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「殺【ほろびゆくもの】」(2019/02/17 (日) 19:03:10) の最新版変更点
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**殺【ほろびゆくもの】 ◆WRYYYsmO4Y
◆◆◆◆◆◆
投影した干将・莫邪を構え、アサシンへ肉薄する。
対するアサシンは、アーチャーが繰り出した斬撃を次々にいなしていく。
それどころか、彼に出来た一瞬の隙を突き、自らの拳を叩き込まんと襲い掛かってきた。
アーチャーは干将・莫邪でそれを防御。攻撃の余波により、双剣に僅かな罅が入る。
瞬間、アーチャーは蹴りをアサシンに叩き込む事で、無理やりに拮抗を解く。
対してアサシンは、蹴られた衝撃を利用した連続側転により、アーチャーと距離を取った。
アサシンとアーチャーの闘争(イクサ)は、未だ続いていた。
そして驚くべき事に、戦況は両者一歩も譲らぬ激戦となっている。
ほぼ瀕死の状態だというのに、このアサシンの戦闘力(カラテ)は衰えていないのだ。
想定済みの事態とはいえ、よもやここまでの手練れとは。
拮抗した状況の中で、アーチャーは内心歯噛みした。
こちらも大した傷は負ってないが、それはアサシンとて同じ事。
それどころか、徐々に総身に負った傷が癒えている様にさえ見える。
何かしらのスキルによる恩恵だろうか、アサシンは回復しつつある。
このまま戦況が長引けば、全力で戦える状態まで傷が癒えかねない。
もしそうなってしまえば、最早アーチャーに勝ち目はないだろう。
(多少勿体ないが、宝具を使うべきだったか?)
アーチャーの宝具であり固有結界――『無限の剣製』。
あれを発動すれば、アサシンを圧倒できるのは間違いないだろう。
しかしながら、一日目という序盤で魔力を余計に消費するのは避けたい。
(贅沢は言ってられんな)
とはいえ、早期決着に持ち込まねば敗北は避けられないのも事実。
切嗣には悪いが、確実に始末する為にも宝具を解放するとしよう。
そうした覚悟の元、アーチャーが詠唱を始めようとした、その時。
「足立=サン!?まさか……」
マスターと思しき男の名を呼ぶアサシンは、目に見えて動揺していた。
あの様子を見るに、そのマスターからの魔力供給が切れたと察するべきだろう。
命綱同然の存在が消えたのだ。焦るのも無理はない。
(どうやら、マスターも相当"やる気"だったようだな)
恐らくは、アーチャーのマスターたる切嗣の仕業だろう。
あくまで合理性を優先する彼が、弱点たるマスターを狙わない訳が無い。
"魔術師殺し"に目を付けられたアサシンの主は、不運としか言いようがないだろう。
マスターからの魔力供給が絶たれた以上、必然的にサーヴァントも弱体化する。
つまりは、アサシンを仕留めるチャンスが到来したという事だ。
相手のコンディションから察するに、最早宝具を使う必要すらない。
アサシンとの戦いに決着をつけんと、アーチャーは夫婦剣を携え再び肉薄する。
斬りかかって来る敵に対し、アサシンは何枚もの手裏剣を投擲した。
高速で迫りくるそれらを、アーチャーは手にした双剣で一つ残らず打ち落としていく。
投げ込まれた手裏剣は僅か数枚。しかしその数枚は渾身の力を込めた一撃だ。
それを防いだのであれば、防御に使った武器も当然無事では済まされない。
ましてや、それが過去の戦闘でダメージを受けた代物であれば猶更だ。
手裏剣を全て防御した頃には、既に干将・莫邪は砕け散っていた。
だが、アーチャーからすればそんな事はどうだっていい。
アサシンを屠る武器など、いくらでも投影出来るのだから。
アーチャーが投影した剣は、何の効果もない一本の短剣だ。
剣の柄に宝石が埋め込まれただけの、宝具ですらないただの刃。
だがその一振り――『アゾット剣』は、敵を撃破するには十分すぎる。
投影された剣諸共敵を打ち砕かんと、アサシンの拳が動く。
が、消耗しきった今の彼では、その動きはあまりに緩慢。
アーチャーとアサシン、反応速度でどちらに軍配が挙がるなど、最早言うまでもなかった。
瞬間、二人の英霊の影が交差した。
アサシンがアーチャーに向けて放たれた拳は、空しく宙を切る。
そして重なった影が離れた時、アサシンの心臓部にはアゾット剣が突き刺さっていた。
「ぐ、ヌゥゥゥ……!」
心臓を穿たれてもなお、アサシンは斃れない。
彼の瞳の中では、未だ線香めいた光が宿っていた。
今度こそ敵を滅せんと、彼はアーチャーのいる背後へと身体を向ける。
だが、それさえ遅い。
アサシンが振り返った先にいたのは、すぐ目の前まで迫ったアーチャーの姿。
彼は突き刺さっていたアゾット剣の柄へ向けて、勢いよく拳を突き出した。
瞬間、アーチャーの脳裏に一人の少女が映る。
彼女の姿は、かつてアサシンが殺した子供が行き付く筈の未来だった。
今のアーチャーの目の前にいるのは、恩人の明日を潰した悪鬼に他ならない。
遥か過去、その思い出の欠片が、"エミヤシロウ"を吼えさせる。
「――――läßt(レスト)ッ!」
