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「甘い水を運ぶ蟲」(2019/04/13 (土) 22:02:36) の最新版変更点
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**甘い水を運ぶ蟲 ◆OSPfO9RMfA
封がされたペットボトル。
中はミネラルウォーターだ。
キャスター、シアン・シンジョーネはそれに触れる。
すると、無色透明な水に油を混ぜたかのような七色の光沢が生まれた。
「これでいい」
彼女が行ったこと。それは水に魔力を溶かしたことだった。
この水を飲めば魔力が多少回復する。キャスターである身を活かし、いわゆる魔法の聖水を自作したと言うところだ。
マスターである間桐桜に飲ませるものではない。
同盟関係にあるミカサ・アッカーマンに渡すためのものだ。
彼女は先の戦闘の最中に、胸を押さえ、吐血していた。魔力の枯渇時に見られる現象だ。
ミカサの保有魔力が少ないのか、彼女のサーヴァントの燃費が激しいのか。もしくはそのどちらもか。
ともかく、彼女らに魔力が不足している弱点が見て取れた。
故に、自作した魔法の聖水を譲渡する。
休戦と情報交換以上の同盟関係として、より彼女が戦いやすくなるよう支援だ。
彼女らが戦えば戦うほど頭数が減り、シアンに取っても有利になる。
だが、まずは一本。
複数本作れないわけではない。
ミカサにストックさせぬよう、一本ずつ渡す。
聖杯戦争の勝者は一組のみ。いつかは戦う宿命。
いずれ訪れる対立の時に、自分が作った回復薬を使われるのは馬鹿馬鹿しい。
一本ずつ与え、信用を積み重ね、好機に毒を混ぜる。
さすれば対魔力の持つランサー相手でも有利に戦えるだろう。
――とはいえ、できるだろうか。
シアンは心の中で独りごちる。
『身内に甘い』
それは自覚するところはある。
ザム団。生前、シアンが目的を達成するために属していた組織だ。
誰一人素直ではなかったが、強い同属意識を共有していた。
そしてまた、人間側についた魔族を諭し、敵として戦ったこともある。
身内に甘い。それを自覚した上で。
ミカサの強い意志をした瞳に、惹かれてないだろうか。
既に彼女を『身内』と捉えてないだろうか。
こうして求められる前から魔法の聖水を用意する自分は、彼女に対して甘くないだろうか。
――まぁ、その時はその時だ。
対立するまで互いが残るとも限らない。
今は最善を尽くす、それだけだ。
◆
命蓮寺の周辺に、地下に向かう洞穴を発見した。
霊脈である可能性が高く、できればそこで浮遊城を作りたい。
しかし、今は調査を中止し、洞穴から蟲を退去させている。
命蓮寺に、そこを拠点とする主従らしい人物が帰ってきたからだ。
神秘の塊を纏った全身甲冑姿のサーヴァント。そして気絶してるのだろうか、抱きかかえられている女性。
黄金のセイバー。シャア・アズナブル。
ただの蟲に擬態する程度では看破してくる者もいる。全身甲冑のサーヴァントも、そういった感知能力が無いとは限らない。
既に手遅れかも知れないが、蟲を洞穴から脱し、入り口付近で待機させた。
もっとも、命蓮寺から動きが無いことを見ると、杞憂だったかもしれない。
それでも念のため。洞穴の調査は、日が昇り、彼女らが居なくなってからの方が良いだろう。鬼の居ぬ間のなんとやら、だ。
あるいは、彼女らと接触し、同盟を結んだ上で堂々と調査をするか。
何事もなければ、おそらく翌日の八時には、この小屋でも浮遊城を起動できるだけの魔力を集めることができる。
だが、洞穴の霊脈を使えば、もっと短時間でできるだろう。もっともその場合、命蓮寺が吹き飛ぶことにはなるが。
そうでなくとも、直接マナラインを引くだけでもいい。今はこの小屋の居場所がばれないよう、かなり迂回させてマナラインを形成している。直接マナラインを引けば、ぐっと効率が上がるはずだ。
シアンの身体を構成する蟲は群を為しているが、理性は一つだ。
学校と命蓮寺、同時に対応できるほどの並行作業はできない。
ならば、学校に出向くのが先決だ。十二時とこちらが言った以上、遅れるのはよろしくない。
命蓮寺の主従が居る間にこっそり調査するにしても、学園での用事が済んでからだ。
瞳を閉じたままの桜には何も言わず、小屋の外に出る。
