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真夜中を告げる鐘が鳴り、それに合わせて噴水が勢いよく水を噴き上げる。 町の外れにある公園は美しい緑を携え、星光と水飛沫で煌いていた。誰もその光景を見る者がいないということがもったいないくらいに。 そう、ここには誰もいない。 鳥も。 虫も。 動物も。 そしてもちろん、人も。 生命の気配が感じられず、どこまでもただ綺麗なだけは公園は今日も変わらずに残りの一日を過ごすはずだった……が。 「ライアー!」 どこからともなく少年のような声が響き、同時に噴水の一角が丸く削り取られたかのように消滅した。 削り取られた箇所から水があふれかえり、やがて大きな水溜りを作る。そしてそこには、先ほどまでそこにいなかった、暗い影が映っていた。 「……ぷよじゃなくても消せるんだぁ。くすくすくす……」 影の名は、エコロ。 彼は時空の旅人であるが、同時に時空の旅人でしかない。記憶も、肉体も、自分を定義する何もかもを彼は持ち合わせていないためである。 「ここは、どこだろう?」 エコロは虚空を見上げて問いかける。その空にはゆらゆらと瞬く、星の光があった。 しかしその声を聞くものはいない。 「これは、なんだろう?」 エコロは自分の腕を見つめて問いかける。その腕にはきらきらと輝く、三画の令呪があった。 しかしその声を聞くものはいない。 「きみは、だれだろう?」 エコロは足元を見やって問いかける。その地にはとくとくと流れる、たゆたう水面があった。 しかしその声を聞くものはいな――――いや、いた。 水面の波紋が映し出すのはエコロの姿ではなく、一人の男の姿だった。その顔に表情はなく、ただひたすらに冷めた視線をこちらへ向けてくる。 大方、彼が説明のあったサーヴァントとやらだろうと当たりをつけてエコロは再び語りかけた。 「ねえねえおにいさん。ぼくとあそぼうよ!  ……おにいさん、ぷよぷよってしってる?  ……あれー? おにいさんってばー!」 反応がない。エコロの挙動を視線で追っているから聞こえていないということはないだろうが、全くもって返答がない。 とここで、脳裏に知らない筈の知識が奔った。マスターとして認められたために聖杯戦争についての各説明がインストールされたのだ。 言葉を話さない、話せないサーヴァント。エコロはどうやら引き当てたのはバーサーカーなのだと把握した。 「むー……ねえ、バーサーカーのおにいさん。」 やはり返答はない。 しかしエコロは構わずに言葉を続けた。 「おにいさんは、なにがほしいの?」 ピクリと、男……バーサーカーの眉が動く。 初めて感情らしい感情を見せたことに気分をよくしたのか、エコロの貌がぐねぐね歪みながら笑みを浮かべた。 「あっははははは!! やっぱりあるんだねえ、おにいさんにも!  ボクもあるんだ、かなえてほしいおねがいがさ。くすくすくす……」 ひとしきり気味の悪い笑い声をあげた後、なんてねとエコロは無邪気に舌を出す。 「ごめんねえおにいさん。じつはおにいさんのほしいもの、もうしってるんだあ!」 さも愉快そうに飛び回り、その度に口からは絶え間なく涎を撒き散らす。 バーサーカーには感情こそなかったが、まともな感性の持ち主ならば多かれ少なかれ嫌悪感を覚える光景であった。 再び水溜りを覗き込みながら、エコロは確信を持ってバーサーカーに告げた。 「おにいさんのほしいものはねえ―――――もがっ?」 瞬間、水面から男の手が伸びて、エコロの顔面を鷲づかみにする。 しかし肉体を持たない体をつかむ事は出来ず、まるで煙を掴もうとするかのようにすり抜けてしまった。 「あっははは!! こわいなあ、こわいなあ! そんなにあいたいなら――――ぼくのほうからいくよ!」 今度は、間違いなくバーサーカーに驚愕の色が浮かんだ。 