アーチャーの拳に押し当てられたアゾット剣が、アサシンの身体へ沈んでいく。
既に心臓にまで到達していた刃が、更に彼の身体を食い破った。
たった一本の短剣が、サーヴァントを屠る死神となる。
刹那、投影されたアゾット剣の術式が作動する。
予め剣に充填しておいた魔力が、アサシンの体内で解放された。
解き放たれた魔力は、彼の霊核を一切の慈悲も無く攻撃する。
込められた魔力量はごく僅か。だが敵を屠るには、その量でも十分だった。
「グ、ワァ……ッ」
アサシンの面貌の裏から、夥しい量の血が漏れ出てきた。
自らに致命傷を与えたアーチャーを、彼は修羅の如き形相で睨み付ける。
そして次の瞬間、彼は霊体化して何処へと消え去って行った。
気配遮断を用いて逃走されては、こちらも追撃は難しいだろう。
尤も、わざわざそんな事をする必要などもう無いのだが。
「……終わったか」
死に目を確認した訳では無いが、勝利したという確証ならあった。
自身が放ったあの一撃は、アサシンの霊核を見事破壊していたからだ。
いくら戦闘続行や単独行動のスキルを有していたとしても、流石に長生きはできまい。
大目に見積もったとしても、数分程度現界しているのがやっとだろう。
どうしてアゾット剣でトドメを刺したのか、自分では釈然としていない。
アサシンを葬る手段であれば、これ以外にも合理的なものがあっただろう。
だが、これを使うべきだと無意識の内に思ってしまったのだ。
思い返されるのは、遠坂凛を殺害したアサシンの形相。
奴を屠った今、アーチャーはあの少女の仇を討ったという事となる。
忌々しき敵を葬ったのだから、本来は少しでも喜ぶべきなのだろう。
生憎ながら、そんな感情など当の昔に枯れてしまっているのだが。
いや、仮にアーチャーが擦り切れていなかったとしても。
報復を果たした後に残るのは、虚しさばかりであったに違いない。
今度こそ戦いは終わり、街には静寂が戻る。
少なくとも今日の内は、この静けさが破られる事はあるまい。
『アーチャー、アサシンは仕留めたか?』
そんな中、切嗣が念話で語り掛けてきた。
街の静寂は保たれたが、アーチャーの静寂は早くも破られたという訳だ。
「丁度今撃破したところだ。貴方がアサシンのマスターを殺したお陰で早く決着がついた」
『……何を言ってるんだ?僕はアサシンのマスターと接触した覚えはないぞ』
それを聞いて、思わず「何?」という声が漏れ出てしまう。
アサシンのマスターを暗殺したのが切嗣でないとしたら、誰による犯行なのか。
僅かに思考した後、アーチャーはすぐさま霊体化した。無論、切嗣の元へ帰る為である。
アサシンのマスターを殺害したのは、他の主従と見て間違いない。
となると、同じエリアにいる切嗣にも彼等の魔手が及ぶ可能性がある。
一刻も早く切嗣の元に移動し、彼を危険から遠ざける必要があった。
(……まったく、こちらは少し休みたいのだがね)
◆◆◆◆◆◆
真夜中の路地裏を、ゆっくりと進む男がいた。
心臓部には深い傷ができており、そこから流れる血が地面を汚していく。
常人なら死に至る筈の傷を負いながらも、彼は歩みを止めようとしない。
何かに衝き動かされるかの様に、覚束ない足取りで進んでいく。
「アサシン……サン……ころ……スべ……し……!」
驚くべき事に、アサシンは未だ戦いを諦めてはいなかった。
アーチャーに霊核を貫かれてもなお、彼は生を投げ捨ててはいない。
しんのすけの未来を奪った敵への怨念が、未だ彼を生かしているのだ。
「ニン、ジャ……殺すべ……シ…………!」
マスターの仇への憎しみだけではない。
聖杯という生死の境すら飛び越える奇跡が。
まだ終わらない聖杯戦争が、アサシンを今もなお縛り付ける。
全サーヴァント、そして聖杯を抹殺(スレイ)すべし。
それを果たせないまま、こんな場所で朽ちる訳にはいかない。
アサシンが"ニンジャスレイヤー"である限り、戦いを止める訳にはいかないのだ。
「それだけの傷でまだ逝かぬとは。大したものよのう」
そして、アサシンが"ニンジャ"――"ニンジャスレイヤー"であるからこそ。
目の前に現れた"忍者"に、否応でも殺気を滾らせてしまうのだ。
全ての"ニンジャ"を殺す事こそが、彼に課せられた宿命なのだから。
「…………ニンジャ、か」
目の前の"忍者"は、無言のままこちらを見据えている。
三下が醸し出すようなものではない、この気迫は相当な手練れのそれだ。
"ニンジャ"は構えをとり、目前に立つ"忍者"を迎え撃たんとする。
「止めておけ。その傷では無駄な足掻きにすらなるまい」
事実、"ニンジャ"の肉体は、既に崩壊を始めていた。
マスターだった足立も死に、残り僅かな残留魔力も使い果たしたのだ。
霊格の破壊も相まって、その命は最早空前の灯火であった。
「同じ忍としての情けじゃ。そのまま眠る様に逝くといい」
「……断、る。眠、るの……は……オヌシ……だ……」
途切れ途切れながらも、"ニンジャ"は相手を罵倒する。
その言葉の一つ一つからは、強い憎悪の念が感じ取れた。
"ニンジャ"の気迫を察した"忍者"は、思わず問いを投げかける。
「何故忍を憎む。何がお主をそこまで戦わせる」
"忍殺"の面頬を見るに、文字通り彼は忍者を殺す者なのだろう。
この男は、果たして何がきっかけでその様な凶行に走っているのか。
そして、どうしてここまで叩きのめされてもなお立ち上がるのか。
「…………フユコ……トチ、ノキ……!妻子の……かた……き……ッ!」
その言葉を聞いて、"忍者"の瞳が一瞬見開かれる。
このサーヴァントもまた、自分と似たものを背負っていたのだ。
愛する者という何物にも替え難い財宝の重さなど、量るまでもない。
「……そうか。ならば多くは語るまい。来るがよい、"あさしん"」
ともすれば、"ニンジャ"の意に背く行為を働くわけにはいかない。
せめて最後は、彼の望むべく終末を迎えさせるべきであろう。
それこそ、この"ニンジャ"に与えるべき情なのだから。
「ドーモ、アサシン=サン……ニンジャスレイヤー、です」
瀕死の肉体に鞭打ち、"ニンジャ"は挨拶を行う。
それが"ニンジャ"の作法であり、同時にルールだからだ。
"忍者"はただ、動ずる事無くそれを見つめるばかり。
"ニンジャ"と"忍者"。異なる世界と時代を生きる二つの存在。
本来出会う筈も無い二人が出会った時、始まるのは一つしか在り得ない。
よもや言葉は不要。ただ宿命の命ずるままに、己の技を突き付けるのみ。
「イイイイイイヤアァァァーーーーッッ!」
最後に残った魔力を振り絞った、"ニンジャ"の渾身のカラテ。
一撃で葬るという絶対的な意思の元、彼は"忍者"に挑みかかった――。
◆◆◆◆◆◆
甲賀弦之介の忍法『瞳術』は、敵に自滅を強いる必殺の魔眼。
殺意を滾らせ挑む者は、その魔性の瞳からは逃れられない。
たった一撃。たった一瞬。たったそれだけで、死合は終わる。
戦いの結果など、それを語る事さえ、もはや無粋であった。
◆◆◆◆◆◆
からんころん、と。
"忍殺"の面頬が地面に落ちる音が、虚しく木霊する。
あちこちにひびが入った面頬は、いつ砕けてもおかしくはないだろう。
それこそ、今しがた息絶えた瀕死の"ニンジャ"の様に。
アサシンは"忍殺"の面頬を手に取り、それをまじまじと見つめる。
酷く損傷したそれは、彼がどれだけの激戦を繰り広げたのかを示していた。
恐らくは今この瞬間まで、ゆっくりと休む暇など無かったのだろう。
錯刃大学に戻ったアサシンは、HALから再び【B-5】に向かえと命じられた。
彼が言うには、あの忍殺のアサシンがこちらに接近しているのだという。
斃れた筈の敵の復活に疑問符を浮かべながらも現地に向かい、現在に至るのであった。
足立を屠ったのも、切嗣ではなくアサシンだ。
事前の情報収集の時点で、彼がマスターの一人である事は知っていた。
サーヴァントの護りも無い彼は、アサシンからすれば格好の獲物である。
そうした暗殺が功を為したのだろう、敵はアーチャーに打倒される事となった。
正確に言えば死の一歩手前まで追い込んだと言うべきだろうが、同じ様なものだ。
何にせよ、こちらが労力を裂かずに邪魔者を排除できたのは大きい。
妻子の仇だと、あの"ニンジャ"は末期にそう語っていた。
その口ぶりから察するに、彼は"ニンジャ"に最愛の人を奪われたに違いない。
彼の気持ちが分からない訳が無かった。
アサシンもまた、愛する者との運命を破壊された男なのだから。
(出来れば、殺しとうはなかったが……)
しかし、どんな理由があったにせよ、これは聖杯戦争である。
サーヴァントとして召喚された以上、他の英霊とは殺し合う運命なのだ。
互いの間にどんな感情が横たわっていようが、最後には刃を交える他ない。
最期には愛する者との殺し合いの場に立った、アサシンの様に。
手に持った"忍殺"の面頬が、遂に消滅を始める。
破片さえ残す事も無く、全て虚空に消えていく。
後にはもう、何一つとして残りはしなかった。
それが闇に生きる者というものだ。
後には何も残さず、黙して消えていくのが運命。
同じ存在であるのなら、彼とて理解していた筈であろう。
――――忍者(ニンジャ)の争いとは、修羅の地獄じゃと思え。
&color(red){【足立透@PERSONA4 the Animation 死亡】}
&color(red){【アサシン(ニンジャスレイヤー)@ニンジャスレイヤー 消滅】}
【衛宮切嗣@Fate/Zero】
[状態]毛細血管断裂(中)、腹部にダメージ(中)、魔力消費(小)
[令呪]残り二角
[装備]キャリコ、コンテンダー、起源弾
[道具]地図(借り物)
[所持金]豊富、ただし今所持しているのは資材調達に必要な分+α
[思考・状況]
基本:聖杯を勝ち取り、恒久的な平和の実現を
1.B-6の暴動を通し、他のサーヴァントの情報を得る。
2.他のマスターに同盟、休戦を打診する。
3. 使えそうなNPC、および資材の確保のため街を探索する。
4.好戦的なマスター、サーヴァントには注意を払っておく
[備考]
※この街のNPCの幾人かは既に洗脳済みであり、特に学園には多くいると判断しています。
※NPCを操り戦闘に参加させた場合、逆にNPCを操った側にペナルティが課せられるのではないかと考えています。
※この聖杯戦争での役割は『休暇中のフリーランスの傭兵』となっています。
