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*人の不幸は蜜の味 ◆DpgFZhamPE ───まるで遠い外国の盗賊がそのまま襲ってきたような。 階級は警部、そして今年35歳になるその彼は、純粋にそう思った。 ケーキの甘さと優雅さが見てとれるような、華やかだったその店の外装は酷く破壊され、もはや見る影もない。 店内は更に酷く、割られたガラスケースの破片と共に、地面に塗りたくるような状態で無残にケーキが落ちている。 大人しい雰囲気を醸し出しつつ、メインターゲットである女性の心を掴むようにデザインされた空間はもはや跡形もない。 徹底的に店内は蹂躙され、汚され、その存在を地に堕とされている。 ───これが、複数の人間の犯行ではなく、ただ一人の肥えた女の仕業だというのが驚きだ。 「……酷いな、これは」 抱いてしまった感想つい口から漏らしてしまい、彼は自分の軽率な行いを叱責する。 事件の裏には必ず被害者がいるのだ。 その破壊し尽くされた被害者の大切な店の前で、あまり発する言葉ではなかったかもしれない。 「……ん?」 その直後、彼の耳が聞き慣れた音を感じ取った。 ザザ、という。 彼の後方に止めているパトカーに備え付けられた無線機からの通信の音だった。 それを認識した瞬間、彼はほぼ反射と言ってもいいほどの速度で無線機をその掌に握り通信を開始する。 通信の相手は、若い刑事のようだった。 「見つかったか」 『い、いえ、被害は拡大する一方です! 最初のケーキ店から続き、この短時間にファミリーレストランにジャンクフード店、コンビニにカラオケ店と次々に襲われています』 「そこまでやられていて何故捕まえられない……! 相手は肥えた女一人だろう?」 『そ、それが、姿を消すんです』 「姿を?ふざけてる暇があったら、」 『ふざけてないですよ! 少し目を離した瞬間に、もう既にそこにはいないんです……もう俺も何が何だか……!』 酷く焦燥している声が無線を通じて警部へと届く。 犯罪者が消える───そんなことが、現実にあるはずがない。 ファンタジーやメルヘンじゃあないのだから。 多分隠れることや逃走に特化した人間なのだろう、と警部は予想を付ける。 焦るな、落ち着け。 でないと解ける事件も見落とすハメになるぞ、と忠告しようと再び無線に口を近づける。 が。 その言葉は、無線を伝わり───刑事の耳に届くことはなかった。 『お、お前───何でこんなところに、う、動くなッ!!』 『嫌ッスよォ~wwwジナコさん動くなって言われると激しく動きたくなるタイプなんでぇwwwwww』 怯える刑事の声と、嘲笑混じりに騒ぐ女の声。 その女の声の持ち主はジナコと名乗った───それを聞いた瞬間、上から聞いた犯人の名前と一致したことを確信し、警部はコイツが犯人だと理解する。 『く、くるな、止ま、止、』 『そーんな酷いこと言わないでほしいッスねぇ~、ジナコさん別にあなた殺したりしないッスよ~?』 『五月蝿いッ!止、止まれと言っておるだろうが、このクズめッ!』 『……ちょォ~っとお仕置き必要かもしれないッスね』 ガンッ!と。 無線の先から鳴り響いたその音を最後に、刑事の反応が返ってくることはなかった。 『もしも~し、こちらジナコさん応答どうぞーwwww』 代わりに届いたのは、女の声。 「お前の前に無線機を触っていた男はどうした」 『んー、目の前の大きな頭が邪魔だったからー、ぶっ飛ばしちゃったッス☆』 「貴様ァッ……!!」 『あぁぁぁれぇぇ??おこなの?wwwwねぇwwwwやめといた方がいいッスよ、ジナコさんエリートッスからwwww』 無線から響くその声が耳に届く度に、ふつふつと心の中で煮え滾るものが───悪意、憎悪という感情が、警部の全てを支配していく。 抗う術はない。 わなわなと震える腕からは、はっきりと見てとれるほどの怒りが込められていた。 そして程無くしてその感情に支配された警部は───ガン、とパトカーのパンパーを殴り、宣言する。 「いいか、俺たちは絶対にお前を捕まえる。逃げられると思うなよ、『ジナコ=カリギリ』ッ!!」 『……りょ~かいッス』 声を荒げて言い放った言葉を、『ジナコ』は含みのある笑い声と───どこか満足感のあるような返答をした。 それを最後に、ブツリと無線の通信が切られる。 それを確認した警部は無線機をパトカー内に投げ捨て、懐から携帯端末を取り出す。 素早く番号を入力し、通信を始めた先は───警察署、彼の部下の元である。 「おい、『ジナコ=カリギリ』の勤務先・現住所、全て洗いざらい調べあげろ。一つも見落とすことがないようにな!」 怒鳴りつけるように指示を飛ばすと、自らもパトカーの中に乗り込み、車を発進させる。 爆音と共に発進したパトカーは、荒々しい運転でケーキ屋の前から去っていく。 ───『ジナコ=カリギリ』、依然として社会の敵継続中。 ◆ ◆ ◆ 『いいか、俺たちは絶対にお前を捕まえる。逃げられると思うなよ、『ジナコ=カリギリ』ッ!!』 「……りょ~かいッス」 それを最後の言葉に、『ジナコ』はガチャリと無線の通信を切る。 無線を切った時はもう『ジナコ』の姿は捨て、本来の姿を取り戻していた。 アサシン、ベルク・カッツェ。 その口は三日月のように歪み、下卑た笑いを漏らす。 「ジィナコさぁぁぁぁん、ミィからのプレゼント受け取っちゃってくださいなwwwwww もしかしたらwwwwwポリス達から鉛玉のプレゼントも貰えちゃうかもwwww」 『ジナコ』───いや、ジナコの皮を被ったカッツェは、午前中、暴虐の限りを尽くしていた。 ファミリーレストランの皿を、窓を全て割り。 ジャンクフード店の調理器具を破壊し。 コンビニの棚を倒して商品を踏み潰し。 カラオケ店のTVを片っ端から壊して周る。 終えたらNPC共の目から隠れ瞬間移動で姿を消す───その、繰り返し。 追ってくる警察共の心に燻る悪意を煽動し。 怒る警察共の怒りを増長させ。 極限まで高まった悪意の矛先はたった一人───ジナコ=カリギリへと向かうのだ。 ああ、その不幸は。 なんて甘い蜜の味。 「め、」 見覚えのない罪で追われ。 見知らぬ人から侮蔑され。 「め、め、」 ネットに依存してると言っていいほどのジナコならば、自分の悪評は如何しても目に入ってしまうだろう。 「め、め、め、」 現実から逃げ現実を見ないジナコへに贈る、現実から追われるプレゼント。 地獄への片道切符。 もう止められない。 悪意を持った警察や市民にとって、ジナコは既に───平和の敵なのだ。 「メシウマあああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁああああwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 歓喜と嘲笑の入り混じる絶叫。 彼女に降り注ぐであろう不幸が、無様に動き回るNPC共が、おかしくておかしくてたまらない。 「あは、はは、ジナコさんオーワター!wwwwww」 そして、一しきり狂ったように笑い転げた後───カッツェの動きがピタリと止まる。 まるで、ビデオの再生を止めたかのように、ピタリと静止する。 「でもさァー、あのさァー、ちょっと足りなくねー?」 『ルーラーちゃん顔真っ赤涙目パーティ』を開くにももう少し、もう少しが足りない。 ジナコをどん底に叩き落とすのにも、もう少し足りない。 特にジナコには、もっとどん底に堕ちてそしい───個人的に。 NPCに追われるだけではツマラナイ。 「ルーラーちゃん達がくれたものを上手に使うしかなァーいですよネェ……」 午後を超えた時に行われる通達。 面白味の欠片もない上にルーラーの話を聞くのもツマラナイので『はいはいワロスワロス』でスルーの予定だったのだが───一つだけ、カッツェの興味を惹いた言葉があったのだ。 大量のNPCを襲うルール違反。 場所、B-4。 「ねぇ旦那……これって面白そうじゃなぁいです?」 ルール違反が起こっているならそこにはサーヴァントがいる。 ルール違反が起こっているならそこにはルーラーが現れる。 B-4に多数のサーヴァントが集まり、そこにちょっとNPCでアレンジしてやれば───ご期待通りの、血みどろの祭りが開かれるかもしれない。 「いい……いいこと思いついちゃったよぉ……!! ちゃんかちゃんかちゃんかちゃんかちゃんかちゃんかちゃんかちゃんか*wwwwwwwwwwww 祭りじゃワッショーイwwwwww」 こんな楽しいことを思いついたならば、動かない訳にはいかない。 即断決行、思い立ったが吉日。 さあさ準備を始めましょう、と動こうとしたカッツェがまたもやピタリと静止する。 あ、れんちょんどうしよう、と。 まだ魔力にも余裕はある。 念話が届く様子もない。 「んー……」 顎に手を当てて思考すること30秒。 パン、と手を叩いた後、一言発する。 「ま、いっか☆」 そう告げると───カッツェの姿が掻き消える。 その空間に僅かに奔る、一振りのノイズを残して。 【C-10/左上・都心部/午後】 【アサシン(ベルク・カッツェ)@ガッチャマンクラウズ】 [状態]魔力消費(小)、ジナコを煽って久々にメシウマ [装備]拾った鉄パイプ [道具]携帯電話(スマホタイプ) [思考・状況] 基本行動方針:真っ赤な真っ赤な血がみたぁい!聖杯はその次。 1.B-4にいるであろうサーヴァントと現れるであろうルーラーを使って祭りを起こしたい。 2.ジナコさんオーワター! 3.ジョンスたちを利用してメシウマする。 4.『ルーラーちゃん顔真っ赤涙目パーティ』開催決定。参加者・演目、募集中。 5.れんちょん?……ま、いっか☆ [備考] ※他者への成りすましにアーカード(青年ver)、ジナコ・カリギリが追加されました。 ※NPCにも悪意が存在することを把握しました。扇動なども行えます ※喋り方が旧知の人物に似ているのでジナコが大嫌いです。可能ならば彼女をどん底まで叩き落としたいと考えています。 ※ジナコのフリをして彼女の悪評を広めました。 ケーキ屋の他にファミリーレストラン、ジャンクフード店、コンビニ、カラオケ店を破壊しました。 死人はいませんが、営業の再開はできないでしょう。 ※『ルーラーちゃん顔真っ赤涙目パーティ』を計画中です。今のところ、スマホとNPCを使う予定ですが、使わない可能性も十分にあります。 ※カッツェがジナコの姿で暴れているケーキ屋がヤクザ(ゴルゴ13)の向かったケーキ屋と一緒かどうかは不明です。 [地域備考] B-10都心部とその近辺エリアでジナコの姿をしたカッツェによる犯罪が発生しています。 カッツェは『ジナコの令呪』を見せびらかすように犯罪を起こしているので『令呪を持った女性の犯行』が近辺で噂になる可能性があります。 ジナコを捕らえるため多くの警察が動き始めました。 ---- |BACK||NEXT| |097:[[近似値]]|[[投下順>本編SS目次・投下順]]|099:[[HIDE & LEAK]]| |096:[[忍音]]|[[時系列順>本編SS目次・時系列順]]|099:[[HIDE & LEAK]]| |BACK|登場キャラ:[[追跡表]]|NEXT| |060:[[Imitation/午前9時52分]]|アサシン([[ベルク・カッツェ]])|:[[]]| &link_up(▲上へ)
*人の不幸は蜜の味 ◆DpgFZhamPE ───まるで遠い外国の盗賊がそのまま襲ってきたような。 階級は警部、そして今年35歳になるその彼は、純粋にそう思った。 ケーキの甘さと優雅さが見てとれるような、華やかだったその店の外装は酷く破壊され、もはや見る影もない。 店内は更に酷く、割られたガラスケースの破片と共に、地面に塗りたくるような状態で無残にケーキが落ちている。 大人しい雰囲気を醸し出しつつ、メインターゲットである女性の心を掴むようにデザインされた空間はもはや跡形もない。 徹底的に店内は蹂躙され、汚され、その存在を地に堕とされている。 ───これが、複数の人間の犯行ではなく、ただ一人の肥えた女の仕業だというのが驚きだ。 「……酷いな、これは」 抱いてしまった感想つい口から漏らしてしまい、彼は自分の軽率な行いを叱責する。 事件の裏には必ず被害者がいるのだ。 その破壊し尽くされた被害者の大切な店の前で、あまり発する言葉ではなかったかもしれない。 「……ん?」 その直後、彼の耳が聞き慣れた音を感じ取った。 ザザ、という。 彼の後方に止めているパトカーに備え付けられた無線機からの通信の音だった。 それを認識した瞬間、彼はほぼ反射と言ってもいいほどの速度で無線機をその掌に握り通信を開始する。 通信の相手は、若い刑事のようだった。 「見つかったか」 『い、いえ、被害は拡大する一方です! 最初のケーキ店から続き、この短時間にファミリーレストランにジャンクフード店、コンビニにカラオケ店と次々に襲われています』 「そこまでやられていて何故捕まえられない……! 相手は肥えた女一人だろう?」 『そ、それが、姿を消すんです』 「姿を?ふざけてる暇があったら、」 『ふざけてないですよ! 少し目を離した瞬間に、もう既にそこにはいないんです……もう俺も何が何だか……!』 酷く焦燥している声が無線を通じて警部へと届く。 犯罪者が消える───そんなことが、現実にあるはずがない。 ファンタジーやメルヘンじゃあないのだから。 多分隠れることや逃走に特化した人間なのだろう、と警部は予想を付ける。 焦るな、落ち着け。 でないと解ける事件も見落とすハメになるぞ、と忠告しようと再び無線に口を近づける。 が。 その言葉は、無線を伝わり───刑事の耳に届くことはなかった。 『お、お前───何でこんなところに、う、動くなッ!!』 『嫌ッスよォ~wwwジナコさん動くなって言われると激しく動きたくなるタイプなんでぇwwwwww』 怯える刑事の声と、嘲笑混じりに騒ぐ女の声。 その女の声の持ち主はジナコと名乗った───それを聞いた瞬間、上から聞いた犯人の名前と一致したことを確信し、警部はコイツが犯人だと理解する。 『く、くるな、止ま、止、』 『そーんな酷いこと言わないでほしいッスねぇ~、ジナコさん別にあなた殺したりしないッスよ~?』 『五月蝿いッ!止、止まれと言っておるだろうが、このクズめッ!』 『……ちょォ~っとお仕置き必要かもしれないッスね』 ガンッ!と。 無線の先から鳴り響いたその音を最後に、刑事の反応が返ってくることはなかった。 『もしも~し、こちらジナコさん応答どうぞーwwww』 代わりに届いたのは、女の声。 「お前の前に無線機を触っていた男はどうした」 『んー、目の前の大きな頭が邪魔だったからー、ぶっ飛ばしちゃったッス☆』 「貴様ァッ……!!」 『あぁぁぁれぇぇ??おこなの?wwwwねぇwwwwやめといた方がいいッスよ、ジナコさんエリートッスからwwww』 無線から響くその声が耳に届く度に、ふつふつと心の中で煮え滾るものが───悪意、憎悪という感情が、警部の全てを支配していく。 抗う術はない。 わなわなと震える腕からは、はっきりと見てとれるほどの怒りが込められていた。 