いきなり水面に顔を突っ込んだかと思えば、ずるりと音を立てて、中に入り込んできたのだ。現世の存在を須らく否定する箱庭……このミラーワールドに。 やがて全身を通り抜け、エコロとバーサーカーが対峙する。 「くすくすくす……なんではいってこれるんだってかおだねえ。  だってボクは『じくうのたびびと』だからさ! いろんなせかい、いろんなくうかんをとびこえるのは、たのしいよー!  ……でも、このせかいはあんまりすきじゃないなあ。だーれもいないんだもの。だって、」 そこから先の言葉は紡がれなかった。 エコロの足元から巨大な牙が生えたかと思うと、そのまま一息に彼を飲み込んでしまったのだ。 いつの間にかバーサーカーの左手には一枚のカードが握られていた。そこに描かれていた黒い龍こそ、襲撃者の正体である。 見透かしたようなことをへらへらと口にするマスターに嫌気が差したバーサーカーは、礼呪を使われる前に乗り換えることを決意した。幸い単独行動スキルの恩恵で、ミラーワールド内に居続ければまだしばらく消滅することはない。 相棒に背を向け、新たなマスターを探しに歩き出したその時。 「いたいなあ、ひっどいなあ、ぷよしょうぶなら、ばたんきゅー☆してたところだよ!」 消し飛ばしたはずの耳障りな声が聞こえて、バーサーカーは振り返る。 しかしそこにエコロの姿はなく、ただあの黒い龍だけが空を舞っているだけだ。 だがバーサーカーは気づいていた。今の声が、自分の相棒の口から発せられていたことに。 「ここにはだーれもいない。いるのは、『ココロ』をもたないからっぽのきみたちだけ。  きみたちのからだをのっとるなんて、だれよりもかんたんにできるよーっ! あははははは!!」 口から涎を垂れながら、ぐねぐねと巨体を揺らし妄言を吐き続けるかつての相棒に、さしものバーサーカーも険しい顔を見せる。親愛の情などこれっぽっちも持っていなかったが、彼と巨龍は結ばれた契約以上に出自を共にする同胞(はらから)なのだ。 好き勝手弄ばれてるのは、自分の一部を穢されているような気分で我慢ならない。 バーサーカーは懐から黒い箱を取り出し、巨龍へ向けて突き出す。その直後幾重にも折り重なるように像が出現し、男の腰には仰々しいベルトが装着される。 「変――――」 「おにいさん、じぶんがほしいんでしょ?」 ベルトに装填されかかっていた手の動きが止まる。言葉こそ発しなかったがその反応はエコロの言葉が真実だと肯定したようなものだ。 やがて仮初の体にも飽きたのか、龍の体から霧のような黒い影があふれ出して、再び人の姿を形どる。 「ボクはきみのますたーだからねえ、きみのことはなんだってわかるよ。」 突きつけられる明確な敵意の視線を意にも介さず、エコロは語り続ける。 「きみはじぶんがほしいんでしょ? だれかのかげじゃなくて、ちゃんとしたじぶんじしんがさ!  くすくすくす……いいねいいね。おにいさんはじぶんのよくぼうをかくしてないね、ボク、すきだよそういうの!」 目を瞬く間に影が揺らめいたかと思えば、一気に距離を詰める。 バーサーカーの目の前で、?マークのついた顔が伸びたり縮んだりしながら、愉快そうに表情を綻ばせる。 ほら、と伸ばした手が頬に触れることは叶わず。エコロはすり抜けた自分の手を見つめた。 「ボクもおにいさんとおんなじ。ボクはじぶんがほしい。  カラダも、おもいだせるきおくも、ボクはなにひとつもってない。だから……あの聖杯っていうもので、ボクはボクのカラダをもらうのさ。」 エコロは確信していた。このサーヴァントは自分と同じなのだと。 誰にも否定できないほどの強い憧れを持っていながらも、この世の理に反しているが故に存在を許されない。 いずれ、何者にもなれないままに、何者にも覚えてもらえないままに消える定め。しかし、エコロ/バーサーカーはそれでもなお、自分自身を欲した。 その願いが彼をムーンセルに招きいれ、彼を狂戦士として新たなる生を与えたのだ。 「それに、この『聖杯戦争』ってすっっっごくおもしろそうだしね!! いっぱいいっぱいいーっぱいあそんで、さいごにおねがいをかなえてもらうんだぁ!」 そして、バーサーカーも自身のマスターが同類だと認識を改めていた。 掴み所のない性格、人を食って掛かるような声、向こうの世界でもこちらの世界でも自由に生きている存在。どれをとっても虫唾が走り、消し去ってしまいたいほどの憎悪を覚える。 だが、自分が欲しい……その唯一無二のただ一点だけは信用が置けると判断したのだ。 聖杯戦争を勝ち抜くにあたり、何をおいても叶えたい様な願いがあること、バーサーカーが、自身マスターに望むものはただそれだけであった。 「これからよろしくね。バーサーカーのおにいさん!」 差し出された手を握る。実体をもたないが故に形だけそれでも十分だ。 主を認めたバーサーカー――――リュウガは、エコロを見据えてにぃ、と嗤った。 【CLASS】バーサーカー 【真名】リュウガ@仮面ライダー龍騎 EPSODE FINAL 【性別】男性 【属性】混沌・悪 【ステータス】筋力A 耐久A+ 敏捷A 魔力C- 幸運C 宝具A 【クラススキル】 狂化:C 魔力と幸運を除いたパラメーターをランクアップさせるが、言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。 元々人ならざる存在であり人の魂を持たないため、ランクの割には言語活動が出来ない程度で収まっており、戦闘における冷静な思考は健在である。 【保有スキル】 対英雄:B 相手の全パラメータを、英雄なら2ランク、反英雄なら1ランクダウンさせる。 騎乗:- 騎乗の才能。本来ならCランク相当の騎乗能力を持つが狂化により現在は失われている。 元よりライドシューターを用いずとも二つの世界を行き来できるため特に意味を持たない。 単独行動:B マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。 境界移動:B 鏡の中の世界『ミラーワールド』と現実世界を行き来する能力。 本来ミラーワールドの住人のため、サーヴァントでありながら現実世界では九分五十五秒しか現界出来ない。 逆にミラーワールドでは魔力が続く限り実体化できる。 『鏡より生まれし切り札』(カードデッキ) ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:一人 神崎士郎により作り出された特殊戦闘用強化服。これを使用することにより仮面ライダーリュウガに変身できる。 各種アドベントカードを発動することで武装を使用可能。 『黒き龍の名は災厄』(ドラグブラッカー)7000AP ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:数人 リュウガと契約した暗黒龍。ドラグレッダーと瓜二つの姿をしていながらより強くより獰猛な性格をしている。 アドベントのカードで召喚され、口から吐く石化黒炎の他、強靭な牙や鋭利な刃の尾で攻撃を行う。 【weapon】 ソードベント(ドラグセイバー)3000AP ・ドラグブラッカーの尾を模した剣。 ガードベント(ドラグシールド)3000GP ・ドラグブラッカーの足と体表を模した盾。手持ち使用だけでなく、一対召喚し鎧の様に肩に装備することも可能。 ストライクベント(ドラグクロー)3000AP ・ドラグブラッカーの頭部を模した篭手。昇竜突破(ドラグクローファイヤー)を発動する。 ファイナルベント(ドラゴンライダーキック)7000AP ・必殺技。