※搬入業者3人に暗示をかけ月海原学園に向かわせました。昼食を学園でとりつつ、情報収集を行うでしょう。
暗示を受けた3人は遠坂時臣という名を聞くと催眠状態になり質問に正直に答えます。
※今まで得た情報を基に、アサシン(吉良)とランサー(エリザ)について図書館で調べました。
アサシンは真名には至ってませんが、ランサーは次に調べれば真名を把握できるでしょう。
※アーチャー(エミヤシロウ)については候補となる英霊をかなり絞り込みました。その中には無銘(の基になった人)も居ます。
※アーチャー(アーカード)のパラメーターを確認しました。
※アーカードを死徒ではないかと推測しています。
そして、そのことにより本人すら気づいていない小さな焦りを感じています。
※NPCから受け取った情報の詳細は、次の書き手に一任します。
【アーチャー(エミヤシロウ)@Fate/Stay night】
[状態]身体の右から左に掛けて裂傷(中)、疲労(中)、魔力消費(大)
[装備]実体化した時のための普段着(家主から失敬してきた)
[道具]なし
[思考・状況]
基本:切嗣の方針に従い、聖杯が汚れていた場合破壊を
1.切嗣の元に戻る。
2.出来れば切嗣とエミヤシロウの関係を知られたくない。
[備考]
※岸波白野、ランサー(エリザ)を視認しました。
※エリザについては竜の血が入っているのではないか、と推測しました。B-4での戦闘を見てその考えを強めました。
※『殺意の女王(キラークイーン)』が触れて爆弾化したものを解析すればそうと判別できます。ただしアーチャーが直接触れなければわかりません。
※バーサーカー(黒崎一護)の仮面の奥を一瞬目撃しました。
※B-4での戦闘(鬼眼王バーン出現以降)とその顛末を目撃しました。
[共通備考]
※C-7にある民家を拠点にしました。
※家主であるNPCには、親戚として居候していると暗示をかけています。
※吉良吉影の姿と宝具『殺意の女王(キラークイーン)』の外観のみ確認しました。
宝具は触れたものを爆弾にする効果で、恐らくアサシンだろうと推察していますが、吉良がマスターでキラークイーンがサーヴァントだと勘違い。
ただし吉良の振る舞いには強い疑念をもっています。
【アサシン(甲賀弦之介)@バジリスク ~甲賀忍法帖~】
[状態]:健康、魔力消費(小)
[装備]:忍者刀
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:勝利し、聖杯を得る。
0.……。
1.HALの戦略に従う。
2.自分が得た情報をマスター(電人HAL)の下へと持ち帰る。
3.自分たちの脅威となる組は、ルーラーによる抑止が機能するうちに討ち取っておきたい。
4.性行為を行うサーヴァント(鏡子)、狂想のバーサーカー(デッドプール)への警戒。
5.戦争を起こす者への嫌悪感と怒り。
[備考]
※紅のランサーたち(岸波白野、エリザベート)と赤黒のアサシンたち(足立透、ニンジャスレイヤー)の戦いの前半戦を確認しました。
※狂想のバーサーカー(デッドプール)と交戦し、その能力を確認しました。またそれにより、狂想のバーサーカーを自身の天敵であると判断しました。
※アーチャー(エミヤ)の外見、戦闘を確認済み。
◆◆◆◆◆◆
最後に、ちょっとした小話をしよう。
聖杯戦争とは何ら関係ない、ちっぽけな日常の話だ。
野原ひろしは、しんのすけが通っていた幼稚園を訪れていた。
彼の息子がこの地に置いてきた物を受け取る為である。
例えちっぽけな小物の一つであろうと、しんのすけの面影があるものは手元に置いておきたかったのだ。
あの奇妙なニンジャのお陰で、自分は立ち直る事が出来た。
だが、それはしんのすけへの未練を失ったという訳では無い。
少なくとも、もうしばらくは家族の思い出に浸かっていたかったのだ。
そんな中、幼稚園の先生から一枚の絵を渡された。
どうも、しんのすけの失踪のほんの少し前に描かれたものらしい。
好きなものを描いていいと言ったのだが、いつもと趣向が違うので先生も困惑したそうだ。
アイツめ、またおかしなものを描いてたんだな、と。
目頭に少しばかりの涙を溜めながら、手渡された絵を広げてみた。
瞬間、ひろしの顔が驚愕に染まる。
そして次の瞬間には、嗚咽を上げながら泣き始めた。
その場にいた先生など気にも留めないで、膝をついてむせび泣く。
ひろしの大粒の涙を流せる程度には、その絵には価値があった。
きっとその絵の意味を知るのは、ひろししかいないだろう。
しんのすけ以外に"彼"と出会ったのは、父親たるひろしだけなのだから。
「……ああ、よく描けてる。そっくりじゃないか……」
画用紙に描かれていたのは、しんのすけと赤黒のニンジャの姿。
しんのすけと遊ぶニンジャの眼は、ひろしが見た者とは大きく異なっている。
絵の中のニンジャは、まるでただの父親の様な、優しげな瞳をしていた。
|BACK||NEXT|
|148-a:[[忍【ころすべきもの】]]|[[投下順>本編SS目次・投下順]]|149:[[甘い水を運ぶ蟲]]|
|148-a:[[忍【ころすべきもの】]]|[[時系列順>本編SS目次・時系列順]]|154-a:[[たぶん自分自身のために]]|
