣宝具 レンジ:1 最大補足:50匹  一時とはいえ、プライドランドの王として君臨した、その生き様が宝具と化したもの。世にも珍しい対獣宝具。  NPCの動物を、話術をもって洗脳し、自らの一部として操ることができる。  サーヴァントの一部であるため、他のサーヴァントを攻撃できるだけの神性も付与される。  ただしスカーの王としての器は、名君と呼べるほどのものではなく、その効力は半減している。  (然るべき王者が『百獣の王(キング・オブ・プライド)』を備えていた場合、操れる最大数は100匹となる)  また、スカーはハイエナに恨まれながら死んでいったため、同じイヌ科の動物を操ることはできない。 【weapon】 なし 【人物背景】 サバンナに存在する動物達の王国「プライド・ランド」の王族で、ムファサ王の弟でもあった雄ライオン。 狡猾な野心家であり、王の地位を狙っていたのだが、ムファサに王子・シンバが生まれたことによって、王位継承のチャンスが遠のいてしまう。 これを快く思わなかったスカーは、蛮族であるハイエナ達と結託し、ムファサを暗殺。 シンバをも始末するよう仕向けたことにより、ムファサの王位を継承し、プライド・ランドを治める暴君となった。 しかしシンバは生きており、成長した姿でプライド・ランドへと舞い戻ってくる。 スカーは敗北しプライド・ランドを追いやられ、 最期には「ハイエナが全てを企んだのだ」と言い訳したのを聞かれていたことがきっかけとなり、そのハイエナ達によって殺されてしまった。 獣でありながら策を弄し、身内の殺害にまで及んだ、狡猾さと残忍性を併せ持つ反英霊。 その悪知恵と人心掌握術は獣の領域を超えており、他種族であるはずのハイエナの群れを、意のままに操ったと言われている。 反面、彼らを継続的に管理することは難しかったらしく、プライド・ランドを荒廃させており、王の資質はややマイナスに傾いている。 本人の戦闘能力は、ただのライオンであることもあり、ライオンなりのものしか持たない。 そもそも生前にムファサに対して、「爪と牙を使った戦いではムファサに勝てない」と語っており、 あまり力には恵まれていなかったものと考えられる。 【サーヴァントとしての願い】 プライド・ランドの王として再び返り咲く。そのためにキリカを利用する 【基本戦術、方針、運用法】 さすがに人間よりは強いが、本人の戦闘能力は底辺に近い。 そのためマスター自身や、宝具で操ったNPCを利用し、敵マスターを暗殺するのが基本方針となるだろう。 更には生前の手並みもあり、他のサーヴァントと同盟を組んで、ライバルを減らすよう仕向けるという選択肢もある。 アサシンでありながら自ら手を汚さず、手駒を使って相手を追い詰めるという、珍しい運用法を要求するサーヴァントである。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: