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宮内れんげ+アサシン」(2014/08/17 (日) 21:32:43) の最新版変更点

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  「ねーねー、うち、宇宙人さんが見えるようになったん」   彼は誰にも信じてもらえなかった。   何故なら彼は絶対に姿を現さなかったから。   そこに居たのにいつの間にか消えていたり、かと思えばあっちに居たり。   顔を見せるのは決まって、二人きりの時だけだったから。 「なっつん、こまちゃん、ほたるん、うち知ってるん。それ、宇宙人さんのしわざなんな!」   彼はイタズラ好きだった。   人の焦った顔、困った顔が大好きで、彼女が見ていない場所では色々と悪さをする。   きちんと謝った方がいいよというと、その度に大きな口をゆがめて楽しそうに笑った。 「駄菓子屋、このおかし、二人前くださいな!」   彼は友達だった。   いつも傍に居てくれた。   朝起きて、夜寝るまで。ずっと、ずっと、一緒だった。   危ない時はいつでも助けてくれた。   山で迷子になった時も。   嫌いな野菜を食べられない時も。   うさぎ小屋から出られなくなった時も。   手品を見せてくれた。   自分に変身してみせたり。   長いしっぽで川の奥にあった綺麗な石を拾ってくれたり。   綺麗な夕日を一緒に見た。   美味しいお菓子を一緒に食べた。   友達のあかしとして綺麗な木のネックレスをくれた。 「うち、宇宙人さんとお友達になれて、とっても幸せです!」   そう言うと彼は決まって、大きな口の端を釣り上げてこう言った。    『ミィもwwwwwwwwミィもれんちょんとお友達になれてすっげー幸せーっすwwwww     ありしゃーっすwwwwwwwwなんつってwwwww』 * * *   ある朝、少女が目を覚ますとそこはまったく見知らぬ地だった。 「ねーねー……?」   返事はない 「駄菓子屋」 「なっつん」 「こまちゃん」 「ほたるん」 「みんな、いないのん?」   見知らぬ場所に一人ぼっち。   でも、寂しくはなかった。   だってきっと、彼が居てくれるから。 「かっちゃん」   背の高い木を見上げながら、その名を呼ぶ。 「はいはーいwwwwwwwwwwwwww」   空間にノイズが走り、なにもなかったその場所に人が現れる。   ばかデカい背、ぐしゃぐしゃの赤い長髪、ギザギザの牙、紫色のスーツ、菱形のしっぽ。   耳まで裂けているのではないかと錯覚するほど大きな赤い口。   彼は、木の上で足を組んでれんげを見下ろしていた。   まるでずっとそうやって見守っていたような、自然な振る舞いで。 「かっちゃんはやっぱりおったん! さすが!!」 「そりゃあもうwwwwwwwwwミィはれんちょんのこと大好きですしwwwwwwwwですしですしぃwwwwwwww」 「そんなに言われたら、いくらうちでも照れるん」   再び、彼の居た場所にノイズが走り、彼の存在がかき消える。   かと思うと、次は自分の視点が一気に高くなった。 「おお、うち、成長期!!! おっきくなっちゃいましたん!!!」 「ワロスwwwwwwwww成長期とかwwwwwwワロスすぎりゅよぉwwwwwwwwwwwww」 「かっちゃん、にゃんぱすー」 「はぁいれんちょんにゃんぱっすーwwwwwwwwww」   気付けば、れんげは彼に肩車をされていた。   れんげはこの、彼の大きな体での肩車が大好きだった。   自分が見ることのできない景色を見渡せて、一番の親友と一緒に居られるから、大好きだった。 「さぁて……これからどうします、マイマスター?」 「誰かに会うん!! それで、それで、ここがどこか調べるん!!!」 「おkwwwwwwwwwwwwぶぃぃーんwwwwwwwぶぃんぶぃーんwwwwwwww」 「ごーごーかっちゃん!!!」 「んにしてもぉ……この感じ……始まっちゃったかなwwwwwwwwwこれwwwwwwww」   彼がいつものように中空を見上げ、楽しそうにつぶやく。   隠れていて何も窺い知れない目。いつでも楽しそうに笑っている口。   病的なまでに真っ白な肌を愉悦で歪める彼の顔ももう見慣れたものだ。 「かっちゃん、何が始まったん?」 「んとねぇwwwwwwwwwミィがとっても、とおーっても、大好きなものだよぉwwwwwwwwチャンカチャンカチャンwwwwwチャンカチャンカチャンwwwww」 「……はい! はい!! たぶんですが、それ、お祭りですか!!」 「おおwwwwwwwwwwwwぴんぽぴんぽぴんぽwwwwwwwww大当たりwwwwwww  正解はぁ、お祭り!! えー、このたび正解したれんちょんには賞品としてお祭りの参加資格が与えられます!」 「やったー!!」 「しかも、しかもでぇすよぉ? そのお祭りですねぇ……なんと、優勝者にはどんなお願いもかなっちゃう賞品付きなぁんですよねぇ!」 「なんでも……」   『なんでも願いが叶う』   とても魅力的な響きだった。   それが本当だったら、世界中からピーマンをなくすことができる。   そして、村を救うことができる。   最近、彼女の暮らしている村は様子がおかしかった。   まだ幼子であるれんげでも分かるほどに、空気がギスギスしているのだ。   その原因が何かは分からない。   でも、人と人が明らかによそよそしい。   敵意を見せあっている住人も居る。   仲が良かった『昔』を知っているだけに、れんげにとってその光景は異様なものだった。   でも、もし『なんでも願いが叶う』という彼の話が本当なら。 「かっちゃん、かっちゃん!! うち、お祭りで優勝したいん!!!」 「おっほおwwwwwwww奇遇でぇすねぇwwwwwwwwwミィもそう思ってたところですよぉwwwwwwwwwww」   また、皆が仲良しなあの村に戻れる。   いつもののんびりしたあの日常に帰れる。 「やってやりましょうぜ、マイマスタァ!!!」 「おー!!!」   彼と一緒に天に向かって手を突き上げる。   大丈夫だ。   彼と一緒なら、負ける気がしない。   だって彼は、凄く強くて、色々な技が使えて、なにより自分の大親友なんだから。   *  *  *   歩き始めて数分。   ふと、彼の顔に陰りが差しているのに気付いた。 「……かっちゃん、なにかあったん?」 「なんもねっすよー」 「嘘なん」   その一言で、彼の歩みが止まる。 「……ねぇ、れんちょん」 「んー」 「ミィたち、仲良しだよね」 「聞かれるまでもないん。うちとかっちゃんはたぶん、とっても仲良しで、大親友なん!」 「じゃあさ、れんちょん」   珍しく、彼がれんげの方を向いた。 「れんちょんだけは、いつまでもミィの味方で居てね」   目は合わないし、表情も読みとれない。   それでもお、いつにもなく真面目なトーンの語り口で、どれだけ真剣なのかということが、れんげには伝わってきた。   れんげには、どう答えていいかが分からなかった。   だから、ただ強く彼の頭を抱きしめて、一言。 「うち、かっちゃんと一緒なん」   とだけ答えた。   姉も、駄菓子屋も、級友も、知り合いは全くいないこの世界で。     最後に残っていてくれた彼とだけは離れないために。   その一言を聞くと、彼……『ベルク・カッツェ』はまた、いつものように口をゆがめて微笑んだ。 「さすがれんちょんwwwwwwwwミィの大親友でぇすねぇwwwwwwwwwwww」 「うん!!!」 「よっしゃwwwwwwそれ聞いてカッツェさん一安心っすwwwwwww  さあ祭りだ、祭りだ、祭りだワショ――――イwwwwwwww」 「お祭り、お祭り!! うちもふぇすてぃばるん!!」 【クラス】アサシン 【真名】ベルク・カッツェ 【属性】混沌・悪 【クラススキル】  気配遮断:A+  サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。  完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。  ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】  狂喜:B  戦場における異常なまでの精神高揚。戦闘中、威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する。  また痛覚などのバッドステータスによる行動制限を緩和する。  話術:C  言論にて人を動かせる才。国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。  毒舌と挑発に優れ、相手を混乱させ冷静な思考を阻害する手段に長ける。  追撃:A  離脱行動を行う相手の動きを阻害する。  相手が離脱しきる前に攻撃判定を得られ、攻撃が通る限り追撃を続けることができる。  Aランクともなれば離脱系スキルに対しても発動直前に必ず攻撃判定を得ることができる。  幻術:D  魔術系統の一種。偽装能力。個人を対象とした物が可能。カッツェの宝具の伝承がスキルになったもの。  これにより、普段は自身を別人に見せかける、情報の偽装発信などが成功しやすくなる。  反面、物理的に対象に影響を与える事を不得手とする。  バード・ゴー:D  自らの姿形を変えるスキル。宝具『幸災楽禍の果てを望む力』の使用中にのみ発動できる。  『彼が変身したら惑星が滅ぶ』とまで伝えられているが、実際行った戦闘では一戦一引き分け(相討ち)なのでそこまでパラメータ向上されない。  また、このスキル発動中、カッツェは魔力を消費して任意で『精神攻撃(物理)』を放つことができる。  対象は【変身】またはそれに類するスキル(姿が変化するスキル)持ちのみ、変身系スキルによる耐久向上を無視してダメージを与えることができる。 【パラメーター】  筋力D 耐久D(C) 敏捷D++ 魔力D+ 幸運D 宝具EX 【宝具】 『形なき悪意の体現者』(カッツェさん降臨wwwwww) ランク:EX 種別:- レンジ:- 最大補足:-  数々の惑星を破壊した彼の伝説が彼自身の存在と融合した結果生まれた、ベルク・カッツェをベルク・カッツェたらしめる宝具。  つまりアサシン・ベルク・カッツェは『ベルク・カッツェ』という名の宝具を常に発動している状態だと言える。  人の心に潜む『悪意』こそが正体。  その逸話に違わず、ほぼすべての人間が彼の脅威にさらされる可能性があり、ほぼ全ての人間が彼に付け込まれるスキがある。  そして、ほぼすべての人間が彼に対する直接的な対策を講じられない。  彼を傷つけるためにはランクA以上の宝具で攻撃するか、彼と直接『遭遇』するしか道はない。  『遭遇』することが出来れば、以後その人物はこの宝具を乗っ取り(悪意を受け入れ)カッツェを無力化することが可能になる。  また、彼と関わる全ての人間が『形なき悪意』の元に晒されることになる。  不和、嘲笑、挑発、侮蔑、いわれなき誹謗中傷。彼と『遭遇』する際には精神攻撃耐性を持っていることが望ましい。  この宝具はベルク・カッツェ自身であるため、この宝具の発動が阻害された場合、ベルク・カッツェは消滅する。  『幸災楽禍の果てを望む力』(め、め、め、メシウマぁぁぁぁあああああああwwwwwwww) ランク:B 種別:強化 レンジ:1〜20 最大補足:10  『災いや混乱を引き起こす』力を秘めたNOTEとそれによって生み出される力。普段はNOTEの形をしており、カッツェが持ち歩いている。  上記の現象を起こすためならばどんな力でも発動できる。  ただし、語られなかった歴史を引用できないように原作中で使用されなかった能力は行使できない。  この聖杯戦争においては  ・自身の姿の隠ぺい  ・瞬間移動(目測100m程度まで)  ・他者への成りすまし(キスした相手のみ、現在成りすませるのは『モブ男性』『モブ青年』『モブ女性』『枇々木丈』『爾乃美家累』『宮内れんげ』)  ・第三者に向けて発信されている情報の操作(同一戦闘中一回のみ発動されたスキル1つをジャミング、レンジ内のマスター・サーヴァント1組への放送ジャックなど)    のみとなる  この宝具を使用することでGスーツを身に纏い、戦力をあげることができる(→スキル:バード・ゴー)。  『他者を争わせる』という一点に力を全部注いでいるため、直接的な破壊力は低い。  この宝具は、カッツェの精神を表したものであり、弱点でもある。この宝具が破壊された時、ベルク・カッツェは消滅する。 【weapon】 「菱形のしっぽ」  伸縮自在の菱形のしっぽ。しっぽとはいうがその性質は金属に近く、木々を一撃でなぎ倒す破壊力がある。  これを用いて敵の捕縛や発射されたバーニングハンマーの捕捉なども行っている 「Gスーツ」  変身後の姿、身体能力が向上。他人の心を引きずり出して直接精神攻撃が可能。(→スキル:バード・ゴー) 【人物背景】 「宇宙人」を自称する、年齢・性別など大半が謎の存在。  キスすることで人間に擬態する。混乱を起こす事を好み、擬態能力と腕から出す菱形のしっぽで周囲を攻撃する。  奇矯なポーズや言動を好み、度々ネットスラングを口にする。空中に浮遊したり、「アムネジア・エフェクト」と同様に自身の姿を累やガッチャマン以外に見えなくする事ができる。  かつて数々の星を滅ぼしており、自分の手は汚さずその星の生物が自ら滅ぼし合うように仕向けるのがなにより大好き。  地球人を「原始人」「愚かな人間」と呼び見下しており、人間が持つ心に関してもあざ笑うような言動を見せる。  戦闘においてもパイマンが「束になっても敵わない」と恐れるほどの実力者。  生命体を挑発し、混乱や争いを起こさせることに特化した『幸災楽禍のNOTE』の持ち主で、変身すると身にまとった金色の鎖で姿を見せずに攻撃できるようになる。  また、J・Jロビンソンと同じく他者の心をNOTEとして抜き取ることができる。Gスーツは無機質なクリスタルのボディを紫のマントが包み込んだ姿。  その能力から立川CAGEのガッチャマン達からは「悪いガッチャマンさん」「イカれたガッチャマン」と呼ばれている。  また本人もJ・Jに対する嫌悪や「ガッチャマンを辞めた」と語っており、またスーツにもガッチャマンのマークがあることから何らかの関係があるものと思われる。  本編エピローグ、一ノ瀬はじめと融合した後に宮内れんげから召喚された。 【サーヴァントとしての願い】  血が見たい、真っ赤な真っ赤な血が見たぁい!!  もう一度『ベルク・カッツェ』として復活し、面白おかしく生きる。 【方針】 大衆に対しては他者に成りすまして扇動や犯罪を行い、巨大な組織が内側から崩れていくのを楽しむ。 個人に対しては肉体・精神的に追い詰めていき、心が折れるさまを楽しむ。 この聖杯戦争では、聖杯戦争を加速させ、人が裏切り裏切られ絶望する様を楽しむことが第一。 優勝して願い事をかなえるのはそのついでです。 れんげは大事な魔力の供給源かつマスターなのでそれなりに守るし友好的に対応します。 ただ、もっといい魔力の供給源が見つかったり、れんげが必要以上に口出しを始めた場合はその限りではありません。 【マスター】宮内れんげ 【参加方法】カッツェが持っていた『ゴフェルの木片のネックレス』を譲り受ける 【マスターとしての願い】村の皆がもっと仲良くなりますように! 【weapon】    ないん! 【能力・技能】  ないん! 【人物背景】  小学1年生。12月3日生まれ。身長不明。血液型はB型。  語尾に「のん」をつけるのが口癖、どうやら村での訛りらしい。  性格は決して悪くないが独特な感性を持っており、言動を周囲の人間から理解されないことも多い。  一方で成績は優秀でオール5の成績をとったり、小鞠の絵を描いた際は賞を貰ったこともある。  小学生としては喜怒哀楽に乏しい印象を受け、笑った表情は一度も見せたことが無いが、内面的にはむしろ好奇心旺盛で少々お転婆な一面もある。  あだ名は「れんちょん」。前述の通り独特な感性を持っており、「こんにちは」などの代わりに「にゃんぱすー」と挨拶したり、野良タヌキに「具」と名付けて飼い馴らそうとしたり、川で捕まえたカニに「お塩」と名付けて飼おうとしたりしている。  カレーと梅昆布茶が好物で、ピーマンは苦手。  聖杯戦争についての知識はまったくありません。  ただ、『優勝したら願いが叶う』ことだけは知っています。 【方針】     ふぇすてぃばるん!
*宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL.  「ねーねー、うち、宇宙人さんが見えるようになったん」   彼は誰にも信じてもらえなかった。   何故なら彼は絶対に姿を現さなかったから。   そこに居たのにいつの間にか消えていたり、かと思えばあっちに居たり。   顔を見せるのは決まって、二人きりの時だけだったから。 「なっつん、こまちゃん、ほたるん、うち知ってるん。それ、宇宙人さんのしわざなんな!」   彼はイタズラ好きだった。   人の焦った顔、困った顔が大好きで、彼女が見ていない場所では色々と悪さをする。   きちんと謝った方がいいよというと、その度に大きな口をゆがめて楽しそうに笑った。 「駄菓子屋、このおかし、二人前くださいな!」   彼は友達だった。   いつも傍に居てくれた。   朝起きて、夜寝るまで。ずっと、ずっと、一緒だった。   危ない時はいつでも助けてくれた。   山で迷子になった時も。   嫌いな野菜を食べられない時も。   うさぎ小屋から出られなくなった時も。   手品を見せてくれた。   自分に変身してみせたり。   長いしっぽで川の奥にあった綺麗な石を拾ってくれたり。   綺麗な夕日を一緒に見た。   美味しいお菓子を一緒に食べた。   友達のあかしとして綺麗な木のネックレスをくれた。 「うち、宇宙人さんとお友達になれて、とっても幸せです!」   そう言うと彼は決まって、大きな口の端を釣り上げてこう言った。    『ミィもwwwwwwwwミィもれんちょんとお友達になれてすっげー幸せーっすwwwww     ありしゃーっすwwwwwwwwなんつってwwwww』 * * *   ある朝、少女が目を覚ますとそこはまったく見知らぬ地だった。 「ねーねー……?」   返事はない 「駄菓子屋」 「なっつん」 「こまちゃん」 「ほたるん」 「みんな、いないのん?」   見知らぬ場所に一人ぼっち。   でも、寂しくはなかった。   だってきっと、彼が居てくれるから。 「かっちゃん」   背の高い木を見上げながら、その名を呼ぶ。 「はいはーいwwwwwwwwwwwwww」   空間にノイズが走り、なにもなかったその場所に人が現れる。   ばかデカい背、ぐしゃぐしゃの赤い長髪、ギザギザの牙、紫色のスーツ、菱形のしっぽ。   耳まで裂けているのではないかと錯覚するほど大きな赤い口。   彼は、木の上で足を組んでれんげを見下ろしていた。   まるでずっとそうやって見守っていたような、自然な振る舞いで。 「かっちゃんはやっぱりおったん! さすが!!」 「そりゃあもうwwwwwwwwwミィはれんちょんのこと大好きですしwwwwwwwwですしですしぃwwwwwwww」 「そんなに言われたら、いくらうちでも照れるん」   再び、彼の居た場所にノイズが走り、彼の存在がかき消える。   かと思うと、次は自分の視点が一気に高くなった。 「おお、うち、成長期!!! おっきくなっちゃいましたん!!!」 「ワロスwwwwwwwww成長期とかwwwwwwワロスすぎりゅよぉwwwwwwwwwwwww」 「かっちゃん、にゃんぱすー」 「はぁいれんちょんにゃんぱっすーwwwwwwwwww」   気付けば、れんげは彼に肩車をされていた。   れんげはこの、彼の大きな体での肩車が大好きだった。   自分が見ることのできない景色を見渡せて、一番の親友と一緒に居られるから、大好きだった。 「さぁて……これからどうします、マイマスター?」 「誰かに会うん!! それで、それで、ここがどこか調べるん!!!」 「おkwwwwwwwwwwwwぶぃぃーんwwwwwwwぶぃんぶぃーんwwwwwwww」 「ごーごーかっちゃん!!!」 「んにしてもぉ……この感じ……始まっちゃったかなwwwwwwwwwこれwwwwwwww」   彼がいつものように中空を見上げ、楽しそうにつぶやく。   隠れていて何も窺い知れない目。いつでも楽しそうに笑っている口。   病的なまでに真っ白な肌を愉悦で歪める彼の顔ももう見慣れたものだ。 「かっちゃん、何が始まったん?」 「んとねぇwwwwwwwwwミィがとっても、とおーっても、大好きなものだよぉwwwwwwwwチャンカチャンカチャンwwwwwチャンカチャンカチャンwwwww」 「……はい! はい!! たぶんですが、それ、お祭りですか!!」 「おおwwwwwwwwwwwwぴんぽぴんぽぴんぽwwwwwwwww大当たりwwwwwww  正解はぁ、お祭り!! えー、このたび正解したれんちょんには賞品としてお祭りの参加資格が与えられます!」 「やったー!!」 「しかも、しかもでぇすよぉ? そのお祭りですねぇ……なんと、優勝者にはどんなお願いもかなっちゃう賞品付きなぁんですよねぇ!」 「なんでも……」   『なんでも願いが叶う』   とても魅力的な響きだった。   それが本当だったら、世界中からピーマンをなくすことができる。   そして、村を救うことができる。   最近、彼女の暮らしている村は様子がおかしかった。   まだ幼子であるれんげでも分かるほどに、空気がギスギスしているのだ。   その原因が何かは分からない。   でも、人と人が明らかによそよそしい。   敵意を見せあっている住人も居る。   仲が良かった『昔』を知っているだけに、れんげにとってその光景は異様なものだった。   でも、もし『なんでも願いが叶う』という彼の話が本当なら。 「かっちゃん、かっちゃん!! うち、お祭りで優勝したいん!!!」 「おっほおwwwwwwww奇遇でぇすねぇwwwwwwwwwミィもそう思ってたところですよぉwwwwwwwwwww」   また、皆が仲良しなあの村に戻れる。   いつもののんびりしたあの日常に帰れる。 「やってやりましょうぜ、マイマスタァ!!!」 「おー!!!」   彼と一緒に天に向かって手を突き上げる。   大丈夫だ。   彼と一緒なら、負ける気がしない。   だって彼は、凄く強くて、色々な技が使えて、なにより自分の大親友なんだから。   *  *  *   歩き始めて数分。   ふと、彼の顔に陰りが差しているのに気付いた。 「……かっちゃん、なにかあったん?」 「なんもねっすよー」 「嘘なん」   その一言で、彼の歩みが止まる。 「……ねぇ、れんちょん」 「んー」 「ミィたち、仲良しだよね」 「聞かれるまでもないん。うちとかっちゃんはたぶん、とっても仲良しで、大親友なん!」 「じゃあさ、れんちょん」   珍しく、彼がれんげの方を向いた。 「れんちょんだけは、いつまでもミィの味方で居てね」   目は合わないし、表情も読みとれない。   それでもお、いつにもなく真面目なトーンの語り口で、どれだけ真剣なのかということが、れんげには伝わってきた。   れんげには、どう答えていいかが分からなかった。   だから、ただ強く彼の頭を抱きしめて、一言。 「うち、かっちゃんと一緒なん」   とだけ答えた。   姉も、駄菓子屋も、級友も、知り合いは全くいないこの世界で。     最後に残っていてくれた彼とだけは離れないために。   その一言を聞くと、彼……『ベルク・カッツェ』はまた、いつものように口をゆがめて微笑んだ。 「さすがれんちょんwwwwwwwwミィの大親友でぇすねぇwwwwwwwwwwww」 「うん!!!」 「よっしゃwwwwwwそれ聞いてカッツェさん一安心っすwwwwwww  さあ祭りだ、祭りだ、祭りだワショ――――イwwwwwwww」 「お祭り、お祭り!! うちもふぇすてぃばるん!!」 【クラス】アサシン 【真名】ベルク・カッツェ 【属性】混沌・悪 【クラススキル】  気配遮断:A+  サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。  完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。  ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】  狂喜:B  戦場における異常なまでの精神高揚。戦闘中、威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する。  また痛覚などのバッドステータスによる行動制限を緩和する。  話術:C  言論にて人を動かせる才。国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。  毒舌と挑発に優れ、相手を混乱させ冷静な思考を阻害する手段に長ける。  