|BACK|登場キャラ:[[追跡表]]|NEXT|
|148:[[忍【ころすべきもの】]]|[[衛宮切嗣]]&アーチャー([[エミヤシロウ]])||
|~|[[足立透]]&アサシン([[ニンジャスレイヤー]])|&color(red){死亡}|
|~|アサシン([[甲賀弦之介]])||
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**殺【ほろびゆくもの】 ◆WRYYYsmO4Y
◆◆◆◆◆◆
投影した干将・莫邪を構え、アサシンへ肉薄する。
対するアサシンは、アーチャーが繰り出した斬撃を次々にいなしていく。
それどころか、彼に出来た一瞬の隙を突き、自らの拳を叩き込まんと襲い掛かってきた。
アーチャーは干将・莫邪でそれを防御。攻撃の余波により、双剣に僅かな罅が入る。
瞬間、アーチャーは蹴りをアサシンに叩き込む事で、無理やりに拮抗を解く。
対してアサシンは、蹴られた衝撃を利用した連続側転により、アーチャーと距離を取った。
アサシンとアーチャーの闘争(イクサ)は、未だ続いていた。
そして驚くべき事に、戦況は両者一歩も譲らぬ激戦となっている。
ほぼ瀕死の状態だというのに、このアサシンの戦闘力(カラテ)は衰えていないのだ。
想定済みの事態とはいえ、よもやここまでの手練れとは。
拮抗した状況の中で、アーチャーは内心歯噛みした。
こちらも大した傷は負ってないが、それはアサシンとて同じ事。
それどころか、徐々に総身に負った傷が癒えている様にさえ見える。
何かしらのスキルによる恩恵だろうか、アサシンは回復しつつある。
このまま戦況が長引けば、全力で戦える状態まで傷が癒えかねない。
もしそうなってしまえば、最早アーチャーに勝ち目はないだろう。
(多少勿体ないが、宝具を使うべきだったか?)
アーチャーの宝具であり固有結界――『無限の剣製』。
あれを発動すれば、アサシンを圧倒できるのは間違いないだろう。
しかしながら、一日目という序盤で魔力を余計に消費するのは避けたい。
(贅沢は言ってられんな)
とはいえ、早期決着に持ち込まねば敗北は避けられないのも事実。
切嗣には悪いが、確実に始末する為にも宝具を解放するとしよう。
そうした覚悟の元、アーチャーが詠唱を始めようとした、その時。
「足立=サン!?まさか……」
マスターと思しき男の名を呼ぶアサシンは、目に見えて動揺していた。
あの様子を見るに、そのマスターからの魔力供給が切れたと察するべきだろう。
命綱同然の存在が消えたのだ。焦るのも無理はない。
(どうやら、マスターも相当"やる気"だったようだな)
恐らくは、アーチャーのマスターたる切嗣の仕業だろう。
あくまで合理性を優先する彼が、弱点たるマスターを狙わない訳が無い。
"魔術師殺し"に目を付けられたアサシンの主は、不運としか言いようがないだろう。
マスターからの魔力供給が絶たれた以上、必然的にサーヴァントも弱体化する。
つまりは、アサシンを仕留めるチャンスが到来したという事だ。
相手のコンディションから察するに、最早宝具を使う必要すらない。
アサシンとの戦いに決着をつけんと、アーチャーは夫婦剣を携え再び肉薄する。
斬りかかって来る敵に対し、アサシンは何枚もの手裏剣を投擲した。
高速で迫りくるそれらを、アーチャーは手にした双剣で一つ残らず打ち落としていく。
投げ込まれた手裏剣は僅か数枚。しかしその数枚は渾身の力を込めた一撃だ。
それを防いだのであれば、防御に使った武器も当然無事では済まされない。
ましてや、それが過去の戦闘でダメージを受けた代物であれば猶更だ。
手裏剣を全て防御した頃には、既に干将・莫邪は砕け散っていた。
だが、アーチャーからすればそんな事はどうだっていい。
アサシンを屠る武器など、いくらでも投影出来るのだから。
アーチャーが投影した剣は、何の効果もない一本の短剣だ。
剣の柄に宝石が埋め込まれただけの、宝具ですらないただの刃。
だがその一振り――『アゾット剣』は、敵を撃破するには十分すぎる。
投影された剣諸共敵を打ち砕かんと、アサシンの拳が動く。
が、消耗しきった今の彼では、その動きはあまりに緩慢。
アーチャーとアサシン、反応速度でどちらに軍配が挙がるなど、最早言うまでもなかった。
瞬間、二人の英霊の影が交差した。
アサシンがアーチャーに向けて放たれた拳は、空しく宙を切る。
そして重なった影が離れた時、アサシンの心臓部にはアゾット剣が突き刺さっていた。
「ぐ、ヌゥゥゥ……!」
心臓を穿たれてもなお、アサシンは斃れない。
彼の瞳の中では、未だ線香めいた光が宿っていた。
今度こそ敵を滅せんと、彼はアーチャーのいる背後へと身体を向ける。
だが、それさえ遅い。
アサシンが振り返った先にいたのは、すぐ目の前まで迫ったアーチャーの姿。
彼は突き刺さっていたアゾット剣の柄へ向けて、勢いよく拳を突き出した。
瞬間、アーチャーの脳裏に一人の少女が映る。
彼女の姿は、かつてアサシンが殺した子供が行き付く筈の未来だった。
今のアーチャーの目の前にいるのは、恩人の明日を潰した悪鬼に他ならない。