そして程無くしてその感情に支配された警部は───ガン、とパトカーのパンパーを殴り、宣言する。 「いいか、俺たちは絶対にお前を捕まえる。逃げられると思うなよ、『ジナコ=カリギリ』ッ!!」 『……りょ~かいッス』 声を荒げて言い放った言葉を、『ジナコ』は含みのある笑い声と───どこか満足感のあるような返答をした。 それを最後に、ブツリと無線の通信が切られる。 それを確認した警部は無線機をパトカー内に投げ捨て、懐から携帯端末を取り出す。 素早く番号を入力し、通信を始めた先は───警察署、彼の部下の元である。 「おい、『ジナコ=カリギリ』の勤務先・現住所、全て洗いざらい調べあげろ。一つも見落とすことがないようにな!」 怒鳴りつけるように指示を飛ばすと、自らもパトカーの中に乗り込み、車を発進させる。 爆音と共に発進したパトカーは、荒々しい運転でケーキ屋の前から去っていく。 ───『ジナコ=カリギリ』、依然として社会の敵継続中。 ◆ ◆ ◆ 『いいか、俺たちは絶対にお前を捕まえる。逃げられると思うなよ、『ジナコ=カリギリ』ッ!!』 「……りょ~かいッス」 それを最後の言葉に、『ジナコ』はガチャリと無線の通信を切る。 無線を切った時はもう『ジナコ』の姿は捨て、本来の姿を取り戻していた。 アサシン、ベルク・カッツェ。 その口は三日月のように歪み、下卑た笑いを漏らす。 「ジィナコさぁぁぁぁん、ミィからのプレゼント受け取っちゃってくださいなwwwwww もしかしたらwwwwwポリス達から鉛玉のプレゼントも貰えちゃうかもwwww」 『ジナコ』───いや、ジナコの皮を被ったカッツェは、午前中、暴虐の限りを尽くしていた。 ファミリーレストランの皿を、窓を全て割り。 ジャンクフード店の調理器具を破壊し。 コンビニの棚を倒して商品を踏み潰し。 カラオケ店のTVを片っ端から壊して周る。 終えたらNPC共の目から隠れ瞬間移動で姿を消す───その、繰り返し。 追ってくる警察共の心に燻る悪意を煽動し。 怒る警察共の怒りを増長させ。 極限まで高まった悪意の矛先はたった一人───ジナコ=カリギリへと向かうのだ。 ああ、その不幸は。 なんて甘い蜜の味。 「め、」 見覚えのない罪で追われ。 見知らぬ人から侮蔑され。 「め、め、」 ネットに依存してると言っていいほどのジナコならば、自分の悪評は如何しても目に入ってしまうだろう。 「め、め、め、」 現実から逃げ現実を見ないジナコへに贈る、現実から追われるプレゼント。 地獄への片道切符。 もう止められない。 悪意を持った警察や市民にとって、ジナコは既に───平和の敵なのだ。 「メシウマあああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁああああwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 歓喜と嘲笑の入り混じる絶叫。 彼女に降り注ぐであろう不幸が、無様に動き回るNPC共が、おかしくておかしくてたまらない。 「あは、はは、ジナコさんオーワター!wwwwww」 そして、一しきり狂ったように笑い転げた後───カッツェの動きがピタリと止まる。 まるで、ビデオの再生を止めたかのように、ピタリと静止する。 「でもさァー、あのさァー、ちょっと足りなくねー?」 『ルーラーちゃん顔真っ赤涙目パーティ』を開くにももう少し、もう少しが足りない。 ジナコをどん底に叩き落とすのにも、もう少し足りない。 特にジナコには、もっとどん底に堕ちてそしい───個人的に。 NPCに追われるだけではツマラナイ。 「ルーラーちゃん達がくれたものを上手に使うしかなァーいですよネェ……」 午後を超えた時に行われる通達。 面白味の欠片もない上にルーラーの話を聞くのもツマラナイので『はいはいワロスワロス』でスルーの予定だったのだが───一つだけ、カッツェの興味を惹いた言葉があったのだ。 大量のNPCを襲うルール違反。 場所、B-4。 「ねぇ旦那……これって面白そうじゃなぁいです?」 ルール違反が起こっているならそこにはサーヴァントがいる。 ルール違反が起こっているならそこにはルーラーが現れる。 B-4に多数のサーヴァントが集まり、そこにちょっとNPCでアレンジしてやれば───ご期待通りの、血みどろの祭りが開かれるかもしれない。 「いい……いいこと思いついちゃったよぉ……!! ちゃんかちゃんかちゃんかちゃんかちゃんかちゃんかちゃんかちゃんか*wwwwwwwwwwww 祭りじゃワッショーイwwwwww」 こんな楽しいことを思いついたならば、動かない訳にはいかない。 即断決行、思い立ったが吉日。 さあさ準備を始めましょう、と動こうとしたカッツェがまたもやピタリと静止する。 あ、れんちょんどうしよう、と。 まだ魔力にも余裕はある。 念話が届く様子もない。 「んー……」 顎に手を当てて思考すること30秒。 パン、と手を叩いた後、一言発する。 「ま、いっか☆」 そう告げると───カッツェの姿が掻き消える。 その空間に僅かに奔る、一振りのノイズを残して。 【C-10/左上・都心部/午後】 【アサシン(ベルク・カッツェ)@ガッチャマンクラウズ】 [状態]魔力消費(小)、ジナコを煽って久々にメシウマ [装備]拾った鉄パイプ [道具]携帯電話(スマホタイプ) [思考・状況] 基本行動方針:真っ赤な真っ赤な血がみたぁい!聖杯はその次。 1.B-4にいるであろうサーヴァントと現れるであろうルーラーを使って祭りを起こしたい。 2.ジナコさんオーワター! 3.ジョンスたちを利用してメシウマする。 4.『ルーラーちゃん顔真っ赤涙目パーティ』開催決定。参加者・演目、募集中。 5.れんちょん?……ま、いっか☆ [備考] ※他者への成りすましにアーカード(青年ver)、ジナコ・カリギリが追加されました。 ※NPCにも悪意が存在することを把握しました。扇動なども行えます ※喋り方が旧知の人物に似ているのでジナコが大嫌いです。可能ならば彼女をどん底まで叩き落としたいと考えています。 ※ジナコのフリをして彼女の悪評を広めました。 ケーキ屋の他にファミリーレストラン、ジャンクフード店、コンビニ、カラオケ店を破壊しました。 死人はいませんが、営業の再開はできないでしょう。 ※『ルーラーちゃん顔真っ赤涙目パーティ』を計画中です。今のところ、スマホとNPCを使う予定ですが、使わない可能性も十分にあります。 ※カッツェがジナコの姿で暴れているケーキ屋がヤクザ(ゴルゴ13)の向かったケーキ屋と一緒かどうかは不明です。 [地域備考] B-10都心部とその近辺エリアでジナコの姿をしたカッツェによる犯罪が発生しています。 カッツェは『ジナコの令呪』を見せびらかすように犯罪を起こしているので『令呪を持った女性の犯行』が近辺で噂になる可能性があります。 ジナコを捕らえるため多くの警察が動き始めました。 ---- |BACK||NEXT| |097:[[近似値]]|[[投下順>本編SS目次・投下順]]|099:[[HIDE & LEAK]]| |096:[[忍音]]|[[時系列順>本編SS目次・時系列順]]|099:[[HIDE & LEAK]]| |BACK|登場キャラ:[[追跡表]]|NEXT| |060:[[Imitation/午前9時52分]]|アサシン([[ベルク・カッツェ]])|108:[[ゼア・イズ・ア・ライト]]| &link_up(▲上へ)

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