追撃:A  離脱行動を行う相手の動きを阻害する。  相手が離脱しきる前に攻撃判定を得られ、攻撃が通る限り追撃を続けることができる。  Aランクともなれば離脱系スキルに対しても発動直前に必ず攻撃判定を得ることができる。  幻術:D  魔術系統の一種。偽装能力。個人を対象とした物が可能。カッツェの宝具の伝承がスキルになったもの。  これにより、普段は自身を別人に見せかける、情報の偽装発信などが成功しやすくなる。  反面、物理的に対象に影響を与える事を不得手とする。  バード・ゴー:D  自らの姿形を変えるスキル。宝具『幸災楽禍の果てを望む力』の使用中にのみ発動できる。  『彼が変身したら惑星が滅ぶ』とまで伝えられているが、実際行った戦闘では一戦一引き分け(相討ち)なのでそこまでパラメータ向上されない。  また、このスキル発動中、カッツェは魔力を消費して任意で『精神攻撃(物理)』を放つことができる。  対象は【変身】またはそれに類するスキル(姿が変化するスキル)持ちのみ、変身系スキルによる耐久向上を無視してダメージを与えることができる。 【パラメーター】  筋力D 耐久D(C) 敏捷D++ 魔力D+ 幸運D 宝具EX 【宝具】 『形なき悪意の体現者』(カッツェさん降臨wwwwww) ランク:EX 種別:- レンジ:- 最大補足:-  数々の惑星を破壊した彼の伝説が彼自身の存在と融合した結果生まれた、ベルク・カッツェをベルク・カッツェたらしめる宝具。  つまりアサシン・ベルク・カッツェは『ベルク・カッツェ』という名の宝具を常に発動している状態だと言える。  人の心に潜む『悪意』こそが正体。  その逸話に違わず、ほぼすべての人間が彼の脅威にさらされる可能性があり、ほぼ全ての人間が彼に付け込まれるスキがある。  そして、ほぼすべての人間が彼に対する直接的な対策を講じられない。  彼を傷つけるためにはランクA以上の宝具で攻撃するか、彼と直接『遭遇』するしか道はない。  『遭遇』することが出来れば、以後その人物はこの宝具を乗っ取り(悪意を受け入れ)カッツェを無力化することが可能になる。  また、彼と関わる全ての人間が『形なき悪意』の元に晒されることになる。  不和、嘲笑、挑発、侮蔑、いわれなき誹謗中傷。彼と『遭遇』する際には精神攻撃耐性を持っていることが望ましい。  この宝具はベルク・カッツェ自身であるため、この宝具の発動が阻害された場合、ベルク・カッツェは消滅する。  『幸災楽禍の果てを望む力』(め、め、め、メシウマぁぁぁぁあああああああwwwwwwww) ランク:B 種別:強化 レンジ:1〜20 最大補足:10  『災いや混乱を引き起こす』力を秘めたNOTEとそれによって生み出される力。普段はNOTEの形をしており、カッツェが持ち歩いている。  上記の現象を起こすためならばどんな力でも発動できる。  ただし、語られなかった歴史を引用できないように原作中で使用されなかった能力は行使できない。  この聖杯戦争においては  ・自身の姿の隠ぺい  ・瞬間移動(目測100m程度まで)  ・他者への成りすまし(キスした相手のみ、現在成りすませるのは『モブ男性』『モブ青年』『モブ女性』『枇々木丈』『爾乃美家累』『宮内れんげ』)  ・第三者に向けて発信されている情報の操作(同一戦闘中一回のみ発動されたスキル1つをジャミング、レンジ内のマスター・サーヴァント1組への放送ジャックなど)    のみとなる  この宝具を使用することでGスーツを身に纏い、戦力をあげることができる(→スキル:バード・ゴー)。  『他者を争わせる』という一点に力を全部注いでいるため、直接的な破壊力は低い。  この宝具は、カッツェの精神を表したものであり、弱点でもある。この宝具が破壊された時、ベルク・カッツェは消滅する。 【weapon】 「菱形のしっぽ」  伸縮自在の菱形のしっぽ。しっぽとはいうがその性質は金属に近く、木々を一撃でなぎ倒す破壊力がある。  これを用いて敵の捕縛や発射されたバーニングハンマーの捕捉なども行っている 「Gスーツ」  変身後の姿、身体能力が向上。他人の心を引きずり出して直接精神攻撃が可能。