遥か過去、その思い出の欠片が、"エミヤシロウ"を吼えさせる。
「――――läßt(レスト)ッ!」
アーチャーの拳に押し当てられたアゾット剣が、アサシンの身体へ沈んでいく。
既に心臓にまで到達していた刃が、更に彼の身体を食い破った。
たった一本の短剣が、サーヴァントを屠る死神となる。
刹那、投影されたアゾット剣の術式が作動する。
予め剣に充填しておいた魔力が、アサシンの体内で解放された。
解き放たれた魔力は、彼の霊核を一切の慈悲も無く攻撃する。
込められた魔力量はごく僅か。だが敵を屠るには、その量でも十分だった。
「グ、ワァ……ッ」
アサシンの面貌の裏から、夥しい量の血が漏れ出てきた。
自らに致命傷を与えたアーチャーを、彼は修羅の如き形相で睨み付ける。
そして次の瞬間、彼は霊体化して何処へと消え去って行った。
気配遮断を用いて逃走されては、こちらも追撃は難しいだろう。
尤も、わざわざそんな事をする必要などもう無いのだが。
「……終わったか」
死に目を確認した訳では無いが、勝利したという確証ならあった。
自身が放ったあの一撃は、アサシンの霊核を見事破壊していたからだ。
いくら戦闘続行や単独行動のスキルを有していたとしても、流石に長生きはできまい。
大目に見積もったとしても、数分程度現界しているのがやっとだろう。
どうしてアゾット剣でトドメを刺したのか、自分では釈然としていない。
アサシンを葬る手段であれば、これ以外にも合理的なものがあっただろう。
だが、これを使うべきだと無意識の内に思ってしまったのだ。
思い返されるのは、遠坂凛を殺害したアサシンの形相。
奴を屠った今、アーチャーはあの少女の仇を討ったという事となる。
忌々しき敵を葬ったのだから、本来は少しでも喜ぶべきなのだろう。
生憎ながら、そんな感情など当の昔に枯れてしまっているのだが。
いや、仮にアーチャーが擦り切れていなかったとしても。
報復を果たした後に残るのは、虚しさばかりであったに違いない。
今度こそ戦いは終わり、街には静寂が戻る。
少なくとも今日の内は、この静けさが破られる事はあるまい。
『アーチャー、アサシンは仕留めたか?』
そんな中、切嗣が念話で語り掛けてきた。
街の静寂は保たれたが、アーチャーの静寂は早くも破られたという訳だ。
「丁度今撃破したところだ。貴方がアサシンのマスターを殺したお陰で早く決着がついた」
『……何を言ってるんだ?僕はアサシンのマスターと接触した覚えはないぞ』
それを聞いて、思わず「何?」という声が漏れ出てしまう。
アサシンのマスターを暗殺したのが切嗣でないとしたら、誰による犯行なのか。
僅かに思考した後、アーチャーはすぐさま霊体化した。無論、切嗣の元へ帰る為である。
アサシンのマスターを殺害したのは、他の主従と見て間違いない。
となると、同じエリアにいる切嗣にも彼等の魔手が及ぶ可能性がある。
一刻も早く切嗣の元に移動し、彼を危険から遠ざける必要があった。
(……まったく、こちらは少し休みたいのだがね)
◆◆◆◆◆◆
真夜中の路地裏を、ゆっくりと進む男がいた。
心臓部には深い傷ができており、そこから流れる血が地面を汚していく。
常人なら死に至る筈の傷を負いながらも、彼は歩みを止めようとしない。
何かに衝き動かされるかの様に、覚束ない足取りで進んでいく。
「アサシン……サン……ころ……スべ……し……!」
驚くべき事に、アサシンは未だ戦いを諦めてはいなかった。
アーチャーに霊核を貫かれてもなお、彼は生を投げ捨ててはいない。
しんのすけの未来を奪った敵への怨念が、未だ彼を生かしているのだ。
「ニン、ジャ……殺すべ……シ…………!」
マスターの仇への憎しみだけではない。
聖杯という生死の境すら飛び越える奇跡が。
まだ終わらない聖杯戦争が、アサシンを今もなお縛り付ける。
全サーヴァント、そして聖杯を抹殺(スレイ)すべし。
それを果たせないまま、こんな場所で朽ちる訳にはいかない。
アサシンが"ニンジャスレイヤー"である限り、戦いを止める訳にはいかないのだ。
「それだけの傷でまだ逝かぬとは。大したものよのう」
そして、アサシンが"ニンジャ"――"ニンジャスレイヤー"であるからこそ。
目の前に現れた"忍者"に、否応でも殺気を滾らせてしまうのだ。
全ての"ニンジャ"を殺す事こそが、彼に課せられた宿命なのだから。
「…………ニンジャ、か」
目の前の"忍者"は、無言のままこちらを見据えている。
三下が醸し出すようなものではない、この気迫は相当な手練れのそれだ。
"ニンジャ"は構えをとり、目前に立つ"忍者"を迎え撃たんとする。
「止めておけ。その傷では無駄な足掻きにすらなるまい」
事実、"ニンジャ"の肉体は、既に崩壊を始めていた。
マスターだった足立も死に、残り僅かな残留魔力も使い果たしたのだ。
霊格の破壊も相まって、その命は最早空前の灯火であった。
「同じ忍としての情けじゃ。そのまま眠る様に逝くといい」
「……断、る。眠、るの……は……オヌシ……だ……」
途切れ途切れながらも、"ニンジャ"は相手を罵倒する。
その言葉の一つ一つからは、強い憎悪の念が感じ取れた。