ちょうど、学園から逃げ延びた一万の蟲が出迎えた。
「喰らえ」
シアンの言葉に、蟲は四散する。小屋の付近に居る蟲を、小動物を、鳥を狙い、喰らう。
これもいわば魂喰らい。学園に出向き、帰ってきた兵の魔力を回復するための行為。
「急ぐか」
新たに十万の蟲で己の身体を形成し、山を駆ける。
魔法の聖水を持ってる以上、霊体化や蟲の姿で運ぶわけにはいかない。
この小屋が察知されぬよう、学園まで素早く移動する必要があった。
シアンの姿は、深い闇に消えた。
【間桐桜@Fate/stay night】
[状態]:健康
[令呪]:残り三角
[装備]:学生服
[道具]:懐中電灯、筆記用具、メモ用紙など各種小物、緊急災害用グッズ(食料、水、ラジオ、ライト、ろうそく、マッチなど)
[所持金]:持ち出せる範囲内での全財産(現金、カード問わず)
[思考・状況]
基本行動方針:生き残る。
0. ――――――――。
1. キャスターに任せる。NPCの魂食いに抵抗はない。
2. 直接的な戦いでないのならばキャスターを手伝う。
3. キャスターの誠意には、ある程度答えたいと思っている。
4. 遠坂凛の事は、もう関係ない――――。
[備考]
※間桐家の財産が彼女の所持金として再現されているかは不明です。
※キャスターから強い聖杯への執着と、目的のために手段を選ばない覚悟を感じています。そして、その為に桜に誠意を尽くそうとしていることも理解しました。
その上で、大切な人について、キャスターにどの程度話すか、もしくは話さないかを検討中です。子細は次の書き手に任せます。
※学校を休んでいますが、一応学校へ連絡しています。
※命蓮寺が霊脈にあること、その地下に洞窟があることを聞きました。
※キャスター(シアン)の蟲を、許可があれば使い魔のようにすることが出来ます。ただし、キャスターの制御可能範囲から離れるほど制御が難しくなります。
※遠坂凛の死に対し、違和感のようなものを覚えていますが、その事を考えないようにしています。
【キャスター(シアン・シンジョーネ)@パワプロクンポケット12】
[状態]:健康、残り総数:約261万匹(山小屋:251万匹、学園:10万匹)
[装備]:橙衣
[道具]:学生服、魔法の聖水
[思考・状況]
基本行動方針:マナラインの掌握及び宝具の完成。
0.十二時に間に合うよう、学園に向かう。
1. 学園を中心に暗躍する。
2. 桜に対して誠意ある行動を取り、優勝の妨げにならないよう信頼関係を築く。
3. 今夜十二時にもう一度学園の校舎裏に行く。
4. 黄金のセイバー(オルステッド)を警戒。
5. 発見した洞窟の状態次第では、浮遊城の作成は洞窟内部の霊脈で行う。
6.洞窟を使うのに必要であれば、白蓮と交渉する。
[備考]
※工房をC-1に作成しました。用途は魔力を集めるだけです。
※工房にある程度魔力が溜まったため、蟲の制御可能範囲が広がりました。
※『方舟』の『行き止まり』を確認しました。
※命蓮寺に偵察用の蟲を放ちました。現在は発見した洞窟を調査中です。
→聖白蓮らが命蓮寺に帰ってきたため、調査を中止しています。不在の機会を伺うか、交渉も視野に入れています。
※命蓮寺周辺の山中に、地下へと通じる洞窟を発見しました。
※学園のマスターとして、ほむら、ミカサ、シオン、ケイネスの情報を得ました。
また関係するサーヴァントとして、アーチャー?(悪魔ほむら)、ランサー(セルベリア)、シオンのサーヴァント(ジョセフ)、セイバー(オルステッド)、キャスター(ヴォルデモート)を確認しました。
※ミカサとランサー(セルベリア)と同盟を結びました。
※ランサー(セルべリア)の戦いを監視していました。
※アーチャー(雷)とリップヴァーンの戦闘を監視していました。
※間桐桜から、教会に訪れたマスター達の事を聞きました。
※小屋周辺の蟲の一匹に、シオンのエーテライトが刺さっています。その事にシアンは気付いていません。
※【D-5】教会に監視用の蟲が配置されました。
※学園に向かう十万の蟲に、現在は意識を置いています。
※C-3の学園に潜伏していた十万の蟲の内、九万匹は焼かれ、残りの一万匹は学園から一先ず撤退しています。
→撤退した蟲はC-1の小屋で合流しました。
※『魔法の聖水』…飲むと魔力が少量回復する。ダイの大冒険に登場する同名のアイテムと類似した効果を持つアイテムです。シアンが道具作成スキルを使い、作成しました。
