シャーロット・プランケット

一生の半分……うん、そうよね。

わたし達はまだ、人生の折り返し地点にすら立っていないんだわ。――本当ならば。


名前 シャーロット・プランケット
性別
年齢 15
身長 152cm
《月装》 ≪クロウ・クルワッハ≫
陣営 人間/自警団


【容姿】

身長152cm。背丈のわりには肉感がある体つきで、カップサイズは目測C。
冷たい灰色の瞳と垂れ目がちょっとミスマッチなところがチャームポイント。
長く外ハネしたプラチナブロンドにより、遠目にも目立つ。戦いで忙しく、髪を切るタイミングを掴めないのが小さな悩みらしい。
学校の制服だったシャツとスカートの上に紺色のカーディガンを着ており、更に防寒の必要がある場合は手編みのマフラーを巻く。

【《月装》】

≪クロウ・クルワッハ≫
両刃剣の刃を幾つもの断片に分割して鎖のような形態に姿を変える「蛇腹剣」の《月装》
鎖形態は概念を〝捕える〟特質を備え、《焔装》や魔獣の権能で生み出された事象を、突き刺したり締め付けることで捕縛する。
捕縛した事象は解消する、ないしはそのまま投げ飛ばす形で放棄が可能。
この性質によって根本的に「防御」や「回避」ができない攻撃であっても、無理やりに逃れながら反撃ができる。
更に事象を絡めとった状態で剣形態に戻ると、捕えた対象の「性質」が一時的に刀身に宿り
ある程度制御することが可能になるが、そこは所詮《月装》。出力が大いに劣化してしまう。
しかも「性質」を宿らせた状態では新たに〝捕える〟ことができず、放棄しない限り防御面において大きな隙を晒すことになる。
「クロウ・クルワッハ」の名はケルト神話に現れる貪欲な蛇神に由来し、概念を喰っては吐き出す様から使用者によって名づけられた。

【《暁月》】

≪クラウ・ソラス≫
自らの「背負い込みがち」な短所を認識したシャーロットが「なら速やかに決着をつければよい」と、半ば開き直るような形で発現させた攻撃的な《暁月》能力。
トリガーとなる《聖遺骸》は、黄金の柄頭(ポンメル)として剣の柄に固定されており、時間切れと共に鈍色になる。
発動すると《月装》である蛇腹剣が青白い燐光に包まれ、《夜》に対する殺傷力が飛躍的に上昇する。
これは《聖遺骸》が持つ「あらゆる干渉と概念を無効化する」性質を攻撃に転用したもので、防御は極めて困難である。
また《暁月》の発動中は蛇腹剣の刀身を構成する刃を分離・浮遊させ、無数の礫の如く操ることが可能。
突き刺しと同時に刃を分離して大損害を与えたり、衛星のように刃を浮遊させて身を守るなど、多彩な運用ができ、
鎖形態でも届かないほど遠距離から攻撃してくる魔獣や、空中戦を得意とする魔獣にも有効打を与えられる。
反面、《暁月》の継続中は《月装》が本来持つ「概念を捕縛する」性質は一時的に失われるため、平時とは異なった運用が必要とされる。

≪クラウ・ソラス≫の名は、アイルランドに伝わる民話でしばしば登場する「光の剣」に由来する。
光の剣に宿る性質は物語によって異なるが、まばゆく輝き、いかなる敵にも逃れ難く、致命的な一撃を与えるシャーロットの剣はそれらの集大成だと言えよう。

【詳細】

数年前に《夜》の侵攻で壊滅したアイルランドのダブリンから落ち延び、《都市》へとやってきた少女。
両親は共に月装使いで、全てを失った流れ者の身で幼い彼女を育てるため自警団として戦い、死んでいる。
15歳になったシャーロットにとって《夜》は人類の敵である以上に家族と故郷の仇であり、《月装》に適合性を持つ彼女が戦いに身を投じない理由はなかった。
例えそれが、命を捧げて自分を守り通してくれた父母を裏切る行為であったとしても。

穏やかで意志が強いが、死者の上に立ちながら生きている現状に苦痛を感じており
自分のために誰かが死ぬことを許せないがために無茶をする、本末転倒な行動が時々見られる。
「両親を死なせた自分が、守られる存在であってはいけない」という負い目が、彼女にそうさせるのだ。
その過去について気遣われることさえ厭なので、もはやシャーロットが表立って《月装》使いとなった理由を語ることはない。
それはお喋り好きな彼女が他者との間に引いている、明確で厳然たる線引きと言える。
また彼女は《焔装》使いに力で劣るぶん、できる事を探すのにも積極的。
文明崩壊前の文化を留めた品物を個人的に蒐集・管理したり、《焔装》使いの「強くなろうとするほど壊れていく矛盾」を孕んだ心を支えようと努めるのはその一環である。
そんな彼女の謹厳で背負い込みがちな性格は「辛苦の記憶すらも忘れず糧にする」という長所でもある。
現に得物である≪クロウ・クルワッハ≫は、母と父が使っていた鞭と剣の月装を一つにしたような形態をしている。

両親と故郷を奪われた過去から、かつては強い言葉で自分を鼓舞しながら一切の容赦なく魔獣と戦っていたが、ここ一ヶ月ほどで心情の変化が生じているようだ。
戦闘において手加減をすることは依然として無いが、今の彼女はそれが可能であれば、出来る限り魔獣を《夜》から救済しようと奮励する。
この努力が結局は死という結果をもたらすことにシャーロットは新たな苦悩を覚えているが、それでも立ち止まることはないだろう。

【近況】

ジャンク屋の護衛や自警団主導の偵察任務をこなしながら、オフの時にもしばしば《都市》外縁に分け入り、軽視されがちな文明の遺物を漁る日々。
最近は《月装》使いの可能性を信じる日向未来や、同じく廃墟を渉猟する趣味を持つエイルと意気投合したようだ。
また人間が変じた魔獣であるフェウアゾイルやビーチェが息を引き取る直前に正気に戻ったことから、これまでより根本的に《夜》をこの世界から消し去る方法を探し求めている。
《都市》に隠された何かが存在することがほぼ確定的になった今、彼女にとっての懸案は《月装》の開発者だ。
最大の不確定要素であると同時に《夜》について更なる情報を握っていると思しき彼または彼女を、《夜》よりも早く見つけ出さなければならない。
最終更新:2014年10月26日 02:52