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*角笛(確かに) ◆ysja5Nyqn6      03/ ある記憶/矛盾聖杯  ――――――――剣戟の音が聞こえる。  青い海の底/眩い月明かりの下、彼らは戦っていた。  疾しる青い躰。応じる赤色の人影。  赤い閃光が幾度も奔り、その度に火花が飛び散る。  二つの人影は縦横無尽に戦場を駆け回り、幾度も武器を重ね合う。  その光景は、まるでピントが合っていないかのようにぼやけていた。  戦っているのが、サーヴァントだということはわかる。その背後に、マスターが控えているのも見える。  だが判るのはそれだけだ。  周囲の詳細を知ろうと目を凝らしても、どこかが致命的にズレていてどうにもはっきりしなかった。  そんな光景の中で、比較的鮮明に見えるものは二つだけあった。  私のサーヴァントである青いランサーと、わたしが成長したような姿の“私”だけだ。  とは言っても、やはりその姿も、輪郭がどこかぼやけていたのだけど。  それに比べて、ランサーと対峙しているサーヴァントは、特に輪郭のブレが激しかった。  長柄にも二刀にも見える武器を持っていて、体つきは痩躯にも巨躯にも見えた。色調が赤色ということだけが一貫している。  一方“私”と対峙しているもう一人のマスターは、なぜか薄く透けて見えた。  目を凝らしても輪郭すらよく見えず、小柄な体つきということだけがどうにかわかった。少なくとも“彼”ではないらしい。  …………そうか。  これは“彼”の記憶だ。わたしはまた、“彼”の断片に触れているのだ。  “彼”は言っていた。月の聖杯戦争で、わたしたちと出会っていたと。  だとすればこの記憶は、“彼”が出会った“私”と、そのサーヴァントだったランサーが戦っている姿なのだろう。  ……けれどこの記憶には、なぜか奇妙な違和感を覚えた。  その違和感の正体が何なのかを確かめようと、目の前の光景をよく見据え、気付く。  ……ああ、そうか。  違和感の正体は、ランサーに対する“私”の立ち位置だ。  “私”はある場面ではランサーを見守るように彼の背後にいたのに、  違う場面ではランサーと対峙するように彼と向かい合っていたのだ。  まるで二つの違う映像を同時に流して、無理矢理ピントを合わせたかのような矛盾。  だからこの記憶は、前の時のようなノイズではなく、ピンボケした状態になっているのだろう。  ……だとすれば、“私”の立ち位置の違いには、一体どんな意味があるのだろう――――。  不意に剣戟が止み、間隙が生じる。  ランサーが槍を構え、力を籠め始める。  他人の記憶越しでも感じ取れる、大気が凍り付くような、魔力の胎動。  その様子だけは共通していたのか、ランサーの姿が、より鮮明になる。  同時にわたしは、同じ存在でありながらも細部が異なる、ランサーの二つの姿を認識し――――  ――――聞きなれない電子音に、記憶の終わりを告げられた。  “私”の立ち位置の違いと、ランサーの二つの姿の意味。  その答えを見つける間もなく、“彼”の記憶が遠ざかっていく。  あっさりと意識が覚醒したのは、眠りが浅かったせいだろう。  だとすれば、もっと深い眠りにつけば、この疑問の答えがわかるのだろうか……。  そんな風に思いながら、私はゆっくりと、戦いの待つ現実に目を覚ました――――。       †  ―――あれから更に一時間以上が経ったが、ルーラーたちからの連絡はまだ来ていなかった。  何か事情があるのだろうが、さすがに少し気にかかる。  だがランサーが言ったように、いつまでも待ち続けることは出来ない。  なるべく早めに連絡が来るといいのだが……。  一方の凜は今、魔術回路を励起させた状態で、ベッドで仮眠を取っている。  ランサー曰く、起きているよりは寝ている時の方が、魔力の回復量が上昇するらしい。  とは言っても、気休め程度でしかないらしいのだが、まぁしないよりはましだろう。  ……ちなみに、魔力の貯蓄量という意味では、凜のそれはすでに岸波白野の総量を上回っている。  まだ半分程度しか回復していないらしいのにそうなのだから、彼女の才能には本当に驚かされる。  もっとも、ランサーの分も考慮すれば、完全な回復にはまだまだ時間が掛かりそうではあるのだが。  それはそうと、作戦決行の予定時刻まで、まだしばらく時間がある。  凛たちを置いて外へ出るわけにもいかない以上、出来ることは限られている。  自分は――――    1.少しでも休憩を取ろう。    2.キャスターへの対策について考えよう。   >3.聖杯戦争について考えよう。  キャスターに対する作戦は、やはり凛たちと一緒に考えるべきだ。  ここは丁度いい機会だから、この聖杯戦争について考えよう。  ―――“月を望む聖杯戦争”。  そう銘打たれたこの戦いは、その名の通り、月――ムーンセルへと至るための生存競争だ。  何かしらの望みを持った人物が“ゴフェルの木片”を手にした時、“方舟(アーク・セル)”はその人物を招き入れ、サーヴァントを与えて殺し合わせる。  そうして最後の一組となった時、彼/彼女等は月へと至り、聖杯を一度だけ使用できるという。  ……月の聖杯(ムーンセル・オートマトン)。  月の内部にある巨大な観測機械。全地球の記録にして設計図。神の遺した自動書記装置。  過去、現在、未来を問わず、無限ともいえる“可能性(if)”のシミュレートを演算し続ける、七天の聖杯(セブンスヘブン・アートグラフ)―――。  神の頭脳とも言うべきそれは、確かにあらゆる願いを叶えられるだろう。  その代償と考えれば、確かに27人ものマスターを犠牲にするのも――感情的な面は別として――理解できる話だろう。  なにしろ月の聖杯戦争の場合は、128人以上の魔術師(ウィザード)たちが参加し、そして死んでいったのだから。  ……だがそれは、この聖杯戦争に、マスター全員が納得した上で参加していた場合の話だ。  ルーラー達にも話したように、“方舟”は願いを持つ人物を、半ば無差別に招き入れている可能性がある。  それはつまり、聖杯に頼らずとも、あるいは、誰かを犠牲にせずとも叶えられたかもしれない願いに対し、他者の犠牲を強いて聖杯に願わせることを強いている、と捉えることが出来る。  もし勝ち残ったマスターの願いがそういったものであった場合、それは果たして、失われたものに対する正当な報酬と言えるのだろうか。  覚悟の伴わない喪失。欠落に見合わない報酬。  それは心に生じた隙間を、より克明に浮き彫りにするだけだ。  ましてや失われたものが掛け替えのないモノだった場合、その欠損は、いかなる報酬を以てしても埋め難い。  あるいは、もし仮にその欠落をなかったことにするとしても、聖杯を使用できるのは一度だけ。  勝者には聖杯戦争を戦い続けた理由(ほうしゅう)は失われ、他者を殺したという罪科だけが残されることになる。  そしてその喪失は、箱舟に招かれなかった人たちにも当て嵌まる。  唐突な家族や友人の消失。交通事故のような、理不尽な死。そして仮に彼/彼女が帰ってきても、その人は罪を背負っている。  