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**甘い水を運ぶ蟲 ◆OSPfO9RMfA
封がされたペットボトル。
中はミネラルウォーターだ。
キャスター、シアン・シンジョーネはそれに触れる。
すると、無色透明な水に油を混ぜたかのような七色の光沢が生まれた。
「これでいい」
彼女が行ったこと。それは水に魔力を溶かしたことだった。
この水を飲めば魔力が多少回復する。キャスターである身を活かし、いわゆる魔法の聖水を自作したと言うところだ。
マスターである間桐桜に飲ませるものではない。
同盟関係にあるミカサ・アッカーマンに渡すためのものだ。
彼女は先の戦闘の最中に、胸を押さえ、吐血していた。魔力の枯渇時に見られる現象だ。
ミカサの保有魔力が少ないのか、彼女のサーヴァントの燃費が激しいのか。もしくはそのどちらもか。
ともかく、彼女らに魔力が不足している弱点が見て取れた。
故に、自作した魔法の聖水を譲渡する。
休戦と情報交換以上の同盟関係として、より彼女が戦いやすくなるよう支援だ。
彼女らが戦えば戦うほど頭数が減り、シアンに取っても有利になる。
だが、まずは一本。
複数本作れないわけではない。
ミカサにストックさせぬよう、一本ずつ渡す。
聖杯戦争の勝者は一組のみ。いつかは戦う宿命。
いずれ訪れる対立の時に、自分が作った回復薬を使われるのは馬鹿馬鹿しい。
一本ずつ与え、信用を積み重ね、好機に毒を混ぜる。
さすれば対魔力の持つランサー相手でも有利に戦えるだろう。
――とはいえ、できるだろうか。
シアンは心の中で独りごちる。
『身内に甘い』
それは自覚するところはある。
ザム団。生前、シアンが目的を達成するために属していた組織だ。
誰一人素直ではなかったが、強い同属意識を共有していた。
そしてまた、人間側についた魔族を諭し、敵として戦ったこともある。
身内に甘い。それを自覚した上で。
ミカサの強い意志をした瞳に、惹かれてないだろうか。
既に彼女を『身内』と捉えてないだろうか。
こうして求められる前から魔法の聖水を用意する自分は、彼女に対して甘くないだろうか。
――まぁ、その時はその時だ。
対立するまで互いが残るとも限らない。
今は最善を尽くす、それだけだ。
◆
命蓮寺の周辺に、地下に向かう洞穴を発見した。
霊脈である可能性が高く、できればそこで浮遊城を作りたい。
しかし、今は調査を中止し、洞穴から蟲を退去させている。
命蓮寺に、そこを拠点とする主従らしい人物が帰ってきたからだ。
神秘の塊を纏った全身甲冑姿のサーヴァント。そして気絶してるのだろうか、抱きかかえられている女性。
黄金のセイバー。シャア・アズナブル。
ただの蟲に擬態する程度では看破してくる者もいる。全身甲冑のサーヴァントも、そういった感知能力が無いとは限らない。
既に手遅れかも知れないが、蟲を洞穴から脱し、入り口付近で待機させた。
もっとも、命蓮寺から動きが無いことを見ると、杞憂だったかもしれない。
それでも念のため。洞穴の調査は、日が昇り、彼女らが居なくなってからの方が良いだろう。鬼の居ぬ間のなんとやら、だ。
あるいは、彼女らと接触し、同盟を結んだ上で堂々と調査をするか。
何事もなければ、おそらく翌日の八時には、この小屋でも浮遊城を起動できるだけの魔力を集めることができる。
だが、洞穴の霊脈を使えば、もっと短時間でできるだろう。もっともその場合、命蓮寺が吹き飛ぶことにはなるが。
そうでなくとも、直接マナラインを引くだけでもいい。今はこの小屋の居場所がばれないよう、かなり迂回させてマナラインを形成している。直接マナラインを引けば、ぐっと効率が上がるはずだ。
シアンの身体を構成する蟲は群を為しているが、理性は一つだ。
学校と命蓮寺、同時に対応できるほどの並行作業はできない。
ならば、学校に出向くのが先決だ。十二時とこちらが言った以上、遅れるのはよろしくない。
命蓮寺の主従が居る間にこっそり調査するにしても、学園での用事が済んでからだ。
瞳を閉じたままの桜には何も言わず、小屋の外に出る。
ちょうど、学園から逃げ延びた一万の蟲が出迎えた。
「喰らえ」
シアンの言葉に、蟲は四散する。小屋の付近に居る蟲を、小動物を、鳥を狙い、喰らう。
