第十四章 再来する二つの喪失

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「ふぅ…… さすがにあれほど立て続けに訓練を行うのは無理があったな。」 そう、一息つきながら腰をおろす間所。 「にしても、アイツ… どれほどセンスないんだ… 丸一日かけて、まだ『直刺』すら体得できんとわ… ……ヤツに調教術を教えていた頃を思い出すな…フフッ さて、私もアナル開拓のせいで相当な気功を消費してるようだ。 少し休むとするか。」 そういって、間所は眠りについた。 ~~~~~~~~ 真夜中… ドッッゴゴゴゴォォォォオオオオン!!!!!! 監禁部屋の方からとてつもない爆音が鳴り響く。 目の覚めた間所は、急いで監禁部屋へと向かった。 監禁部屋の壁は見事、粉砕され、宙に舞う砂煙が部屋の中からこぼれる光をぼかしていた 。 「何事だ!?…」 手で砂煙をはらいながら、部屋へと足を踏み込む間所。 その先にはなんと、まばゆい金色の光に包まれ、毛髪を逆立て、目を真っ赤に染めたしょ いへいがいた。 「くっ!?… なんとバカでかい気圧なんだ!!!…… しかし、これほどの気功… どうやって!?…… とりあえず、この気功の暴走を止めなくては… 調教の祖である間所家の力をナメるなよっ!!」 目にも止まらぬ速さでしょうへいの背後にまわる間所。 そして、右腕を大きく引き、 「“調教術”… 『三段飛翔-トリプルアクセル』!!!!!」 中指と人差し指をクロスさせ、しょうへいのアナルめがけ、三連続打ち込んだ!!! 「ブルペッチョングララララララァァァア゛アア゛゛゛ッッッッッッッッッッッガァァァ ハァッア!!!! ……くぅぅう~~んっ……」 耳をツン裂く雄叫びとヨダレを撒き散らしながら、しょうへいは大人しくなった。 ~翌朝~ 「ん…ぅんん…」 しょうへいが目を覚ました。 「起きたか…」 ボッゴシッ 起きて早々、しょうへいは間所に殴られた。 「あれほど使うなといっただろ!!!」 「先生、でも、俺早く力をつけな… 「お前はここで死ぬつもりなのか!? 戦いってのは頑張ったどうこうの問題じゃないんだ!!! 自分の行動がどうなるかしっかり考えろ!!」 反省するしょうへい。 そして、部屋の壁が無惨に破壊されているのに気がつく。 「先生… 昨日、俺が気功を無理矢理出そうとしたあと、何があったんですか?…」 「本来ならお前は死んでいた。いや身体全てが気功になり、消滅していただろう。 確かに0になった気功を補おうと、お前の体は変換されようとしていた。 だが、鼻に宿しているイノセンスがお前の身の危険を察し、お前に代わって気功を補って いた。 イノセンスによって産み出された気功は強力で、お前自身の気功は飲まれ、それで気を失 ったわけだ。 強力な気功に満ちた身体が理性を失った。当然、気功の暴走が始まる。 それがこの始末だ。 はぁ… しかし、このイノセンスを利用した調教術は、マスターすればきっと強力な武器になる! そのためには気功のコントロールが必要になる。」 そう言うと、間所は奥から何かを運んでくる。 「ンーンン゛んぅう゛ッ…」 なんと、それは裸で縛り上げられ、口を塞がれたしょうへいの卓球部の友達、 佐藤 タクミ であった。 「イノセンスを発動させながら、また昨日のように中指に気功をためろ。 そして、今度は実際に相手に気功を流し、脳をジャックする感覚をつかんでもらう。」 『さっさっ佐藤…なんでお前がここにいるねん!』 これは翔平お決まりのたまにでる関西弁である。 『佐藤家は間所家代々から友好関係を結んでいるんだ。翔平…佐藤はお前の為にこの役を かってでてくれたんだ!!』 『んんぅんはんん(そういうことだ)』 口を縛られながら喋る佐藤。 『でも、佐藤は友達…俺は友達のアナルをジャックしなきゃいけないのかよぉぉー!! ドンドン、ドンドン!間所さぁ~~~ん!!!!!』 バチーーン!! 翔平の頬をはたく間所。 『お前がここにきたのは、そんな覚悟だったのか?翔平!!! 俺が最初に見たのはすべてを 覚悟した男の顔だ。それが今は、友達は調教できない………甘ったれたこと言ってっと… おまっ…くぅ~~』 感情を抑えこむ間所。 スタスタスタ… 佐藤に近づく翔平 『佐藤、俺やってみるよ。俺がお前を調教しても友達だろっ?』 『はむ(うん)』 『よっしゃぁぁぁーー!うぉぉーー』 決意を固めたところで翔平はイノセンスを発動しようとしていた。 『んーーケナンチョ!』 ツゥッウィーーーーン!!!!! するとまばゆい黄金の光が翔平の鼻をおおい、鼻もムクムクと上へ上へと伸びていった。 『こっこれがお前のイノセンスのケナンチョかぁぁー!』 と、驚きを隠せない間所。だが、教えてる側ということは忘れていない 『翔平!! ケナンチョのパワーを気功に変換させて、それを指にまとうんだ!』 そして、翔平はドラ〇ン〇ールでスーパーサ〇ヤ人になる時のポーズのごとく翔平の髪は 逆立って、体の周りには黄金の光をまとっていた。 だが、指に気功を溜めることができない… 『なんで…ハァ、ハァ、できないん…だよ。なんでだよー!!!!』 すると、翔平は今までに出したことないくらいの光を放ち、気を失った。

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