たとえ本人の意思でなかったとしても、そんな状態で果たして、元の関係のままでいられるだろうか。  この聖杯戦争はすでに、そういった歪みを生み出してしまっている。  それでどうして、この聖杯戦争が正しいと言えるのか。  それとも、そう言うに足る理由が、この聖杯戦争にはあるのだろうか。  …………それに実のところ、もう一つ気になっていることがある。  この聖杯戦争の報酬である、聖杯(ムーンセル)そのものについてだ。  ムーンセルは、手に入れた者の願い通りに未来を変革させる神の眼だ。  だがしかし、その聖杯としての機能は既にないはずだ。  なぜならムーンセルは、岸波白野の欲望に沿って地上との繋がりを断ち、その在り方を変貌させたからだ。  そう。  岸波白野という、月の聖杯戦争の勝者が存在した事実がある限り、現在のムーンセルは聖杯にはなり得ない。  ……だというに、ムーンセルの使用権をめぐる聖杯戦争が、こうして今、箱舟で行われている。  これは一体どういう事なのか。  ムーンセルが繋がりを断ったのは、あくまで地上とだけだったのか。     ――――それならば、地上から招かれたマスターの願いは叶わない。  それともこの聖杯戦争で至る月は、未だ地上と繋がっている、平行世界(べつ)のムーンセルなのか。     ――――だとすれば、岸波白野(じぶん)がここにいるはずがない。  あるいはムーンセルにとって、月の聖杯戦争と方舟の聖杯戦争、それによって叶えられた願いは、無関係な物として扱われているのか。     ――――もしそうなら、岸波白野の伝えた(インプットした)願いは、完全に無意味なものとなってしまう。  故に、ムーンセルにはもはや、聖杯戦争が起きる理由がない。  岸波白野を基準とした予測では、この戦いは聖杯戦争として破綻してしまう。  ……ではもし、ムーンセルとは関係のないところに理由があるとすれば、どうだろう。  そう。今回の聖杯戦争の舞台、“方舟(アーク・セル)”が原因だとすれば、それは一体どんな…………。  …………。  ……………………。  …………………………………………。  ……ダメだ、情報が足りない。  ムーンセルの事は知っていても、アークセルの事を知らなさ過ぎる。  現在把握している情報では、手掛かりの予想すら付けられない。  となると、アークセルについて調べる必要があるわけだが……  それに詳しそうな人物といえば、やはりルーラーたちが思い浮かぶ。  図書館などの施設で調べられないこともないだろうが、彼女たちに直接聞いた方が確実だろう。  彼女たちから連絡が来た時にでも、ついでに訊いてみるとしよう。  そんな風に考えていると、携帯端末から、聞きなれた電子音が響いてきた。 「ん、んん……。今の、何の音?」  その音に反応してか、仮眠を取っていた凛が目を覚ました。  そんな、どこか寝ぼけ眼の彼女に、端末の着信音だと答えると、凛はすぐに意識を覚醒させた。  そしてもう気を引き締めている凛に感心しながらも、端末を取出して通知内容を確認する。  ::遠坂凛の要請に対し返答します。    応答が可能であれば、返信してください。                     [REPLY]  端末の画面には、そう文面が表示されていた。  ルーラーたちの答えがようやく決まった、という事だろう。 「やっと返事が来たか。ったく、何をチンタラやってたのかね。  ……だがまあ、これでようやく始まるってわけだ」  回復のために霊体化していたランサーが実体化し、気負った様子もなくそう呟く。  かと言って気が緩んでいる訳ではないらしく、その眼には獰猛な野生が垣間見えた。  彼の心はすでに、キャスターとの戦いの中にあるのだろう。 「なら、はやく返信しちゃいましょう。  あっちの行動に合わせて、私たちも準備する必要があるかもしれないし」  それは凜も同じなのか、待ってましたと言わんばかりに声を上げる。  だがランサーと違い、すこし緊張しているようにも見える。  どこか強気な口調は、それを誤魔化すためのものなのだろう。  返信を後回しにする理由はない。  凜の言葉にうなずき、画面内の返信(REPLY)ボタンを押す。  ……その直前。不意に、端末のものとは異なる電子(コール)音が響いてきた。 「む。一体誰よ、こんな時に」  その音を聞いた凛が、少し苛立たしげに顔を顰める。  どうやら、この家の電話機だったらしい。 「……はあ、しかたない。どっちも後回しにはできないし。  ルーラーたちの返答は白野が聞いておいて。わたしは電話の方に対応するから」  凜はそう言うと、部屋の外へと出て行った。  それを見届けてから、改めて画面内の返信ボタンを押す。  すると数回電子音が鳴り、聞き覚えのある少女の声が返ってき来た。カレンだ。 『私です。遠坂凛の要請に対してですが、私が同行するという形で受けることになりました。つきましては、待ち合わせの時刻を教えてください』  端末から響く事務的なカレンの声に、16時から行動を開始し、17時にキャスターの拠点を攻める予定だ、と返答する。 『了解しました。ではその時刻にキャスターの拠点で合流する、という事でよろしいですね』  ああ、と端末越しに頷く。  だがカレンは拠点の場所は知っているのだろうか。 『問題ありません。こちらも大凡の位置は把握していますし、貴方のサーヴァントは目立ちますから』  確かに。  元より相当な美人であり、さらに竜の魔人と化しているエリザベートはたいへん目立つ。  何か急いでいるとか、何かに気を取られているといった事でもない限り、そうそう見落とすことはないだろう。 『ではそのように。緊急の予定が入れば、また連絡します』  カレンは最後にそう告げると、あっさりと通信を切ってしまった。  ……しまった。  アークセルについて、彼女に話を聞いてみたかったのだが……。  仕方がない。アークセルの事は、機会があればその時に訊いてみよう。  それから少しして、凛が部屋へと戻ってきた。 「それで、ルーラーたちは何て?」  そう問いかけてくる凛に、16時から17時に、キャスターの拠点でカレンと合流することになったと伝える。  それに合わせて、こちらの作戦も調整する必要があるだろう。 「リンの方こそ、電話の相手は誰だったの?」 「初等部で授業を手伝ってくれている、高等部のバイトの人。私が欠席したのを心配してくれてたみたい。  いちおう風邪を引いたってことにして誤魔化しておいたから、大丈夫だと思うわ。……たぶん」  凜はそう、若干目線を逸らしながら口にした。  ……………………。  彼女の言葉尻に、そこはかとなく不安を覚えるが……なるほど。日常を再現していた以上、そう言った繋がりも生じてくるのか。  そう言えば、自分もまだ学校に連絡を入れていなかった。一成たちにも心配を懸けているかもしれない。  ……だが、今はキャスターとの戦いを優先しよう。  なにしろ、戦いはすでに始まっている。  敵の能力は完全に未知数。作戦内容や、使用する礼装の確認など、するべきことは沢山ある。 「それじゃあ白野。見せてもらうわ、聖杯戦争の優勝者の実力を」  凜がそう言って、岸波白野へと笑みを浮かべる。  その瞳には、自分の知る“遠坂凛”のような、確かな戦意が宿っている。  キャスターを倒せなければ彼女に明日はない。この戦いにかける意気込みは並ならぬものがあるのだろう。  そんな少女へと頷きを返し、準備を整えるために立ち上がる。  キャスターとの対決に向けて気合を入れているのは彼女だけではない。  自分もまた、この望みを果たすまで負けるわけにはいかないのだから。 【B-4 /遠坂邸/1日目 午後】 【岸波白野@Fate/EXTRA CCC】 [状態]:健康、強い決意 [令呪]:残り三画 [装備]:なし [道具]:携帯端末機 [所持金] 普通の学生程度 [思考・状況] 基本行動方針:「 」(CCC本編での自分のサーヴァント)の記憶を取り戻したい。 0. 休息中の遠坂凜とランサー(クー・フーリン)を護りつつ、決戦の準備を整える。 1. 遠坂凛とランサーを助けるために、足立透とそのキャスターを倒す手助けをする。16時より決行予定。 2. 機会があれば、ルーラーたちにアークセルの事を訊いてみる。 3. 狙撃とライダー(鏡子)を警戒。 4. 聖杯戦争を見極める。 5. 自分は、あのアーチャーを知っている───? [備考] ※遠坂凛と同盟を結びました。 ※エリザベートとある程度まで、遠坂凛と最後までいたしました。その事に罪悪感に似た感情を懐いています。 ※遠坂凛とパスを通し、魔力の融通が可能となりました。またそれにより、遠坂凛の記憶の一部と同調しました。 ※クー・フーリン、ジャンヌ・ダルクのパラメーターを確認済み。クー・フーリンの宝具、スキルを確認済み。 ※アーチャー(エミヤ)の遠距離狙撃による攻撃を受けましたが、姿は確認できませんでした。 ※アーチャー(エミヤ)が行った「剣を矢として放つ攻撃」、およびランサーから聞いたアーチャーの特徴に、どこか既視感を感じています。  しかしこれにより「 」がアーチャー(無銘)だと決まったわけではありません。 ※足立透と大魔王バーンの人相と住所を聞きました。 【ランサー(エリザベート・バートリー)@Fate/EXTRA CCC】 [状態]:健康 [装備]:監獄城チェイテ [道具]:なし [思考・状況] 基本行動方針:岸波白野に協力し、少しでも贖罪を。 0. 休息中の遠坂凜とランサー(クー・フーリン)を護る。 1. 岸波白野のついでに、遠坂凛も守る。 2. 撤退に屈辱感。 [備考] ※岸波白野、遠坂凛と、ある程度までいたしました。そのため、遠坂凛と仮契約が結ばれました。 ※アーチャー(エミヤ)の遠距離狙撃による襲撃を受けましたが、姿は確認できませんでした。 ※カフェテラスのサンドイッチを食したことにより、インスピレーションが湧きました。彼女の手料理に何か変化がある……かもしれません。 【遠坂凛@Fate/Zero】 [状態]:健康、魔力消費(中)、強い決意 [令呪]:残り二画 [装備]:アゾット剣 [道具]:なし [所持金]:地主の娘のお小遣いとして、一千万単位(詳しい額は不明) [思考・状況] 基本行動方針:遠坂家の魔術師として聖杯を得る。 0. 休息しつつ、準備を整える。 1. 岸波白野から、聖杯戦争の経験を学ぶ。 2. ルーラー達からの連絡を待つ。 3. 勝利するために何でもする。 4. カレンの言葉が気にかかる。 [備考] ※岸波白野と同盟を結びました。 ※エリザベートとある程度まで、岸波白野と最後までいたしました。そのため、エリザベートと仮契約が結ばれました。 ※岸波白野とパスを通し、魔力の融通が可能となりました。またそれにより、岸波白野の記憶が流入しています。  どの記憶が、どこまで流入しているかは、後の書き手にお任せします。 ※鏡子、ニンジャスレイヤー、エリザベート、ジャンヌ・ダルクのパラメーターを確認済み。エリザベートの宝具、スキルを確認済み。 ※足立透と大魔王バーンの人相と住所を聞きました。 【ランサー(クー・フーリン)@Fate/stay night】 [状態]:健康、魔力消費(中) [令呪] 1. 『日が変わるまでに、足立透、もしくはそのキャスターを殺害。出来なければ自害せよ』 [装備]:ゲイ・ボルク [道具]:なし [思考・状況] 基本行動方針:遠坂凜のサーヴァントとして聖杯戦争と全うする。 0. 休息し、30分毎にキャスターの位置を探る。 1. 凜に勝利を捧げる。 2. 足立、もしくはキャスター(大魔王バーン)を殺害する。16時より決行予定。 3. あのライダー(鏡子)にはもう会いたくない。最大限警戒する。 4. アサシン(ニンジャスレイヤー)にリベンジする。 [備考] ※鏡子とのセックスの記憶が強く刻み込まれました。 ※足立透と大魔王バーンの人相と住所を聞きました。 ※自害命令は令呪一画を消費することで解除できます。 [共通備考] ※遠坂邸の凜の自室に、盗聴・透視などを防ぐ陣が張ってあります。陣を破壊した場合、術者のクー・フーリンに察知されます。陣を破らずに盗聴・透視を行うのは極めて困難です。 ※16時まで、30分置きにクー・フーリンが探索のルーンで大魔王バーンの居場所を探知する予定です。 ※下記がキャスター撃破作戦の概要です。16時から作戦を行動する予定です。 一.B-4の高層マンションに赴く。 二.エリザの『竜鳴雷声(キレンツ・サカーニィ)』で周辺NPCを避難誘導する。 (1時間必要と予測) 三.エリザの『竜鳴雷声(キレンツ・サカーニィ)』で、キャスターの陣地を攻撃する。 四-A.キャスターが陣地から出てきた場合、エリザが交戦。 五-A.クー・フーリンが不意を突いて攻撃する。 四-B.キャスターが陣地から出てこない場合、エリザとクー・フーリンが侵入する。 五-B.陣地内にいるキャスターをエリザとクー・フーリンが撃破する。      04/ 心理考察 「…………ルーラーはもう出発しましたか。本当、まじめによく働くこと」  教会の奥、細い階段を上った先にある一室で、カレンはそう呟いた。 「それにしても、先ほどは面白い話が聞けました。  まさか、聖杯が間違っているかどうかを問われるとは。  ルーラー(かのじょ)からすれば、実に耳に痛い話だったでしょうね」  そう口にしながら小さく笑うカレンの脳裏には、東風谷早苗との会話が思い起こされていた。  ……いや、より正確に言うのであれば、彼女の問い掛けを聞いていたであろう、ルーラーの様子を、だ。  この教会には、構造的な欠陥故か、礼拝堂での会話が筒抜けになる一室がある。  単なる偶然か、それとも来訪者に対応できるようにか。東風谷早苗が教会に訪れた時、ルーラーはその一室にいたのだ。  そしてそこで何をしていたかというと、聖水を用いた、冬木市全域に及ぶサーヴァントの探索だ。  そもそも、遠坂凛への返答がここまで遅れた理由がそれだった。  【B-4】に違反者がいるという通達を聞けば、マスターとサーヴァントは少なからず行動を起こす。  その行動の如何によって、遠坂凛の要請に対する返答を決めようとしていたのだ。  東風谷早苗が訪れたのは、その最中の事だった。 「あの話を聞いて何を思ったのか。  それを訊くことは出来ませんでしたが、だからこそ、実に興味深いです」  裁定者として振る舞っている時のルーラーは、そう容易くは揺るがない。  何しろ生前からして、根拠などないに等しい啓示に従い、苛烈に戦ってきたのだ。一度決めた事は簡単には覆さないだろう。  ……だが、それでもその根底には、ごく当たり前の少女としての貌がある。  当然の話だ。そもそも神の啓示を信じると決めたのは、その少女自身なのだから。  故に、その少女としての部分が揺るがされると、裁定者としての振る舞いが乱れるのだ。 「そして、この聖杯戦争には、ルーラーを揺るがし得る要素が幾つもある」  ゴルフェの木片による無差別な召喚。  戦争に参加するには明らかに幼い子供のマスター。  あまりにも多すぎる反英雄の素養を持つサーヴァントたち。  東風谷早苗が、聖杯は間違っているのでは、と疑問に思うのも当然だろう。  東風谷早苗の話を聞いてルーラーが何を思ったのか、カレンは知らない。  なぜならカレンがルーラーの元へと戻った時にはすでに、彼女は裁定者の貌をしていたからだ。  しかしだからこそ、“何かを思った”のだとカレンは確信していた。  そしてその“何か”を知るには、裁定者の仮面を剥がす必要があるのだが……。 「その辺りは、今のところ岸波白野が期待できるでしょうか」  他にもルーラーを揺るがし得る人物はいるかもしれないが、今のところは彼が有力と言える。  ……そう。  岸波白野はその善性が故に、ルーラーの心を暴き立てるだろう。  その結果がどうなるかは、カレンには興味がない。  あるのは仮面の下に隠されているだろう、ルーラーの“傷”に対してだけだ。  裁定者の仮面で隠していた“傷”が露わになった時、ルーラーは一体どのような顔をするのかを、カレンは観てみたかった。  もっとも、だからと言って裁定者の役割を放棄するつもりも、カレンにはないのだが。 「確か……ベルク・カッツェ、と言いましたか。厄介なサーヴァントが向かっているようですね」  “形なき悪意の体現者”とも呼ばれるその存在は、ルーラーによると人の悪性がその正体らしい。  加えて人々を先導する能力を持つらしく、下手に善良なマスターからすれば厄介極まりない存在だろう。  何しろ場合によっては、NPCが自らの意思でマスター達の敵になってしまう可能性があるのだから。  そしてそうなれば、おそらく聖杯戦争どころではなくなってしまうだろう。  当初の予定では、【B-4】にサーヴァントが集まれば要請は断り、逆に集まらなければルーラーが応じる手筈だった。  その程度には、大魔王バーンは放置するには少々危険な存在であるとルーラーは認識していた。  ……だがそこに、ベルク・カッツェがやってくるとなると話は別だ。  バーン一人でさえ手に余りかけているというのに、場を滅茶苦茶に引っ掻き回されては裁定どころではなくなる。 「だからこそ、遠坂凛の要請には私が対応することになったのですが……」  サーヴァントを律することが出来るのはそのマスターがルーラーだけ。  であれば、ベルク・カッツェに対処するためにルーラーが動くのはおかしなことではない。  だがそれだけなら、カレンが動く必要はない。  カレンが要請に応じることになった理由は、不確定要素は可能な限り減らしておくためだった。  その不確定要素とは即ち、“大魔王バーンとベルク・カッツェが手を組む”という可能性だ。  どちらも共に、完全な反英雄――人類の敵対者だ。聖杯戦争のルールなど守らないだろう。  現にバーンはすでに違反を犯しているし、そして新都でもベルク・カッツェが原因だと思われる暴動が起きている。  そんな二人が手を組めば、聖杯戦争は破綻しかねない。  であれば、どちらか一方だけにでも、より確実な軛を穿つ。そうすれば、たとえ二人が手を組んだとしても、多少は被害を抑えられるだろう。  そういった判断から、遠坂凛にはカレンが同行することになったのだ。  大魔王バーンの、不正の証拠を見つけ出すために。  ……しかしカレンは、そこにもう一つ、ある要素を含んで考える。  それは即ち――― 「……岸波白野との接触を、可能な限り避けるため……でしょうか」  本気でバーンを罰しようと思うのであれば、やはりルーラーが要請に応じればいい。  確かにその間ベルク・カッツェを放置することにはなるが、証拠さえ見つかれば、バーンに確実にペナルティを与えられるのだから。  だがルーラーは、相当悩んだ様子ではあったが、結局自分に任せることを選択した。  現状で考えられるその理由は、一つ。  岸波白野の問い掛けだ。  あの問いに対する答えがまだ出ていないのだとすれば、確かに彼とは顔を合わせ辛いだろう。  だが。 「……あるいはもし、その答えが裁定者としての彼女を揺るがすものだとすれば……」  それはむしろ、答える訳にはいかない問いだ。  一度その気持ちを自覚してしまえば、自身の心と裁定者としての在り方の矛盾に、ルーラーは苛まれることになる。  なにしろ裁定者として行動すればするほど、彼女は自身の心に嘘を吐くことになるのだ。  そしてそうなれば、いずれは裁定者としてのルーラーの在り方も破綻するだろう。  なぜなら、物事を裁定する基準となる心が歪んでしまうのだから。  ………しかし。 「まあもっとも、実際どうなのかはわかりませんけどね」  いくら考えたところで、結局は他者の心。想像の域を出ることはない。  ルーラーの本心を確かめたければ、やはりその仮面を剥がすしかないのだ。  だがそれは、自分がやることではなく、ルーラーをどうにかしたいと考える者がやるべきことだ。  故に。 「……さて。私もそろそろ、準備を始めましょう」  カレンは衣装ケースから、戦闘用の服装を取り出す。  聖女の仮面が剥がれる時を、少女は静かに待ち続ける――――。 【D-5/教会/1日目 午後】 【カレン・オルテンシア@Fate/hollow ataraxia】 [状態]:健康 [令呪]:不明 [装備]:マグダラの聖骸布 [道具]:リターンクリスタル(無駄遣いしても問題ない程度の個数、もしくは使用回数)、??? [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争の恙ない進行時々趣味。 1. 遠坂凛たちと行動するための準備を整える。 2. ルーラーの裁定者としての仮面を剥がしてみたい。 [備考] ※聖杯が望むのは偽りの聖杯戦争、繰り返す四日間ではないようです。  そのため、時間遡行に関する能力には制限がかかり、万一に備えてその状況を解決しうるカレンが監督役に選ばれたようです。他に理由があるのかは不明。 ---- |BACK||NEXT| |113-a:[[角笛(届かず)]]|[[投下順>本編SS目次・投下順]]|114:[[days/bugs disillusion]]| |113-a:[[角笛(届かず)]]|[[時系列順>本編SS目次・時系列順]]|097:[[近似値]]| |BACK|登場キャラ:[[追跡表]]|NEXT| |087:[[卓袱台会議]]|[[岸波白野]]&ランサー([[エリザベート・バートリー]])|| |~|[[遠坂凜]]&ランサー([[クー・フーリン]])|~| |113-a:[[角笛(届かず)]]|[[カレン・オルテンシア]]|~| &link_up(▲上へ)
*角笛(確かに) ◆ysja5Nyqn6      03/ ある記憶/矛盾聖杯  ――――――――剣戟の音が聞こえる。  青い海の底/眩い月明かりの下、彼らは戦っていた。  疾しる青い躰。応じる赤色の人影。  赤い閃光が幾度も奔り、その度に火花が飛び散る。  二つの人影は縦横無尽に戦場を駆け回り、幾度も武器を重ね合う。  その光景は、まるでピントが合っていないかのようにぼやけていた。  戦っているのが、サーヴァントだということはわかる。その背後に、マスターが控えているのも見える。  だが判るのはそれだけだ。  周囲の詳細を知ろうと目を凝らしても、どこかが致命的にズレていてどうにもはっきりしなかった。  そんな光景の中で、比較的鮮明に見えるものは二つだけあった。  私のサーヴァントである青いランサーと、わたしが成長したような姿の“私”だけだ。  とは言っても、やはりその姿も、輪郭がどこかぼやけていたのだけど。  それに比べて、ランサーと対峙しているサーヴァントは、特に輪郭のブレが激しかった。  長柄にも二刀にも見える武器を持っていて、体つきは痩躯にも巨躯にも見えた。色調が赤色ということだけが一貫している。  一方“私”と対峙しているもう一人のマスターは、なぜか薄く透けて見えた。  目を凝らしても輪郭すらよく見えず、小柄な体つきということだけがどうにかわかった。少なくとも“彼”ではないらしい。  …………そうか。  これは“彼”の記憶だ。わたしはまた、“彼”の断片に触れているのだ。  “彼”は言っていた。月の聖杯戦争で、わたしたちと出会っていたと。  だとすればこの記憶は、“彼”が出会った“私”と、そのサーヴァントだったランサーが戦っている姿なのだろう。  ……けれどこの記憶には、なぜか奇妙な違和感を覚えた。  その違和感の正体が何なのかを確かめようと、目の前の光景をよく見据え、気付く。  ……ああ、そうか。  違和感の正体は、ランサーに対する“私”の立ち位置だ。  “私”はある場面ではランサーを見守るように彼の背後にいたのに、  違う場面ではランサーと対峙するように彼と向かい合っていたのだ。  まるで二つの違う映像を同時に流して、無理矢理ピントを合わせたかのような矛盾。  だからこの記憶は、前の時のようなノイズではなく、ピンボケした状態になっているのだろう。  ……だとすれば、“私”の立ち位置の違いには、一体どんな意味があるのだろう――――。  不意に剣戟が止み、間隙が生じる。  ランサーが槍を構え、力を籠め始める。  他人の記憶越しでも感じ取れる、大気が凍り付くような、魔力の胎動。  その様子だけは共通していたのか、ランサーの姿が、より鮮明になる。  同時にわたしは、同じ存在でありながらも細部が異なる、ランサーの二つの姿を認識し――――  ――――聞きなれない電子音に、記憶の終わりを告げられた。  “私”の立ち位置の違いと、ランサーの二つの姿の意味。  その答えを見つける間もなく、“彼”の記憶が遠ざかっていく。  あっさりと意識が覚醒したのは、眠りが浅かったせいだろう。  だとすれば、もっと深い眠りにつけば、この疑問の答えがわかるのだろうか……。  そんな風に思いながら、私はゆっくりと、戦いの待つ現実に目を覚ました――――。       †  ―――あれから更に一時間以上が経ったが、ルーラーたちからの連絡はまだ来ていなかった。  何か事情があるのだろうが、さすがに少し気にかかる。  だがランサーが言ったように、いつまでも待ち続けることは出来ない。  なるべく早めに連絡が来るといいのだが……。  一方の凜は今、魔術回路を励起させた状態で、ベッドで仮眠を取っている。  ランサー曰く、起きているよりは寝ている時の方が、魔力の回復量が上昇するらしい。  とは言っても、気休め程度でしかないらしいのだが、まぁしないよりはましだろう。  ……ちなみに、魔力の貯蓄量という意味では、凜のそれはすでに岸波白野の総量を上回っている。  まだ半分程度しか回復していないらしいのにそうなのだから、彼女の才能には本当に驚かされる。  もっとも、ランサーの分も考慮すれば、完全な回復にはまだまだ時間が掛かりそうではあるのだが。  それはそうと、作戦決行の予定時刻まで、まだしばらく時間がある。  凛たちを置いて外へ出るわけにもいかない以上、出来ることは限られている。  自分は――――    1.少しでも休憩を取ろう。    2.キャスターへの対策について考えよう。   >3.聖杯戦争について考えよう。  キャスターに対する作戦は、やはり凛たちと一緒に考えるべきだ。  ここは丁度いい機会だから、この聖杯戦争について考えよう。  ―――“月を望む聖杯戦争”。  そう銘打たれたこの戦いは、その名の通り、月――ムーンセルへと至るための生存競争だ。  何かしらの望みを持った人物が“ゴフェルの木片”を手にした時、“方舟(アーク・セル)”はその人物を招き入れ、サーヴァントを与えて殺し合わせる。  そうして最後の一組となった時、彼/彼女等は月へと至り、聖杯を一度だけ使用できるという。  ……月の聖杯(ムーンセル・オートマトン)。  月の内部にある巨大な観測機械。全地球の記録にして設計図。神の遺した自動書記装置。  過去、現在、未来を問わず、無限ともいえる“可能性(if)”のシミュレートを演算し続ける、七天の聖杯(セブンスヘブン・アートグラフ)―――。  神の頭脳とも言うべきそれは、確かにあらゆる願いを叶えられるだろう。  その代償と考えれば、確かに27人ものマスターを犠牲にするのも――感情的な面は別として――理解できる話だろう。  なにしろ月の聖杯戦争の場合は、128人以上の魔術師(ウィザード)たちが参加し、そして死んでいったのだから。  ……だがそれは、この聖杯戦争に、マスター全員が納得した上で参加していた場合の話だ。  ルーラー達にも話したように、“方舟”は願いを持つ人物を、半ば無差別に招き入れている可能性がある。  それはつまり、聖杯に頼らずとも、あるいは、誰かを犠牲にせずとも叶えられたかもしれない願いに対し、他者の犠牲を強いて聖杯に願わせることを強いている、と捉えることが出来る。  もし勝ち残ったマスターの願いがそういったものであった場合、それは果たして、失われたものに対する正当な報酬と言えるのだろうか。  覚悟の伴わない喪失。欠落に見合わない報酬。  それは心に生じた隙間を、より克明に浮き彫りにするだけだ。  ましてや失われたものが掛け替えのないモノだった場合、その欠損は、いかなる報酬を以てしても埋め難い。  あるいは、もし仮にその欠落をなかったことにするとしても、聖杯を使用できるのは一度だけ。  勝者には聖杯戦争を戦い続けた理由(ほうしゅう)は失われ、他者を殺したという罪科だけが残されることになる。  そしてその喪失は、箱舟に招かれなかった人たちにも当て嵌まる。  唐突な家族や友人の消失。交通事故のような、理不尽な死。そして仮に彼/彼女が帰ってきても、その人は罪を背負っている。  たとえ本人の意思でなかったとしても、そんな状態で果たして、元の関係のままでいられるだろうか。  この聖杯戦争はすでに、そういった歪みを生み出してしまっている。  