"ニンジャ"の気迫を察した"忍者"は、思わず問いを投げかける。
「何故忍を憎む。何がお主をそこまで戦わせる」
"忍殺"の面頬を見るに、文字通り彼は忍者を殺す者なのだろう。
この男は、果たして何がきっかけでその様な凶行に走っているのか。
そして、どうしてここまで叩きのめされてもなお立ち上がるのか。
「…………フユコ……トチ、ノキ……!妻子の……かた……き……ッ!」
その言葉を聞いて、"忍者"の瞳が一瞬見開かれる。
このサーヴァントもまた、自分と似たものを背負っていたのだ。
愛する者という何物にも替え難い財宝の重さなど、量るまでもない。
「……そうか。ならば多くは語るまい。来るがよい、"あさしん"」
ともすれば、"ニンジャ"の意に背く行為を働くわけにはいかない。
せめて最後は、彼の望むべく終末を迎えさせるべきであろう。
それこそ、この"ニンジャ"に与えるべき情なのだから。
「ドーモ、アサシン=サン……ニンジャスレイヤー、です」
瀕死の肉体に鞭打ち、"ニンジャ"は挨拶を行う。
それが"ニンジャ"の作法であり、同時にルールだからだ。
"忍者"はただ、動ずる事無くそれを見つめるばかり。
"ニンジャ"と"忍者"。異なる世界と時代を生きる二つの存在。
本来出会う筈も無い二人が出会った時、始まるのは一つしか在り得ない。
よもや言葉は不要。ただ宿命の命ずるままに、己の技を突き付けるのみ。
「イイイイイイヤアァァァーーーーッッ!」
最後に残った魔力を振り絞った、"ニンジャ"の渾身のカラテ。
一撃で葬るという絶対的な意思の元、彼は"忍者"に挑みかかった――。
◆◆◆◆◆◆
甲賀弦之介の忍法『瞳術』は、敵に自滅を強いる必殺の魔眼。
殺意を滾らせ挑む者は、その魔性の瞳からは逃れられない。
たった一撃。たった一瞬。たったそれだけで、死合は終わる。
戦いの結果など、それを語る事さえ、もはや無粋であった。
◆◆◆◆◆◆
からんころん、と。
"忍殺"の面頬が地面に落ちる音が、虚しく木霊する。
あちこちにひびが入った面頬は、いつ砕けてもおかしくはないだろう。
それこそ、今しがた息絶えた瀕死の"ニンジャ"の様に。
アサシンは"忍殺"の面頬を手に取り、それをまじまじと見つめる。
酷く損傷したそれは、彼がどれだけの激戦を繰り広げたのかを示していた。
恐らくは今この瞬間まで、ゆっくりと休む暇など無かったのだろう。
錯刃大学に戻ったアサシンは、HALから再び【B-5】に向かえと命じられた。
彼が言うには、あの忍殺のアサシンがこちらに接近しているのだという。
斃れた筈の敵の復活に疑問符を浮かべながらも現地に向かい、現在に至るのであった。
足立を屠ったのも、切嗣ではなくアサシンだ。
事前の情報収集の時点で、彼がマスターの一人である事は知っていた。
サーヴァントの護りも無い彼は、アサシンからすれば格好の獲物である。
そうした暗殺が功を為したのだろう、敵はアーチャーに打倒される事となった。
正確に言えば死の一歩手前まで追い込んだと言うべきだろうが、同じ様なものだ。
何にせよ、こちらが労力を裂かずに邪魔者を排除できたのは大きい。
妻子の仇だと、あの"ニンジャ"は末期にそう語っていた。
その口ぶりから察するに、彼は"ニンジャ"に最愛の人を奪われたに違いない。
彼の気持ちが分からない訳が無かった。
アサシンもまた、愛する者との運命を破壊された男なのだから。
(出来れば、殺しとうはなかったが……)
しかし、どんな理由があったにせよ、これは聖杯戦争である。
サーヴァントとして召喚された以上、他の英霊とは殺し合う運命なのだ。
互いの間にどんな感情が横たわっていようが、最後には刃を交える他ない。
最期には愛する者との殺し合いの場に立った、アサシンの様に。
手に持った"忍殺"の面頬が、遂に消滅を始める。
破片さえ残す事も無く、全て虚空に消えていく。
後にはもう、何一つとして残りはしなかった。
それが闇に生きる者というものだ。
後には何も残さず、黙して消えていくのが運命。
同じ存在であるのなら、彼とて理解していた筈であろう。
――――忍者(ニンジャ)の争いとは、修羅の地獄じゃと思え。
&color(red){【足立透@PERSONA4 the Animation 死亡】}
&color(red){【アサシン(ニンジャスレイヤー)@ニンジャスレイヤー 消滅】}
【衛宮切嗣@Fate/Zero】
[状態]毛細血管断裂(中)、腹部にダメージ(中)、魔力消費(小)
[令呪]残り二角
[装備]キャリコ、コンテンダー、起源弾
[道具]地図(借り物)
[所持金]豊富、ただし今所持しているのは資材調達に必要な分+α
[思考・状況]
基本:聖杯を勝ち取り、恒久的な平和の実現を
1.B-6の暴動を通し、他のサーヴァントの情報を得る。
2.他のマスターに同盟、休戦を打診する。
3. 使えそうなNPC、および資材の確保のため街を探索する。
4.好戦的なマスター、サーヴァントには注意を払っておく
[備考]
※この街のNPCの幾人かは既に洗脳済みであり、特に学園には多くいると判断しています。
※NPCを操り戦闘に参加させた場合、逆にNPCを操った側にペナルティが課せられるのではないかと考えています。
