第十六章 もう一つのイノセンス


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一方こちらは塾。
ガラッと扉を開けて入ってきたのは酷く猫背なほの暗い目をした青年。
しょうへいの兄ガッキーだ。

「こんにちわぁ―
今日はどうされました?
入塾の説明ならアチラで…
『ちがう!!!』
受け付けにいた山本の説明を遮るガッキー

「力が…
力が欲しいんだ!
みんなを守れるような…
母さん、父さん、しょうへい、それに…姉さん…」
涙をこらえながら訴えるガッキーに鋭い視線を向けながら山本は

「それはそうだとして、なぜ君はここに来て力を得られるなんて思ったんだい?」


「これがしょうへい、の机のうえに置いてあったんだ。」

ガッキーがふところから取り出したのは塾の案内の冊子だった。

「塾に行き始めてからしょうへいは以前となにかが変わっていっていたんだ。
そう、性的なナニカ…
以前よりもより生臭く、でかくなっているように感じたんだ。」

「なるほど…
でここにくれば自分も変われるんじゃないか、と思ったんだね?」

ガクッとガッキーはうなずいた。

「じゃあまずは簡単な検査をするから服を脱いでくれるかな?」


素直に脱ぎ出すガッキー。

「パンツは灰色か…」
山本がそう言うとガッキーは

「灰色は…しょうへいの好きな色なんです。幼い頃お互いの夢を語り合ったときにこう言

ってました。
『俺はこの世界を灰色に染めたい。善も悪も光も闇も性別もない…
そんな世界になれば良いと思うんだ…』
ってね…
まぁ今となっちゃ覚えてないと思いますけど……」
ハハッと笑いながらそう言うガッキー。


全裸になったガッキーを頭のてっぺんからチェックしていく山本。

(髪の毛はしょうへいと違って薄くはないな。
目は死に気味。
唇は…ん?タラコ唇なうえに喧嘩でもしたのか異常に腫れてるな。オェッ
乳首…乳輪デカめ離れすぎ。
腹に筋肉はないか。
というかバランス悪すぎるぞコイツの体。
エヴァみたいな体型じゃねぇか。
下半身は……………
まさか…………………)


「君、ISなのかい?」

「はい。
自分でも最近知ったんですけどね、、、」

(ISか、大昔の文献で存在は知っていたがまさかこの目で見る日がこようとは…
しかも金玉が一つ!
不完全なISって事か?
おもしろいじゃないか。)

「なるほど…
君の事は大体分かった。
君はここへ行くと良いよ。
この人が君を助けてくれるはずだ。」

山本が渡してきた名刺にはこう書かれていた。

『性武器職人 性に関する防衛術名誉学会員 人体改造技能連盟会長 【城能】』

(なんか凄そうな人だぞ。
それにこの名前は――
どっかで見たことあるような…)

「電話で君の事はつたえておこう。
あとは君次第だ。
さあゆけっ!」

次の瞬間ガッキーはバンギャッッッッ
と衝撃と共に塾の外に弾き飛ばされていた。



「ッ~…
イタタタタッ…

ったく、今、腰悪いのになんてことしてくれんだアイツ!


…でも…
とりあえず、行くべきところは決まったな!」

そういうと、あきのりは名刺の裏に書かれた地図を頼りに城能のところへ向かった。


~~~~~~~~~~~

「すいませ~ん」

町外れにたたずむ、古びた屋敷の前で、あきのりは家主を呼び出した。

「……
どちら様で?」

一人の男がゆっくりとドアのむこうから顔を出した。
あきのりはその顔を塾の広告で見たことがあった。

「あ…あの…
清水あきのりという者ですが…」
あきのりは無愛想に答える。

「ああ!君があきのり君か!
山本から話は聞いているよ。

さぁさぁ上がって!」

男に招かれ、あきのりは屋敷の中へと上がる。

「山本から聞いてると思うけど、僕が城能だ。

君は清水家の長男だろ?
僕も、君のお母さん、お父さん、それからおじいちゃんと同じ国家安全保障特務機関に勤

めている。
表上は塾の数学の教師をしてるんだけど(笑)

で、僕はその機関の中の

『体外性武器開発局』

の局長で
体外性武器、ようは

『装備型イノセンス』

を開発してるんだ。

もともとうちは江戸から続く鍛冶屋でね、その腕を君のおじいちゃんに買われたってわけ



まぁ自己紹介はこれくらいにして…
君は確かこれから起こる大戦にむけて力をつけたいらしいね。

そこで、君にはエクソシストになってもらう!
エクソシストは愛する者を守るための存在だけど、皮肉にも愛する者を自分の手で殺さな

くてはならないときもある…

その覚悟がホントにある?」

「……

…はい!」

一瞬、ためらったが、いつになく輝かしい目をして返事をしたあきのり。

「よぉし!迷いは消えたみたいだね。
じゃあさっそくエクソシストになってもらうか。」

「え?エクソシストってそんな誰でも簡単になれるものなんですか?…
なんか弟は凄い過酷な儀式をうけたとか…」

「ああ(笑)それは通常型の話だよ。今から君が手にするのは装備型イノセンスだからね。

あと、一応山本からさっきイノセンス適合の検査結果が送られてきたから、君にはエクソ

シストになる資格があのさ!誰でもって訳じゃない。

しかし、僕はホントに装備型に携わっててよかったよ…あんなグロテスクで心ない儀式を

行う体内性武器開発のほうになんかいたら気がめいってしょうがないよ(笑)ハハハ」

そう話ながら二人はある部屋へと向かった。


部屋には引き出しが十個あるタンスのような大きな箱があった。
引き出し一つ一つに名前が書いてあり、あきのりはそこに見たことのある名前を見つけた


『名刀-磨螺鉈』

「あ!…
(そうか、そういえば
母さんに送られてきた黄色い小包を開けるときに…
そうだ!作者も城能だ…)」

「じゃあ、この中から君に合ったイノセンスを選んでもらう。

とりあえずカモハドから試してみるか…
握ってみて。」
そう言うと城能は

『焦刀-鳧刃怒』

と書かれた引き出しを開けた。


ズッパッァァァアアンヅッ!!

刀を握った瞬間、火花が散り、あきのりは思わず刀を落としてしまった。

「あっつッ!!
痛い!痛い!!…」

「あちゃぁ
カモハドはダメだったみたいだね…

じゃあ次はマンズ・ズンズあたりかな…」

そういって今度は

『双刀-萬咒駿咒』

と書かれた引き出しを開けた。
今度は二本の刀が入っていて、あきのりはそれを両手に取った。

するとあきのりの両手の皮膚がスパスパと切れていく。

「ううわわわわぁ…」

「ん~どれがいいんだろう…
早くしないと手が持たないね

じゃあ次はキャッポでも…


ズガバルルルラァシャァァァァアアアアアアアアアアドドドドド!!!

城能が何かを言いかけた瞬間、天井が崩れさり、部屋中、砂煙で見えなくなった。

「うっ!!一体これは…」
突如起こった出来事に戸惑う城能とあきのり。

「ウウウウウウウウウッバババナナバビロニァッガーーーーーナッ!!!!」


漂う煙の中から姿を表したのは、こんにゃくを持った全裸の女だった。