それでどうして、この聖杯戦争が正しいと言えるのか。  それとも、そう言うに足る理由が、この聖杯戦争にはあるのだろうか。  …………それに実のところ、もう一つ気になっていることがある。  この聖杯戦争の報酬である、聖杯(ムーンセル)そのものについてだ。  ムーンセルは、手に入れた者の願い通りに未来を変革させる神の眼だ。  だがしかし、その聖杯としての機能は既にないはずだ。  なぜならムーンセルは、岸波白野の欲望に沿って地上との繋がりを断ち、その在り方を変貌させたからだ。  そう。  岸波白野という、月の聖杯戦争の勝者が存在した事実がある限り、現在のムーンセルは聖杯にはなり得ない。  ……だというに、ムーンセルの使用権をめぐる聖杯戦争が、こうして今、箱舟で行われている。  これは一体どういう事なのか。  ムーンセルが繋がりを断ったのは、あくまで地上とだけだったのか。     ――――それならば、地上から招かれたマスターの願いは叶わない。  それともこの聖杯戦争で至る月は、未だ地上と繋がっている、平行世界(べつ)のムーンセルなのか。     ――――だとすれば、岸波白野(じぶん)がここにいるはずがない。  あるいはムーンセルにとって、月の聖杯戦争と方舟の聖杯戦争、それによって叶えられた願いは、無関係な物として扱われているのか。     ――――もしそうなら、岸波白野の伝えた(インプットした)願いは、完全に無意味なものとなってしまう。  故に、ムーンセルにはもはや、聖杯戦争が起きる理由がない。  岸波白野を基準とした予測では、この戦いは聖杯戦争として破綻してしまう。  ……ではもし、ムーンセルとは関係のないところに理由があるとすれば、どうだろう。  そう。今回の聖杯戦争の舞台、“方舟(アーク・セル)”が原因だとすれば、それは一体どんな…………。  …………。  ……………………。  …………………………………………。  ……ダメだ、情報が足りない。  ムーンセルの事は知っていても、アークセルの事を知らなさ過ぎる。  現在把握している情報では、手掛かりの予想すら付けられない。  となると、アークセルについて調べる必要があるわけだが……  それに詳しそうな人物といえば、やはりルーラーたちが思い浮かぶ。  図書館などの施設で調べられないこともないだろうが、彼女たちに直接聞いた方が確実だろう。  彼女たちから連絡が来た時にでも、ついでに訊いてみるとしよう。  そんな風に考えていると、携帯端末から、聞きなれた電子音が響いてきた。 「ん、んん……。今の、何の音?」  その音に反応してか、仮眠を取っていた凛が目を覚ました。  そんな、どこか寝ぼけ眼の彼女に、端末の着信音だと答えると、凛はすぐに意識を覚醒させた。  そしてもう気を引き締めている凛に感心しながらも、端末を取出して通知内容を確認する。  ::遠坂凛の要請に対し返答します。    応答が可能であれば、返信してください。                     [REPLY]  端末の画面には、そう文面が表示されていた。  ルーラーたちの答えがようやく決まった、という事だろう。 「やっと返事が来たか。ったく、何をチンタラやってたのかね。  ……だがまあ、これでようやく始まるってわけだ」  回復のために霊体化していたランサーが実体化し、気負った様子もなくそう呟く。  かと言って気が緩んでいる訳ではないらしく、その眼には獰猛な野生が垣間見えた。  彼の心はすでに、キャスターとの戦いの中にあるのだろう。 「なら、はやく返信しちゃいましょう。  あっちの行動に合わせて、私たちも準備する必要があるかもしれないし」  それは凜も同じなのか、待ってましたと言わんばかりに声を上げる。  だがランサーと違い、すこし緊張しているようにも見える。  どこか強気な口調は、それを誤魔化すためのものなのだろう。  返信を後回しにする理由はない。  凜の言葉にうなずき、画面内の返信(REPLY)ボタンを押す。  ……その直前。不意に、端末のものとは異なる電子(コール)音が響いてきた。 「む。一体誰よ、こんな時に」  その音を聞いた凛が、少し苛立たしげに顔を顰める。  どうやら、この家の電話機だったらしい。 「……はあ、しかたない。どっちも後回しにはできないし。  ルーラーたちの返答は白野が聞いておいて。わたしは電話の方に対応するから」  凜はそう言うと、部屋の外へと出て行った。  それを見届けてから、改めて画面内の返信ボタンを押す。  すると数回電子音が鳴り、聞き覚えのある少女の声が返ってき来た。カレンだ。 『私です。遠坂凛の要請に対してですが、私が同行するという形で受けることになりました。つきましては、待ち合わせの時刻を教えてください』  端末から響く事務的なカレンの声に、16時から行動を開始し、17時にキャスターの拠点を攻める予定だ、と返答する。 『了解しました。ではその時刻にキャスターの拠点で合流する、という事でよろしいですね』  ああ、と端末越しに頷く。  だがカレンは拠点の場所は知っているのだろうか。 『問題ありません。こちらも大凡の位置は把握していますし、貴方のサーヴァントは目立ちますから』  確かに。  元より相当な美人であり、さらに竜の魔人と化しているエリザベートはたいへん目立つ。  何か急いでいるとか、何かに気を取られているといった事でもない限り、そうそう見落とすことはないだろう。 『ではそのように。緊急の予定が入れば、また連絡します』  カレンは最後にそう告げると、あっさりと通信を切ってしまった。  ……しまった。  アークセルについて、彼女に話を聞いてみたかったのだが……。  仕方がない。アークセルの事は、機会があればその時に訊いてみよう。  それから少しして、凛が部屋へと戻ってきた。 「それで、ルーラーたちは何て?」  そう問いかけてくる凛に、16時から17時に、キャスターの拠点でカレンと合流することになったと伝える。  それに合わせて、こちらの作戦も調整する必要があるだろう。 「リンの方こそ、電話の相手は誰だったの?」 「初等部で授業を手伝ってくれている、高等部のバイトの人。私が欠席したのを心配してくれてたみたい。  いちおう風邪を引いたってことにして誤魔化しておいたから、大丈夫だと思うわ。……たぶん」  凜はそう、若干目線を逸らしながら口にした。  ……………………。  彼女の言葉尻に、そこはかとなく不安を覚えるが……なるほど。日常を再現していた以上、そう言った繋がりも生じてくるのか。  そう言えば、自分もまだ学校に連絡を入れていなかった。一成たちにも心配を懸けているかもしれない。  ……だが、今はキャスターとの戦いを優先しよう。  なにしろ、戦いはすでに始まっている。  敵の能力は完全に未知数。作戦内容や、使用する礼装の確認など、するべきことは沢山ある。 「それじゃあ白野。見せてもらうわ、聖杯戦争の優勝者の実力を」  凜がそう言って、岸波白野へと笑みを浮かべる。  その瞳には、自分の知る“遠坂凛”のような、確かな戦意が宿っている。  キャスターを倒せなければ彼女に明日はない。この戦いにかける意気込みは並ならぬものがあるのだろう。  