(→スキル:バード・ゴー) 【人物背景】 「宇宙人」を自称する、年齢・性別など大半が謎の存在。  キスすることで人間に擬態する。混乱を起こす事を好み、擬態能力と腕から出す菱形のしっぽで周囲を攻撃する。  奇矯なポーズや言動を好み、度々ネットスラングを口にする。空中に浮遊したり、「アムネジア・エフェクト」と同様に自身の姿を累やガッチャマン以外に見えなくする事ができる。  かつて数々の星を滅ぼしており、自分の手は汚さずその星の生物が自ら滅ぼし合うように仕向けるのがなにより大好き。  地球人を「原始人」「愚かな人間」と呼び見下しており、人間が持つ心に関してもあざ笑うような言動を見せる。  戦闘においてもパイマンが「束になっても敵わない」と恐れるほどの実力者。  生命体を挑発し、混乱や争いを起こさせることに特化した『幸災楽禍のNOTE』の持ち主で、変身すると身にまとった金色の鎖で姿を見せずに攻撃できるようになる。  また、J・Jロビンソンと同じく他者の心をNOTEとして抜き取ることができる。Gスーツは無機質なクリスタルのボディを紫のマントが包み込んだ姿。  その能力から立川CAGEのガッチャマン達からは「悪いガッチャマンさん」「イカれたガッチャマン」と呼ばれている。  また本人もJ・Jに対する嫌悪や「ガッチャマンを辞めた」と語っており、またスーツにもガッチャマンのマークがあることから何らかの関係があるものと思われる。  本編エピローグ、一ノ瀬はじめと融合した後に宮内れんげから召喚された。 【サーヴァントとしての願い】  血が見たい、真っ赤な真っ赤な血が見たぁい!!  もう一度『ベルク・カッツェ』として復活し、面白おかしく生きる。 【方針】 大衆に対しては他者に成りすまして扇動や犯罪を行い、巨大な組織が内側から崩れていくのを楽しむ。 個人に対しては肉体・精神的に追い詰めていき、心が折れるさまを楽しむ。 この聖杯戦争では、聖杯戦争を加速させ、人が裏切り裏切られ絶望する様を楽しむことが第一。 優勝して願い事をかなえるのはそのついでです。 れんげは大事な魔力の供給源かつマスターなのでそれなりに守るし友好的に対応します。 ただ、もっといい魔力の供給源が見つかったり、れんげが必要以上に口出しを始めた場合はその限りではありません。 【マスター】宮内れんげ 【参加方法】カッツェが持っていた『ゴフェルの木片のネックレス』を譲り受ける 【マスターとしての願い】村の皆がもっと仲良くなりますように! 【weapon】    ないん! 【能力・技能】  ないん! 【人物背景】  小学1年生。12月3日生まれ。身長不明。血液型はB型。  語尾に「のん」をつけるのが口癖、どうやら村での訛りらしい。  性格は決して悪くないが独特な感性を持っており、言動を周囲の人間から理解されないことも多い。  一方で成績は優秀でオール5の成績をとったり、小鞠の絵を描いた際は賞を貰ったこともある。  小学生としては喜怒哀楽に乏しい印象を受け、笑った表情は一度も見せたことが無いが、内面的にはむしろ好奇心旺盛で少々お転婆な一面もある。  あだ名は「れんちょん」。前述の通り独特な感性を持っており、「こんにちは」などの代わりに「にゃんぱすー」と挨拶したり、野良タヌキに「具」と名付けて飼い馴らそうとしたり、川で捕まえたカニに「お塩」と名付けて飼おうとしたりしている。  カレーと梅昆布茶が好物で、ピーマンは苦手。  聖杯戦争についての知識はまったくありません。  ただ、『優勝したら願いが叶う』ことだけは知っています。 【方針】     ふぇすてぃばるん! ---- |BACK||NEXT| |021:[[野原しんのすけ&アサシン]]|[[投下順>本編SS目次・投下順]]|023:[[ジナコ=カリギリ・アサシン]]| |021:[[野原しんのすけ&アサシン]]|[[時系列順>本編SS目次・時系列順]]|023:[[ジナコ=カリギリ・アサシン]]| |BACK|登場キャラ|NEXT| |&color(yellow){参戦}|[[宮内れんげ]]&アサシン([[ベルク・カッツェ]])|031:[[せんそうびより]]|

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