※この聖杯戦争での役割は『休暇中のフリーランスの傭兵』となっています。
※搬入業者3人に暗示をかけ月海原学園に向かわせました。昼食を学園でとりつつ、情報収集を行うでしょう。
暗示を受けた3人は遠坂時臣という名を聞くと催眠状態になり質問に正直に答えます。
※今まで得た情報を基に、アサシン(吉良)とランサー(エリザ)について図書館で調べました。
アサシンは真名には至ってませんが、ランサーは次に調べれば真名を把握できるでしょう。
※アーチャー(エミヤシロウ)については候補となる英霊をかなり絞り込みました。その中には無銘(の基になった人)も居ます。
※アーチャー(アーカード)のパラメーターを確認しました。
※アーカードを死徒ではないかと推測しています。
そして、そのことにより本人すら気づいていない小さな焦りを感じています。
※NPCから受け取った情報の詳細は、次の書き手に一任します。
【アーチャー(エミヤシロウ)@Fate/Stay night】
[状態]身体の右から左に掛けて裂傷(中)、疲労(中)、魔力消費(大)
[装備]実体化した時のための普段着(家主から失敬してきた)
[道具]なし
[思考・状況]
基本:切嗣の方針に従い、聖杯が汚れていた場合破壊を
1.切嗣の元に戻る。
2.出来れば切嗣とエミヤシロウの関係を知られたくない。
[備考]
※岸波白野、ランサー(エリザ)を視認しました。
※エリザについては竜の血が入っているのではないか、と推測しました。B-4での戦闘を見てその考えを強めました。
※『殺意の女王(キラークイーン)』が触れて爆弾化したものを解析すればそうと判別できます。ただしアーチャーが直接触れなければわかりません。
※バーサーカー(黒崎一護)の仮面の奥を一瞬目撃しました。
※B-4での戦闘(鬼眼王バーン出現以降)とその顛末を目撃しました。
[共通備考]
※C-7にある民家を拠点にしました。
※家主であるNPCには、親戚として居候していると暗示をかけています。
※吉良吉影の姿と宝具『殺意の女王(キラークイーン)』の外観のみ確認しました。
宝具は触れたものを爆弾にする効果で、恐らくアサシンだろうと推察していますが、吉良がマスターでキラークイーンがサーヴァントだと勘違い。
ただし吉良の振る舞いには強い疑念をもっています。
【アサシン(甲賀弦之介)@バジリスク ~甲賀忍法帖~】
[状態]:健康、魔力消費(小)
[装備]:忍者刀
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:勝利し、聖杯を得る。
0.……。
1.HALの戦略に従う。
2.自分が得た情報をマスター(電人HAL)の下へと持ち帰る。
3.自分たちの脅威となる組は、ルーラーによる抑止が機能するうちに討ち取っておきたい。
4.性行為を行うサーヴァント(鏡子)、狂想のバーサーカー(デッドプール)への警戒。
5.戦争を起こす者への嫌悪感と怒り。
[備考]
※紅のランサーたち(岸波白野、エリザベート)と赤黒のアサシンたち(足立透、ニンジャスレイヤー)の戦いの前半戦を確認しました。
※狂想のバーサーカー(デッドプール)と交戦し、その能力を確認しました。またそれにより、狂想のバーサーカーを自身の天敵であると判断しました。
※アーチャー(エミヤ)の外見、戦闘を確認済み。
◆◆◆◆◆◆
最後に、ちょっとした小話をしよう。
聖杯戦争とは何ら関係ない、ちっぽけな日常の話だ。
野原ひろしは、しんのすけが通っていた幼稚園を訪れていた。
彼の息子がこの地に置いてきた物を受け取る為である。
例えちっぽけな小物の一つであろうと、しんのすけの面影があるものは手元に置いておきたかったのだ。
あの奇妙なニンジャのお陰で、自分は立ち直る事が出来た。
だが、それはしんのすけへの未練を失ったという訳では無い。
少なくとも、もうしばらくは家族の思い出に浸かっていたかったのだ。
そんな中、幼稚園の先生から一枚の絵を渡された。
どうも、しんのすけの失踪のほんの少し前に描かれたものらしい。
好きなものを描いていいと言ったのだが、いつもと趣向が違うので先生も困惑したそうだ。
アイツめ、またおかしなものを描いてたんだな、と。
目頭に少しばかりの涙を溜めながら、手渡された絵を広げてみた。
瞬間、ひろしの顔が驚愕に染まる。
そして次の瞬間には、嗚咽を上げながら泣き始めた。
その場にいた先生など気にも留めないで、膝をついてむせび泣く。
ひろしの大粒の涙を流せる程度には、その絵には価値があった。
きっとその絵の意味を知るのは、ひろししかいないだろう。
しんのすけ以外に"彼"と出会ったのは、父親たるひろしだけなのだから。
「……ああ、よく描けてる。そっくりじゃないか……」
画用紙に描かれていたのは、しんのすけと赤黒のニンジャの姿。
しんのすけと遊ぶニンジャの眼は、ひろしが見た者とは大きく異なっている。
絵の中のニンジャは、まるでただの父親の様な、優しげな瞳をしていた。
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