そんな少女へと頷きを返し、準備を整えるために立ち上がる。  キャスターとの対決に向けて気合を入れているのは彼女だけではない。  自分もまた、この望みを果たすまで負けるわけにはいかないのだから。 【B-4 /遠坂邸/1日目 午後】 【岸波白野@Fate/EXTRA CCC】 [状態]:健康、強い決意 [令呪]:残り三画 [装備]:なし [道具]:携帯端末機 [所持金] 普通の学生程度 [思考・状況] 基本行動方針:「 」(CCC本編での自分のサーヴァント)の記憶を取り戻したい。 0. 休息中の遠坂凜とランサー(クー・フーリン)を護りつつ、決戦の準備を整える。 1. 遠坂凛とランサーを助けるために、足立透とそのキャスターを倒す手助けをする。16時より決行予定。 2. 機会があれば、ルーラーたちにアークセルの事を訊いてみる。 3. 狙撃とライダー(鏡子)を警戒。 4. 聖杯戦争を見極める。 5. 自分は、あのアーチャーを知っている───? [備考] ※遠坂凛と同盟を結びました。 ※エリザベートとある程度まで、遠坂凛と最後までいたしました。その事に罪悪感に似た感情を懐いています。 ※遠坂凛とパスを通し、魔力の融通が可能となりました。またそれにより、遠坂凛の記憶の一部と同調しました。 ※クー・フーリン、ジャンヌ・ダルクのパラメーターを確認済み。クー・フーリンの宝具、スキルを確認済み。 ※アーチャー(エミヤ)の遠距離狙撃による攻撃を受けましたが、姿は確認できませんでした。 ※アーチャー(エミヤ)が行った「剣を矢として放つ攻撃」、およびランサーから聞いたアーチャーの特徴に、どこか既視感を感じています。  しかしこれにより「 」がアーチャー(無銘)だと決まったわけではありません。 ※足立透と大魔王バーンの人相と住所を聞きました。 【ランサー(エリザベート・バートリー)@Fate/EXTRA CCC】 [状態]:健康 [装備]:監獄城チェイテ [道具]:なし [思考・状況] 基本行動方針:岸波白野に協力し、少しでも贖罪を。 0. 休息中の遠坂凜とランサー(クー・フーリン)を護る。 1. 岸波白野のついでに、遠坂凛も守る。 2. 撤退に屈辱感。 [備考] ※岸波白野、遠坂凛と、ある程度までいたしました。そのため、遠坂凛と仮契約が結ばれました。 ※アーチャー(エミヤ)の遠距離狙撃による襲撃を受けましたが、姿は確認できませんでした。 ※カフェテラスのサンドイッチを食したことにより、インスピレーションが湧きました。彼女の手料理に何か変化がある……かもしれません。 【遠坂凛@Fate/Zero】 [状態]:健康、魔力消費(中)、強い決意 [令呪]:残り二画 [装備]:アゾット剣 [道具]:なし [所持金]:地主の娘のお小遣いとして、一千万単位(詳しい額は不明) [思考・状況] 基本行動方針:遠坂家の魔術師として聖杯を得る。 0. 休息しつつ、準備を整える。 1. 岸波白野から、聖杯戦争の経験を学ぶ。 2. ルーラー達からの連絡を待つ。 3. 勝利するために何でもする。 4. カレンの言葉が気にかかる。 [備考] ※岸波白野と同盟を結びました。 ※エリザベートとある程度まで、岸波白野と最後までいたしました。そのため、エリザベートと仮契約が結ばれました。 ※岸波白野とパスを通し、魔力の融通が可能となりました。またそれにより、岸波白野の記憶が流入しています。  どの記憶が、どこまで流入しているかは、後の書き手にお任せします。 ※鏡子、ニンジャスレイヤー、エリザベート、ジャンヌ・ダルクのパラメーターを確認済み。エリザベートの宝具、スキルを確認済み。 ※足立透と大魔王バーンの人相と住所を聞きました。 【ランサー(クー・フーリン)@Fate/stay night】 [状態]:健康、魔力消費(中) [令呪] 1. 『日が変わるまでに、足立透、もしくはそのキャスターを殺害。出来なければ自害せよ』 [装備]:ゲイ・ボルク [道具]:なし [思考・状況] 基本行動方針:遠坂凜のサーヴァントとして聖杯戦争と全うする。 0. 休息し、30分毎にキャスターの位置を探る。 1. 凜に勝利を捧げる。 2. 足立、もしくはキャスター(大魔王バーン)を殺害する。16時より決行予定。 3. あのライダー(鏡子)にはもう会いたくない。最大限警戒する。 4. アサシン(ニンジャスレイヤー)にリベンジする。 [備考] ※鏡子とのセックスの記憶が強く刻み込まれました。 ※足立透と大魔王バーンの人相と住所を聞きました。 ※自害命令は令呪一画を消費することで解除できます。 [共通備考] ※遠坂邸の凜の自室に、盗聴・透視などを防ぐ陣が張ってあります。陣を破壊した場合、術者のクー・フーリンに察知されます。陣を破らずに盗聴・透視を行うのは極めて困難です。 ※16時まで、30分置きにクー・フーリンが探索のルーンで大魔王バーンの居場所を探知する予定です。 ※下記がキャスター撃破作戦の概要です。16時から作戦を行動する予定です。 一.B-4の高層マンションに赴く。 二.エリザの『竜鳴雷声(キレンツ・サカーニィ)』で周辺NPCを避難誘導する。 (1時間必要と予測) 三.エリザの『竜鳴雷声(キレンツ・サカーニィ)』で、キャスターの陣地を攻撃する。 四-A.キャスターが陣地から出てきた場合、エリザが交戦。 五-A.クー・フーリンが不意を突いて攻撃する。 四-B.キャスターが陣地から出てこない場合、エリザとクー・フーリンが侵入する。 五-B.陣地内にいるキャスターをエリザとクー・フーリンが撃破する。      04/ 心理考察 「…………ルーラーはもう出発しましたか。本当、まじめによく働くこと」  教会の奥、細い階段を上った先にある一室で、カレンはそう呟いた。 「それにしても、先ほどは面白い話が聞けました。  まさか、聖杯が間違っているかどうかを問われるとは。  ルーラー(かのじょ)からすれば、実に耳に痛い話だったでしょうね」  そう口にしながら小さく笑うカレンの脳裏には、東風谷早苗との会話が思い起こされていた。  ……いや、より正確に言うのであれば、彼女の問い掛けを聞いていたであろう、ルーラーの様子を、だ。  この教会には、構造的な欠陥故か、礼拝堂での会話が筒抜けになる一室がある。  単なる偶然か、それとも来訪者に対応できるようにか。東風谷早苗が教会に訪れた時、ルーラーはその一室にいたのだ。  そしてそこで何をしていたかというと、聖水を用いた、冬木市全域に及ぶサーヴァントの探索だ。  そもそも、遠坂凛への返答がここまで遅れた理由がそれだった。  【B-4】に違反者がいるという通達を聞けば、マスターとサーヴァントは少なからず行動を起こす。  その行動の如何によって、遠坂凛の要請に対する返答を決めようとしていたのだ。  東風谷早苗が訪れたのは、その最中の事だった。 「あの話を聞いて何を思ったのか。  それを訊くことは出来ませんでしたが、だからこそ、実に興味深いです」  裁定者として振る舞っている時のルーラーは、そう容易くは揺るがない。  何しろ生前からして、根拠などないに等しい啓示に従い、苛烈に戦ってきたのだ。一度決めた事は簡単には覆さないだろう。  ……だが、それでもその根底には、ごく当たり前の少女としての貌がある。  当然の話だ。そもそも神の啓示を信じると決めたのは、その少女自身なのだから。  故に、その少女としての部分が揺るがされると、裁定者としての振る舞いが乱れるのだ。 「そして、この聖杯戦争には、ルーラーを揺るがし得る要素が幾つもある」  ゴルフェの木片による無差別な召喚。  戦争に参加するには明らかに幼い子供のマスター。  あまりにも多すぎる反英雄の素養を持つサーヴァントたち。  東風谷早苗が、聖杯は間違っているのでは、と疑問に思うのも当然だろう。  東風谷早苗の話を聞いてルーラーが何を思ったのか、カレンは知らない。  なぜならカレンがルーラーの元へと戻った時にはすでに、彼女は裁定者の貌をしていたからだ。  しかしだからこそ、“何かを思った”のだとカレンは確信していた。  そしてその“何か”を知るには、裁定者の仮面を剥がす必要があるのだが……。 「その辺りは、今のところ岸波白野が期待できるでしょうか」  他にもルーラーを揺るがし得る人物はいるかもしれないが、今のところは彼が有力と言える。  ……そう。  岸波白野はその善性が故に、ルーラーの心を暴き立てるだろう。  その結果がどうなるかは、カレンには興味がない。  あるのは仮面の下に隠されているだろう、ルーラーの“傷”に対してだけだ。  裁定者の仮面で隠していた“傷”が露わになった時、ルーラーは一体どのような顔をするのかを、カレンは観てみたかった。  もっとも、だからと言って裁定者の役割を放棄するつもりも、カレンにはないのだが。 「確か……ベルク・カッツェ、と言いましたか。厄介なサーヴァントが向かっているようですね」  “形なき悪意の体現者”とも呼ばれるその存在は、ルーラーによると人の悪性がその正体らしい。  加えて人々を先導する能力を持つらしく、下手に善良なマスターからすれば厄介極まりない存在だろう。  何しろ場合によっては、NPCが自らの意思でマスター達の敵になってしまう可能性があるのだから。  そしてそうなれば、おそらく聖杯戦争どころではなくなってしまうだろう。  当初の予定では、【B-4】にサーヴァントが集まれば要請は断り、逆に集まらなければルーラーが応じる手筈だった。  その程度には、大魔王バーンは放置するには少々危険な存在であるとルーラーは認識していた。  ……だがそこに、ベルク・カッツェがやってくるとなると話は別だ。  バーン一人でさえ手に余りかけているというのに、場を滅茶苦茶に引っ掻き回されては裁定どころではなくなる。 「だからこそ、遠坂凛の要請には私が対応することになったのですが……」  サーヴァントを律することが出来るのはそのマスターがルーラーだけ。  であれば、ベルク・カッツェに対処するためにルーラーが動くのはおかしなことではない。  だがそれだけなら、カレンが動く必要はない。  カレンが要請に応じることになった理由は、不確定要素は可能な限り減らしておくためだった。  その不確定要素とは即ち、“大魔王バーンとベルク・カッツェが手を組む”という可能性だ。  どちらも共に、完全な反英雄――人類の敵対者だ。聖杯戦争のルールなど守らないだろう。  現にバーンはすでに違反を犯しているし、そして新都でもベルク・カッツェが原因だと思われる暴動が起きている。  そんな二人が手を組めば、聖杯戦争は破綻しかねない。  であれば、どちらか一方だけにでも、より確実な軛を穿つ。そうすれば、たとえ二人が手を組んだとしても、多少は被害を抑えられるだろう。  そういった判断から、遠坂凛にはカレンが同行することになったのだ。  大魔王バーンの、不正の証拠を見つけ出すために。  ……しかしカレンは、そこにもう一つ、ある要素を含んで考える。  それは即ち――― 「……岸波白野との接触を、可能な限り避けるため……でしょうか」  本気でバーンを罰しようと思うのであれば、やはりルーラーが要請に応じればいい。  確かにその間ベルク・カッツェを放置することにはなるが、証拠さえ見つかれば、バーンに確実にペナルティを与えられるのだから。  だがルーラーは、相当悩んだ様子ではあったが、結局自分に任せることを選択した。  現状で考えられるその理由は、一つ。  岸波白野の問い掛けだ。  あの問いに対する答えがまだ出ていないのだとすれば、確かに彼とは顔を合わせ辛いだろう。  だが。 「……あるいはもし、その答えが裁定者としての彼女を揺るがすものだとすれば……」  それはむしろ、答える訳にはいかない問いだ。  一度その気持ちを自覚してしまえば、自身の心と裁定者としての在り方の矛盾に、ルーラーは苛まれることになる。  なにしろ裁定者として行動すればするほど、彼女は自身の心に嘘を吐くことになるのだ。  そしてそうなれば、いずれは裁定者としてのルーラーの在り方も破綻するだろう。  なぜなら、物事を裁定する基準となる心が歪んでしまうのだから。  ………しかし。 「まあもっとも、実際どうなのかはわかりませんけどね」  いくら考えたところで、結局は他者の心。想像の域を出ることはない。  ルーラーの本心を確かめたければ、やはりその仮面を剥がすしかないのだ。  だがそれは、自分がやることではなく、ルーラーをどうにかしたいと考える者がやるべきことだ。  故に。 「……さて。私もそろそろ、準備を始めましょう」  カレンは衣装ケースから、戦闘用の服装を取り出す。  聖女の仮面が剥がれる時を、少女は静かに待ち続ける――――。 【D-5/教会/1日目 午後】 【カレン・オルテンシア@Fate/hollow ataraxia】 [状態]:健康 [令呪]:不明 [装備]:マグダラの聖骸布 [道具]:リターンクリスタル(無駄遣いしても問題ない程度の個数、もしくは使用回数)、??? [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争の恙ない進行時々趣味。 1. 遠坂凛たちと行動するための準備を整える。 2. ルーラーの裁定者としての仮面を剥がしてみたい。 [備考] ※聖杯が望むのは偽りの聖杯戦争、繰り返す四日間ではないようです。  そのため、時間遡行に関する能力には制限がかかり、万一に備えてその状況を解決しうるカレンが監督役に選ばれたようです。他に理由があるのかは不明。 ---- |BACK||NEXT| |113-a:[[角笛(届かず)]]|[[投下順>本編SS目次・投下順]]|114:[[days/bugs disillusion]]| |113-a:[[角笛(届かず)]]|[[時系列順>本編SS目次・時系列順]]|097:[[近似値]]| |BACK|登場キャラ:[[追跡表]]|NEXT| |087:[[卓袱台会議]]|[[岸波白野]]&ランサー([[エリザベート・バートリー]])|116:[[導火線に火が灯る]]| |~|[[遠坂凜]]&ランサー([[クー・フーリン]])|~| |113-a:[[角笛(届かず)]]|[[カレン・オルテンシア]]|~| &link_up(▲上へ)

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