ドラグブラッカーの黒炎で相手の動きを封じ、炎に包まれたリュウガの飛び蹴りで敵を打ち砕く。 ※20AP=1t しかしあくまで設定上であり威力は変動する。 【人物背景】 2002年冬。仮面ライダーによるバトルロイヤルは間に突然現れた漆黒の仮面ライダー。 その正体は仮面ライダー龍騎・城戸真司の鏡像が意思を持ったもので。己の肉体を欲して言葉巧みに真司を惑わし、一瞬の隙を突いて最強のライダーとして受肉する。 しかし神前優衣の遺体を見たことで分離し、再び龍騎を力ずくで取り込もうと一騎打ちとなるが、最後はライダーキック同士の撃ち合いに敗北し消滅した。 変身前の姿は左右反転したジャンパーを着た城戸真司。性格で色々と台無しになっているオリジナルと違い必要以上のことを喋らない寡黙なその姿は実に男前である。 変身後の姿は黒く塗りつぶされた仮面ライダー龍騎。龍の紋章は細部が禍々しく伸びている他複眼の隆起が無く釣り目となっている。 装備能力、基礎スペックはすべて龍騎を上回っており、召還機ブラックドラグバイザーは他のライダーと違い濁った音声を発する。 【サーヴァントとしての願い】 最強のライダーとして受肉する。 【基本戦術、方針、運用法】 ミラーワールドからの奇襲を皮切りにリュウガの火力で押し切るか、旗色が悪くなればミラーワールドに引っ込むヒットアンドアウェイ戦法が手っ取り早いだろう。 またマスターかサーヴァント、どちらでもミラーワールドに引きずり込んで消滅を図るという手もある。 【参加方法】時空の旅人として木片を用いずに直接介入 【マスターとしての願い】いーっぱい楽しんで楽しんで楽しみ抜いた上で受肉。 【weapon】 なし。 装備はおろか肉体を持たないため、基本的に物理攻撃は無効である。 魔力ダメージか、サーヴァントの攻撃など霊的要素のある攻撃のみヒットする。 【能力・技能】 ・ライアー ・スウィンドル ・フェイクスピーチ ・ラブリートリック ・イーミテーション 以上ぷよを消す際に使用する魔法。 本来の効果は不明だが、ぷよを「消す」という記録から消失魔法として発現した。 ・憑依 肉体を持たないエコロは他者に取り付き肉体と『ココロ』を操ることが出来る。 作中ではアルルに取り付きダークアルルへと変貌した他、サタンにも同意の上で取り付いた。 女の子を狙う習性があり、あんどうりんご(ぷよぷよ7の主人公)をしばしば狙っている。 【人物背景】 ぷよぷよ7におけるダークアルルの正体にして全ての黒幕。黒い人型のシルエットに涎をたらし続ける顔を持つ、自称時空の旅人。 その性格は無邪気にして気まぐれ、一つの物事に熱中したら歯止めが聞かなくなるなどさながら子供のようである。 様々な時空を渡り歩いた先で面白半分で世界をかき乱し大騒動を起こす。しかし本人には悪気は無くいたずらのつもり。 しかしそのいたずらというのも世界中のパワースポットの力を一つに繋いで宇宙をぷよで埋め尽くそうとしたり、 魔王サタンと結託し誰もが秘めている欲望を全てさらけ出そうと画策したりと性質の悪いものばかり。 自分の記憶を失っている節があり、実体を持たないこともあってか時折存在が希薄である。何か目的があった気がすると語っているが結局思い出せずにいる。 また人の願いを叶えようという善意も持ち合わせているが、幼さゆえに歪んだ手段を取ってしまうことで、結果的に大事件を起こしてしまいがちである。 『変わったエコロ』という人間の姿をしたキャラクターもいるが、エコロ当人との関連性は不明。 【方針】 ここでも変わらず、楽しいことを行う。 聖杯戦争という戦いに興味を持ち、その先で願いが叶うのなら喜んで乗る。 ぷよぷよ7であんどうりんごらに倒された後から参戦の模様。

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