これもいわば魂喰らい。学園に出向き、帰ってきた兵の魔力を回復するための行為。
「急ぐか」
新たに十万の蟲で己の身体を形成し、山を駆ける。
魔法の聖水を持ってる以上、霊体化や蟲の姿で運ぶわけにはいかない。
この小屋が察知されぬよう、学園まで素早く移動する必要があった。
シアンの姿は、深い闇に消えた。
【間桐桜@Fate/stay night】
[状態]:健康
[令呪]:残り三角
[装備]:学生服
[道具]:懐中電灯、筆記用具、メモ用紙など各種小物、緊急災害用グッズ(食料、水、ラジオ、ライト、ろうそく、マッチなど)
[所持金]:持ち出せる範囲内での全財産(現金、カード問わず)
[思考・状況]
基本行動方針:生き残る。
0. ――――――――。
1. キャスターに任せる。NPCの魂食いに抵抗はない。
2. 直接的な戦いでないのならばキャスターを手伝う。
3. キャスターの誠意には、ある程度答えたいと思っている。
4. 遠坂凛の事は、もう関係ない――――。
[備考]
※間桐家の財産が彼女の所持金として再現されているかは不明です。
※キャスターから強い聖杯への執着と、目的のために手段を選ばない覚悟を感じています。そして、その為に桜に誠意を尽くそうとしていることも理解しました。
その上で、大切な人について、キャスターにどの程度話すか、もしくは話さないかを検討中です。子細は次の書き手に任せます。
※学校を休んでいますが、一応学校へ連絡しています。
※命蓮寺が霊脈にあること、その地下に洞窟があることを聞きました。
※キャスター(シアン)の蟲を、許可があれば使い魔のようにすることが出来ます。ただし、キャスターの制御可能範囲から離れるほど制御が難しくなります。
※遠坂凛の死に対し、違和感のようなものを覚えていますが、その事を考えないようにしています。
【キャスター(シアン・シンジョーネ)@パワプロクンポケット12】
[状態]:健康、残り総数:約261万匹(山小屋:251万匹、学園:10万匹)
[装備]:橙衣
[道具]:学生服、魔法の聖水
[思考・状況]
基本行動方針:マナラインの掌握及び宝具の完成。
0.十二時に間に合うよう、学園に向かう。
1. 学園を中心に暗躍する。
2. 桜に対して誠意ある行動を取り、優勝の妨げにならないよう信頼関係を築く。
3. 今夜十二時にもう一度学園の校舎裏に行く。
4. 黄金のセイバー(オルステッド)を警戒。
5. 発見した洞窟の状態次第では、浮遊城の作成は洞窟内部の霊脈で行う。
6.洞窟を使うのに必要であれば、白蓮と交渉する。
[備考]
※工房をC-1に作成しました。用途は魔力を集めるだけです。
※工房にある程度魔力が溜まったため、蟲の制御可能範囲が広がりました。
※『方舟』の『行き止まり』を確認しました。
※命蓮寺に偵察用の蟲を放ちました。現在は発見した洞窟を調査中です。
→聖白蓮らが命蓮寺に帰ってきたため、調査を中止しています。不在の機会を伺うか、交渉も視野に入れています。
※命蓮寺周辺の山中に、地下へと通じる洞窟を発見しました。
※学園のマスターとして、ほむら、ミカサ、シオン、ケイネスの情報を得ました。
また関係するサーヴァントとして、アーチャー?(悪魔ほむら)、ランサー(セルベリア)、シオンのサーヴァント(ジョセフ)、セイバー(オルステッド)、キャスター(ヴォルデモート)を確認しました。
※ミカサとランサー(セルベリア)と同盟を結びました。
※ランサー(セルべリア)の戦いを監視していました。
※アーチャー(雷)とリップヴァーンの戦闘を監視していました。
※間桐桜から、教会に訪れたマスター達の事を聞きました。
※小屋周辺の蟲の一匹に、シオンのエーテライトが刺さっています。その事にシアンは気付いていません。
※【D-5】教会に監視用の蟲が配置されました。
※学園に向かう十万の蟲に、現在は意識を置いています。
※C-3の学園に潜伏していた十万の蟲の内、九万匹は焼かれ、残りの一万匹は学園から一先ず撤退しています。
→撤退した蟲はC-1の小屋で合流しました。
※『魔法の聖水』…飲むと魔力が少量回復する。ダイの大冒険に登場する同名のアイテムと類似した効果を持つアイテムです。シアンが道具作成スキルを使い、作成しました。
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